疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 のんびり更新中。なかなか話の構成がまとまりませぬ・・・


86話(安藤さん対話)

 仙崎さんを見送って曙と執務室に戻ると、資材溜まりへと向かわせた赤城から連絡があった。

 

「報告します。現在資材溜まりへと到着して、付近に敵艦は見当たりません。」

 

「分かった。では偵察機を姫級が発見されたポイントの方向へ飛ばして、敵艦が近づいていないか確認してくれ。それと出来るだけ資材溜まりの島に隠れるようにして、敵にこちらの数が分からないように気をつけて欲しい。」

 

「了解しました。」

 

 ふむ、とりあえずまだ資材溜まりに敵艦隊は来ていないようだな。あまり余計な交戦は避けたいところだが、今一番警戒するべきなのは横須賀の艦隊が援軍に来る前に、大規模な攻勢をかけられる事だろう。今までの敵の戦い方を考えれば、まずは資材溜まりを押さえに来ると思われる。ならばそこを妨害すれば多少の時間が稼げるはずだろう。ここで無理をする必要は無いので、勝てない相手だと分かればすぐに退却させるしかないのだが、せめて情報くらいは欲しいところだ。

 

「提督、大淀さんから通信よ。仙崎さんを正門まで送ったら、正門で別の新聞記者が待ってたそうよ。どうするの?」

 

「来客の予定はもうないのだが・・・それにこれ以上は余裕が無いな。大淀に来ている記者と通信を繋げるように伝えてくれ。」

 

「分かったわ・・・はい、どうぞ。」

 

 ため息を吐きながら、曙から通信機を受け取り通信を始める。

 

「お電話代わりました、北九州鎮守府の葛原です。」

 

「これはこれは、突然の訪問で申し訳ない。毎朝新聞の記者をしております、安藤と申します。新しく着任されたというのにご挨拶が遅れて申し訳ありません。私どもは前任者の大森提督にも大変お世話になったのですが、新任の葛原提督とも良い関係を築いていきたいと思いますので、本日はご挨拶と少々取材をさせて頂きたくお伺いさせて頂きました。お忙しい中恐縮ですが少々お時間を頂けますかな?」

 

 良い関係を築くつもりがあるなら、事前に連絡をするのが礼儀だと思うのだが・・・

 

「申し訳ございませんが、これより我が鎮守府は厳戒体制で深海棲艦への対応に当たります。ですので取材は落ち着いたらまたご連絡致しますので、今日のところはお引き取り下さい。」

 

「なんとなんと!?これはどうしたものか?たいした力も持たない新聞社の取材は受けたと言うのに、我々の取材は断ると言うのですか?いやはやご冗談が過ぎますなぁ。私どもは民衆の代表者として、新たに着任された提督を知る権利があるのです。それを断るなどもはや民衆への裏切り行為とも言えますなぁ?」

 

 ずいぶんと話を大きくしてきたものだな。民衆の代表者としての知る権利だと?笑わせる。

 

「お言葉ですが私は提督として民衆を守る義務があります。深海棲艦の脅威が迫っている時に、その対応に集中しない事こそが民衆への裏切り行為だと私は考えます。先程の仙崎さんとは事前に約束をしておりましたので、必要な事だけお伝えする形でお引き取り願いました。ですのでこれ以上は時間を割けませんので、本日はお引き取り下さい。」

 

「ふーむ、どうやら本当に忙しそうですねぇ。ですが我々も新しい提督がどのような人物か気になりますし、緊急の市長選挙の事などもお聞きしたいところだったのですが?これを民衆へと伝えなければ、誰を選ぶべきか迷ってしまいます。」

 

「とりあえず市長選挙では、私は綾瀬さんを支持致します。では申し訳ありませんが今日はお引き取り下さい。名刺をお持ちであれば、大淀に渡して貰えれば後日改めてご連絡致します。」

 

「・・・分かりました。我々を守るためだと仰るのであれば、今日はお暇致しましょう。ですが今後は我々毎朝新聞こそを頼って頂きたい。地方でしか活動していないような知名度と信用の低い会社ではなくて、我々のような実績と信頼のある大きな会社こそ、民衆は安心して情報を知ることが出来るということを忘れないで頂きたい。それでは名刺を大淀さんにお渡し致しますので、ご連絡をお願いしますね。」

 

 やけに仙崎さんの会社を敵視しているみたいだな?大企業としてのプライドだろうか?今回の件に関しては毎朝新聞のような大きな会社が、癒着をしていた大森提督や平川市長の汚職が発覚してしまった件でもたついたのが原因だろう・・・それが信頼を語るのもおかしな話だな。

 

「分かりました。では失礼致します。」

 

 通信を切って一息つくと曙が少し意外そうな顔をしている。

 

「どうした?何か気になる事でもあるのか?」

 

「その・・・仙崎さんの時とはずいぶんと対応が違うのね。」

 

「私も暇であれば面倒だが取材くらいは受けただろうが、今はそんな余裕はない。それだけだ。」

 

「それもそうね。・・・っ!!提督、赤城さんから連絡よ!!敵艦隊を発見したわ!!」

 

 先程艦載機による偵察をさせたばかりだ。かなり近い距離にいたのだろう。

 

「通信を繋げ。」

 

「分かったわ!!」

 

 曙から通信機を受け取り、一呼吸おいて気を落ち着ける。

 

「赤城、状況は?」

 

「敵の輸送部隊とその護衛と思われる部隊を発見しました。構成は重巡リ級elite2・重巡リ級2・軽巡ヘ級elite1・軽巡ホ級2・駆逐イ級3・駆逐イ級後期型2・輸送ワ級6です。もうすぐ交戦距離に入ります。敵艦隊はまだこちらに気が付いていないようですが、どうされますか?」

 

 ふむ、空母も戦艦もいないか・・・もうすぐ日が暮れるから、敵は夜戦のつもりで護衛艦隊を編成していると考えるべきか。しかしこの戦力差ではまともにやっても勝てないな・・・幸い輸送ワ級に戦闘能力は無いが、それでも2艦隊を相手にしたくはないが・・・

 

「赤城、加賀、艦載機を全機発艦させて攻撃を仕掛けろ。だが目的はあくまでも威嚇だ、無理に敵艦隊に打撃を与える必要は無い。資材溜まりの影に隠れて、相手にこちらの戦力を悟られないようにすれば、輸送ワ級を守るために一度下がるかもしれない。もし相手が撤退するならば少し様子を見てから撤退しろ。もし相手が引かないようであれば、即座に撤退だ。」

 

「了解しました!!」

 

 敵に空母がいない状況だからこそ出来る作戦だが、こちらの戦力がバレてしまえば通用しないのが辛い。普通の深海棲艦ならば何も考えずに突っ込んで来るだろうが、姫級の支配下の個体ならば知性のある動きも期待出来るだろう。

 

「曙、川内を呼んでくれ。」

 

「分かったわ!!」

 

 とりあえず敵の戦力は判明したのだ。夜戦を仕掛ける準備をしなくてはな。




 祝!!ぼのたん改二!!胸は大きくならなかったけど、良い太ももですなぁ!!そしてかなりデレてるようで・・・妄想が捗りますなぁ!!

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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