エスパー幼女   作:メノメノ

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20話も書いといて何ですが実は幼女の設定結構あやふやのまま書いてたので、設定しっかり考えました。一応幼女の生まれるまでの過去の話とか、なんでエスパー能力を使えるのかについても考えはしましたが、まぁこの話一切の原作キャラが出てこない分、面白さが全て私の腕に掛かっているので多分やらないです。長々と書いといてそれだけなんです。スミマセン…。



ドラム島

「なんなのこの揺れは!?」

 

「しっかり舵取れよ!!ナミさんに何かあったらオロすぞテメーら!!」

 

『わわわっ!!』

 

急に船が大きく揺れる。外で何かあったのだろうか…気になるがナミのことも心配だ。向こうにはルフィとゾロもいる、簡単にはやられはしないだろうと思いメアは部屋に残る。

 

『なみ、だいじょーぶ?』

 

幸い、ナミは気がついていないようだ。

 

「マーハハハハハハ!!」

 

何者かの声が外から聞こえてきて、サンジはここをビビとメアに任せ部屋の外へとでる。

 

『なんだろうね、びび?』

 

「さぁ、分からないわ…でもどこかで聞いたことが…?」

 

『??』

 

ダダン!!ダダン!!

突如銃声が鳴り響く。

 

「銃声!?メア、カルー、ナミさんを見てて!すぐ戻るから!」

 

『わかった!』

 

「クワアーー!!」

 

突然の銃声にビビまでもが甲板へと行ってしまった。本当に一体何が起こっているのだろうか。ナミのためにも急がなきゃいけないのにとメアの中には焦る気持ちが生まれる。

 

『ってあせっても、ふねのすぴーどはかわらないもんね…スゥーハー…』

 

無意識の内に焦る気持ちを深呼吸で整え、ナミの看病をカルーと共に続ける。

 

「クワァ…」

 

カルーもちょっと心配そうだ。そんなカルーにメアは優しく話しかける。

 

『だいじょーぶだよかるー!あっちにはるふぃたちがいるもん!!わるいやつならやっつけちゃうよ!!』

 

「クワアァァ!!」

 

メアの励ましによりカルーも元気になったみたいだ。

そこにビビが戻ってくる。

 

『だいじょーぶだった!?』

 

「クワア!?」

 

「大丈夫よ、メア、カルー。ちょっと騒ぎになっただけよ。ルフィさんが片付けてくれたし。」

 

『そっか!!』

 

それを聞き、やっぱりルフィは強いんだと思い直してこれで医者探しへ戻れるとメアは安心する。

 

けれどそれからも中々医者どころか島さえも見つからなかった。

 

 

 

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もうすぐ日が暮れる。ナミの病状は相変わらず良くなる見通しは無い。熱は上がり続け、このままだとやはり命に関わるのではという不安が皆に過る。

 

「やっぱり、腹空かしてんじゃねーのかな…?だったら肉百人分食ったらどうだ!?肉さえ食えばすぐ治るぞ病気!!」

 

「あのなァ…」

 

サンジとビビが呆れたようにする。メアも肉で治るとは思わないが、これがルフィなりの心配の仕方なのだろう。耳や顎を伸ばして結んでみたり、ふざけて笑わそうとしている。

 

「笑わねェ…全然…」

 

勿論ナミは笑わない。そもそもそういう事をして笑う元気が無いから病人なのだと、ビビやサンジは心の中でもう何回目になるか分からないツッコミをいれる。

 

「水とかぶっかけたら、熱、引かねーかな?」

 

「「アホかーーーー!!!!」」

 

「参ったな、今日はもう日が暮れるぜビビちゃん。」

 

「えぇ、そうね。そろそろどこかに碇を下ろしましょう。ナミさんの指示無しで夜の航海は出来ないわ。」

 

「そうだな…」

 

皆ナミが心配なだけなのだ。心配の仕方がおかしい人物が約一名いるだけで。

 

 

 

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真夜中、月も高く上る頃やっとナミの意識が戻ったようだ。見渡してみれば見張りに行ったのであろうサンジ以外の全員がこの部屋に集合して寝ているではないか。

メアとビビはナミの寝ている布団にもたれて眠っているし、他の男共も床に雑魚寝している。

 

『ん…なみ…?』

 

どうやらベッドにうつ伏せに寝ていたメアは、どうやらナミが起きたときの物音で目が覚めてしまったようだ。

 

『んぅ…なみ…ねてなきゃだめ…』

 

