「ここが宮古島か」
「結構遠かったな」
沖縄本島での3日間に渡るライセンス講習が無事終わり、俺たちは目的地である宮古島へやって来た。
筆記試験は紆余曲折あったが、実技試験は全員無事に通過し、俺たちはダイビングライセンスを取得した。
「おーい、時田。こっちだ」
先に宮古島へついていたPaBの先輩方が迎えに来てくれたようだ。
「でも先輩は、なんでこんなに早く宮古島へ着いたんですか?」
「早いっていっても、俺たちも昨日についたばっかりだぞ」
「まあ宮古島名物、”おとーり”が楽しみすぎて早く来てしまったというわけでもないがな」
車の中で先に宮古島入りしていた先輩と話していた。
ん?おとーり?
「すいません、”おとーり”って何ですか?」
「おい、伊織。そんなことも知らずに宮古島に来たのか?」
「いったいなにしに来たんだ!」
ダイビングだよ!
なんだろこの流れ、どこかでやったな
「”おとーり”とはな宮古島伝統の飲み方のそうだ」
「噂では宮古人お断りの看板が店に出ているそうだが、まあそれはあくまで都市伝説だろうな」
そう先輩方が話している最中に、車が店の前を通る際、何か見えた
PaB関係者お断り
「先輩方、さっき"PaB関係者お断り"ていう看板が見えたんですけど」
「ん?そんな看板見えなかったぞ」
「伊織。さすがの俺たちでも1晩で出禁になるようなそんなひどい飲み方はしないぞ」
いや絶対この人ら昨晩飲んだぞ。
「ではみんな。ミーティング始めるよ」
俺たちは船で海に出、潜る前のミーティングを始めた。
「・・・という予定でダイビングをします。じゃみんな準備してね」
「「「はい」」」
「更衣室で着替えてくださいよ」
船上で着替えようとする俺たちにケバコが文句を言った。
まったくケバコの奴、まだ慣れないのか。
もうPaBに入ってかなり経つのにいい加減慣れてほしいものだ。
「おい、伊織。どちらが酸素が多く残るか勝負だ」
「望むところだ。負けたらウォッカ一気飲みな」
「いいだろう。キサマが負けるのにそんな罰ゲームに決めていいのか」
「ふ。その余裕な顔が崩れるさまを楽しみにしてるよ」
「なんでダイビングなのにそんな勝負してるのよー」
悪いなケバコ。コイツを潰す機会がせっかくあるのに何もしないわけないだろ
「ウミガメが近くまで来てくれた!」
「とても綺麗だったね」
「すごいな、さすが沖縄の海だ。まるで二次元よりもきれいだったぞ」
俺たちはダイビングを終え船に戻ってきた。
あれ?ダイビングの描写がない?
悪いな、あんなに美しい光景を言葉で表すことはできないよ(作者の文章力がないだけです)
まあ気になるなら、今の時代ネットていう便利なものがあるから検索してくれ。
俺たちはダイビングを満喫し、港へと戻った。
(勝負は耕平が負けました)
ダイビングを終えたその夜、俺たちは宿の大広間に集められた。
時田先輩と寿先輩が俺たちの前で神妙な顔をして立っている。
いったいどうしたんだろう?
「お前たちに残念な報告がある」
「この合宿の8割を占めるといっても過言でもない”おとーり”についてなのだが・・・」
「「予約を入れていた店が急遽休業をしたため出来なくなってしまった」」
この報告はPaBメンバーにショッキングな内容だった
まあ俺たちにとっては福音であったが。
”おとーり”について調べれば調べるほど危険な香りがしたからだ。
””おとーり”という名のエンドレス飲み会などやりたくないに決まっている。
ほっと一息をついていると・・・
「だがせっかく宮古島まできたんだ。俺たちは俺たちなりの”おとーり”をしてみようと思うのだが皆の意見を聞かせてくれ」
なんでやる前提で意見を聞いているんだよ!
もちろん俺たち以外は全員賛成。
「よし、みんな賛成ということで”おとーり”をするぞ」
こいつ等、少数意見(俺、耕平)を無視して数の暴力で押し通しやがった。
「みんな、杯は回ったか?では、杯を干すと書いて!」
「乾杯と読む、乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
そうこうしているうちに”おとーり”が始まりつつある。
こうなったらPaBで鍛えられた精神力で乗り越えるしか・・・
「いいぞ伊織、耕平」
「さすが俺たちの後輩だ」
乗り越えられませんでした
「「ああ、酷い目にあった・・・」」
俺と耕平はなんとかあの場から逃れた。
「しかし、まさか俺がこんなサークルに入っているとは、入学当時の俺が知ったら驚いているだろうな」
「なんで入ったんだ?」
「キサマに騙されたからだ。俺は忘れていないからな」
耕平があの時のことを思い出したのか俺に殴りかかってきた
「おいおい人聞きが悪いな。ちゃんとお前の希望は叶えたじゃないか」
「これのどこがだ!!」
まったく耕平の奴、気づいていないのか?
「お前言っていたじゃないか。”大学に入ったら夢のような生活が待っていると思っていた”って。これも夢みたいなものだろ?」
「!!!」
やっと気づいたのか、この鈍感め。
まあ俺も最近気づいたからコイツのことはあまり強く言えないのだが、そこは黙っておこう
俺も入学当時は不安だったけど今なら自信を持って言える。
入学当時の俺、俺は夢のある大学生活を送れているよ。
二人で夜空を見ながら鑑賞に耽っていると・・・
「おい、伊織、耕平。手が空いているじゃないか」
後ろから悪魔が近づいてきた。
前言撤回。
入学当時の俺、ちゃんと人との付き合い方は真剣に考えろよ。
そう思いながら俺たちは地獄の宴へと連れられた。