エスパー幼女   作:メノメノ

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幼女勝つ




誇り

先ほどまでは美しい緑があったこの場所は、今や轟々と炎が燃え広がっていた。

ナミたちの居たキャンドルのセットもまた炎に包まれている。蝋が溶けたとしてもこれでは炎にやられてしまうのではとメアは心配になる。

 

すごい、ひ…なみたち、もえてないといいけど…

 

勢い良く燃える炎は空高くまで届いている。

 

そんなことを考えていたら溶けた蝋が上から降ってきた。メアは蝋を避けるカルーに必死に掴まっていたが、森へと逃げるMr.3とMs.ゴールデンウィークを見つけるとそちらへと向かうようにカルーに指示する。

 

『!かるー、あっち、ふたりにげた!おいかけて!』

 

「クワアアアァァァァ!!」

 

カルーも大切な主人を傷つけられ、あの二人への怒りがあるのだろう。威勢の良い返事と共に追いかけてくれた。

 

「鳥ィ!!メアァ!!」

 

「クワアアァ!!クワアアァァァ!!」

 

「アイツらを許すな!!」

 

「クワアアアァァァ!!」

 

『うん!!』

 

「闘いを穢すヤツは男じゃ無ェ!!!」

 

随分森の深くまで入って来たようだ。すると突然Mr.3が大量に現れる。恐らくはMr.3のドルドルの能力とMs.ゴールデンウィークによる塗装によってできた蝋人形なのだろう。

 

「よく来たな、ようこそドルドルの館へ。」

 

「なんだこりゃ!」

 

『たぶん、みすたー、すりーとかの、のうりょくだよ!』

 

「さぁ、私がどこにいるか分かるカネ?」

 

大量の蝋人形にカルーとメアは戸惑う。これではまともに動く事すら躊躇われる。一体本物はどこにいるのだろうか…。

 

「どうやら相手が悪かったようだネ。我らバロックワークスきっての頭脳派コンビ、本能のみで動くようなパワー馬鹿の君には我々を捕らえることはできん。」

 

「私はMr.3。与えられた任務は完璧に遂行する。さぁ、足を踏み入れたまえよ。フフ!ハハハハハハ!!」

 

『どうしよう、るふぃ…』

 

メアは困ったようにルフィに聞くが、ルフィは何も答えない。るふぃ?とメアが再び声を掛けようと思ったその時、

 

「ゴムゴムのォ!!スタンプーーーーー!!!」

 

「!?な…ぜ…私が、本物だと…!?」

 

「勘。」

 

まさかの勘。メアは呆気にとられた。全くの偶然なのか、しかしこんな偶然があるのだろうか。

だが、そんなメアの考えは次の瞬間吹っ飛んだ。

森の奥の方、一人の少女が顔を俯けて歩く。その姿は間違いなくMs.ゴールデンウィークだった。

メアとカルーは彼女の姿に怒りをあらわにする。

 

「クワアアアアアァァァァァァ!!!」 

 

『…ゆるさないから…』

 

「キャアアアアアアァァァァァァ!!!」

 

Ms.ゴールデンウィークの悲鳴がリトルガーデンの森に響き渡った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

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その後ブロギーが殺してしまったと思われていたドリーだが、実は生きていた。恐らくは武器の所為だとドリーは告げる。当然だ、百年もの間戦い続けていたのだ。原形をとどめている方が奇跡とも言える。

 

『…よかった…うぅ…』

 

あのまま、死んでしまったかと思っていたメアはその奇跡に涙する。

 

「ガバババババババババ!!!」

 

「おい、ブロギー…抱きつくな、傷に響く…」

 

「よくぞ生きててくれた、親友よ!!」

 

「ギャギャギャ…ギャギャギャ…!!」

 

ドリーとブロギーもその目には涙が見える。

 

「今日は何と素晴らしい日だ!!エルバフの神に感謝する!!」

 

「おぉ、ブロギーよ、この俺をぶった斬って気絶させたことがそんなに嬉しいか…?」

 

「バカヤロウ!!そんなこと言ってんじゃ無ェ!!」

 

そう言ってブロギーがドリーを軽く叩く。

 

「イテテテ、傷には触るな…ギャギャギャ!!」

 