「分かった分かった。」

 

半分寝ぼけたメアによって布団に横になるように促されるナミ。

 

ちょっと前まで生まれたばっかりで、夜中アタシに怖い夢を見たって泣きついてきてたのに…

ナミは少し前までのメアに思いを馳せる。今じゃルフィよりもしっかりしてるかもと考えると自然と笑みが溢れる。

 

『なみ?』

 

不意に笑ったナミに対してメアは不思議そうな顔を浮かべる。それになんでもないと答える。

 

『こわいゆめみた?ならめあがおうた、うたってあげる!!』

 

別に怖い夢を見た訳ではないのだが、前にやってあげたことのお返しとばかりにメアが歌ってくれるようなので聞いてみることにする。

 

 

『~~♪~~♪~~~~♪』

 

 

……この歌は…アタシがメアに歌ってあげた歌だ…

元々はベルメールさんが私に歌ってくれた歌。懐かしいなとナミは思い出に浸る。

 

 

『~~♪~~~♪』

 

 

……そういえばアタシも歌ってもらってたな…

 

 

『~~~♪~~♪~~~~♪』

 

 

…何だか眠くなってきた…このまま眠ってしまおうか…

 

 

『~~~♪~~~~~♪~~~♪』

 

 

『おやすみ、なみ』

 

 

 

おやすみ、メア…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

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ーーーーーーーー

 

 

 

 

「ナミー!見てみろほらー!!…おかしいな…やっぱり笑わねぇ…」

 

『るふぃ、それは…』

 

次の日ゾロは何やらドン引きしているメアと何かしているルフィを発見した。

 

「どうしたルフィ?」

 

「んん?」

 

でーーーんと効果音が付きそうなルフィのその顔は額には肉と書かれマジックで太眉、睫毛をプラス、唇もなにやら赤くなっている。

……正直いうとかなり化け物じみた顔だった。

 

「!?!?ヤメろ気味悪ィ!!!!」

 

「ありがとーん!!」

 

当然ゾロは驚くが、期待通りの反応をもらいルフィは何だか楽しげであった。

 

「島があったぞォ!!」

 

サンジの声が聞こえてくる。どうやら島が見てたようだ。医者のいる島だといいのだが。

 

「島かァ!!そうか島か!!島があったか!!おいナミ!!島だってよ!!病気治るぞ!!島だとよ!!しーま!!しーま!!しーま!!」

 

「見て来いよ、ここはいいから。」

 

『いってらっさい。』

 

そういうとムズムズとしていたルフィは甲板へ飛び出し、島を確認しにいった。

ルフィなりの心配なのだろうが、あれではうるさくてかわない。

 

『るふぃ、さむくないのかな?』

 

ふと、メアはルフィの恰好を思い出す。いつもの服装で袖すら無い服というのはこの気候では寒すぎやしないだろうか。メアは寒くて寒くて震えているというのに。

 

「馬鹿は風邪引かねェっていうしな。」

 

…るふぃのこと、ばかっていった…

 

まぁ、メアも否定はしないが。そういうものなのだろうか…アレは。本人が寒くないというのなら良いのだろうか。

 

そんな会話をしている中も船は刻一刻と島へと近づいていった。

 

 

メアが見たその島の第一印象は真っ白というものだった。その島は一面が雪と氷に覆われており、ビビの言っていた典型的な冬島なのだろう。

島の奥には大きな塔のような山らしきものが見える。

 

「こんなに雪が…!!幸せだァ!!俺!!」

 

「こりゃあスゲーな何だあの山は…」

 

「ところでルフィお前寒くねェのか?その恰好で…」

 

現在の気温はマイナス十度熊が冬眠の準備を始める温度だとビビも言う。

メアも甲板に出ると風があり、さらに寒く感じてしまう。

 

「え?あぁ…え?って寒ゥ!!」

 

「っていやおせーよ!!」

 

『ほんとばか…』

 

やっぱりゾロのいったようにルフィは馬鹿だと思ったメアだった。

 

 

雪解け水の滝が見える。この辺りに船を止められそうだ。それでだれが行くとゾロが皆に尋ねる。

 

「俺が行く!!」

 

「俺もだ!!」

 

『めあもいく!!』

 

「よーし行ってこい!!」

 

しかし思わぬ形で人は見つかったようだ。

 

「そこまでだ海賊共!!」

 

見れば島民と思わしき人々がメリー号の周りを取り囲んでいた。その出で立ちは物騒で銃をこちらに構えている。

 

