魔法少女リリカルなのは 〜世界の破壊者はその瞳で何を見る?〜   作:シナプス・フィン

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今回でA's編終了となります。


後書きで今後のストーリー展開を話していきますので
最後までお付き合いください。

では、どうぞ。


EPISODE27 全ての終わり、新たな始まり

リインフォースの前に魔方陣が展開されその魔方陣からディケイドが現れた。

 

「司君!!」

 

なのは、フェイトが司の元に駆け寄っていく。

 

「ナハトヴァールは?」

「破壊できた。リインフォース。気分はどうだ?」

 

リインフォースは、体の内部の確認をする。

 

「防衛プログラムが正常に戻った。ナハトヴァールも何もない」

「ということは・・・」

「主人の推測通り、私は消滅する必要はありません・・・」

 

はやては、その言葉に歓喜しリインフォースに抱きつく。

リインフォースは優しくはやてを撫でる。

 

「ご心配をお掛けしました・・・」

「次、勝手なことをしたら許さへんから・・・!」

 

はいと呟きつつはやてを抱きしめるリインフォースだった。

 

「これにて一件落着だな」

「水無月」

 

シグナムが司を呼び、司がその声に振り向くと

ヴォルゲンリッター達が司のところに来ていた。

 

「水無月、感謝する。この恩は、必ず返す」

「お前達が気にする必要はないよ。手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬ程後悔する。

それが嫌だから、手を伸ばす。それだけだ」

「それでも、礼は伝えさせてくれ」

「・・・なら受け取っておく」

 

そんな話をしている時・・・。

 

「あっ」

「どうした?」

 

司はあることを思い出しその問いをするヴィータ。

 

「はやてって入院してたんだよな?」

「え?えぇ、そうだけど・・・」

「これって、無断外泊になるんじゃないのか?」

 

その言葉を聞いたはやてとヴォルゲンリッター主にシグナム、シャマルの

3人は、青ざめた表情をした。

 

「い、急いで戻らねば!!」

「そうやった!石田先生怒るとめっちゃ怖いねん!!」

「と、とにかく言い訳考えなくちゃ・・・」

 

ザフィーラとヴィータは、ため息を吐きなのは、フェイト、リニスの3人は苦笑いを浮かべた。

クロノに連絡し、大急ぎで病院に戻ったが案の定担当医にこの事がバレて

こっぴどく怒られたとのことだそうだ。

 

 

 

 

 

数日後。現在、なのは、フェイト、はやて、司の4人は、アリサの家に向かっている。

 

「そういや、アリサ達に魔法のことは話すのか?」

「うん。ずっと隠していくのは無理だと思うし・・・」

「これ以上隠しておくのも、アリサ達に悪いし・・・」

 

なのはとフェイトの話に納得する司。

 

「司も話すの?ディケイドのこと」

「まあ、艦長さんや真っ黒執務官にも口外しないことを条件に出したから

迂闊にばらすことは無いと思うが・・・」

 

少し、嫌な予感はしているのも事実。

そんな話をしている時、彼女の自宅にやってきて司が一言・・・。

 

「立派な家なことで・・・」

 

到着するや否やゲンナリした表情を浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

そして、アリサとすずかとでお茶会をしつつなのはの魔法の話をするのであった。

 

「なるほどね・・・。このバカちん!!」

「にゃぁあっ!?」

 

アリサの拳がなのはの頭にクリーンヒットし独特な悲鳴をあげるなのは。

それに対して苦笑いを浮かべるしか無いすずか。

 

「アリサちゃん痛いよ・・・」

「そりゃあ魔法関係で役には立た無いと思うけど

それでも話をしてくれたら何か手伝う事できたじゃない!」

「はいぃ・・・」

 

アリサの気迫に思わず縮むなのは。

 

「やれやれ・・・」

「まあまあ、アリサちゃんも落ち着いて」

 

司は、両肩竦めてすずかはアリサを宥める。

 

「というより、アンタも人のこと言え無いでしょうが!!」

 

アリサの矛先がついに司に向けられた。

 

「そうだよ!なんで私たちにも教えてくれなかったの!?」

「え?」

「なのはちゃんも知らなかったの?」

「なのは、フェイト、はやての3人は俺がディケイドだってことを

知ったのはつい最近のことだからな」

 

アリサの話に便乗してくるなのはに対し意外という表情をするアリサとすずか。

 

「どうして正体を隠していたの?」

「フェイトの母親がトラブルに巻き込まれた際、人為的な事が後々発覚してな。

敵側に尻尾を掴ませ無いように動いていたってのが一番の理由かな」

「じゃあ、下手に正体をバラさ無い様にしていたのって・・・」

「周りの人間を巻き込ま無いためもあるけど向こうが動いて炙り出させる事も

目的の一つだったしな。第一、そもそも学校違うから話す事ないし」

 

それもそうだという表情を浮かべるアリサは、どこか納得して無い様に見えた。

 

「じゃあ、正体を出したのは・・・」

「かなりの緊急事態だったって事だ。地球の危機に正体がばれ無い様に動くのは

流石に無理があると思っていたからな」

 

フェイトの話に答える司。どこと無く皆は納得する。

 

「それと司君」

「何だ?」

「ありがとう」

「えっ?」

 

すずかから急にお礼を言われた。なんだっけ?

