とっても昔に書いたクロスオーバー小説。
サイトに上げる前にサイトを事実上放棄してしまったため、こちらにやってきました。
あきるまで、つづきます。
「 が平和を取り戻す時・・・ それが、私たちの別れの時、なのですね・・・」
光に満ちた空間で、金色の長い髪の女性は言った。
その手に触れるのは、王家の証である、空を思わせるような不思議な色のオカリナ。
7年の月日、『彼』に託してきたもの。戸惑いがちに差し出した彼の手を、彼女はオカリナごとそっと包み込んでいた。
グローブ越しに伝わる、彼の手のぬくもり。
「 ・・・」
彼女のその名残惜しむ様子に、『彼』はそっと目を伏せた。
永遠の別れではない。いつかまた、確かに会えるはずだ。
だが、その時はきっと、今この時のように話すことも、触れることも叶わないのだろう。2人の住む世界は、あまりにも違いすぎた。
やがて、彼女の手は彼を離れ、オカリナをその胸に引き寄せて、慈しむようにそれを抱きしめる。
その頬には、一筋の涙。
「 さぁ、帰りなさい。貴方の在るべき場所へ 貴方の、在るべき姿で 」
彼女の声は幽かに震え、それでも静かにそう言葉を紡ぐ。
オカリナをその柔らかな唇に当て、そして王家の証のその音色は、光の空間に高らかに響き渡った。
『彼』の姿はやがて遠くなり
そして・・・
“誰か、私の ちを・・・ 救って ・・・れ”
意識が光に染まる一瞬、どこからともなく響いてくる誰かの声を、彼は聞いた気がした。
* * *
ファブレ公爵邸
バチカル、 キムラスカ・ランバルディア王国、
オールドラント
建物に囲まれた広い中庭の中央で、剣と杖を交えるふたりの人物がいる。
ひとりは長剣を振るう銀髪の法衣の男。
もうひとりは亜麻色の長い髪をなびかせ、杖を振り、時にナイフを投げる少女。
その周囲には、膝をつく者が幾人か。
建物の入り口には、倒れ伏した鎧の騎士たち。
「なんなんだよ おまえはぁっ!」
その中のひとり。唯一木刀を片手に駆け寄る朱色
「いかん やめろ!」
法衣の男の、あせる静止の声。
ガッ!!
受け止めるは、亜麻色
耳に障る甲高い音が、光とともに響きだす。
「これは、
少女の悲鳴のような声を上げる。
しかし光も音も、もはや止まることなくむしろより強く、より大きくふたりを飲み込み響きわたる !
「きゃあ!!」
「わあああ!!」
轟く轟音。
天空へと吸い込まれるように伸びる光の柱。
がく、と膝をつき拳を地面に打ちつける法衣の男。
やがて光と音が消えた屋敷の庭に、何事もなかったかのように静寂が訪れた。
姿を消した少年と少女 ふたりの悲鳴の余韻を残して。
N.D. 2018、 レムデーカン・レム 23日
プロローグ部分だけ投稿しようとして、何にも気にしないで書いたら足りないってはねられた…!