深淵へと交わるオカリナの旋律   作:龍羽

1 / 7

とっても昔に書いたクロスオーバー小説。

サイトに上げる前にサイトを事実上放棄してしまったため、こちらにやってきました。


あきるまで、つづきます。





0, 干渉  < プロローグ >

   

 

 

 

「   が平和を取り戻す時・・・  それが、私たちの別れの時、なのですね・・・」

 

 光に満ちた空間で、金色の長い髪の女性は言った。

その手に触れるのは、王家の証である、空を思わせるような不思議な色のオカリナ。

7年の月日、『彼』に託してきたもの。戸惑いがちに差し出した彼の手を、彼女はオカリナごとそっと包み込んでいた。

グローブ越しに伝わる、彼の手のぬくもり。

「   ・・・」

 彼女のその名残惜しむ様子に、『彼』はそっと目を伏せた。

 永遠の別れではない。いつかまた、確かに会えるはずだ。

   だが、その時はきっと、今この時のように話すことも、触れることも叶わないのだろう。2人の住む世界は、あまりにも違いすぎた。

 やがて、彼女の手は彼を離れ、オカリナをその胸に引き寄せて、慈しむようにそれを抱きしめる。

 その頬には、一筋の涙。

「   さぁ、帰りなさい。貴方の在るべき場所へ   貴方の、在るべき姿で   」

 彼女の声は幽かに震え、それでも静かにそう言葉を紡ぐ。

オカリナをその柔らかな唇に当て、そして王家の証のその音色は、光の空間に高らかに響き渡った。

 

『彼』の姿はやがて遠くなり   

 

 

そして・・・

 

 

 

 

 

“誰か、私の   ちを・・・ 救って  ・・・れ”

 

 

 

意識が光に染まる一瞬、どこからともなく響いてくる誰かの声を、彼は聞いた気がした。

 

 

 

 

 

   * * *

 

 

 

 

   ファブレ公爵邸

  バチカル、 キムラスカ・ランバルディア王国、

  オールドラント

 

 

 

建物に囲まれた広い中庭の中央で、剣と杖を交えるふたりの人物がいる。

 

ひとりは長剣を振るう銀髪の法衣の男。

もうひとりは亜麻色の長い髪をなびかせ、杖を振り、時にナイフを投げる少女。

 

その周囲には、膝をつく者が幾人か。

建物の入り口には、倒れ伏した鎧の騎士たち。

 

 

「なんなんだよ おまえはぁっ!」

 その中のひとり。唯一木刀を片手に駆け寄る朱色   

 

「いかん   やめろ!」

 法衣の男の、あせる静止の声。

 

ガッ!!

 

 受け止めるは、亜麻色   

 

 耳に障る甲高い音が、光とともに響きだす。

 

「これは、   第七音素(セブンスフォニム)!?」

 

 少女の悲鳴のような声を上げる。

 しかし光も音も、もはや止まることなくむしろより強く、より大きくふたりを飲み込み響きわたる   !

 

 

「きゃあ!!」

「わあああ!!」

 

 

 轟く轟音。

 

 

 天空へと吸い込まれるように伸びる光の柱。

 がく、と膝をつき拳を地面に打ちつける法衣の男。

 

 

 やがて光と音が消えた屋敷の庭に、何事もなかったかのように静寂が訪れた。

 

 

 

 姿を消した少年と少女   ふたりの悲鳴の余韻を残して。

 

 

 

 

 

N.D. 2018、  レムデーカン・レム  23日     

 

 

 

 

 

 

 

 




プロローグ部分だけ投稿しようとして、何にも気にしないで書いたら足りないってはねられた…!



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。