「おい、人が居たぞ。」

 

「でも…ヤバそうな雰囲気だ…」

 

みるからに島民たちはピリピリしている。本来ならばあまり立ち寄るべき島ではないのだろう。だが、ナミのことを思えば折角島に人がいるというチャンス。これを逃せば次はいつ人がいる島に出会えるかは分からない。

故に上陸をしたいというのが一味の本音だった。

 

「海賊共に告ぐ。速やかにここから立ち去りたまえ。今すぐにだ!」

 

島民のリーダーらしき体格の良い男が現れ、一味の面々にすぐに立ち去るように警告する。

 

「俺たち医者を探しに来たんだ!」

 

「病人がいるんです!」

 

「そんな手には乗らねェぞ!!薄汚ェ海賊め!!」

 

「ここは我々の島だ!!上陸などさせてたまるか!!」

 

「さぁ、すぐに碇を上げて出て行け!!さもなくばその船ごと吹き飛ばすぞ!!」

 

なんだかやけにここの島民たちは海賊を嫌っている。過去に何かあったのだろうか…?メアはゾロの足に掴まりながらそんなことを考えていた。

 

「おーおー酷く嫌われてんな。初対面だってのに」

 

そんなことを言ったサンジ対して口答えするなと島民の一人が発砲してくる。

それに怒ったサンジだが、すんでのところでビビがそれを止める。しかし島民は怖くなったのかさらに発砲を重ねてきた。

 

 

ーーーズドン!!!

 

 

 

「ビビーーーーー!!!!」

 

ビビが撃たれた。

 

その事実にメアは呆然と立ちすくんでしまった。

ルフィはビビを撃った島民を攻撃しにいこうとするが、それを撃たれたはずのビビが必死に止める。

 

『びび!?』

 

「戦えばいいってもんじゃ無いわ!!傷なら平気腕を掠っただけよ…」

 

ビビはそういうと島民たちに膝をついて頭を下げる。

 

「だったら上陸はしませんから、医師を呼んでいただけませんか。仲間が重病で苦しんでいます。助けてください、お願いします。」

 

「…ビビ…」

 

「あなたは船長失格よルフィ。無茶をすれば全てが片付くとは限らない。この喧嘩を買ったら、ナミさんはどうなるの。」

 

ビビの腕の傷口からは血が流れる。

 

「あぁ、ごめん。俺間違ってた。医者を呼んでください。仲間を、助けてください。」

 

ルフィもビビに習い膝をついて頭を下げる。

 

『なみがしんじゃうかもしれないの!!たすけてください!!おねがいします!!』

 

メアも島民たちへと涙目で訴えながら頭を下げる。

 

「………村へ、案内する。着いてきたまえ。」

 

その様子にリーダーらしき男はどうやら許してくれたようだ。島民たちも銃をしまい、船から遠ざかっていく。

 

どうやらビビはただの王女ではないらしい。

 

 

 

一同は男に連れられて村へと向かっていた。

 

「一つ忠告しておく。我が国の医者は魔女が一人いるだけだ。」

 

「あん!?魔女ォ!?」

 

「何だそりゃあ…訳分かんねー国だな、大体何て国なんだよここは!」

 

そうナミをおぶったサンジが聞く。

 

「この国に名前はまだ無い。」

 

「え…名前の無い国、そんなことってあるんですか?」

 

この国には名前は無いらしい。メアは自分が名前を付けるとしたら、雪でいっぱいの国だからゆきゆきランドとかいいかなーとか吞気に考えていた。

 

「うわあああああぁぁぁぁ!!!熊だあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!皆~死んだフリをしろ~」

 

「ハイキングベアだ、危険は無い。登山マナーの一礼を忘れるな。」

 

冬島には不思議な熊がいるものだとメアは思った。

 

 

「ここが我々の村、ビッグホーンだ。」

 

とうとう村へとやってこれたようだ。村には見たことのない動物もいる。メアはその物珍しさに目を輝かせる。

 

「あ、おい見ろルフィ!!ハイキングベアだ!!」

 

「またか!」

 

ルフィとウソップが恰幅の良い女性をハイキングベアと間違え、一礼をしている。

 

すごい…しつれい…

 

メアにもあれが物凄く失礼なのは分かった。

それにしてもこの男の人はずいぶん村の人たちから慕われているようだ。次から次に皆が声を掛けてくる。

ドルトンと呼ばれていた男に案内され、皆は彼の家に入る。

 

