魔法少女リリカルなのは 〜世界の破壊者はその瞳で何を見る?〜   作:シナプス・フィン

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今回の次のストーリーが終わった後ですかね?


とらハストーリーを投稿します。
では、どうぞ。


EPISODE32 瞳に宿す決意

例の事件から翌日。

司は、なのはが過労で倒れて入院する事になりミッドチルダの病院に見舞いに行く事になった。

お見舞いの花を買いに行きミッドチルダの病院に来ていた。

なのはの病室を聞きドアノックで病室にいるか確認をする。

返事が聞こえたのでドアを開ける。

そこにはフェイトとはやても来ていてなのはは司がだとわかると僅かながら表情が強張った。

 

「司君・・・」

「気分はどうだ?」

「う、うん。平気」

「フェイト、はやて。なのはの様子はどうだ?」

「ええ!?私、平気って言ったよ!?」

「信用できん。それで、どうなんだ?」

「司君の睨んだ通りだったよ」

 

ドアの方から声が聞こえるとシャマルさんが診察カルテを手にしていた。

司は、シャマルさんからカルテを見せてもらった。

 

「やっぱり・・・」

「原因は、極度の疲労蓄積、睡眠不足に栄養不足。よく倒れないでいたわよ」

「お前、大丈夫って言ってればいいってわけじゃないからな?」

 

司がなのはを軽く睨むと縮こまるなのは。

 

「要するに過労だろ?」

「流石ね。司君」

「前世でそれが原因で退職した後輩がいてな。今思えば多少強引にでも

休ませればよかったよ」

「それって、前世の警察官時代?」

「ああ、それが小学生の段階でさせるとかマジで笑えねえよ」

 

司は、思わずため息を吐く。

 

「・・・ごめんなさい」

「そう思うなら、お前は周りを頼れ。人間、1人でできることなんてたかがしれてる」

「・・・それ、司君が言えること?」

「おい、俺をなんだと思っている」

 

はやての言いがかりに食いつく司。

 

「チート持ちの転生お兄ちゃん」

「よく人間?って疑われる子供」

「よしテメェら表に出ろ。喧嘩売ってんなら買うぞ?」

 

血管を浮き出し拳を握りゴキゴキ鳴らす司。

思わず青ざめてしまいはやてとシャマルは秒で謝った。

その後、はやては仕事にシャマルも他の診察に戻ると話し病室を後にした。

今、ここにいるのはなのはとフェイト、司の3人だった。

 

「・・・司君」

「お前は1人で抱え込みすぎだ」

「えっ?」

 

急に言われたことに思わず聞き返してしまったなのは。

 

「過労の原因としてあげらえると自責の念、まあ、強迫観念みたいなものか。

お前さんの場合は、誰かに頼りにされなくなるのが怖いからか?」

「!?」

 

いきなり核心に迫られ思わず目を見開いたなのは。

 

「士郎さんから聞いた。お前さんの過去」

「あ・・・」

「断言できる。今のお前は、1人じゃない。フェイト、はやて、リンディさんにクロノ。

お前の周りには人がいるだろ」

 

その言葉を聞いてフェイトに視線を向けるなのは。

フェイトは、なのはに優しい笑顔で頷く。

 

「それに、俺は全て1人で解決なんてした覚えはないぞ?」

「・・・あ」

 

なのはは、これまでの事件を思い出した。

確かに、司は1人で行動することは多いがそれでも1人で戦っていたわけではない。

最終的にはみんなで事件を解決してきた。

闇の書事件でもアリサとすずかを守る為に防御魔法を使うよう促したり

ジュエルシード事件でも司1人では、封印できないからなのは達に託した。

 

「私・・・」

「だから頼れ。仲間を、友達を。お前は1()()()()()()

 

その言葉を聞いた時、今まで溜まっていた感情が爆発したのか大粒の涙を流した。

なのはをフェイトに任せ一度病室を出る司。

病室を出るとそこにはヴィータとリンディと見知らぬ女性がいた。

 

「ヴィータとリンディさん。そちらの方は?」

「司君、紹介するわね。こちら、レティ・ロウラン。私の友人で

時空管理局本局運用部の提督をしているわ」

「レティ・ロウランです」

「水無月司です。なのは達の友達です」

「そう君が・・・」

「俺のこと知ってるんですか?」

「ヴォルケンリッターの子達がよく話していたわ」

「・・・オイ」

 

