目が覚めたら現実世界だったけど異世界だった件   作:SKーYM

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試練

「エー、では宴会の合図の前に紹介したいやつがいる!俺と同じ故郷のキリト・テンペストだ!俺たちは契約として同格の存在になったから仲良くしてやってくれ!」

 

「な、なあリムル…。いったい何体魔物がいるんだ…?すごく多そうだけど」

 

小声でリムルに聞くと遠い目で

 

「大体がこの森周辺に住んでいたゴブリンたちだよ…。全員の名づけもしたから大体1000人は超えるんじゃないかなぁ…」

 

「それは大変だったな…。」

 

リムルが回復してから話しを聞くと名前を付けると体内の魔素を消費していたみたいだ。つまり1000人分の名づけをしたリムルはそれほどの魔素量を所持していたこととなる。

 

「そんなことはいいからほら!自己紹介!」

 

「お、おう。えーと…これからお世話になるキリト・テンペストです。これからよろしくお願いします。」

 

「面白味もない挨拶だな…」

 

「しょ、しょうがないだろ!もともと学生の俺には厳しいって!」

 

「全く…。みんな、こいつ結構口下手だから自分から話しかけてやってくれ!キリトには俺と同じ役職でこの街づくりに貢献してもらうから俺と同じ感じで接してくれ!」

 

リムルの言葉に魔物たちは一斉に声を上げる。

 

この魔物の世界では弱肉強食。純粋な力で序列が決まるそうだ。なんだかどこぞの人間よりもしっかり上下関係を確認しやすい活単純な力比べでとてもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雌ゴブリンの進化系のゴブリナから酒のようなものをもらってリムルとともに晩酌を始める。

 

「今のうちに幹部を紹介しておく。」

 

「俺たちはオーガ族。今はリムル様に名前を頂戴し鬼人となっている。俺はオーガ族首領『紅丸(ベニマル)』という」

 

「同じく鬼人の『蒼影(ソウエイ)』」

 

「同じく私は『朱菜(シュナ)』と申します」

 

「同じく儂は『白老(ハクロウ)』と申しますぞ」

 

「オラは『黒兵衛(クロベエ)』だよ」

 

「私はリムルさまの「自称な」秘書の『紫苑(シオン)』と言います」

 

「よろしく。」

 

少し頭を下げてあいさつする。

 

鬼人の後ろには髭の濃いおっさんが4名いた。

 

「こっちはこの町の開発を支えているドワーフ族だ。」

 

「俺はカイジン。リムルの旦那に頼まれてここで鍛冶職人をしているんだ。」

 

「俺はガルムここでは防具職人をやっている。」

 

「ドルドだ。細工や装飾を担当している。」

 

「『コクコク』」

 

「…無口なのはミルドだ。建築の作業に大きく貢献している。」

 

「ドワーフかぁ。ますますファンタジーっぽくなってきたな!」

 

その言葉に魔物とドワーフは頭にクエスチョンマークを付けているがリムルには伝わったみたいで

 

「だろ!俺も最初思ったんだよ!それにこいつらの故郷にはエルフもいるんだぞ。」

 

エルフ…だと!?

 

「まあ問題起こしていけなくなったんだけどな」

 

何だと!?

 

「リムルお前…エルフに手を出したのか…」

 

「なわけねーだろ!その前にムスコがねーんだ!」

 

「あっ…」

 

そういえばリムルは転生した際にムスコを失ってしまったんだった…。

 

「その哀れな目をするのはやめろぉ!悲しくなるだろうが!」

 

そんな風にリムルと言いあっていると

 

「キリト、俺たちはまだアンタをリムル様と同じような立場だとは認められない。」

 

ベニマルがそう切り出すとリムルも困惑したように「ウェ⁉」と声を出した。

 

「俺たち魔族の理は弱肉強食。力の強いものに従うのが魔族の世界というものだ。人間であるあんたには悪いが、俺たちは弱いやつに従う気はない。」

 

