目が覚めたら現実世界だったけど異世界だった件 作:SKーYM
「元日本人って…じゃあここは小説やアニメ、ゲームとかに会った空想上の異世界ってことなのか⁉」
「ああそうだ。見たところお前…キリトは転生者じゃなくて転移者みたいだな。俺の親友が人間は記憶をなくした赤子の転生者か、記憶を持ってこの世界に誰かからか召喚された転移者のことみたいだ。」
「そ、そうなのか…じゃあリムルさんも俺と同じく転移者の人間ってことなのか…。」
「厳密にいうと違うな。俺は人間じゃないよ。」
何故だ?と思った瞬間にリムルの体が解け始める。
「お、おい!体が解けてるぞ!!」
「大丈夫大丈夫」
とうとう溶け切って一つの青い球体になった。だがそれはどう見ても
「俺はスライムなんだ。」
「てことは魔物か⁉俺をだましていたのか!?」
手元の剣をとろうとするが今現在剣を所持していないことをすっかり忘れていた。
「まあ落ち着け、俺は日本人の記憶を持った転生者、スライムのリムルだ。」
「…俺をだましているのか?」
さすがに魔物というと油断はできない。おそらくこのリムルは俺をひとまず安心させてから襲おうとしているんじゃないのかと考えるが
「だましてねーよ!ほら『僕は悪いスライムじゃないよ!』」
「ぶふっ!!」
まさか某有名なRPGのセリフを言うとは…だがまだ信用はできない。
「ライ〇ンさんの役にたちたいんだ!プルプル」
「…あっはっは!!そ、それは卑怯だって…!!」
「誤解が解けたみたいだな。キリトお前周りから疑り深いやつだって言われてたんじゃないか?」
「そんなことはないと思うけど…。」
「ま、これで解決はしたし…どうだ?一緒に来ないか?俺は今魔物の町を作っているんだ。人間も来たことあるしみんな危害を加えることはないように言いつけてるからな。」
「へえ、リムルさんって結構えらい人だったんだな…。」
「まあな、貴族とかがどうかはわからんけど俺はもともと一般市民だったからあまりよくわかってないんだ。」
「ほ~?なら俺のいた仮想世界の貴族を教えようか?めちゃくちゃめんどくさいぞ?」
「仮想世界のNPCだろ?ただの組み込まれたプログラムじゃないのか?」
「いや、俺がいた仮想世界…アンダーワールドではNPCも俺たち人間と全く同じ知能をもっているんだ。確か戦争を人間同士で行わないようにするためにたたかわせることが目的で作られた人工の魂達だよ。」
「人工の魂か…でも俺たちと同じ知能を持って、考えたりできるのなら戦争なんてのに全く使えないんじゃないか?」
「もちろんだ。たとえ人工の魂であってもその世界にいる人達は生きている。それも俺たちと同じ意味で。」
そう、あの世界にいた人たちは初期だけではあるがNPCと同じものだと考えたが、しぐさや、考え、そして人間の醜さ、美しさはどれも本物だと感じられたのだ。俺とかかわってきたあの世界の人たち、そして俺の大切な親友…。とても作られたものとは思えないし、そんな軍事利用なんてもってのほかだった。結局はその軍事には使わないようになったみたいだったから本当に良かった。
「生きている…か。キリト。お前は優しいやつなんだな。」
「人間…いや、同じ魂を持っているなら当然だよ。」
「そっか。さて!染み臭い話はもう終わりにして町へ行こうぜ!今日は宴会なんだ!」
「お!いいな!俺も腹減ってきて倒れそうだよ。」
「はっはっは!ろくに食ってないみたいだな。ランガ。」
リムルがその言葉を放つと、リムルの陰から大きな角と額に星型が入っている巨大な狼が現れた。
「うお!?」
「こいつは俺の仲間のランガ。牙狼族っていう種族の長をしているんだ。」
「は!我が主よ!紹介していただき感謝いたします!」
「しゃ、しゃべった!」
「魔物も知能があればしゃべるぞ。俺たちみたいにな。ランガこいつは俺と同じ故郷の人間だ。キリトっていう。」
「初めまして、ランガ。キリトだ。よろしくな。」
「我が主と同じ故郷か!よろしく頼む!」
ランガの尻尾が回転している…。犬と同じなのかな?
「ランガに乗って、一気に町に行けるぞ。さあ行こう!キリト。」
「ああ、よろしく。リムルさん。」
俺たちが例の魔物の町へ到着すると大柄な緑色の体をした男が立っていた。
「リムル様!帰られましたか!宴の準備はできていますぞ!」
「おおリグルド。期待しているぞ!その前に先にリグルドには紹介しておくか。こいつはキリト。俺と同じ故郷の人間なんだ。後で正式に紹介するよ。」
「リムル様と!?それは喜ばしい!私はリグルドと申します!この町でリムル様の部下であります!」
「リグルドはこの町の社長みたいなものだ。ここには牙狼族とゴブリン族で形成されているんだ。キリトに出会う数日前にもオーガ族と出会って何人かいるんだよ。」
「へぇ~。これがリムルさんの町か…。俺はキリトと申します。よろしくお願いします。リグルドさん。」
「うーん。そのリムルさんっていうのやめないか?せっかく同じ日本人なんだし」
「でもさすがに領主にさん付けしないとはどうかと思うんだよ。立場てきにはリムルさんのほうが上だしさ。」
「いいんだよ。俺たち友達だろ?」
友達という言葉に少し肩を揺らす。
「…いいのか?」
「当たり前だよ。それにこの先のことを話したいし。頼むよ!」
「そっか…ぜひ頼むよ。リムル。」
ニッっと歯を見せて笑うリムルを見ると少し笑みがこぼれる。
「そんでリムルって男なのか?女なのか?」
「元男の人間で今はスライムだから無性ってやつだ。」
「…辛くないか?」
「正直すっげえ辛い…。俺のムスコよ…。」
がんばれリムル。乗り越えるんだ。