司は、ヴィータを睨むと吹けるはずのない口笛を吹きシラを切る。

 

「お見舞いなら、少し待ったほうがいいですね」

「どうして?」

「彼女のプライバシーに関わりますので詳細はお話しできませんが

色々と溜まった感情が爆発したみたいで」

「それなら、落ち着く時間が必要でしょう」

 

そう言い、皆でロビーに向かう事にした。

 

 

 

 

 

自販機でレティさんと司に飲み物を買いに行く事になり今現在2人で話をしていた。

 

「なのはさんの事件。介入したのは君で間違いないわよね」

「聞いたんですか?ヴィータに」

「僅かながら戦闘区域にノイズが入っていたけど貴方と断定できたわ」

 

ヘェ〜。意外にやるじゃん。

 

「それで、俺を捕まえる気ですか?」

「しないわ。お礼に言いに来たのよ」

「なのはの事ならお礼を言われるまでもありません。友達を助けるのに理由は必要ないですから」

 

淡々とした回答に何やらレティさんは、ある決心をした。

 

「もし貴方が良ければ管理局に入らないかしら?

今回の件でお友達が危険な目にあう事は分かったから助けたいのなら入る事も間違いではないと思うわ」

「・・・」

 

聞かれるだろうと思っていた。司は、悩んだ。

今回の件でなのはが無茶をする事で友達を失う可能性が大きくなった。

司が特に嫌だったのはあのベッドに眠っているのがフェイトだったらと考えた時だ。

なぜ、そうなったのかは本人もわからないでいた。

何故、フェイトだけは彼処から危険なところから離れて平和に暮らして欲しいと願った。

どうしてそう思ったのか司自身も判っていない。

 

「・・・少し、考えさせてください」

 

そう答える事しか出来なかった。

その後、リンディさん達と合流しなのはの様子を見てその日は解散となった。

その時になのはの表情は幾らか楽なもののように見えた。

 

 

 

 

 

翌日。

司は、翠屋で士郎さんに報告も兼ねてコーヒーを飲みに来た。

 

「そうか・・・。それは良かった」

「まあ、とりあえず過労という事で済んで問題ないですね」

 

因みに、数日したら管理局に復帰はするが人事・総務の人が逆鱗に触れそうだって

なのはに伝えたところかなり青ざめていた。

理由としては、なのはの所為で人事部の人が休めなさすぎてストレスがマッハになり

かなり気が立っていた。

だから、他の人達が休める様にしろという通達もあり一先ず、有給の消化も兼ねて半年ほど休みを貰えた。

その間は、桃子さんの要望で翠屋の手伝いをしてくれという話になった。

何でも、恭也さんと美由希さんが韓国に行くとの事でその間、店の手伝いをして貰える人が

欲しいと話していて蓮ちゃんや晶ちゃん、忍さんと神崎さんにヘルプを頼む

可能性はあるが忍さん以外はアルバイトとしての雇用契約はしてないそうだ。

 

「せっかくだから司君も手伝ってみるかい?」

「いや、流石に遠慮しますよ。即戦力にはなれませんって」

「それは残念。またの機会にしよう」

 

あ、この人俺を店員に仕立て上げるつもりだな?と考えている司。

そんなやり取りをし翠屋のコーヒーを堪能した後、買い物に出かける。

 

 

 

 

 

「あっ」

「んっ?」

「おっ?」

 

日用品の買い足しを終えて帰宅しようとした時恭也さんと美由希さんにバッタリ遭遇した。

 

「司君じゃん!どうしたの?」

「一応、買い物に。2人は・・・韓国の準備ですか?」

「ああ。それとちょっと差し入れを買いに」

「差し入れ?」

「私のお母さんに会いに行くの」

「お母さん?」

 

司の頭は?を浮かべた。母親とは桃子さんの事ではないのかと・・・。

 

「実は、俺と美由希は、従兄妹なんだ」

「え!?」

 

今明かされる衝撃の真実ゥって奴ですか!?

