食堂に着くと青葉の件で時間を取られたからか、多くの艦娘達が食事を始めていた。それなりに注目を集めており、勘の良い者は衣笠が青葉と一緒ではないので、青葉の運命を察しているようだ。
「提督、おはようございます。今日はお連れの方がいっぱいですね?」
「途中で会ったのでな。今朝は洋食か。」
「ええ、パンとスープとサラダに卵です。昨日は豪勢な食事でしたので、今朝は少しシンプルな感じです。」
「だがとても良い匂いがする。楽しみだ。」
「はい、ありがとうございます。」
間宮から朝食を受け取って礼を言い、机を確保して白露型姉妹と衣笠を待つ。
「司令官、ちょっとええか?」
「ん?龍驤に翔鶴と瑞鶴かどうした?」
「うちの用事はあれや、昨日鳳翔さんから話聞いたし、鳳翔さんがえらい信頼しとるみたいやったからな。うちも命預けたる。改めてよろしゅうな司令官。」
「ああ、それは助かるな。軽空母は鳳翔一人だけだったからな。今後の活躍に期待している。」
「おう、任しときや!」
ドンと胸を張って宣言する姿は、どや顔する暁の姿と被って見えるが、それでも自信に満ちている雰囲気なのは良い事だ。
「それで翔鶴と瑞鶴はどうしたんだ?」
「そのですね、大淀さんが今日一部の艦娘達だけで演習をすると仰っていたのですが・・・私達も参加する事は可能でしょうか?」
「ほう、可能ではあるが理由は?」
「前回の演習では結果を残せませんでしたので、今回こそはと思いまして。昨日は空母達で集まって少しお話をさせて頂きました。そこで鳳翔さんも一航戦の方々も信頼されているようでしたので、私達も頑張ろうと思いまして。」
「そうね、辛い思いをしていた龍驤が復帰するんですもの。負けてられないわ。それに一航戦の奴らに目にもの見せてやるんだから!!」
「ちょっと瑞鶴?言葉使いには気を付けないとダメよ?」
「だって翔鶴姉!!あの一航戦の青い方『貴方達五航戦が居なくても、私達一航戦が居れば問題ありません。五航戦は鎮守府でゆっくりしてなさい』なんて言うのよ!?あれで引き下がったら五航戦の名が泣くわ!!」
どうやら瑞鶴は加賀に煽られたらしいな。もしかしたら心配していただけかもだが、結果として瑞鶴が奮起したなら良い事だ。
「分かった、二人の演習参加を認めよう。戦線復帰出来る日を待っているぞ。」
「はい、ありがとうございます。」
「ええ、すぐに一航戦なんか追い抜いてやるんだから!!」
話が終わって空母達が去ると、待っていてくれた白露型姉妹と衣笠が席に着いて食事を始める。
「そう言えば白露型姉妹は昨日も頑張ってくれたようだな。天龍が褒めていたぞ。」
「昨日もいっぱい頑張ったっぽい!?提督さん褒めて褒めて!!」
「あ、こら!!いつも言ってるけど、お姉ちゃんがいっちばんでしょ!!」
「う~ん、昨日一番活躍したのは春雨だからね。一番はやっぱり春雨じゃないかな?また撫でて貰ったらどうだい?」
「ひゃう!?し、時雨姉さん!?」
「あ、そうそれよ!それ!!春雨だけ撫でて貰っていっちばん活躍するなんてずるいわ!!」
「夕立も提督に撫でて貰って一番活躍するっぽい!!」
「ん?なんだそれは?」
春雨を撫でた事と春雨が活躍したことに何か関係があるのだろうか?
