「ダイビングサークルPaBで~す」
ブースに行くと奈々華さんがチラシを持って勧誘していた。
なんだろう。
当たり前の光景がとても大切なことなんだと実感するな~
「おお、伊織。サークルに入る気になったのか」
寿先輩が俺に話しかけたが、サークルには入らない。
じゃなんで俺がわざわざこのブースを訪れたって?
そんなの理由はただ1つ。
「すいません。服を貸してくれませんか?」
服を借りるためだ
寿先輩は呆れてこう言った。
「おかしなことを言う奴だな。これから飲みに行くのに服を着るなんて二度手間だろ」
なんで俺が酒を飲んで服を脱ぐ前提で話しが進んでいるんだよ!!
おかしいだろ!!
寿先輩は俺からなにかを感じ取ったのかこう提案した。
「じゃあこうしよう。この後新歓コンパがあるから、誰か新入生を一人うちに引っ張ってこれたら服を貸してやろう」
「その話乗った!!」
さて、イケニ・・・げふんげふん新入生を探しますか
「クソ!どうしてだよ!!どうして俺が中心の女子高生美少女ハーレムサークルがないんだよ!!」
俺、今村耕平は嘆いている。
せっかくサークルブースに寄ったのに俺が望んでいるサークルが一つもないことに。
ああ、この世はなんて残酷なんだ。
くそ!せっかく大学に来たら新しい世界が広がって夢のような生活が待ってると思ったのに・・・
すると項垂れていた俺に誰かが声をかけてきた
「諦めるなよ耕平」
「お前は・・・あの時の変質者!!」
「ぶっとばすぞ、おい!!」
項垂れていた俺に声をかけてきたのは昨日出会った変質者だった。
捕まっていなかったのか。
くそ!せめて美少女が項垂れている俺を心配して声をかけてくれたと思ってたのに。
なんでこんな変質者に慰められなければならないんだ。
俺のトキメキを返せ!!
「まあいい、なあ耕平。諦めなければ夢は叶う。世の中ってのはそういうもんだろ?」
変質者が俺にこう言った。
はあ?こいつ何を言っているんだ?
現実は冷たいんだよ!!
夢は叶わないし、新しい世界なんてなかったんだ!
「あるさ。新しい世界も夢の生活もただお前はその入り口に気付いてないだけなんだ。どうだ?一緒に夢の入り口に踏み込んでみないか?」
この変質者は俺にこう問いかけ手を指し伸ばしてきた。
こいつ、どうしてここまで俺に寄り添ってくれるんだ?
俺はコイツのことを変質者扱いしていたが、もしかしたら同じ夢を抱いている同士なのかもしれない。
そう思い俺は同士の手を取り共に夢の入口へと踏み込んだ。
「「ウェルカ~ム」」
「謀ったなキサマ~!!」
「服は人類の英知の一つだな~」
ミッションコンプリート。
伊織は服を手に入れた!!
ストックがあと一つしかない・・・