まだFGOの世界ではなく現実サイド
俺はこの世界が大嫌いだ、手柄を横取りしたやつが全てを手に入れ俺は全てを失う。事実、俺は仕事を熱心にやっていた。他の誰よりも業績を上げていたし、可愛い彼女だっていた。ただ、みんなからの視線が痛かったがそんなこと気にならないくらいに充実していた。それなのに、毎回昇進するのは同期のヤツらばかり。これはおかしいと思った時にはもう遅かった。同期のヤツらは俺のこなした仕事を改竄して自分がした事にしていたのだ。それに気がついて上司に直談判すればなんて言われたと思う?
「確かに私は君の仕事を受理した。そしてそれを提出した。私の管轄はそこまでだ、君の成果を他人に取られていようが私の知ったことではないし、仮にその事で訴えてみろ、証拠も何も無いのに何が出来る?それに、周りが君を煙たがっている理由が知りたいか?それはな、君が何もしていないのに給料を受け取っている事だよ!分かったらさっさと仕事をしろ!」
こう返されたんだ。それはもう落ち込んだよ、その日のうちに仕事を辞めたし、遠くに引っ越す事にしたから彼女にも別れを告げた。
悲しんでくれるかな、とか思ってたけど彼女はそれはもう嬉しそうにしてたよ。なんでも同期のやつと結婚できるかららしい
「ありがとう、今まで私のために彼に成果をくれて。そのおかげで私達は幸せになれる。あなたは経験しか残らないけど精々頑張ってね。あと、今私のお腹の中にいる子どもにはあなたのこと教えてあげるわね、私達が幸せになるために不幸になった元カレってね。」
だってさ、この女。浮気・・・というより最初は強姦だったらしいが今では俺の成果を、横取りした同期と付き合っているらしい。その日は惨めに泣くことしか出来なかった。一人暮らしだから慰めてくれる人なんて居ない、どうして俺がこんな目に遭わなければいけないんだ。俺がなにかしたのか?どうしてなんだ、教えてくれよ、神様・・・
俺は何も知らなかったんだ、ただ幸せになりたかっただけなのにどうしてこうなってしまったのか分からない。
引越しをしてから数日後、ようやく新しい仕事に就いて余裕ができ始めた頃、ゲームを始めた。Fateシリーズのソシャゲで自分の推しキャラがいたから始めたのだが、このゲームは男女を好きな時に変えられるのでどちらでも違和感の無い名前にしようと必死に考えた結果「ゼロ」という名前にした。まあ、爆死ゼロを目指そうというしょうもない名前だが、個人的には気に入っている。
今日も今日とて仕事終わりにFGOをプレイする。ちなみに推しはstaynightのイリヤだが、彼女の擬似サーヴァントであるシトナイや異世界のイリヤも当たらず正直心が折れそう。
「でも、クロやメルトがいるから頑張れるんだよなぁ。」
そう言いながらマーリンの英雄作成スキルでアルトリアを強化して約束された勝利の剣を使ってボスを撃破する。
そう、これが唯一の心の安らぎ。彼女が寝取られたり業績を取られたりした事もFGOをやっている時だけは忘れる事ができるのだ。
「さてと、そろそろ石が貯まるな。一回ガチャ引いて寝ようか。」
そう言い俺は水着ピックアップの画面を開く。狙いはもちろん、水着のイリヤだ。行くぞ運営、ハズレの貯蔵は十分か!
「って金回転キター!!」
アーチャー来い!!・・・って何このクラスカード。まるで扉みたいな、って唐突に眠気が・・・仕方ない、結果は起きてから見るか。