お返しとばかりにドリーも軽くブロギーを叩く。

そうすればまた軽い喧嘩になってしまった。

 

「やるのか貴様!!」

 

「叩き潰してくれる!!」

 

「何でまた喧嘩してんのよ!!」

 

でも…なんだか、たのしそう

 

メアはこの二人の間には本当に百年もの友情があるのだと実感した。

 

 

ドリーとブロギーは己の首に掛かっていた賞金の事などすっかり忘れていたようだ。それでもビビは元はといえば自分の所為だと言うが、ナミにほっぺたを抓られる。

 

いたそう…

 

「そういうことは言わないの!」

 

「そうだぞビビ!何しょげてんだ、煎餅食うか?」

 

「アンタそれどっから持ってきたの?」

 

『めあも!たべる!』

 

ルフィたちに至ってはどこからか持ってきた煎餅をボリボリと食べている。

 

「取りあえず煎餅パーティーだ!!」

 

『せんべーぱーてい?』

 

メアは初めての煎餅の堅さの前に四苦八苦しつつ、しゃぶり付いている。

 

「煎餅じゃ盛り上がら無ェだろ。」

 

「そうか?乾杯だって出来るぞ!」

 

「誰がアンタを恨んでる?」

 

その様子にビビの心も少し軽くなったようだ。

 

「乾杯ーー!!」

 

「あー、こら勿体無いだろ。ったく食いモン粗末にしやがって」

 

「あー!何すんだよ!誰が食わねェって言ったよ!!」

 

ルフィとウソップが取っ組み合いになる。

 

『キャッキャ!!』

 

その光景にメアは楽しそうに笑い声を上げる。

 

「しかし、次の島へのログが一年ってのは深刻だな…」

 

「そうよ、笑いごとじゃないの!」

 

その後改まりドリーとブロギーはルフィたちに礼を言う。

 

「お前達には助けられてしまった、何か礼をしたい。」

 

「そいじゃあ、なぁオッサンたちログを何とかしてくれよ!」

 

しかし流石にログばかりは二人でもどうにもならないらしい。

 

そこにすっかり忘れていたある人物がやってきた。

 

「ナミさーーーん♡♡ビビちゅわーーーん♡♡メアちゅわーーーん♡♡オマケ共!!」

 

「よう!!サンジ!!」

 

『しゃんじ!!』

 

「無事だったんだね♡良かった♡♡」

 

ウソップとカルーはその姿に今頃現れやがってと怒りを抑えきれないようだ。

なぜサンジが今まで現れなかったのか。それはMr.0と電々虫で会話していたからだと言う。

ジャングルの中に可笑しなアジトがあり、そこで自分たちの事は始末したと報告したらしい。

 

「じゃあ、私たちは死んだことになってるのね。」

 

「これで折角追っ手はこねーってのに肝心の俺たちがここを動けねーなんて…」

 

そう嘆くウソップ。

 

「動けねェ?まだ何かこの島に用があんのか?折角“こういうもん”を手に入れたんだが。」

 

サンジが取り出したのは今一味が喉から手が出るほど欲しいアラバスタへのエターナルポースだった。

 

「アラバスタへのエターナルポースだァ!!」

 

「やったーーーー!!!!」

 

『やったーー!!!』

 

もはや諦め気味であった一味はそのエターナルポースの存在に歓喜をあらわにする。

 

「ありがとう、サンジさん!!一時はどうなることかと…!!」

 

「イヤイヤァ♡どういたしまして♡♡そんなに喜んでもらえるとは♡♡」

 

サンジもビビに抱きつかれて嬉しそうだ。

 

「おーし!みんな煎餅パーティーだー!!」

 

メアも新しい煎餅でナミと煎餅でタッチする。

 

「おい、マズいぞルフィ。残り三枚じゃ煎餅パーティーが出来無ェ!」

 

「何ィ!?」

 

「そんなことやってる場合じゃないでしょ!行くわよキャプテン!グズグズやってる暇はないの!」

 

宴好きのルフィも流石に急ぎの用の為に今回はこれで出港のようだ。

残りの煎餅を慌てて噛み砕き、メアも準備へと船に向かう。

 

「じゃあ、丸いオッサンに巨人のオッサン!俺たち行くよ!」

 

