幼女巨人に出会う。
『はっ!!はっ!!』
リトルガーデンに上陸した三人は島の中を走り抜けていた。
「おっとと!!」
「どうしたの?」
『なにー?』
突然に止まったルフィにビビとメアは何かあったのかと尋ねる。
「ほら、コレ見ろよイカみたいな貝がいるぞ!!」
『いかー?かいー?』
「これってアンモナイトによく似てる。」
『あもにゃにと?』
「イカガイだろ?」
川でルフィが発見したのは既に絶滅したといわれているアンモナイトによく似た生物だった。
『ねぇるふぃ、びびなにあれ?』
メアも何かを見つけたようだ。ここからでは見えないと三人はそれに近づいてみる。
「何で丘に海王類がいるんだァ?」
「恐竜!?」
「恐竜ゥ!?」
『きょーりゅー?』
メアはまだ恐竜を分かっていないようだが、その姿にビビは驚きを隠せない。
「じゃあここは太古の島!?」
「んァ?」
「恐竜たちの時代がここに閉じ込められているのよ!!」
グランドラインにある島々はその海の航海の困難さ故に島と島との交流も無かったからそれぞれが独自の文明を築いているのだとビビは話す。
飛び抜けて発達した島もあれば何万年とも進化を遂げずにその姿を残す島もあると。グランドラインのデタラメな気候がそれを可能にしてしまうらしい。
「だから、この島はまさに恐竜たちの時代そのものなんだわ…」
「すっげェ!!」
「ルフィ!!」
『いいなー!』
ビビの話を聞いていたのかいないのか、恐らくは半分も理解出来ていないであろうルフィは首の長い恐竜に掴まる。
「飛びつくなーーー!!!」
『めあも!めあも!』
「メアも来るかァ?」
そう言ってルフィはメアを自らのいる恐竜の所まで腕を伸ばし連れてくる。
『すごーい!!』
「だろォ!?いい眺めだよな!!」
そんな二人に対してビビは焦る。
「危ないったら早く降りなさい!!大人しくても恐竜よ!!」
しかし二人はこのリトルガーデンの地形を面白そうに見ていた。
「大丈夫だよコイツ!!それよりあっちにデッケェ穴ぼこがあんだよ!!何か変な地形だぜ!!」
「地形なんかどうでもいいから降りてきて!!」
「なあ、物は相談だけどオメーあそこまで連れてってくんねーか?」
ビビの必死の叫びにも構わず、ルフィは自分の乗っている首の長い恐竜に話しかける。
だが勿論恐竜は無反応だ。
「なぁ、そんなケチなこと言わずにさぁ、連れてってくれよ。あっちだよ、あっち。」
『おねがい!』
勿論幼女の頼みでも無反応だ。
恐竜はムシャムシャと木に生い茂る葉を食べ続ける。
「そっちじゃなくて、ほらこっち!!」
グイッ!!
ブオォォォォォォォ!?!?