 

「私とアリサちゃんを助けてくれた事」

「ああ〜」

 

思い出した。すずかとアリサは誘拐されてたんだ。

それで俺、助けたんだった。

 

「ま、まあ、助けてもらったのも事実だしありがとう

「アリサが礼を言った!?」

「失礼過ぎるわよアンタ!!」

 

アリサがガミガミ言っているがそんなものは無視した。

その後、その日は、お茶会を楽しんだのだった。

 

 

 

 

 

「さて、こうして時間を取れたわけだし・・・」

「貴方の事を聞かせて貰うわ」

 

今現在、アースラの会議室。

ここにいるのはなのは、フェイト、はやて、ヴォルゲンリッター、ユーノ、アルフ、リニス

クロノ、リンディ、そしてプレシアだ。

アリシアは、リンディがエイミィに頼んで面倒を見て貰っている。

この件は、なるべく話を広げたくないと司の希望だ。

 

「まず、教えてもらおうか。君が何者なのか」

「それもそうでしょうね。管理局の人からしてみても異質過ぎるから」

 

クロノの視線は厳しいものだった。

ただでさえSSSクラスの使い魔を使役し更に防御魔法も簡単に突破する

質量兵器を持っている。厳しい視線を向けるのも無理はない。

 

「ま、執務官の疑問も最もでしょう。ただ、説明に入る前にこれだけは

頭に入れておいて欲しい。

 

 

 

 

 

俺は、一度死んでこの世界に来ました」

 

その言葉を皮切りに闇の書の中に吸い込まれた際に起きた出来事

リインフォースを証人とし、全てを話した。

 

「信じられるわけないだろう!?」

「それでも、こうして俺はここにいる。話を鵜呑みにしろとは言わないが

少なからず証言者(リインフォース)がいる以上、真実味は帯びてくると思うが」

「・・・だが」

「そこまでよ、クロノ。その議論は今行うべきではないわ」

「・・・はい」

 

リンディさんの説得で執務官は下がるが納得はしていないように見える。

 

「でも、納得はしたわ。貴方が情報の漏洩を恐れていることと

管理局に対しての不信感を、そしてその力の事も・・・」

「管理局という組織も一枚岩ではありませんからね。

元々、プレシアを助けてくれと頼まれたのがリニスだといいことが

キッカケに過ぎませんからね」

 

そう、全ては偶然が重なった出来事なのだ。

元にリニスに出会わなければ、ジュエルシードを見つけなければ

司は、この場にいなかったのだ。

 

「なあ、司君」

「何だ?」

「・・・辛くはないの?」

 

はやての言葉に皆が司を見る。辛い、ね。

 

「正直、俺が記憶が元に戻った時は、スッキリしたよ。

ずっとこの訳の分からんモヤモヤに悩む必要もないしな」

「・・・けど」

「何をどう言おうがこの生き方を決めたのは俺自身だ。

お前達が魔法に関わって行くと決めたと同じようにな」

 

司の意見を曲げずに貫き通す意志に皆は言えなくなった。

 

「・・・なら、1つだけ約束して」

「フェイト?」

「自分一人で抱え込まないで。何かあったら頼って」

「・・・分かった」

 

そんな状況がないことを願いたいけどなと心の中で呟いた。

 

 

 

 

 

今、司はクロノと共に管理局の本局にいる。

それは、司がある人物に会っておきたいからだ。

 

「初めまして。ギル・グレアム提督」

「ああ、まさか君のような子供に我々の計画を台無しにされるとは思ってもみなかったよ」

 

グレアム提督はどこか自嘲した笑みを浮かべていた。

 

「貴方のやろうとしていたことは、所詮問題を先延ばしする程度でしかなかった。

貴方でも分かっていたはずではないのか?」

「それでも、私自身が許せなかったのだ。

クライド君を失い、同じ過ちが繰り返されると思うと・・・」

「それでも、どんな理由であってもはやてを見殺しにしていい理由にはならない。

それに、貴方の計画は、俺というイレギュラーがいた時点で既に終わっていたからな」

 

そう言い司は、立ち上がりその前まで歩く。

 

「ああ、はやては闇の書の浸食は止まって後は回復するだけですよ」

「そうか・・・」

「貴方のした事は許せませんが、もし罪悪感があるのなら

その十字架を背負って残りの人生を生きてください。貴方にはその責任がある」

 

そう言い、司は部屋を出た。

 

