帰りの船も曙が何も言わずに運転してくれていたので、少し休憩が出来た。フラフラと帰って行く源さんを迎えに来た大淀に任せ、護衛を務めてくれた天龍達に声をかけに行く。
「護衛任務お疲れ様。しっかりと守ってくれて助かった。」
「お疲れ様じゃねぇよ!!俺達がどんだけ心配だったのか分かってんのか!?提督が船で深海棲艦を見に行くとか馬鹿じゃねぇのか!?」
流石にイライラしていたようで、天龍が突っかかって来る。まあ、多少無茶をさせた自覚はあるので、これくらいは仕方ないか。
「まあ、そう言うな。あれも必要な事だと判断して、安全も考慮した上でやった事だ。実際に深海棲艦の射程には入ってないだろ?」
「それはそうだけどよ!!深海棲艦の奴ら俺達を強引に突破して、なんとか提督を攻撃しようとしてたんだぞ!?本当に肝が冷える戦いだったんだからな!?」
「それにあたしの方も忘れんなよ!?何が戦いが終わったら合図として砲撃を輸送船の近くに撃ち込めだよ!!もし当たってしまったらと思って気が気じゃなかったんだからな!!」
摩耶は源さんを驚かせる為の砲撃を頼んだ事を怒っているようだ。
「源さんを驚かせる為には必要な事だったんだ。流石に深海棲艦に砲撃をさせる訳にはいかないからな。」
「「当たり前だ!!」」
姉妹艦でも無いのに息ぴったりじゃないか。
「いい加減になんでこんな事したのか教えてよ。私だって提督を危険な場所まで運ぶのは怖かったのよ!?何が『源さんに深海棲艦を見せに行く』よ!!」
輸送船から降りて来た曙もかなりご機嫌ななめのようだな。まだ会って数日なのに、そこまで心配していたのだろうか?
「分かった、分かった。きちんと話すから。その前に吹雪・睦月・如月、この話はお前達も聞くか?興味が無いならもう休んで構わないが?」
そう尋ねると三人は顔を見合わせて、少し考えた後吹雪が一歩前に出て来た。
「え、えっと・・・流石に私達も気になるので一緒に聞いても良いですか?」
「ああ、構わない。今回の目的は源さんに選挙を諦めて貰う為にやった事だ。私が支持しなければ当選する事は無いだろうが、万が一の可能性も潰そうと思った。」
「あのさぁ、提督はあたしに言ったよな?提督に市長を決める権限が無いから、支持しない事だけは約束するってよ。なのになんでここまでしたんだよ?」
摩耶も少し落ち着いてきたようだが、やはり気になる話のようだな。まあ、隠すほどの話では無い。
「簡単な話だ。想定以上にクソ野郎だったから、確実に排除したくなっただけだ。」
「お、おう。確かにクソ野郎だったけど、あんなに危険を犯してまで排除したかったのか?」
「そうだな。要は艦娘の体を使って稼がせろ、お前以上に上手く艦娘を運用してやると言われたのでな。それで艦娘がどういう存在なのかを、きちんと教えてやろうと思ってな?」
「あー、それはキレても仕方ねぇか・・・あたし達の為に怒ってくれたのか?」
「いや、あくまでも源さんを市長にするデメリットが大きいと感じたからだ。あんなのが市長になったら、お前達を戦いに集中させられない。そういう要因はさっさと排除するべきだ。」
「・・・そうかよ。じゃあそういう事にしておくよ。」
摩耶は一人納得したような雰囲気だが、そういう事もなにも事実なのだが・・・わざわざ理解をさせる必要も無いか。
「理由は分かったけどよ、今後は提督が前線に出てくるのはやめてくれよ?俺達は本当に心配だったんだからな?」
天龍が繰り返し釘を刺してくるあたり、かなり不安にさせてしまったようだな。確かに指揮官自らが前線に出るなど、愚かな行為ではあったか。
「ああ、悪かったな。」
「分かりゃ良いんだよ、分かりゃな。んじゃ話は終わりだ。もうすぐ飯の時間だろ?軽く入渠してくるから先行ってろ。」
天龍達が艤装を外しに行ってしまうと、ちょうど大淀が戻って来た。あー、これはかなりご機嫌ななめのようだな・・・
「提督、少しお話宜しいでしょうか?」
「心配かけた件なら悪かった。さっき天龍達から散々言われたよ。」
「・・・そうですか。では今後どう対応するおつもりですか?」
「どうとは?」
「帰り際に源さんがまだ喚いてましたよ?大本営に報告してクビにしてやるとか。今回の件ですがかなりの問題になるのではないのですか?」
ほほう、まだそんな事を言う気力が残っていたか、少し手加減し過ぎたのだろうか?源さんの権力欲を甘く見積り過ぎたかな?
