ペーパーマリオAF   作:ソードドラ

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皆さん、悪は存在すると思いますか?

かつての哲学者、ゴッドフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツさんは『弁神論』でこの世に悪は存在しないと言いました。神は完璧なんだから世界を作った時に欠陥は作るはずがないと証明してこの世界こそが『最善の世界』といったのです。

ま、私はこの世界は狂ってるし悪は存在すると思ってますけどねw


2.悪

「がんばって!」

「ガンバレ!」

「まけるなー!」

 

う……い…!

 

「ファイトォー!」

「ファイトォーっ!!」

「がんばるボムーっ!」

 

…まれ…!

 

「ダンナーっ!」

「ゴンザレスーっ!」

 

うるさい………!!!

 

「マリオー!!!」

 

『黙れぇーーーーーっ!!!!』

 

 

 

 

「フーン?ここが地下世界か。なかなか怖いところだね」

 

「当たり前だぜ。ここは世界を滅ぼそうとした大罪人が裁かれる場所だぜ。怖くないはずがない。」

 

「どうやらそのようだね。ここにいるみんな強い力を感じるよ。ところで君一人で僕を連れて行くのかい?暴れちゃうかもしれないよ?」

 

ディメーンの疑問点は至極当然の事である。世界を滅ぼそうとした大罪人をオニンたった1人だけで連行しているのだから。しかし…

 

「問題ない。俺は強い」

 

そう。たった1人でディメーンを地下世界に連れて行くには理由がある。何を隠そうこのオニンは最強なのである。たとえ全てのオニンがこのオニンに総がかりで闘ってもこのオニンが勝つ。それほどまでにこのオニンは強い。たとえ大罪人の方が強かったとしてもこのオニンが勝つ。それは

 

「もし、お前が俺より強くてもお前は勝てんさ。ここはそういう場所だ」

 

この地下世界には邪気が漂っている。それこそ常人では気が狂ってしまう程に。たとえ腕に覚えがある者でもただでは済まない。それほどまでにこの地下世界の空気は淀んでいる。

 

「へぇ〜。それは興味深いね。君より強い奴でも君には勝てないんだ?なんでなのか教えて欲しいよ」

 

「…。黙れ、道化師。俺を騙そうとしたって無駄だ」

 

「フフ」

 

ディメーンとオニンの目が合い沈黙…。

しかし、その沈黙は不発弾が何かのきっかけで爆発する寸前かのように空気が張り詰めていた。猛獣と化物が対峙しいつ交戦するか分からないように。

 

「…入れ。ここが貴様の罰を受ける場所だ」

 

ディメーンが投獄される。ただし見えない枷をつけられて。枷をつける為にディメーンの手に触れる

 

スッ

 

「なっ?!」

 

あろうことかディメーンの手はすり抜ける。幻影である事に即座に気付くオニンだが動揺した。それもそのはずだ。

 

『地下世界には魔素が存在しない』

 

魔素は魔法の根源となる原初の存在。魔素を扱い精神力で魔法を生成する。つまり、

 

『魔素が無ければ魔法は扱えない。』

 

いかに優れた魔導師であっても魔術師であっても魔素が存在しなければ魔法を行使することは出来ない。それは絶対の理。その事実を今覆された事にオニンは動揺を隠せるはずもなかった。

 

いつどこで騙された?いつどこで魔法を行使して幻影を作り出した?

 

それしか考えられなかった。そして

 

「フフ〜ン♪そりゃあ動揺もしちゃうよね〜♪だってずっとそばに居て僕が何もしていないのをその目で見てたんだからね」

 

突如聞こえるディメーンの声。間違いなくこの空間にいるにも関わらずその声はどこから聞こえるのか分からない。分からない事だらけだった。自分が出し抜かれる事など今の今まで無かったのだから。

 

「君は今、なぜ魔法を使えているのかと思っているでしょ?答えは簡単だよ。魔法は使っていないからね」

 

尚更訳が分からない。魔法を使っていないのになぜこいつはここにいる。

 

「さぁ、マジックの時間は終わりだよ」

 

指を鳴らす音とその声が聞こえてオニンの体からは力が抜けその場にへたり込んでしまった。しかし流石のオニン。意識はまだ完全には刈り取られてはいなかった。ここで意識を手放していた方が良かったのかもしれないが。

 

「…なぜ、こんな事を…出来る…」

 

「!驚いた。まだ意識があるなんて。カラクリは教えるべきじゃないけど君には教えてあげようかな?僕だって魔法の腕は確かだけど本業は違う。僕は魔術師でも魔導師でも魔法使いでもない。僕は道化師だよ♪」

 

「…!!!」

 

「道化は人を騙してこそだよ?僕から魔法をとっても所詮それは副産物を封じただけの事。君が騙されていたのは魔法なんかじゃなく催眠術さ」

 

そこでディメーンはオニンの前に現れ顎を上げる。

 

「な、何を…!俺を殺しても無駄だぞ…!魂はジャーデス様へ帰り貴様の行った所業がバレるだけだぞ…!」

 

「うんうん♪そうだよね。普通はそうだよね。安心して?僕はちゃんと投獄されるからさ?」

 

「…は?」

 

「だから君には僕の駒になってもらう」

 

そう言ったディメーンは指を鳴らした。かつて仲間だった武士の王国の猛将をも手駒にし、四人の勇者の一人をも手駒にしたミドリの葉っぱがある男に生えた。




凶悪な囚人を1人で投獄する時点でおかしくね?
それだけこのオニンは強かったんです。1人でやっても何ら問題が無かったんです。
まぁ、知らない事をいきなり目の前でされたら誰だって困惑します。最強のオニンと言っても彼もまた1人の人間ですから。
結局のところ、たとえ何人でディメーンを投獄しようとしても同じ結果ですけどね。
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