「・・・彼に一杯食わされたな」

「お父様・・・」

「ゴメンなさい。アイツの力、甘く見てた・・・」

「いや、これで良かったのだろう・・・」

 

グレアム提督は、はやてのこの先の人生が幸福であることを願うのだった。

 

 

 

 

 

6years later

 

 

桜が舞い散る中、1人の青年が桜を見ていた。

 

「司」

 

振り返ると金色の髪を1本に纏めた女性がいた。

 

「おはようフェイト。今日の任務はなのはとはやてと一緒か?」

「うん。司は、いつも通りノートをよろしくね」

 

闇の書の事件から6年の歳月が流れた。皆は中学生になりなのは、フェイト、はやての3人は管理局に入局した。

ヴォルゲンリッター達も事件を起こした贖罪を兼ねた管理局任務に従事することになる。

 

「執務官はどうだ?」

「結構やりがいはある。でも、大変さは身にしみてわかった。

クロノの凄さを理解できたような気がする」

「アイツ、何だかんだで優秀だからな」

 

クロノは、執務官から提督に昇進しリンディさんの後を継ぎ、アースラ艦長に就任した。

エイミィも管制司令としてアースラに乗艦、クロノとのコンビも今でも健在だ。

 

「プレシアさんとアリシアはどうだ?」

「うん。新しいデバイスのプログラムを作ってる。

アリシアは、最近、地球のプログラミングにハマってるって」

「親子揃って科学者気質ありまくりだな」

 

プレシアは、アリシアと共に地球に残るとのことだそうだ。

アリシアのリンカーコアが消失し無理にミッドに戻る必要がないと話していて

それなら地球に残って仕事をしようということになった。

アリシアも同じような感じでプレシアと共に残ると話していた。

2人は、地球でプログラミングを行っているとのこと本人達曰く

 

「「ミッドのと比べるととても簡単」」

 

と話していた。何それ怖い・・・。

リニスは、プレシアの元に行くそうだ。

と言っても、使い魔の主人は司であることに変更はなく

家政婦のようなことをして貰っているそうだ。

そして、フェイト。フェイトは、クロノと同じように執務官になった。

かなり大変だったが仕事はかなり充実した日々を送っている。

 

「司君。フェイトちゃん」

 

振り返るとはやてが登校してきた。

 

「おはよう。フェイトちゃん」

「おはよう。はやて」

「司君も、おはようさん」

「おはよう、はやて」

 

はやては、侵食されていたリンカーコアも正常に戻り、足も完治した。

その後、管理局預かりの嘱託魔導騎士となりヴォルケンリッターを率いて

ロストロギア関連事件の捜査に才覚を発揮している。

ヴォルゲンリッター達もはやてと共に生活している。

 

「そういや、ユーノと連絡って取った?」

「取ったよ。元気にしてたよ」

「アイツ、何だかんだで忙しそうだもんな」

 

ユーノは、時空管理局データベース『無限書庫』の司書長に就任した。

更に司書の傍ら古代史の論文を発表、学者としての実績を重ねているとの事。

そんな話をしている時、正面になのは、アリサ、すずかの3人が登校しているのを見かけた。

 

「なのは、アリサ、すずか」

「司君。フェイトちゃん」

「はやてちゃんおはよう」

 

皆と合流し登校する。

なのはは新任局員への戦技教導の傍ら、捜査官としても活動し優秀な成績を残している。

司は、管理局に入局し諜報部の部署に配属された。

この事は、結構重要機密でなのは達は知られてい無い。

事の経緯は、また改めて話をしよう。

そして、学校に到着しなのは達の下校を教室の窓から見守る3人。

 

「アイツら、無茶しなければいいが」

「それもそうね・・・」

「まあ、私たちは信じて待とうよ」

 

アリサ、すずかの言葉にどこと無くため息を吐き空を眺める司。

こうして掴んだ明日(世界)をアイツらと守っていこうと誓う司だった。

 

 

EPISODE Fin Lyrical Nanoha A's

 

 

 




はい。今回でA's編が終了となります。

まずですね、劇場版の作品に入る前に空白期を執筆します。
ここでとらハを書く予定です。
司の件に関してはこれも空白期の時に書きますので
もうしばらくお待ちください。

※追伸
アンケートご協力ありがとうございました。
結果は「見たい」と言う意見が多数ございましたので
とらハOVAをベースにしたストーリーを投稿する予定です。
今しばらくお待ち下さい。
とらハキャラも登場予定ですのでお楽しみにしていただけると幸いです。

誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


りリカルなのは、クロスの候補。(それ通りに作るかは不明ですが気楽に投票して下さい)

  • 仮面ライダーセイバー(セイバーだけ)
  • 仮面ライダーカリバー
  • 鬼滅の刃(技だけ+strikersのみ)
  • 鬼滅の刃(技だけ+無印から全て)

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