「おい、伊織。こっちだ」
俺がミスコン会場に着くと、先輩たちがすでに席を取っていた。
「お疲れ様です。あれ、奈々華さんはどこですか?」
奈々華さんがいない?おかしいな。
千紗のことを可愛がっている
そう思っていると、
「ああ、奈々華さんならあそこだ」
時田先輩が指さした先を見ると、会場の一番前で
「奈々華さんがこんなチャンスにいないわけがないだろ」
時田先輩がそう言った。
確かに千紗がミスコンに出るのに、
「そういえば千紗ちゃんの様子はどうだった」
「まあ緊張していましたけど・・・」
寿先輩と俺が千紗の様子について話しているとミスコンが始まった。
「はい、ティンカーベル~」
「「ケバイ・・・」」
ミスコンの一番手がネタ枠とか、あの子のハートはダイヤモンドなのか・・・
あの子が所属しているティンカーベルからは笑い声が上がっている。
なんだろ・・・嫌な奴らだ。
「もういいよ。十分笑ったから、帰っていいよ」
ティンカーベルの奴らからヤジがとんだ。
「・・・ひどいな」
時田先輩がそう呟き、険しい顔でステージを見ていた。
「そういうことですのでお疲れさまでしたー。以上、ティンカーベルの吉原さんでしたー」
「はい、続いてはダイビングサークルPaBから、古手川千紗さんの登場です」
お、千紗の出番だ。
千紗の登場により、会場が一気に湧いた。
まあさっきがネタ枠だったから、その逆で攻めてきた千紗をみると分からないこともない。
そう思えるほど今の千紗は可愛かった。
けど、
「では古手川さん、普段は何をされているんですか?」
読書です
千紗の奴、緊張しているからか表情も固く、受け答えも淡々としている。
こんなんじゃミスコンを優勝できないぞ。
先輩たちも同じようなことを思ったのか、
「まずいな。このままじゃ負けてしまうぞ」
「おい耕平。何か手はないのか?耕平は
先輩たちはこの状況を打破するため、耕平にアドバイスを求めた。
「まぁ確かに
耕平が案をだしたが、俺はいい案ではないと思った。
「いや耕平。千紗の奴、普段から笑わないから無理じゃないか?」
「なるほど・・・。では俺たちが恥ずかしい格好をして笑わせるとか?」
「やめておけ。ゴミを見る目で見られて終わるだけだと思うぞ?」
まったく耕平の奴、建設的な案はないのか
「じゃあこれならどうだ?おい伊織、今日の古手川の服を見てみろ」
今日の?耕平に言われ千紗を見ると、
「スカートだが?」
「そうだ、
耕平は伊豆春祭で手に入れたスーパーボールを手に持ち、俺にこう言った。
「おいまさか、お前・・・」
「そうだ、スカートめくりをして古手川に恥じらいさを出させ、観客に受けさせるぞ」
「却下だ、却下!お前千紗に殺されたいのか!」
それを実行すると死人が必ず出る。
俺は反対していると先輩方が、
「だがそれしか案はないのだろ?」
「優勝するためだ。やるしかない」
先輩はやる気だ。だが俺は火を見るよりも明らかな
「ならこれでどうだ?全員で一斉に投げて実行犯を特定させないというのはどうだろうか?」
耕平がこのように提案した。
確かに・・・これなら誰が投げたかわからない。
この状況を打破するには
「よしやるぞ。いっせーのーせ」
耕平が掛け声をあげると、俺たちは千紗の足元にボールを投げた。
俺が投げたボールはたまたま一直線に千紗のスカートの下へと届き、スカートをめくることに成功した。
これを見て会場は一気に盛り上がりを見せた。
「よし一気に畳みかけろ!伊織!!」
「ナイスコントロールだ!いいぞ伊織!!」
「さすが伊織!!俺たちに出来ないことを平然とやってのけるっ。そこに痺れる!あこがれるぅ~」
・・・エ?
俺は振り返ると、先輩と耕平はボールを投げていなかった
「コレ、マズインジャネ」
俺はそっと会場を見ると千紗の奴が
涙目で睨んでいた
あ、コレオワタ。
結局同じような結末になる伊織君でした