カナエととら   作:ぶんた

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じつはいまだにカナエとバケモノ……。


蝶屋敷にて 其ノ参

「この度はご助力、まことにありがとうございました」

 

 上座に座るバケモノにピシリとカナエは土下座した。

 

「わしはなんもしてないしな。そーゆーのはいらんのよ」

 

 鷹揚に答えるバケモノに、並んで土下座するしのぶの眉がはねる。顔を伏していたので、見られはしなかったが。

 

「それと改めて自己紹介を。私がここの主、胡蝶カナエと申します。鬼殺隊にて花柱を務めております。

 後ろに控えるは胡蝶しのぶ。栗花落カナヲ。神崎アオイ。それと高田なほ、寺内きよ、中原すみ。皆、私の可愛い妹達になります。以後、お見知りおきを」

「人間の名なぞ、どうでもよいわ」

「それと、貴方様のことはなんとお呼びすればよいでしょうか?さぞかし名高いバケモノ様とお見受けしますが……」

「……そんなものはないね」

「さようでございますか……」

 

 頬に手をあてて、カナエは視線を下げた。

 

「それよりも、わしは腹が減ってるのさ」

「あ、はい。すぐに食事の準備をしますね」

「おい、人間を食わせろ」

 

 いそいそと退出しようとしたカナエ達が固まる。

 

「あ、じゃあ、私が……」

 

 頬を染めつつカナエがバケモノを見る。

 

「うーん。オマエは美味そうなんだけど、敵を斃してからだったよな?美味そうなのが一杯いるだろ?どれかでいいや」

 

 ぴきり。空気が固まる。

 

「……バケモノ様。私を美味しく食べてくれるっていいましたよね?」

 

 不穏な圧を漂わせるカナエ。そしてその手にいつのまにか獣の槍が。 

 

「あ?おう……」

「その私を差し置いて、他の女に手を出すとか、おかしくないですか?」

「ええっ……?!」

 

 バケモノだけでなく、しのぶもおもわず声がでる。

 

「あの子たちが納得するなら文句があるはずもありません。でも、私を差し置いてとか、納得できません!私が一番だって、いってくれたでしょう?」

「え?いったっけ?」

「私の敵を全部倒してからっていいました!」

「えええっ?!」

 

 ああ、姉さん……。

 固まるバケモノに、しのぶは同情した。最愛の姉は、まったくもってああなのだ。なんだか変な魅力と勢いで、周りぐりぐり巻き込むのだ。

 

 

*****

 

 

「いかがでしょうか?」

 

 並んだ料理をかたっぱしに口に落とし込むバケモノに、にこにことカナエは問い掛けた。

 

「ああ?どれもわるくねぇ。特にそれよ」

「鯖の煮込みですか?お目が高い!アオイ渾身の作なのです!アオイはとても真面目な頑張り屋さんで、私自慢の妹なのですよ!料理もすっごく頑張っていて、とても可愛いのです!さあさあ、バケモノ様!可愛いアオイを褒めてくださいまし!」

 

 すかさずアオイを抱きしめて、カナエはずりずりとバケモノの方に移動する。

 

「あ?おう。ちっこいくせになかなかじゃねえか」

「……あ、ありがとうございます」

 

 困惑のまま褒めるバケモノと、気恥ずかしさにアオイは俯く。その横で、カナエは満面の微笑みを浮かべていた。

 

 ――姉さん。いつも褒めてくれるのは素直に嬉しいのだけれど……。その、そういうところよ?恒例のほめ殺し公開処刑に、いたたまれずにしゅんとする妹たちだった……。    




勢いからはじめたこれですが、思うところは全てぶっこんだ感。やばい。成仏しそう。
叩き起こされる理不尽に、ピクリと思うところがあるひととは握手!うぇひー!
やばい。明日?今日やばい。おやすみなさい……。
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