種火に味付けとか正気じゃねぇな!?   作:マスターBT

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やぁ、待った?
頭空っぽにして読むまさかの第二弾だよ!要望を貰った料理を使ってみました!麻婆豆腐は出せなかったけど……

じゃあ、脳みそを置き去りにして楽しんでね。


ククルカンのボイス、良いぞ。皆んな聞くんだ

 エミヤさんに作って貰った包丁は、投影魔術だと云うのにいつまでも消えず、致命的な破損か込められた神秘が薄れない限り存在し続けるのがとても有難いね。

 俺の魔術を使えば多少の神秘の補充なら出来るし、部位によってはそれなりに硬い部分も容易く切断して神秘も損なう事が無いとか本当に便利すぎない?一家に一人エミヤさんが欲しくなる。

 

「っと、これで繊維質な部分は全部切れたから次に世界樹の種をすり潰して、取り出した汁から作った砂糖を練り込んで甘味を加えて……よし、十分に馴染んだら次は、ブーディカさんに作って貰ったアイスを乗せていって……」

 

 それにしても玉藻キャットさんの提案には腰を抜かしたな……『魔術で味付け?ノンノン!材料を選べば調味料はご覧の通り!』とか言って、保管庫から素材を持ってきたと思ったら、使えそうなものを神秘そのままに調味料にしちゃうんだから。

 しかも、本人は勘でやったのだ!とか言ってたし……っとよしよし、そしたら最後にちょっとだけ奇奇神酒をかけて、初歩的な魔術で火をつけてアルコールを飛ばしたら種火の天辺にあるこの星を飾り付けとしてアイスに刺して……よし、完成!

 

「キャストリアさん、デザートが完成しましたよ。今はまだ火が着いてますが、これが消えたら食べてください」

 

「わぁ……綺麗な火がなんだか神秘的ですね!これは食べるのが楽しみです!」

 

 ニコニコと少女らしい笑顔を浮かべている彼女を見て、微笑ましくなる。

 ……まさか、種火に味付けが出来ませんか?なんて素っ頓狂なことを言い出したこの子が、とんでもないほど重たい運命を背負ってるとは初めて種火料理を振る舞った時は思いもしなかったよ……うん、明らかに変な単語が混ざっている筈なのに、自分でも何一つ違和感を感じなくなってるのが恐ろしいと思うカルデアの一般スタッフです。

 

 種火に味付け出来ませんか?という提案から始まって、あれよあれよという間に出来てしまった俺は今もこうして、定期的に種火料理を振る舞うという謎のポジションになっている。

 カルデアキッチン組にもう慣れた顔で、対応されるのを喜ぶべきか悲しむべきか……まぁ、なんだかんだと楽しんでいるのから良いんだけど。

 

「あむっ……んー、美味しいです!」

 

「それは良かったです。じゃあ、俺は片付けをしてくるんでゆっくり味わっててくださいね」

 

「はい、いつもありがとうございます!」

 

 ぺこりと頭を下げてキャストリアさんの前から下がり、キッチンへと片付けに向かう。

 ちゃんと片付けをしないと、種火の破片だと気付かずに食べてしまう人が居るかもしれないし、破片と言えどサーヴァントの霊基を補強出来るほどの神秘が宿った物から剥がれ落ちた物、万が一でも口に入れば即死するほどの劇物になりかねない。

 珍妙な料理の不始末で、カルデア解雇とかあまりにも間抜けすぎるから気をつけないとな……ってあの特徴的な非生物感溢れる緑の髪色の方は──

 

「──どうかしました?ククルカンさん」

 

「ひょわ!?えっと、その、なんと言いますかとても良い匂いがしましたので!」

 

 そう言って端材として残っていた種火のカケラと僅かなアイスを飲み込むククルカンさん……ものの見事に口にアイスが付いてるんで、隠せてないというかそもそもセリフ的にバレバレですよ?

 

「……何か食べます?」

 

「良いんですか!?それじゃあ、マスターの故郷のお菓子を所望しマース!!」

 

「分かりました。じゃあ、座って待っててくださいね」

 

 念のため、用意しておいたもう一個の種火を取り出して、まな板の上に乗せる。

 うん、相変わらず凄くシュールな絵面だ……とりあえず、とりあえず星と本体を切り離して……さっき使った砂糖がまだ余ってるし、普通の小麦粉に混ぜながら生地を作って……ん?