「確かにな。それも俺よりも先に来たのにリムルと同じ立場に来られても文句が出ないわけがないな。なら俺はその力をどう照明すればいい?」

 

ベニマルは少し驚いたようにこちらを見るがすぐに切り替えて

 

「俺たちが最初にたたかったように全員でキリトに攻撃を仕掛ける。それをすべて躱しきれたら、または全員を戦闘不能にさせれば俺たちはあんたを主として認める。」

 

「わかった。じゃあ今からやろうか。」

 

俺はそのまま木のジョッキを置き立ち上がる。

 

「おい、いいのか?別に明日でも大丈夫なんだぞ?」

 

「いいんだよ、上下関係をはっきりさせないといけないみたいだし、それに全部終わってから飯食った方が楽しいだろ?」

 

「それはそうだけど…。」

 

「じゃあ決まりだな、ベニマルさんたちもそれでいいだろ?」

 

「ああ、問題ない。相手するのは俺、ソウエイ、ハクロウ、クロベエ、シオンだ。シュナはリムル様との戦いに参戦していないからな。」

 

「ああ、わかった。カイジンさん!俺に両刃の片手剣を貸してくれないか?できれば重いやつを二本!」

 

「ああ、わかった。用意しようじゃねえか。ちょっと待ってろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイジンから借りた2本の剣を両手に持ち、素振りをしてみる。

 

「大丈夫そうだな。」

 

「へえスキルの通り二刀流か。確か日本でも二刀流剣術ってのがあってその大会も開催されていたよな。」

 

少し関心したようにリムルが声をかける。もちろん日本には二刀流はあるがあれは長刀と短刀の組み合わせだ。これは俺が唯一持っているスキルだからな。

 

「まあな。」

 

「こちらは準備完了だ。キリトもいいか?」

 

「ああ!もちろん!」

 

「えーそれじゃあ審判は俺が担当するからお互い正々堂々…ていいうわけにもいかないな。殺さないように気を付けてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では初め!」

 

 

 

リムルの合図とともにベニマルを抜いた4人が走り出す。

 

「さっそく行かせてもらうぞ!『黒炎獄(ヘルフレア)』!」

 

ベニマルの手から黒い炎の球体が飛ばされる。

 

「早速か!『システムコール!アクウィリアス・エレメント!フォーム・エレメント!スフィア・シェイプ!ディスチャージ!』」

 

剣の先からスキル『異界魔法』の神聖術を発動する。

 

神聖術は『英語』で水の神聖術、球体を放って拡散させるように詠唱を行った。

 

ベニマルの放った『黒炎獄(ヘルフレア)』と俺の神聖術がぶつかり合い拡散する。火と水によって蒸発し白い水蒸気によって視界が奪われる。

 

「フッ!」

 

後ろから大剣が首元めがけて迫ってくる。さすがに2本の剣でも抑えるのは難しそうなのでそのまま下にしゃがむ。

 

「あっぶね!」

 

下にしゃがむと今度は大きな金鎚が上から振り下ろされる。なんとかそれも横に飛んで回避する。

 

「ん?なんか光ってるな…糸…?」

 

気づくと白銀の糸は動き出して迫ってくる。どうやらそのまま拘束して身動きをようにするつもりか。

 

「さすがにこれはまずいな!」

 

アインクラッドの片手剣ソードスキル『スラント』で糸を次々に切っていく。だが切ることに集中し過ぎて後ろから白の影が一閃したことに気づいたのは腕を少し切られてからだった。

 

「っ!!」

 

鋭い痛みではなくあとから来る痛み、達人の領域を超えているみたいだなあのじいさんは。

 

「ほう、先ほどの一撃を喰らっても腕を切り落とせなかったとは…さすがリムル様と同格ということだけはある。」

 

白髪のじいさん、ハクロウが切ったようだ。だが傷は深く剣を持つのは厳しいかもしれないな。

 

「『システムコール!ジェネレート・ルミナス・エレメント!ディスチャージ!』」

 

