ボンジャニが楽しかったものでつい…
麦わらの一味を乗せたゴーイング・メリー号は次の目的地リトルガーデンへと向かい航路を進む。
「雪ィ降らねェのかなぁ。」
「降るわけねェだろォ。」
「降るんだぞォ。オメー寝てたから知らねェんだよ」
「?」
『ゆき、ちゅべたい。』
ゾロとルフィはそんな会話する。その隣に座っているメアは昨日の雪を思い出し、その冷たさに身を震わせた。メアはあまり外へは出なかったがウソップとルフィはなにか雪像のようなものを作っていたし、案外面白いものなのだろうかとも考える。次に降ったら自分も遊んでみようか。
「なぁ雪はまた降らねェのかなぁ?」
「降らないことも無いけど、一本目の海は特別なのよ。リヴァースマウンテンから出る七本の磁力が全てを狂わせていたから。…だからって気を抜かない事ね。」
ビビは一本目の航海ほどに荒れ狂う事は稀だが、普通の海よりもはるかに航海が困難であることに間違いないと続ける。
「決してこの海を舐めない事、それが鉄則。」
「おおぃ野郎共!!俺のスペシャルドリンク飲むか?」
『すぺさる!』
そこへサンジがスペシャルドリンクを持ってきた。メアや他の男達もそれを飲もうと集まって来る。
『おいち!』
「そーか、そりゃ良かったぜ!」
最近では美味しいも言えるようになったメアはその美味しさにグビグビと一気飲みをし、頭がキーンとしてしまう。
『!?!?』
「そんなに急がなくても無くなったりしねーから落ち着いて飲みな。」
「シシッバカだなーメアは!!」
メアはルフィにバカと呼ばれるのは何だか不満な様で頬を膨らませる。それをウソップが突くと簡単に空気が抜けてしまい、面白がられて何度も頬を突かれる。
『キャッキャ!やー!』
メアも先ほどの不機嫌さはどこへやら、嫌と言うが楽しそうな声を上げる。
その様子にビビは何か言いたげな顔をしており、そこにナミがやってくる。
「いいの!?こんなんで!?」
「はい、アンタの。」
「え…?」
「いいんじゃない?時化でも来たらちゃんと働くわよ、アイツらだって。死にたくはないもんね。」
「それはそうだけど…何か気が抜けちゃうわ…」
「悩む気も失せるでしょ!こんな船じゃ。」
そのナミの言葉にビビは再び甲板を見やる。そこではカルーがサンジのスペシャルドリンクを飲み過ぎて目を回してしまい、ひっくり返っていた。そんなカルーを見ていた他の仲間達は愉快そうに笑っている。
それを見てナミはビビに視線を投げかける。それにビビは随分楽だと答えた。
ザバアアアアア!!
「おい皆見ろよ!イルカだぜ!」
『いりゅか!』
「わぁ!かわいい!!」
確か図鑑で見た事がある動物だとメアは思い出す。
だがそのイルカは…
「デカいわーーーーー!!!!」
図鑑よりも大分大きいようだったが。
「逃げろーーーーー!!」
ルフィのその言葉をきっかけに一味はイルカから逃げる。先ほどとは打って変わったその手際の良さにビビは呆気に取られる。メリー号はそのままイルカの起こした波に乗り逃げられたようだ。
そしてついに二本目の航海にも終わりが見えたようだ。
「間違いない、サボテン島と引き合ってる。私たちの次の目的地はあの島よ!!」
「ウッハハ!!」
「ホー!!」
『!!』
メアもワクワクが止まらない。
「あれが、グランドライン二つ目の島かァ!!」
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「ここがリトルガーデンかァ!!」
「どの辺がリトルなんだァ…?」
「そんな可愛らしい名前の土地には見えないけど…。」
期待を寄せるルフィに対してゾロとナミは島の名前に疑問を抱く。
「なァまるで秘境の地だぜ!?生い茂るジャングルだァ!!」
「気を付けなきゃ…ミスオールサンデーの言ってた事が気になるわ…。」
ビビはミスオールサンデーのバロックワークスが手を下すまでもなく全滅するという言葉が気がかりのようだ。
「か、怪物でも出るってのかァ!?!?」
「さーな。」
『ぼーけん♪ぼーけん♪』
そんなビビやウソップたちの不安など気にもせず、メアは自作の冒険ソングを口ずさみ早くも島に上がりたい様子だ。
「上陸せずに次の目的地まで向かおうぜ!?」
『ぼーけんしないの?』
「ったりめーだこんなとこ!!何がいるか分かったもんじゃねェ!!」
ウソップの言葉にメアは残念そうに眉を下げるも怒涛の反論を受ける。
「でもすぐにはログは溜まらないわ。」
「それにそろそろ食料を補給しねェとな。」
ウソップの意見は却下されそうだ。その会話を聞き、メアの瞳はまたもキラキラと輝く。そしてどうやら河口から島へと上陸できそうだ。
「焼き肉屋あるといいなー!」
「んなモンあるかァ!!」
「だって言ったろォ?食料を補給するって」
「材料を集めるんだ!ったく何考えてんだテメーは!?」
そんなアホな会話を聞きつつ、ナミは上陸は危険と反対する。
「大体見てよこんな植物!私図鑑でも見たこと無いわ。」
ギャアアアアアア!!!ギャアアアアアア!!!