「申し遅れたが、私の名はドルトン。この島の護衛隊長をしている。我々の手荒な歓迎を許してくれ。」

 

ドルトンはどこかでビビを見たことがあるような気がすると言っていた。ビビははぐらかしていたが、どこかで会ったことがあるのだろうか。

 

「それより、魔女について教えてください。さっきナミさんの体温を測ったら42度もあったんです。」

 

「よ、42度!?」

 

「三日前から熱は上がる一方なんです。」

 

「これ以上上がったら死んでしまうぞ!!」

 

「えぇ、だけど病気の原因も対処法も私たちには分からなくて…」

 

「何でもいいから医者がいるんだ!!その魔女ってのはどこにいんだよ!!」

 

会話をする時間すら焦れったいとばかりに聞くサンジにドルトンは答える。

 

「魔女か…窓の外に山が見えるだろう?」

 

「あぁ、あのやけに高い…」

 

窓を見ようとしたサンジだが思わぬものが見える。

 

「ハイパー雪だるさんだ!!」

 

「雪の怪獣シロラーだ!!」

 

「「ヘーイ!!!!」」

 

「テメーらぶっ飛ばすぞ!!」

 

雪だるさんとシロラーはサンジによって破壊された。

 

「あの山々の名はドラムロッキー。真ん中の一番高い頂上の城が見えるか?」

 

「城ォ?」

 

『ほんとだ!!おしろ!!』

 

「今や王の居ない城だ。」

 

「あぁ、確かに。」

 

サンジに持ち上げてもらい窓の外を見たメアは、絵本でしか見たことのないお城に少し興奮する。

 

「あの城が何か?」

 

「人々が魔女と呼ぶこの国唯一の医者、ドクターくれははあの城に住んでいる。」

 

「何ィ!?よりによって何であんな遠い所に!?じゃあすぐ呼んでくれ!!急患なんだ!!」

 

「そうしたくても通信手段が無い。」

 

「ああん!?」

 

それでも医者かよ、どんなヤツだとサンジはちょっとキレそうだ。医者としての腕は確かだが、少々変わりものの婆さんだそうで、もう140近い高齢だとドルトンは言う。

 

ひゃ…ひゃくよんじゅう…すごいねんれいだ…

 

「ひ、140!?そっちが大丈夫か…?」

 

「あとそうだな、梅干しが好きだ。」

 

さすがの女好きのサンジもコレには少々驚いているらしい。しかし山の上にいたのではそう簡単に降りれないだろう、この国の人たちは一体病気や怪我をどうしているのかとビビは尋ねる。

 

「彼女は気まぐれに山を降りる。そして患者を探し、処置を施しては報酬にその家の欲しいものをありったけ奪って帰って行く。」

 

「そりゃ、たちの悪いババアだな。」

 

「おいおいまるで海賊だな。」

 

どうやらとんでもないお婆さんのようだ。無事にナミを治療してもらえるかメアはちょっぴり心配になる。

 

「でもそんなお婆さんがどうやってあの山から?」

 

「…妙な噂なんだが、月夜の晩に彼女がソリに乗って空を駈け下りてくるところを数名が目撃したという話だ。それが魔女と呼ばれる由縁でな。それに見たことも無い奇妙な生き物と一緒にいたという者もいる。」

 

その話にウソップは何か出るんだと一人騒ぐ。

 

みたこともないいきもの…どんないきものだろう…!!

 

反対にメアは未知の生物の存在にわくわくしていた。

 

「確かに唯一の医者ではあるが、あまり関わりになりたくない婆さんだ…次に山を降りてくる日をここで待つしかないな。」

 

「そんなァ…」

 

「くそ野郎…そんなの待ってられるかよ!こうしている間にもナミさんが…!」

 

「おい、ナミ。ナミ、聞こえるかー?」

 

「「「ってお前は何やってんだーーー!?!?」」」

 

『るふぃ!?』

 

ルフィはナミの頬をペチペチと叩き、起こす。

 

「あのなァ、山ァ登んねェと医者いねェんだ。山登るぞ。」

 

ルフィはナミを山の上の城まで運び、医者に見せるという。

 

「無茶言うな!!お前ナミさんに何さす気だ!?」

 

「いいよ、おぶってくから。」

 

「それでも悪化するに決まってるわ!!」

 

「何だよ、早く見せた方が良いだろう?」

 