神聖術で傷口を即座に直して5人を見る。

 

「さっきの連携技といいその身体能力はすさまじいな…。この5人だけでアインクラッド100層のボスに勝てるんじゃないか…?」

 

「無駄口をたたいている暇があるのか?俺たちはまだ本気を出していないぞ。」

 

ベニマルの挑発を受けるがこれくらいは優しいものだ。アンダーワールドでは反吐が出るほどひどい挑発を喰らってきたからな。

 

「じゃあ俺は先に本気を出すことにするよ。」

 

おそらくこの剣では武装完全支配術を行うのは無理だろう。この剣を握ったのは今が初めてのため、記憶というものを知らない。ならば

 

「『システムコール!ジェネレート・アンブラ・エレメント!ディスチャージ!』」

 

ここらの一体を月の光までも届かない暗闇で覆う。

 

これで隙をついて攻撃を当てればいい。

 

「はああああああああああああ!!!」

 

まずは司令塔をたたく。『二刀流』の『ダブル・サーキュラー』でベニマルを切り裂く。

 

「何!?押し負けるなど!?」

 

ベニマルの刀と衝突した反動でベニマルをのけぞらせる。そのまま今度は片手剣ソードスキル『ホリゾンタル・スクエア』を放った。

 

「ぐぅ!!」

 

どうやら大きなダメージを受けたようでベニマルはそのまま前に倒れた。

 

「…まずは一人。」

 

そのまま地を蹴って駆け出し今度はソウエイに片手剣ソードスキル『ウォーパル・ストライク』を放ち体の中心に剣を突き刺す。そのままソウエイも倒れたことを確認すると、神聖術で

 

「『システムコール!ジェネレート・クライオゼニック・エレメント!フォームエレメント・アロー・シェイプ!フライ・ホーミング!ディスチャージ!』」

 

凍素の神聖術を10個作り出し、矢のようにシオンとクロベエに放つ。詠唱の詩句によって追尾機能を付けた優れモノだ。

 

「な!?」

 

シオンとクロベエの周りに矢は刺さり、五角形の形で上半身まで凍らせて動きを止める。それを確認したら最後にハクロウと対峙する。

 

「お見事としか言えませんな。わしはこれで降参ですじゃ。この者たちの命も危ないのでな。」

 

あっけなく負けを認めたようで安心して剣を納刀しようとするが

 

「相手の目が死んでいなければ決して警戒を解いてはいけませんぞ。」

 

またもや後ろから今度は首元に斬撃が襲った。

 

「それは反則だろ!?」

 

「いいや、この世界は本当の意味で殺し合いなんだ。油断したら負けるぞ。ハクロウは俺よりも剣はずっと上なんだからな。」

 

そりゃないって…降参って言ってたじゃないか…。

 

「うおおおおおお!!!」

 

声を上げてハクロウの剣撃に対抗する。使ったのは片手剣ソードスキル『ソニック・リープ』だ。

 

『ガキィィン!!』と大きな音を立ててハクロウの一撃をパリィした。

 

そのままもう片方の剣で硬直時間をキャンセルし、『スキルコネクト』を発動する。

 

「スターバースト・ストリーム!!」

 

『二刀流』の最上位クラスのスキルを放ち、とどめを刺そうとしたとき

 

「そこまでだ。」

 

リムルの一言で戦闘が終わった。そのまま俺たちになにかを飲ませた。

 

完全回復薬(フルポーション)だ。傷もこれで全部治るぞ。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

リムルからもらったポーションを飲み干して剣をしまう。リムルは鬼人族に

 

「どうだ?お前たちの目に叶うやつだったか?」

 

「はい。リムル様と同等の強さを感じました。まだまだ俺も修行不足ですね。」

 

どうやら認めてもらえたようだ。

 

「ありがとう。俺も頑張って強くならないとな。これからよろしくな!」

 

そのまま俺たちはリグルド達が持ってきてくれた酒や肉を食って大騒ぎした。

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