幼女新技を身につける。
早くナミたちを救わなければいけないルフィたちの前に、一つ問題が立ち塞がる。
先ほどまではMr.3と戦っていたというのに、いきなり蝋でできたセットを壊すのはいやだと言い始めたのだ。
『なんで…』
まるで別人になってしまったようだ。どうしようかとメアはルフィを見たときにあることに気が付く。
あしのあれ…なんだろう?…
ルフィの足元には黒い何かのマークの様なものが書かれてあった。ついさっきまであんなものは無かった。
とりあえずあれの上からルフィを退かそうとメアはエスパー能力を使い、一瞬ルフィを浮かせてマークの上から退かせる。
『だいじょぶ?るふぃ?』
「あれェ?何か俺今変だった?」
「そうか!Ms.ゴールデンウィーク!あなたの仕業ね!!」
“カラーズトラップ”
どうやらあれは敵の描いたものらしい。感情の色さえもリアルに写し出し、絵の具を伝い人の心に暗示をかける。黒の絵の具はどんな大切な仲間の言葉も裏切りたくなるとのこと。
これは非常にマズい。ルフィには暗示などの類いは必要以上に効いてしまう。
あいて…わるいかも…
メアはちょっぴり不安げなようすだ。しかしそれでも早くしなければナミたちは蝋人形にされてしまう。この状況では自分が何とかしなければと、メアは気合いを入れ直す。
「ルフィさん早く!!」
「よしお前ら今助けるぞー!!…ぶはははははははは!!!お前らのことより笑いたいぞ!!!!」
「なんでーー!?!?」
「オメーーー!?!?」
「今度は何ーー!?!?」
「カラーズトラップ、笑いの黄色。ダメじゃない動いちゃ。」
今度は服にマークが描かれてしまった。ナミが服を脱ぐよう言っても笑いが止まらなさすぎて服が脱げないようだ。ナミはメアに何とかするように頼む。
「メア!アンタだけが頼りなの!ルフィを何とかして!!」
『わかった!!』
そう返事をしたメアはエスパーで服を何とか脱がそうとするが、Ms.ゴールデンウィークがこちらにもカラーズトラップを仕掛けてこようとし避けるので一杯一杯だ。
はやくしないと、みんなかたまっちゃうのに!!
もどかしさからかメアに一瞬焦りが見える。その隙を逃さずに、Ms.ゴールデンウィークはメアにカラーズトラップを施す。
「カラーズトラップ、悲しみの青。」
『ふ、ふえええぇぇぇぇぇん!!』
「メアまで…!!」
悲しみの青によりメアは涙が零れる。
気持ちがドンドンブルーになっていく。
うぅ…かなしい…かなしいよぉ…
『ふえええぇぇぇぇぇん!!!』
僅かに残る理性としかしどうにも抗えない悲しみでメアは泣きじゃくることしか出来ない。
そしてルフィはMr.5から逃げるウソップたちとの衝突で背中の絵の具が少し取れたようだ。
しかし再びMs.ゴールデンウィークが仕掛ける。
「カラーズトラップ、闘牛の赤。」
どうやら今度は赤のマークにしかルフィは攻撃出来ないらしい。さながら赤いマントに突進する闘牛の如く。
「だあああああぁぁぁもうお前許さん!!どっか行ってろ!!ゴムゴムのォ!!バズーカァ…」
「面白い?」
「ダメだ、戦いの相性が悪すぎる…パワーが全部空回り…」
仕上げにMs.ゴールデンウィークは背中の黄色と悲しみの青を混ぜる。
「カラーズトラップ、和みの緑。」
「ズズ…お茶がウメぇ…」
「「「アホかーーー!!!!!」」」
「もう、メアも何してるのよ!!」
『うぅ…だって…』
メアは未だ泣き止まずむしろナミに怒られたと泣いてしまった。
だが、その大粒の涙も無駄では無かったようだ。メアの服に描かれたマークは正面であり、それが涙によって滲み効力を無くしていく。
『…やっとおさまった…』
何とかカラーズトラップから脱出したメア。
早くルフィを救わなければとウソップと合流し、カルーの背中に飛び乗る。
「必殺火薬星!!」
しかしその爆発はMs.ゴールデンウィークではなく、ルフィを襲う。
『るふぃにあたったよ!?なんで!?』
ウソップの狙撃の腕を知っているメアは狙いを外した事に驚く。だがウソップに取っては予想通りだったようだ。
「いいんだよ!ルフィの服を燃やしたんだ!!それよりも弾が飛んで来ねぇ…?」
その瞬間爆発が起こる。Mr.5の能力により弾も見えないまま爆発するようだ。
「クソっ…無茶苦茶だ…弾が無ェだと…!?カルー、メア大丈夫か!?」
「クワァ…」
『うん…』
「おい、目ェ覚めたかよ…!!」