「夕立が春雨に負けたのはきっとそれが原因っぽい!!だからみんな撫でて貰っていっぱい活躍するっぽい!!」
「いいや、ここは私だけ撫でて貰って、念願のいっちばんをゲットします!!これはお姉ちゃん命令です!!」
「姉さん・・・それは流石にどうかと思うよ?」
「あはは、提督大人気だねぇ。ここは衣笠さんも験担ぎで撫でて貰ったほうが良いかな?」
「ニヤニヤしながら変な事を言うな・・・白露達も喧嘩してないで食事をしろ。今日は朝から哨戒任務に出て貰うつもりだ。その結果次第で今後の方針を決めるのだからしっかりしてくれよ?」
「それならちゃんと撫でてくれるっぽい?」
「はぁ・・・それで納得するなら食後に頭を撫でてやる。ただし効果を期待されても困るぞ?」
「ならいっぱい食べて今日も頑張るっぽい!!」
――――――――――――――――――
食後に白露型姉妹を順番に撫でて送り出し、衣笠に視線を向けると「え?ほんとにするの?困ったなぁ~」とか言いながら頭を差し出して来た。いや、やるべきかやらなくて良いのか分からんからこちらが困るのだが・・・とりあえず軽く撫でたら満足したようなのでよしとしよう。
「いや~、ご主人様マジぱないわぁ~。ぼのたんもこれで落としたんですか?」
「・・・漣と潮に朧か。何のようだ。」
「いや、ぼのたんも立ち直ったし私達も一緒に頑張ろうって話になりまして。その事をご主人様に言おうとしたらイチャラブしてるもんでどうしようかと?」
「イチャラブと言われてもなぁ・・・ただじゃれ付いて遊んでるだけだろ。」
「うわぁ・・・キタコレ・・・とにかく私達も正式に艦隊に加わりますので、これから宜しくお願いします。」
「ああ、宜しく頼む。」
「あ、駆逐艦ハーレムへの参加は要相談ですので、まずはぼのたんから口説いて下さいね♪」
完全にからかってきているな・・・昨日の今日でグイグイ来る奴だな・・・後ろで警戒している朧と潮の反応が普通だと思うのだが・・・漣自身も多少緊張しているように見えるのが不思議だ。警戒しているのならば、ここまでグイグイ来る必要も無いと思うのだが、よく分からん奴だ。
「とりあえず艦隊への参加は了承した。今日の演習も頑張ってくれ。」
「ほいさっさ!漣にお任せあれ!」
おどけて見せる漣と後ろでペコリとお辞儀をする朧と潮が対照的だったな。
「あー、ちょっと良いか?」
声をかけられた方を向くと、ちょっと不貞腐れた感じの摩耶と苦笑いしている高雄が居た。
「今度は摩耶に高雄か。お前達も参加してくれるのか?」
「まあな。やっぱり安全な場所でのんびりするなんて性に合わないからな。けど条件があるぜ。」
「なんだ?」
「まずは前のクソ野郎の時みたいに、あたし達に娼婦の真似事をさせない事!!」
「ああ、それは問題無い。」
「それと聞いた話だと今日市長候補が来るらしいな?なら副市長の源って野郎が来るんじゃねぇのか?」
「・・・知り合いか?」
「あたしを買ってたクソ野郎だよ!!だからあいつを市長にするのはやめろ。」
なるほど、それは恨んでも仕方がないか。どうせクソみたいな奴が三人来るのだろうから、クソ確定な奴が一人くらい候補から減っても構わないか。
「一応言っておくが私に市長を決める権限は無い。市民が選挙で選ぶからだ。しかし鎮守府の影響力が大きいのも事実だ。だから私が約束出来るのはその源って奴を支持しない事だけだ。それでも構わないなら約束しよう。」
「それで構わねぇ。ならこれから宜しくな。」
「ああ、摩耶は対空能力が高いと聞いている。今後の活躍に期待しているぞ。」
「へっ!分かってるじゃねぇか!任せときな!」
「では話もまとまったようですので、私も摩耶と一緒に宜しくお願いしますね。」
「ああ、高雄も期待している。宜しく頼む。」
これで帰還組は全員艦隊に加わってくれたか。想定より早く参加してくれたのは助かるな。これで安心してクソ野郎との対話が出来るな。対話で粗探しをして批判する内容を考えなくてはいけないが、そんなに難しい話では無いだろう。
ほのぼの成分チャージ完了!!ドロドロ回へと突入します!!
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
-
主人公葛原提督率いる問題児四天王
-
大淀
-
長門・陸奥
-
第七駆逐隊
-
川内・神通
-
明石・夕張・間宮・鳳翔
-
第六駆逐隊
-
北上&大井
-
青葉&衣笠
-
金剛姉妹
-
伊19・伊168
-
赤城&加賀
-
翔鶴&瑞鶴
-
白露型姉妹
-
島風&雪風
-
天龍&龍田
-
龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
-
朝潮・木曾・陽炎・不知火
-
叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
-
俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!