千紗に打ちのめされた俺を不憫に思ったのか、時田先輩が話しかけてきた。
「まあ伊織。ドンマイだ。美人の従妹と暮らせる代償と思え」
そうだよな。
美人の従妹と暮らせるのならそれも悪くない。
でも知ってしまっているんだよ。
千紗のお姉さんである奈々華さんが映画通りなら・・・
だが俺は諦めない。
そう俺はわずかな希望に望みを欠けていたのだが・・
「あと伊織。奈々華さん本人は隠してるつもりだろうし、実際当事者である千紗ちゃんにだけはバレちゃいないんだが、あの人重度のシスコンなんだ」
千紗の脱いだ服を嗅いでいる奈々華さんを指で指した時田先輩の報告により俺のわずかな希望も容赦無く絶たれた。
「さて二次会するか」
「俺は帰るわ。終電だし」
「俺も、俺も」
いつの間にか飲み会がお開きになる流れとなっていた。
俺もこの流れに乗って飲み会から脱出しようとしたが・・・
「じゃあ俺も・・・」
「お前は関係ないだろ」
「家はここだしな」
そう時田先輩と寿先輩に俺は捕まったが僅かな抵抗を試みる。
「いやいやいや!本当に明日こそは大学にいかないと」
「なあに大丈夫だ」
「俺たちに任せとけ!」
そう言われ、俺は逃れることの出来ない飲み会から脱出する機会を失った。
チュンチュンチュン
鳥の囀りが聞こえる。俺はその音で目覚めると・・・
大学の前でパンイチになっていた
「な?これなら遅刻しないだろ」
「わかっていたことだけど、あんたら馬鹿かー!!」
4日目で初めての大学生活
希望に満ちた新たな出会いと新たな生活は・・・
アノヒト キノウノ ヘンシツシャ ジャナイ?
ウワ! パンイチトカ ヤバッ
大学生活が始まると同時に灰色に染め上げられていた。
もう4日もたっており普通の学生であれば授業についていけないだろう。
だが伊織は後ろの学生からプリントを分けてもらい(その時の変質者を見る目は無視して)持ち前の脳みそをフル回転させて授業内容についていった。
そしてなんとか授業を乗り切った。
ふう、なんとか乗り切ったぜ。
さすが俺。やればできる!
でもパンイチの状況は慣れてきたといえさすがにマズイ!
何とかしなければ・・・
そう考えた矢先、俺の目線の先には千紗がいた。
「千紗!ちょっおい!無視するなよ~」
「話しかけないで!!」
「なんでだよ!!」
もうすでに羞恥心を失いかけPaBに染まりつつある伊織にとってなぜ千紗が拒絶するのか理由はすぐにはわからないようだ。
こうなってはしょうがない。
伊織も今回は大人しく引き下がるしかないだろう・・・
「はあわかった。じゃあこうしよう。このまま無視するのなら俺とおまえが一緒に暮らしていることを言いふらす」
「!!」
なんという外道、鬼畜、人でなし。
伊織は自分自身を人質にし、千紗へと迫った。
これでは千紗も無視できない。どうする千紗・・・
「くっ・・・。わかったから・・・。お願いします・・・。家のことだけは言いふらさないでください・・・」
「ちょっと待った、千紗。そのセリフだとまるで俺がお前を脅しているようじゃ・・・」
ポンポン
パンツシカ ハイテイナイ アヤシイヒト ミマセンデシタカ?
間一髪警備員から逃れた伊織はこの3日間お世話になっている草むらに隠れていた。
ちくしょう俺が何をしたっていうんだ。
このままじゃまたパンイチで過ごさなきゃならない。
・・・そうだ、確か今日はサークルの勧誘会があったはず。
そこに行けばPaBの先輩(仮)から服を借りれるかもしれない。
そう思いついた伊織は急いで勧誘会が行われているブースへと向かった。