 

「これは確か、ミクトランで採れた太陽皮だっけ?」

 

 持ってきた記憶は無かったんだけど、ククルカンさんが持ってきていたのだろうか?

 

「それならそれで使わせて貰おう」

 

 とは言え、これ軽く包丁を当てた感じ、流石のエミヤさん製でもそう簡単に切れなさそうだなぁ……俺にもう少し力があればいけるかもしれないけど、うーん……あっ、そうだ。

 キッチンの横に置かれている黒塗りの俺の腰ぐらいある大きなフードプロセッサーに太陽皮を放り込み、スイッチを入れると期待通り凄まじい破砕音が聞こえ始める。

 

「流石、ダヴィンチ女史発明のなんでも砕く君だ。これで太陽皮を使えるぞ」

 

 暫く、放置している間に他の準備を進めるべく、冷蔵庫に入れて冷やしておいた悠久の実を取り出して、丁寧に皮を剥いていく。

 神秘がめっちゃ濃いという事を除けばこの身は柘榴に近いものだと思う……流石に食べれないから味は分からないけど。

 種衣を取り出したら、一度皿に並べて、ハジの方に置いておいて砕き終わった太陽皮を回収し、生地へと混ぜ込んでいくのだが、素手でやるとスパッと切れてしまうので、ちゃんと消毒を済ませた綺麗な機械アームで生地と太陽皮を混ぜ込む。

 

「……よし、これで良いかな」

 

 混ぜ込んだ後にレンジで加熱をしたら種火と太陽皮が混ざっている為か、物凄くキラキラとした生地が出来上がった。

 これはこれで、ククルカンさんの綺麗な髪と揃って良いんじゃないかな?

 

「よしよし、次は〜っと」

 

 機械アームに片栗粉を塗して、生地を手のひらサイズぐらいに掴み取り、中央に柘榴の身を詰め込んでいく……本当は餡子とかイチゴを使えれば良かったんだけど、生憎ないからね、柘榴大福を作ろう。

 そんな感じでひたすら作っていくと、全部で五個の柘榴大福が出来上がった……全部、凄い神々しいぐらいに光ってるな!

 

「最後に念のため、俺の魔術で甘味を足して……うん、やっぱり二回目だと少しクラっとするな」

 

 でもこれで無事完成だ。

 早速、ククルカンさんのところへ持っていくと、キャストリアさんと談笑をしていた様で遠目でも笑顔なのが分かる……種火を物理的に食べる者同士、何か通じる部分があったのかな。

 

「あ、来ましたよククルカン」

 

「わぁ、待ってました!!ささっ、早く食べさてください!」

 

「はいどうぞ。マスターの故郷である日本の和菓子、大福を種火と素材で再現しました。名前は……ミクトラン大福としましょうか」

 

「ミクトラン大福……ふふっ、ディノス達にも見せてあげたいですね!きっと、彼らも目を輝かすと思いますよ!」

 

 今は遠く、戻れない彼女の世界……太陽皮を使って彼女に思い出して貰いながら、楽しんで貰おうと思った俺の目的は叶ったらしく、笑顔のまま彼女は大福を手に取り、口に運び、まるまる一個を食べた。

 

「〜〜ひゃわわわぁぁ〜〜〜!!これ、とっても美味しいです!!なんなんですかこれ!トウモロコシにソースをかけたのも美味しかったですが、これもこれでまた違った美味しさです!こう、思わず笑顔になっしまうというか、頬が落ちてしまうというか!貴方は料理の天才ですね!」

 

「あはは……そこまで喜んで頂けるとは」

 

 カルデアキッチン組の方が絶対、料理に関しては俺より上だと思うというか……うん、種火に味付けとか正気じゃない所業だからね!!

 このあと、キャストリアさんに続いて、ククルカンさんが常連になったのは言うまでもない。




ひゃわわわぁぁ〜〜が書きたかっただけといえば、その通りです!!

またいつか、気が向けば新たな料理をネタに書くかもしれないので、活動報告の方にこの料理出して!!ってのがあればどうぞ。

それでは感想とか待ってます。
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