「するかァ!?!?」
『るふぃ、むいやいは、めっ!!』
なんとルフィは無理矢理に恐竜の首を向ける。それにメアはダメっと可愛く怒る。
辺りに恐竜の苦しそうな悲鳴が響き渡る。メアはそれに何だか嫌な予感を感じた。
「いやァワリィ…でもあのォ…」
「なっ!?!?」
ビビは驚愕する。なんと自分たちのいる恐竜の周りに他の仲間の恐竜達が集まってきたのだ。
「ウホホホホホ!!!!すっげェェェェェェェェ!!!!」
「ルフィさん危ないって!!さっさと降りてきなさい!!」
『ちょっとあぶないかも…』
「あっちの恐竜の方が高くて見晴らしが良さそうだ!!」
「そーじゃないでしょう!?!?」
『はぁ…』
「メア!掴まってろよ!」
そう言うとルフィはメアを自分の背中に掴まらせ、さらに高い恐竜へと乗り移る。
「やっぱりな、さっきの穴ぼこがよく見える!!」
『るひ!うしろ!!』
後ろから別の恐竜が襲いかかってくる。
「おおっと!!」
襲いかかってくる別な恐竜へとさらに乗り換え、次から次へ襲いかかる恐竜たちをルフィは躱していく。
ビビはそれにいつ食べられてしまうのかとドキドキだ。
そんなビビの心配も知らずにルフィは襲いかかる恐竜で遊んでいるかのようだ。恐竜の背中をすべり台のようにしている。
「ビビ!!こっち来るか!!楽しいぞ!!」
「「……」」
そんなルフィのようすにビビとカルーは言葉も出ないようだった。
メアは内心で恐竜たちにおもちゃにしてごめんと謝る。
「ここからの眺めは一際いいぞ~」
おそらくこの恐竜たちの群れで一番大きな個体の頭に乗り、ルフィは辺りを見渡す。
もう…すきにして…
ルフィに振り回されたメアはその背中にぐったりともたれかかる。
しかし休んでもいられないようだ。不意に恐竜の口が開き、ルフィとメアはパクリと恐竜に食べられてしまった。
「食べられてんじゃないのよーーー!?!?」
ビビとカルーは今日一番の驚きを見せる。だが驚くことはまだまだ続きそうだ。巨大な何者かがルフィとメアを食べた恐竜の首を切り裂く。おかげでルフィたちは消化されずに出ることか出来た。そしてその人物のこれまた巨大な手に受け止められる。
「ギャギャギャギャギャギャ!!、見ていたぞ、このジャングルの首長共と渡り合うとは生きの良い人間だな!!久しぶりの客人だ。」
「デッケーな!人間か?」
「人間か?ときたか、ギャギャギャギャギャギャ!!」
巨人は我こそがエルバフ最強の戦士であるドリーと名乗る。どうやら人間とはまた違う種族らしい。
「きょ、巨人…!!」
その圧倒的な存在感に思わずビビとカルーは腰を抜かしてしまう。
「俺はルフィ!海賊だ!!」
『わたし、めあ!!』
「ギャギャギャギャギャ!!海賊か、そいつは良い!!ギャギャギャギャギャギャ!!」
「あそこにいるのがビビとカルーだ。よろしくな!!」
コッソリと逃げようとしていたビビは内心で余計な事をと思う。
「ギャギャギャギャギャ!!お前達ウチへ招待しよう!!ギャギャギャギャギャギャ!!」
人間たちの心の内など知らず、気の良い巨人ドリーはどうやらルフィたちを気に入ってくれたようだ。
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ルフィたちはドリーにもてなされ、恐竜の肉を振る舞われていた。ルフィはドリーとすっかり意気投合したようである。
「こりゃウメーな巨人のオッサン!!」
「オメーのこの海賊弁当とやらもいけるぜ!!ちぃと足りねーがな!!ギャギャギャギャ!!」
海賊弁当を不味いと言ったらぶっ飛ばすと言うルフィにドリーは面白れェチビだと笑い飛ばす。
そしてドリーの話ではグランドラインのどこかにエルバフという巨人族の村があるという。
きょじん…いっぱい…
メアはまだ見ぬエルバフに思いを馳せる。どんな所だろうか。建物は皆大きくて、人も巨大で…考えだすときりがない。
めあもきょじん、なれるかな?
子供の夢は発想力が違う。メアは自分が巨人になったところを想像する。
るふぃもびびも、みんなわたしよりもちっちゃくなっちゃうのかな!
いつもは見上げる事が多いメア。誰かを見下ろすのは彼女のちょっとした夢の一つである。
そんな想像をしている間に話は進んでいたようで、ドリーは百年もの間ある相手と戦いを続けているようだ。
ビビはそんなドリーになぜ百年も戦い続けるのかを訪ねるが、そこに巨大な噴火が起こる。
どうやらその噴火が戦いの合図だそうだ。
ビビは百年も殺し合いを続けるほどの憎しみとはどんなものなのか、争いの理由は何なのかと問うが、ルフィはそんなビビを止める。
ルフィには分かっているようだ。
それが誇りであると。