「あぁ!!覚めたサンキュー!!」
ようやくルフィも本調子になったようだ。メアはホッと一息つく。
「もう食らわ無ェぞ、あんな絵の具!!もう一人だって死なせてたまるかァ!!怒ったぞ俺はァ!!」
しかしMr.5は仲間たちは手遅れだという。もう立派な蝋人形になると。
そこに森からMr.3が出てくる。
「キャンドルゥゥゥゥゥゥ!!!シャンディアァァァ!!!」
何やら妙ちくりんな格好になっている。
「なんだアイツ…」
『なに…あれ…?』
けれどそのふざけた見た目とは裏腹にかつて4200万の賞金首を仕留めたという。実力は確かなようだ。
「こうなったら私はもはや無敵!!鉄の硬度を誇る蝋でまろやかに体を包み込んだこの鎧…!!今の私に…死角は無い!!」
「…か、カッコイイ!!」
「見とれてる場合かーーー!!戦え!!」
「クワアアアアァァァ!!!」
『えぇ…』
メアにはそのルフィの感性は理解できなかった。
そんなギャグをしている間に塗装が終わったようだった。見た目のセンスはともかく、確かに実力はあった。ルフィの攻撃が簡単には通らないようだ。
「ダメだ…!固くて攻撃が効かない…!!」
『どうしよ…』
固まれば強度が鉄にまでなる蝋をどうやって壊せば良いのか。
『うそっぷ、どうにかできない?』
「どうにかってたって、お前…」
『だってさいしょはあんなにどろどろなんだよ!?なにかほうほうがあればどろどろにできない!?』
「蝋…?そうか、何で気づかなかったんだ…!!蝋は火で溶けるじゃねーか!!」
『じゃあ、みんなとかす!!』
「ルフィ!!コイツの蝋は火で溶ける!!いくら固くても蝋は蝋なんだ!!」
ゾロや巨人のブロギーたちもまだ固まって時間が浅い。救える可能性があるということだ。
「何ィ!?ホントか!?」
「うん、ホントよ。」
「君が白状するな!!」
その問いになぜかMs.ゴールデンウィークが答える。
しかし蝋人形までのタイムリミットは残り三十秒。それまでに救えなければ心臓も止まってしまう。
『はやくしなきゃ…!!』
「三十秒もいらねェ!!今助ける、必殺火薬星!!」
「フリーズブレスオン!!」
「ウソップーー!!!」
蝋を火薬星で溶かそうとしたウソップを爆発が襲う。
『うそっぷ!!』
「クワアアァァァァ!!」
「勝機も無いと言ったのが聞こえなかったか?」
敵もそう簡単に溶かさせてはくれないようだ。
『うそっぷ!!うそっぷしっかり!!』
「クソっ…時間が…!!」
「やめておけ。」
「ぐわああぁぁ!!」
『るふぃ!!…?』
既に瀕死の筈なのにそれでもウソップは起き上がり、何か策を考えたようだ。
「いいか…このロープを…」
「あ~ら楽しそうね!何を企んでるの?アタシも混ぜてくれない?」
「…カルー…走れ…走れェ!!!何でも良いから蝋燭立ての周りを駆け回るんだ!!」
メアは素早くカルーに飛び乗る。
『かるー!!さぽーとはするから!!』
「!クワアアアアアアァァァァァ!!!」
「無駄だ!何もかも!!」
そういってMr.5が弾の無い銃を撃ってくる。
『かるー!!もっとうえまで!!』
「クワアアアアアァァァァァァ!!!」
メアは見えない弾をカルーから出来るだけ守ろうと先ほど思いついたエスパー能力でシールドを作り出す。Mr.5にやられたときに何か守る方法は無いかと思い考えたのだ。ただし、このシールドを作るにはかなりの集中と時間、体力がいるために簡単には作れない。
故にこの時を待っていたのだ。
メアはカルーに掴まりながらカルーを守らんとばかりにシールドを張る。小さいが無いよりはマシだ。
「クワアアアアアァァァァァァ!!!」
『がんばって!!かるー!!』
ルフィがMr.3の頭で燃えている炎に目を付けた。
「火で溶けるならこの火を使って溶かしてやる!!」
「ルフィ…!!そんな小さな火じゃ間に合わ無ェ!!!カルーのロープに火を付けろ!!」
「クワアアァァァァァァ!!」
『るふぃ!!はやくつけて、みんなをたすけて!!』
「鳥のロープに?」
「油たっぷりのスペシャルロープだ…!!」
「おーし!!みんなー!!起きろー!!」
『みんな!!おきてー!!』
うああああああああちゃあああああ
リトルガーデンで巨大な爆発が起こった。
シールドはまだ上手く作れないことも多い上に時間も掛かるので、今回成功したのは火事場の馬鹿力的な意味も大きいです。