少年夢幻紳士の反応が多かったので!
少年夢幻紳士??ほげーって方は、スキップで!
「きゃあああっ!」
帝都の夜に少女の悲鳴が響きました!悲鳴の主は肩までの黒髪に黒いワンピースを身に着けた美少女です。
「もう、だいじょうぶ」
そこにふわりと一人の人物が舞い降りました。長い黒髪に、頭の左右に蝶の髪飾り。黒い詰襟の上から蝶の紋様が描かれた白い羽織を着ています。その美しい娘は少女が安心するようにと、にっこりと微笑みかけました。
この娘こそ、誰あろう、若い娘の身でありながら鬼殺隊最高戦力である『柱』に就任した剣客『花柱』こと、胡蝶カナエだったのです!
「…………」
「?」
少女は厳しい表情でカナエの顔を凝視します。そのあまりの気迫はカナエが思わず後ずさるほどでした。
「うん。負けてない!」
「?」
満足げに頷く少女にカナエは首を傾げました。
その時。異様な圧を発する、二人が見上げるような大きな人影がそこに現れたのです!
赤いモヒカンに緑の顔。狂暴な牙の並ぶ大きな口蓋。黄色い鱗に覆われた体躯に背中には多くのトゲの生えた甲羅に加え、尻尾の生えたその姿はまさに爬虫類人間という恐ろしいものでした!
「あなたは一体?!」
カナエは少女をその背に庇いつつ、怪人物に問い掛けました。
「儂はカッパよ。だがな、ただのカッパではない!」
カッパは胸の前で腕を組み、得意げに語ります。
「無惨様に血を与えていただき、超絶強くなったカッパなのよ!」
「!」
カッパの言葉にカナエは驚きに目を見開きました!
「多くの男児が襲われているこの事件。あなたが犯人なのですか?」
「そうよ。この肉体を維持するためには高タンパク低カロリーな尻子玉たる男児の臀肉が必要なのだ!」
カナエの厳しい追及にカッパは、いけしゃあしゃあと答えました。
「えええっ!?尻子玉ってそんな生々しいものなの?!」
いともたやすく行われるえげつない告白に、カナエは驚きの声を上げます!
「ラムネ瓶の玉みたいなものって聞いていたのに……」
「お姉さん……。それはそれで、ある意味生々しいよ……?」
首を傾げるカナエの呟きに、少女がそっと囁きました。
「ともかく!儂はカッパの中のカッパ、カッパの王といってもよい存在となった!だから名を変えようと思う!これからはカッパではなくクッ……」
「まって!」
カナエは慌ててカッパの言葉を遮りました!
「ううん?なんだ?」
「それ以上は駄目です。怒られるから止めましょう?ね?」
「誰が怒るのだ?」
「ええーと、にんてん……?」
カッパの追求の視線を受け、カナエはもごもごいいながら露骨に顔を背けます。
「ふん!ニンテンだかカンテンだかしったことか!ここに宣言する!儂はカッパの王!クッ」パーン!!
その時。突如銃声が響き渡ったのです!
銃弾を額に受け、カッパはどすん!と響きを上げ倒れました。
「今のはぎりぎり怒られないかな?」
カナエは首を傾げます。それよりも。
驚きのカナエの視線の先には、なんと少女がコルトを構え、それが硝煙を漂わせていたのです!
「危ないところだったね。お姉さん」
「あなたは一体……」
ニコリと笑う少女に、カナエは眉をよせました。
「やだなあ。憶えていないの?これならわかるかな?」
少女はワンピースをひらりとなびかせてくるりと回ると、いつの間にか少女ではなく黒い山高帽に黒い背広を着た少年が立っていたのでした。
「あなたは……、探偵さん?」
「そうだよ。忘れてしまうなんてつれないね」
「あれれれ?うーん?」
腑に落ちなさそうなカナエに、粋に片目をつぶったこの少年こそ、誰あろう、数々の猟奇事件を解決して名探偵の誉も高い夢幻紳士こと、夢幻魔実也その人であったのです!
「なんとかこの事件も解決できたんじゃないかな?」
「そうね」
夢幻少年の言葉に、カナエはニッコリと、花の様にほほえみました。
めでたし、めでたし。
「あれれれ?でも男児が狙われる事件で、なんでわざわざ女装してたんだろう……?」
カナエは口元に手を当てつつ、不思議顔でつぶやいたのでした。
おしまい。
※高橋葉介先生の『夢幻紳士』には、いくつものバージョンがありまして。
本編は「怪奇編」
この短編は「マンガ少年版」
の魔実也氏となります!
『絵物語・遊鬼塔の怪人』風にしたものですが、如何でしょう?
もっとそれっぽくいじくりたおすかもしれません
→「河童は、抜いた尻子玉を食べたり、竜王に税金として納めたりするという。ラムネ瓶に栓をするビー玉のようなものともされ~」るそうです(Wikipedia)
えええ?そうなの?
ラムネ瓶のビー玉への、なんとも知りたくもなかったイメージになる知識だったので、共有したいと思います!(強制!)
ラムネ飲むとき、思いだしてくださいね!!(笑)