食事を済ませてから執務室に戻り、川内達からの報告を待つ。その間にも先程参加を表明した艦娘達をどうやって使うかの考察を進めておく。最終的には敵の動きに合わせて対応するのだが、一から対応を準備するよりは素早く対応が出来るから疎かには出来ない。
「提督、川内さんからもうすぐ接敵するとの連絡がありました。」
「分かった、代わってくれ。」
大淀から通信機を受け取るが、大淀も心なしか緊張しているようだ。
「川内、状況は?」
「えっと、資材溜まりの付近に来たけど、敵艦隊は資材溜まりに留まって防衛してる感じかな?雰囲気的に2艦隊だから、輸送艦隊はもう帰った後みたいだね。」
まあ、輸送を終えた輸送艦隊が留まる理由は無いよな。護衛をしていた艦隊はそのまま資材溜まりの確保をしているのも予想通りだな。とりあえずは増援が来る前に間に合ったと考えて良いだろう。
「分かった。では増援が来る前に始末してしまおう。敵が資材溜まりの防衛に専念しているのならば、こちらは川内と天龍の艦隊で分かれて、南西と南東の二方向から仕掛けるとしよう。」
「良いじゃん!良いじゃん!十字砲火ってやつだね。」
「ああ、単純な手だが効果的だからな。攻撃のタイミングは川内と天龍の二人に任せる。相手は重巡リ級eliteがいるはずだから油断するなよ?」
「了解!任せてよ!!」
とりあえず自分が出来ることはここまでだ。後は現場の艦娘達を頼るしか無い。
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天龍と軽く打ち合わせをして私達が担当する南西方向へと舵を切る。敵艦隊は警戒している雰囲気だが、幸いまだこちらには気が付いていないようだ。いつも通りに探照灯を使って敵艦隊に集中攻撃を仕掛けて、敵艦隊の数を減らす作戦だ。こちらに応戦しようとする敵艦隊に天龍達の部隊が横槍を入れるおまけ付きだ。今夜も最高の夜戦が出来そうだね!!
「姉さん・・・本当に旗艦が探照灯を使うの?集中攻撃を受けて危険だと思うのだけど・・・」
「もちろん!夜戦なら誰にも負けないから大丈夫だって!!今までもこのやり方で戦ってたからそんなに心配する必要無いって!!」
「・・・分かったわ。旗艦の姉さんがそう言うなら従うわ。」
「ほら、せっかくの夜戦なんだからもっと楽しまないと!!それに提督も期待してくれてるんだから、その期待にはしっかり応えないとね!!」
「・・・ええ・・・分かったわ。」
「じゃあそろそろ仕掛けるよ!!皆、いつでも行ける!?」
皆を見渡すと気合いの入った眼差しを返してくれる。神通も少し暗い顔をしていたけど、少し待ってあげれば気持ちを切り換えて、真剣な表情へと変わる。
「よーい・・・」
探照灯を敵艦隊に向けて投射する。さぁ、夜戦の始まりだよ!!
「撃てぇ!!」
こちらの一斉射撃が敵艦隊へと襲いかかる。敵も奇襲に驚いているみたいだけど、すぐに対応してこちらに応戦しようとしたが、横から天龍達の艦隊の砲撃が入る。今の攻撃で少しは沈めることが出来たはずだ。しかし敵は天龍達の方を後回しにして探照灯を持つ私を沈める気のようで、さっきから敵意をビンビン感じる。一応何隻かは天龍達の方に対応するみたいだけど。
「砲撃来るよ!!各員散開!!」
随伴艦の皆と距離を取りながら敵艦隊へと接近していく。こうやって囮を務める事で他の皆は攻撃をする余裕が生まれ、被害もかなり押さえられるのでいつも夜戦で使っている戦法だ。今日は敵の弾幕が激しいから私は撃ち返す余裕が無いけれど、こちらの部隊も天龍達の部隊も激しい砲撃を加えている。
「そろそろ私達の距離だね!!大井っち、一緒にいくよ!!」
「はい!!北上さんに合わせます!!」
重雷装巡洋艦の二人が魚雷を時間差で撃ち込んでいく。20本の魚雷の群れが2回×2人分放たれるので、この暗闇で避けきるのは至難の技だ。
「島風さん!雪風さん!私達も行きますよ!!」
「神通!?まだ前に出るのは早いって!!」
ヤバい!!神通が駆逐艦を連れて追撃の為に前に出てしまった!!まだこっちの魚雷が届いて無いから、いま前に出ると砲撃を受けちゃう!!私の制止を振り切って神通達が前へと出て敵へと砲撃を継続する。流石にこの距離なら敵も神通達の動きを把握してしまったので、砲口が神通達へと向かう!!
「あぁっ!!」
「ひゃっ!?」
「神通!?島風!?」
神通と島風が被弾してしまった!?島風の方は小破で済んだけど、神通は中破してしまった!?幸いにも神通達への追い討ちがかかる前に、敵艦隊へと魚雷が到達したようだが、神通達へと敵の魚雷も接近している!!島風と雪風はすぐに反応して回避行動を取ったが、神通が少し遅れてしまう!!
「神通!!」
探照灯を捨てて神通を庇う為に全速力で航行する!!間に合えぇぇぇ!!!
――――――――――――――――――
川内が探照灯を担当してくれているので、俺達は一方的に砲撃を加えている。散発的な反撃はあるものの、砲撃の精度が段違いだぜ!!
「おっしゃあ!!このままガンガン撃ち込んでやるぜ!!」
「うふふ♪アハハ♪また一隻沈めたわね♪次の死にたい船はどこかなぁ?」
「うぅー。夕立も負けないっぽい!!」
「お姉ちゃんも負けないんだから!!」
龍田や駆逐艦達と調子良く撃っていたら、敵艦隊で魚雷の激しい音が炸裂して、すぐに川内の探照灯が消えたようだ。
「魚雷を撃ち込んだから一旦距離を取るつもりみたいだな?俺達も少し距離を取って、川内達の次の攻撃に合わせるか。」
「あらあら~仕方ないわねぇ。もうちょっと撃ちたかったけど、川内さんが引くなら合わせないとねぇ。」
打ち合わせの時に一旦距離を取る時は探照灯を消すから、その時は無理に攻めないようにって決めてたから仕方ないな。
「て、天龍さん!!」
「ん?春雨、どうした?」
「え、えっと、その・・・敵艦隊が川内さん達を追撃してるみたいです!!助けに行くべきだと思います!!・・・はい。」
探照灯が消えちまったからあまり見えないんだが・・・確かに向こうは撃ち合ってるけど、こっちには砲撃が飛んで来てねぇが・・・
「春雨、良く見えるな?」
「あ、いえ・・・その・・・すみません。」
「いや、責めてる訳じゃねぇから謝んなって。だがどうすっかな?川内なら追撃くらい振り切っちまうと思うが・・・」
「天龍さん!僕からもお願いするよ!春雨もこう言ってるし、僕も嫌な予感がするんだ。」
「私も春雨を信じてあげたいから!!天龍さん、お願いします!!」
「よくわからないけど夕立も突撃したほうが良いと思うっぽい!!」
白露型姉妹全員が春雨に賛成か。龍田を見ればニッコリ笑って頷いてくる。ならもう迷う必要はねぇな!!戦友がここまで言うなら信じてやるのが俺の流儀だぜ!!
「よっしゃあ!!なら今から突撃すっぞ!!気合い入れてついて来いよ!!」
思ってたより長くなってしまったので、前後半に分けます。荒れる展開!!ちらちらと見えてくる伏線!!進まない執筆!!なかなか難しい展開となってきましたなぁ。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!