目が覚めたら現実世界だったけど異世界だった件 作:SKーYM
キリトとリムルが会議を行っている間、オークの軍勢はリザードマンの領域へ近づいていた。
「報告します!オークの軍勢が我が領地へと侵攻を始めました!」
監視のリザードマンが領主のいる玉座まで息を荒くしながら伝えてきたのだ。
「やはりオークロードのようだな…。我が息子に大使としてゴブリンたちの協力を得ても勝てることはなさそうだ。」
リザードマンの長は玉座で頭を抱えて悩んでいた。
「父上、我らは誇り高きドラゴンの末裔、ならば勝てずとも戦い、誇りをもって死ぬことが賢明な判断だと思われます。」
傍らにいた雌のリザードマン、長の娘は冷静な判断として父に意見を伝える。
「そのようだな…だが…ここには子供もいる。せめてその子たちだけでも守らねば…。」
そう決意をし、支持を行おうとした矢先に新たな警備のリザードマンが走ってやってきた。
「報告します!強力な魔人が長に会わせろと襲撃してきました!」
「魔人だと?オークの使いか?」
「詳細は不明です!ですが…」
続けて何かを伝えようとしたが、奥からやってくる足音が部屋中に響いた。
「お前がリザードマンの長か。」
青い髪に額から突き出た青年の顔立ちをした魔人がやってきたのだ。
「いかにも、お見受けするところ貴殿はオーガ族ようだが…。」
「俺はオーガ族ではない。今は主より『ソウエイ』の名を授かった鬼人だ。」
オーガ族の中から極稀に生まれる鬼人が来たのだった。
「今回リザードマンの領域に赴いたのはほかでもないオークの軍勢と戦う協力を得るためにリムル様の命で来たのだ。」
「それはまことにありがたいことだが…。貴殿の主の軍勢は我らよりもはるかに優れていると思っていいのか?」
「無論、俺と同じ鬼人は戦えるもので4人に加え、ジュラの森の守護者『ドライアド』から直々に協力を要請されたリムル様であればオークロードを蹂躙することなど造作もない。しかし最大の脅威は消えても残りの軍勢を討伐するのには数が必要なためこう押してやってきたのだ。」
「ソウエイから連絡が来た。リザードマンは協力を受けてオークロードの討伐を共に行うと約束した。」
場所は変わり魔物の町の中央に建てられた会議室でリムルとキリトはソウエイの連絡を受けた。
「なんとかなったみたいだな。それでこれからどうするんだ?」
「まずはこの町を守る隊と戦場へ行く隊に分ける。俺とキリトはそのまま戦場へ行くぞ。」
「わかった。じゃあ編成始めようか。」
話しが纏まり、突然来訪したドライアドの『トレイニ―』をちらりと見る。トレイニ―はリムルが考えた芋の揚げ菓子、要するにポテトチップスを山盛りに食べていた。
「まずは鬼人からベニマル、ハクロウ、ソウエイ、シオンを戦場へ行かせる。クロベエとシュナにはこの町を守ってもらう。
次にゴブタが隊長のゴブリンライダー20基、ランガ率いるテンペストウルフ10基、そして俺とキリトだ。」
「わかった。じゃあリグルドとリグルにこの町の緊急事態に備えての統括としよう。」
そんなこんなでキリトたちは準備を済ませリザードマン領で出発した。
「ここは…?」
「ヒヒヒ…召喚に成功したぞ!」
少年が目を覚ました目の前には仮面を被った貴族のような男がいた。
「まずは自己紹介しよう。俺の名はゲリュミュッド。お前の主だ。」
「ゲルミュッド…様…。」
「そうだ。何も考えるな。お前は俺の命令に従えばいい。」
ゲリュミュッドの持っているステッキが不気味に光り始めると、少年は
「…!来い!青薔薇の剣!『エンハンス・アーマメント!』」
少年が詠唱を行うとゲリュミュッドの周りに氷の弦が巻き始め身動きを取れなくした。
「チィ!小癪な、上級魔人に逆らうなど!死ねえ!」
ゲリュミュッドはステッキの不気味な光を少年の体の中心に放ち、そのまま少年は吹き飛ばされた。
「ぐぅぅ!」
少年は蹲ろうとするが何とか耐え、その場から走り出した。
少年が走った先にはリザードマン領に侵略していくオークの軍勢がいた。
「この数は相手できない…こっちに…!」
オークの進行のすぐ後ろを走り続ける。だが
「貴様‼我がリザードマン領に侵入してくるとは何事だ!」
今度はリザードマンに囲まれてしまいまた違う方向へと逃げだすが、先ほど撒いた魔人ゲリュミュッドが待ち構えていた。
「こんどは逃がさんぞ!」
またもやステッキから不気味な光が現れ、少年の体に直撃する。そのダメージにより、少年は気を失ってしまうのだった。
「ククク…こいつは利用価値がありそうだ。体の所有権、洗脳を施しておけば俺の忠実な僕になるぞ…ハハハ…はーっはっはっは!!!」
ゲリュミュッドの不気味な笑い声が森全体に響いたのだった。