「そうか…まぁ急ぎの様子だ。」

 

「残念だが、止めはしねェ。国が無事だと良いな。」

 

「えぇ、ありがと!」

 

「じぁなーー!!もう死ぬなよーー!!」

 

「クワアアアアァァァァ!!」

 

「俺はいつかエルバフへ行くぜ!!」

 

『じゃーねー!!ばいばーーい!!』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

「俺の方が遙かにデケえだろ!!」

 

「よく見ろ!!俺のトカゲの勝ちだ!!」

 

『どっちでもいいよー…』

 

「いいじゃねーか、どっちも旨そうだ!」

 

「「テメーは黙ってろ!!」」

 

「ありゃー」

 

ゾロとサンジの喧嘩の原因は狩り勝負らしい。どちらがより大きな獲物を取ったかというものだ。正直他の面々からすればどちらでもいいというのが本音だが。

 

「あーあ、アンタらいつまでやってんの?どうせ全部は乗らないんだから必要な分だけ切り出して!船出すわよ。」

 

「ハーイ!ナミさん!」

 

それでも尚ゾロは食い下がる。

 

「なぁ、ウソップ!どう見ても俺の勝ちだろ?」

 

「あぁ?興味無ェ。」

 

「引き分けじゃダメなの?」

 

「早くしなさいーーー!!!」

 

痺れを切らしたナミに怒鳴られ二人は慌てて恐竜の肉を切り出す。そして準備が終わり、とうとうこのリトルガーデンともお別れの時が来たようだ。

 

「出港だーー!!」

 

ルフィのかけ声と共に船が出港する。ルフィはまだ恐竜の肉を乗せたがっていたようだが、これ以上は保存仕切れない上に船を沈める気かとサンジとナミに怒られる。

 

「あー!あれオッサンたちだ!見送りに来てくれたんだな!」

 

『ほんとだ!!』

 

メアも身を乗り出してその姿を見る。

 

 

「この島に来た人間たちが、」

 

「次の島へと辿り着けぬ最大の理由がこの先にある。」

 

ドリーとブロギーは語る。

 

「お前らは決して我らの誇りを守ってくれた。」

 

「ならば我らも如何なる敵があろうと、」

 

  

「友の誇りは消して折らせん。」

 

 

「我らを信じて真っ直ぐ進め!!例え何が起ころうとも真っ直ぐにな!!」

 

 

「分かった!!」

 

「何だ一体…?」

 

「何が分かったんだ…?」

 

「何があっても真っ直ぐ進む!!」

 

『……』

 

なにがおこるんだろう…?

 

メアはこの先の出来事にソワソワと落ち着かない様子だ。

 

 

「お別れだ。」

 

「いつかまた会おう。」

 

「必ず。」

 

 

「見て!!前!!」

 

ナミの指差した先には巨人族の二人にも引けを取らないくらいの巨大な金魚がいた。このままではこの金魚に飲み込まれてしまう。

 

「何だコイツは…金魚か?」

 

『きんぎょ…?あれがきんぎょ?』

 

金魚を初めて見るメアは一人あれが金魚なのかと吞気に思う。

 

「き、巨大金魚!?どこかで聞いたような…?」

 

「舵きって!!急いで!!食べられちゃう!!ウソップ早く!!」

 

「!ダメだ!!真っ直ぐ進め!!そうだろルフィ!!」

 

「勿論だ。」

 

しかし巨大な金魚の口の中、喉の奥まで見えてきた。それにナミはラブーンの時とは違うと焦る。それでもルフィは船を動かす気は無いようだ。ゾロにも諦めろと言われ、ナミはルフィに投げられた煎餅を齧る。

 

「ルフィ!!アイツら信頼出来るんだろうな!?」

 

「うん!!」

 

「正気!?本当にあの怪物に突っ込んでいくの!?」

 

「ダメ!!もう間に合わない!!」

 

メリー号が完全に金魚の口の中へと入る。とうとう金魚の口が閉められた。

 

 

 

 

その瞬間、光が見えた。

 

 

 

 

  

 

「「覇国!!」」

 

 

 

 

 





幼女はMs.ゴールデンウィークに何をしたんでしょうね。
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