「まあ、多少問題になるのは覚悟している。だが叱責と精々罰金程度の罰になるだろう。その程度で源さんを市長の座から遠ざけられるなら十分な成果だ。」
「・・・あの人市長の座を諦めますかね?」
「少なくとも私が提督をする以上はやらないと思うぞ?その為に私をクビにしてやると息巻いているのだと思う。」
「・・・そうですか。私では判断出来ませんので、提督の指示に従います。」
「ああ、今後も頼むぞ。」
「んん!では別件の報告ですが、鳳翔さんから連絡があり、長門鎮守府の艦隊と思われる艦隊が資材溜まりの方向へ向かっていたとの事です。構成は3艦隊で戦艦主力の打撃部隊、空母主力の機動部隊、護衛の水雷戦隊と決戦仕様の艦隊との事です。」
ほほう、長門鎮守府が動いたか。おそらく資材溜まりの奥にいるはずの強敵を討伐するための部隊だろう。もう偵察を済ませて艦隊を送り込むとは、思っていたほど無能では無いのかも知れないな。
「分かった。長門鎮守府の方で片付けてくれるならそれで構わないだろう。こちらはまだ練度が不足しているからな。そう言えば演習の方はどうなっている?」
「そちらは天龍さんと摩耶さんが抜けた事以外は滞りなく進んでいます。五航戦の二人も先日よりも良い成績でしたので、実戦への参加も遠くは無いでしょう。あと神通さんもかなり集中して取り組んでいるので、かなり良い仕上がりになるかと思います。逆に羽黒さんは集中しきれないところがありますし、第七駆逐隊の娘達も苦戦していますね。」
隣で話を聞いていた曙が悔しそうに俯いている。あれだけ酷い怪我をしていたのだから、すぐに復帰は難しいとは思っていたので、驚くような話では無いと思うのだが?
「分かった。長門にそろそろ切り上げて一旦休憩にさせろ。あと午後からも演習を継続するが、長門鎮守府が動いたし、資材溜まりには敵艦隊が居なかったので今日はもう戦闘は無いだろう。だから他の艦娘達も演習に参加させて欲しい。」
「分かりました。長門さんと打ち合わせをして午後からの予定を組み立てます。」
「ああ、そうだ。午後からは曙も演習に参加させたい。別の者に市長候補との会話を録音させたいのだが?」
「そうですね・・・明石さんは演習で使う備品の用意や、帰投した艦隊の艤装の整備で忙しいですし・・・夕張さんもその補佐でしょうね・・・他にそういう機械に詳しい人も一応いるのですが・・・」
「誰だ?」
「青葉さんです・・・」
「青葉か・・・」
流石に青葉を出すにはまだ早いと思うから、出来れば別の人に頼みたいな・・・
「あの、提督?私の演習は明日以降にして、私が録音するのが一番だと思うけど?」
「はぁ、仕方ない。そうしよう。」
珍しく提督が艦娘からお説教される回でした。今回は流石に無茶をしましたから仕方ない。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!