カナエととら   作:ぶんた

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飛騨にて・重 其ノ参

「なんだこりゃ。雑魚がわさわさと」

 

 バケモノの視線の先。飛騨の妖に加え、血泥討伐に派遣された多数の妖が群れていた。

 

「西の火妖が集まってくれている。やっかいな泥を燃やしてくれ。場合によっては湖を干上がらせてもあぶり出し、本体を潰す」

 

 雷信の作戦は簡単なものだった。

 

「それと、この戦いに参加する人間を紹介しておく。胡蝶カナエだ」

 

 雷信の横でカナエは頭を下げる。

 

「おい。人間なんか役に立たんだろうが」

「いや、術士ではないそうだが腕は立つ」

「そういう問題じゃないだろ?人間は信用ならんからなァ!」

「なっ!」

 

 西の蛇妖、四分守の言葉に場が騒然となった。

 

「たしかに今回の騒動も元人間が原因らしい……」

「最近増えた人間は慢心がすぎるよな」

 

 妖達の不信のこもった視線がカナエ向けられる。

 

「貴様ら、我らが恩人を侮辱するか?」

 

 鎌鼬兄弟が怒気を纏う。

 

「まって!まってください!そんなことしてる場合でないでしょう?!」

 

 一触即発の妖どもに、カナエが慌てる。

 

「いいです、いいです。取るに足らない私なんて信用しなくてよいですよ。そんなことより、無力な人間に貴方様方の偉大なお力を見せてくださいましね」

「お、おう」

 

 ぺこりとお辞儀するカナエに毒気を抜かれたのか、四分守は顔をしかめた。

 

「ちっ。邪魔だけはすんなよ?」

 

 いそいそと立ち去る妖達を、鎌鼬らは険しい表情で見送った。

 

「くそ!」

 

 カナエは憤る鎌鼬達に抱き着く。

 

「いいんですよ。でも、とっても嬉しかったです……。ありがとうございます」

「……!」

 

 カナエのつぶやきに、鎌鼬達の反応はそれぞれであった。

 

「おい、人間!」

「はい?」

 

 そうして避けられていたカナエに声が掛かる。きょろきょろと視線を走らせたその先に、それが居た。

 大きさはカナエの掌くらいだろか。左右に二つの顔のある頭と、左右に二本、計四本の腕の小人がカナエを睨んでいる。

 

「……」

「おい!話があるといっているんだ。その気味悪い顔はやめろ!」

 

 わちゃわちゃと動く小人に琴線触れたカナエは、瞳を輝かせつつ、口元をにんまりさせていた。

 

「んふふー!」

「おい!だからやめろって!うぷ!」

 

 カナエは満面の笑みで小人を突きだす。

 

「オマエな!俺を誰だと思ってんだ!」

「さあ?」

「両面宿儺様だぞ!」

「はぁ。バケモノ様、ご存知ですか?」

「ああ?そんなちみいやつ、しらんな」

「オマエもずいぶんまあ偉そうだが、俺は知らんぞ?」

「あああ?!」

 

 バケモノと小人が睨み合う。

 

「なんと、両面宿儺様ではないですか。そちらは長飛丸か。久しいな」

「貴方は……」

「輪入道になります」

 

 帽子を胸元に下ろしたその人物は、つるりと禿げた和服の老人だった。人の姿をしているが、妖なのだろう。

 

「宿儺様は二十に分割されて封印されたと聞きましたが?」

「ああ、その通りよ。この俺は分割された時に零れ落ちた残滓のようなもの。ほぼ力は無い。だが、飛騨の一大事。動かざるをえまいて」

 

 小人と老人の話すその横。

 

「なんと!バケモノ様には長飛丸様というお名前が?!」

「うるせえ。その名はキライなのよ。その名で呼ぶんじゃねぇ」

「はぁ……」

 

 実に不愉快そうなバケモノの様子に、カナエは口元に手を当てて、視線を下げる。これは屋敷で第二回会議の必要がありますね……。小さく頷くカナエだった。

 

「それより人間!お前のそれは獣の槍か?」

「あ、はい」

「やはりか。白面の事も知っている。俺が万全なら叩きのめしてやったろうにな」

「ああ?おい、おめえ言うことだけはでかいな」

「本当の事よ。貴様のような小物は黙っておれ」

「あああ?!」

 

 怒気の圧をあげるバケモノをカナエと輪入道がとめる。

 

「長飛丸。この方はお前が来る前に封じられたが、飛騨を支配していた土地神様だ」

「ええっ!」

 

 輪入道の言葉にカナエが驚く。 

 

「けっ!知るかよ。封じられるくらいじゃ、たいしたもんじゃないだろうがよ」

「ええっ」

「なんだ?娘」

「い、いえ……」

 

 バケモノ様も封じられて……。そう思ったカナエはバケモノに睨まれて、そっと視線を逸らす。

 

「ともかく。おまえとその長飛丸とやら。そこそこ使えそうだ。我に従うがよい」

 

 小人はカナエの肩に居座って、偉そうに宣言した。




「ワニ君、ワニ君!にわかのざっくり年表を発表しちゃうよ!」
「わー楽しみだね!」


※注!以下「うしおととら」「鬼滅の刃」ネタバレを大きく含みます!
※ざっくりなので、間違っているところもありそう!気になることあったら、ご意見おねがいします。














-600 白面誕生
-200 獣の槍誕生

 400 両面宿儺、飛騨にて没
 700 白面、日本到来(とらも追って到来)
 800 ゆき誕生
 900 鬼舞辻無惨誕生
1100 白面封印
1200 日崎御門誕生+お役目交代
1400 とら封印
1500 お役目交代・かがり誕生
1600 継国緑壱登場
1910 鬼舞辻無惨没
1990 うしおととらであう!
2019 令和元年


※両面宿儺はあくまで伝説上情報。飛騨を拠点に君臨してたらしいです。アニメ追いのにわかなので、某回戦での詳細は知らないです!
当然虎杖の姿ではなく、伝説上の姿のデフォルメな小人です


 こうして見ると鬼殺隊の歴史の長さ。呼吸なしの前半分700年長!
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