 

「驚くのも無理ないだろう」

「いや、驚きますって・・・」

 

いや、もう衝撃すぎて開いた口閉じないんですけど・・・。

 

「恭ちゃん。そろそろ行こう」

「そうだな、そろそろ遅くなる。じゃあな司。あまりリニスさんを困らせるなよ」

「あ、恭也さん!」

「どうした?」

「少し、時間ありますか?」

 

司の急な申し出に首を傾げるしかなかった。

 

 

 

 

 

場所は、翠屋の近くの公園。

リニスは、今日はテスタロッサ家の人達と家族水入らずの食事に行くと

事前に聞いており遅くなるのは問題ないと話していた。

 

「それで、どうしたんだ?2人で話したいって」

「・・・恭也さん。なのはの事、聞きましたよね?」

「・・・」

 

恭也は、その事を聞くと思わず口を閉じた。

 

「正直、友達として気づいてあげられなかった。

無茶している事を事前に止める事ができたとはいえ失うのが怖かったんだ」

「・・・それでも、君はなのはを助けてくれた。俺たちもとても感謝している」

「正直、それだけなら安心しました。ただ・・・」

「ただ?」

「彼処に倒れているのがベッドに寝ているのがフェイトだったらと想像すると

震えが止まらなくなるんです・・・」

「・・・」

 

恭也は、司に対して何も言わない。

 

「恭也さんは、ありませんか?大切な人がなのは見たいになったら・・・」

「俺だって不安だったさ」

「え?」

「正直な話、初めて父さんからなのはの事を聞いた時俺も悔しかった。

家族なのに話をする事すら出来なかった」

 

司も恭也の表情を見た時、どこか寂しく悔しい表情をしていた。

 

「こんな事を聞くのもアレなんですけど、どうやって乗り越えたんです?」

「側にいる事、自分の手が届く範囲で守るという誓いをしたというのもあるかもな」

「自分の手が届く範囲で・・・」

 

司が宿したその瞳は、決意と覚悟を表すように見えた。

 

「覚悟を決めたみたいだな」

「・・・強くなります。もう2度とアイツらに辛い思いをさせないために」

「なら、試してみるか?」

「え?何をです?」

「俺と美由希が修めている剣術・・・。

 

 

 

 

 

()()()()()を」

「・・・恭也さんと美由希さんが、修めている剣術を俺が!?」

 

司は、信じられなかった。

アリサとすずかが誘拐された時に救出に来たのが恭也さんだったのは覚えている。

しかし、まさか誘いに来るとは思いもよらなかった。

 

「君の誰かを守りたいと思える意志は、俺と似ている所がある」

「・・・忍さんですか?恭也さんの場合だと」

「ああ。お互いがお互いだからな」

 

そう、彼女は夜の一族という()()()だ。

彼女の心の拠り所になったおかげか今こうして付き合えているというのもあるだろう。

 

「今すぐじゃなくていい。俺たちが韓国に行く話は聞いているだろ?」

「ハイ・・・」

「その後に聞こう。それと、そろそろ帰った方がいい。それとも家で食べていくか?」

「・・・考える時間を下さい。少し、一人になりたいので」

 

司は、それだけ言うと公園を後にした。

恭也は、司の表情を見た時、穏やかに見えた。

 

 

 

 

 

その日の夜。後は寝るだけの状態にし司は、ベッドの上で呆然と天井を眺めていた。

 

「(初めてだったかもしれない。誰かがいなくなる恐怖を感じたの・・・)」

 

仮面ライダーの力を手にして浮かれていたというのもあるのかもしれない。

力を振るう為には敵が必要だ。しかし、ただ振るうのではダメだ。

それでは、ただの暴力でしかない。だからこそ司は・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦う理由が欲しかったのかもしれない。

 

「そうなると・・・」

 

司は、ある人に向けてメッセージを飛ばした。

 

 

 

 

 

数日後。

司は、ある部屋の前に到着しドアをノックする。

 

「どうぞ」

「失礼します」

 

そう言いドアを開けると中にいたのはレティ提督だった。

 

「よく似合ってるわ。それと君の力と能力、あてにさせて貰うよ。

 

 

 

 

 

水無月諜報員」

 

司は、黒色の管理局員の制服を纏ってその瞳は決意を宿した瞳だった。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。
次回は、司の管理局入局の詳細を話します。諜報員の理由もそこでわかります。
それと、この段階では、恭也さんは司がディケイドというのは知りません。



誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、次回。

りリカルなのは、クロスの候補。(それ通りに作るかは不明ですが気楽に投票して下さい)

  • 仮面ライダーセイバー(セイバーだけ)
  • 仮面ライダーカリバー
  • 鬼滅の刃(技だけ+strikersのみ)
  • 鬼滅の刃(技だけ+無印から全て)

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