「「キャア!!」」
『わっ!!』
突然に何かの鳴き声が聞こえてくる。その鳴き声にメアは何の生物が全く検討が付かず、頭に?を浮かべる。
「かっわいい。」
「俺か?」
「ナミさんに決まってんだろう!!!」
「今の何なの!?」
「大丈夫さ、ただの鳥だよ。そしてここはただのジャングル、心配無ェ。」
そのサンジの後ろに鳥のような生物の影が迫ってくる。
「「うわあぁぁぁ!?!?」」
「どした?」
『しゃんじ、うしろ!!』
「!?何しやがるこのクソ鳥!!」
「トカゲかァ?ウメーのか?」
『なんだろー?』
先ほどのアレはルフィの言うように確かにトカゲにも似ていたが、しかし羽が多すぎる。かといって鳥とも違うだ。
一体アレは何なのか。メアの好奇心はもう押さえられそうにない。
ドカアアアァァァァァン!!!
そこに謎の爆発音が響き渡る。
「これがただのジャングルから聞こえてくる音なの!?」
「まるで火山でも噴火したような音だぜ今のは…」
『あっ!!』
メアが何かに気づいたようで、茂みから姿を現したのは虎だ。
「虎ァ!?」
「デカすぎる!!」
虎は河口に浮かぶメリー号にピタリと張り付いたように着いてくる。しかし襲ってくる心配は無かったようだ。
「あっ!?」
虎は突然に血を吐き出し倒れたからだ。
その様子にナミは普通じゃないと狼狽える。
「なんでジャングルの王者の虎が血塗れで倒れるのォ!?」
それにウソップも頷き、上陸には反対のようだ。
船の上で静かにログが溜まるのを待って、一刻も早くこの島から出ようとナミは提案する。が恐らくはそんなことを言っても島へと上陸したがる人物もいるようだが。
「ニシシシシシ!!サンジ弁当!!」
「弁当?」
「あぁ!パワー補給だ!!肉一杯の野菜抜きの海賊弁当!!冒険の匂いがするゥ!!」
『メアも!おべんと!』
「ちょっ!ちょっと待ってよアンタたち!どこ行くつもり!?」
「冒険!!ニッシシ!!来るかァ!?冒険!!」
『ぼーけん!!』
「(ダメだ…止まらない…生き生きしすぎ…)」
「(嘘だろ…大虎ぶっ飛ばすバケモンいるんだぞ…)」
最近ではメアもルフィに似てきたのか冒険という単語に心引かれるようだ。そこに関してはもう皆諦め始めている。しかしもう一人意外な人物が名乗りを上げた。
「ねぇ!私も一緒に行っていい?」
「えぇ!?!?」
「おう!!こいこい!!」
『びびもいっしょ!!ぼーけん!!』
「アンタまで何言うの!?」
「ジッとしてたら色々考えちゃいそうだし、ログが溜まるまで気晴らしに!」
「そんなァ!!ルフィはともかくあなたには危険過ぎるわ!!」
「大丈夫よ、カルーがいるから!」
「クエエエエエエ!?!?!?」
「本人言葉にならないくらい驚いてるけど…」
カルーはこの島の上陸にはあまり賛成では無いようだ。
そしてサンジは三人と一羽の弁当と飲み物を作り、ルフィとカルーに持たせる。
「さぁ!海賊弁当三丁にカルー用の特性ドリンク!全て入ったぜ!!」
「あぁ!!よっと!!」
「クワッ!」
『よっ!!』
「じゃあ行ってくるわね!!」
「おーし!行くぞー!!」
「おおよそで戻ってくるから!!」
『おー!!ぼーけん!!』
ルフィ、ビビ、メアはそのままジャングルへと探索に出かけ、ウソップとナミはビビの度胸の良さに唖然としていた。
幼女はルフィに似てるとこが増えてきました。