「それはそうだけど無理よ、あの絶壁と高度を見て!!」

 

「行けるよ。」

 

「テメーが行けてもナミさんへの負担はハンパじゃねーぞ!!」

 

「でもーホラッもし落っこちても下雪だしよ!」

 

「あの山から転落したら健康な人でも即死よ!?」

 

「あのなァ常人よりも六度も熱が上がった病人だぞ!?分かってんのかお前!?」

 

ルフィ以外皆は反対のようだ。メアもどちらかというと賛成はしていない。でも早く見せた方が良いだろうけど…それでもあの山は高すぎる…ぐるぐると思考が回る。

 

「…うぅ…」

 

「(早く…治さなきゃ…!!

 

ビビの…為にも…早く…!!)」

 

「よろしく!キャプテン!!」

 

「そうこなきゃな!任しとけ!!」

 

どうやら山を登るルートに決定したようだ。

 

 

「あっきれたぜ!!船長も船長なら、航海士も航海士だ!!」

 

「自分の体調分かってんのかナミさん…?」

 

「本当に大丈夫?何時間もかかる道よ…」

 

「オッサン肉くれ、肉!!」

 

「肉…?」

 

「よし、俺も行く!」

 

サンジもこの山登りに同行するようだ。

 

「いいかルフィ、お前が一度でも転んだらナミは死ぬと思え!!」

 

「えぇ、一度でもかァ!?」

 

「待って!じっとしてて、ちゃんと縛っておかなきゃ…」

 

ナミをおぶりその下を剣で支え、さらに布で固定しているようだ。

 

「これでいいわ。じゃあ私はここで待たせてもらうから。却って足を引っぱっちゃうし。」

 

「俺もだ!!」

 

「分かった!!」

 

『めあはいく!!』

 

「「「!?!?」」」

 

「おいおい、メアにはちと厳しくねェか…?」

 

「メアは私たちとここで待ってましょう?」

 

『いや!!』

 

ナミが危険な今、メアまでもを守り山の頂上へ行くことは正直とても厳しい。

ウソップとビビが一緒に待つように言うが、メアはそれを聞き入れようとしない。

 

『やぁだぁ!!おいてっちゃやだ!!めあもいくもん!!』

 

遂には涙目になりながら訴える。こうなってはそう簡単にメアは折れないことをこの一味はよく知っている。

 

「メア。」

 

そんなメアに話しかけたのは、意外にもサンジであった。

 

『いくの!!めあもいく!!』

 

「……分かるよ。悔しいんだよね、俺も同じさ。」

 

その言葉にメアは騒ぐのを止める。

 

「その気持ち、俺がしっかり受け取った。ナミさんは俺とルフィでちゃんと医者に診せてくるからよ、少しばかりそこで待ってちゃくれねェか?」

 

そんな風に言うサンジにメアも少し考えているようだ。

 

「…な?」

 

『…うん!!』

 

「よし!!よく言った!!」

 

そういうとサンジはメアの頭をぐりぐりと撫でる。それにメアはすっかり機嫌を良くしたようだった。

それを見てウソップとビビはホッとする。

 

「じゃあナミ、しっかり掴まってろよ!!」

 

「…うん…」

 

「本気で行くなら止めるつもりは無いが、せめて反対側の山から登るといい。ここからのコースにはラパーンがいる。肉食の凶暴なウサギだ。集団に出会したら命は無いぞ。」

 

「ウサギィ?でも急いでるんだ、平気だろォ?なぁ?」

 

「あぁ、蹴る!!」

 

「蹴るって!?馬鹿な!?死にに行くようなもんだぞ!?」

 

「大丈夫!!じゃあ行くかサンジ!!ナミが死ぬ前にー!!」

 

「縁起でも無ェこと言うんじゃねェこのくそ野郎!!」

 

「ハッハッハッ!!」

 

そう笑いながらルフィたちは行ってしまった。

 

「本当に大丈夫か…?」

 

「あぁ、まぁあの二人は心配ねェが…」

 

「問題はナミさんの体力がついていけるかどうか…無事に着けるといいけど…」

 

『なみ……』

 

三人はルフィたちの姿が見えなくなっても、ずっと山の方を見守っていた。

 

「どうした君たち?中へ入りたまえ、外は寒い。」

 

「いいです、私は…外にいたいから。」

 

「お、俺も…」

 

『めあも!』

 

「…そうか。」

 

その様子にドルトンも中へ入るのをやめ、雪の上へドカリと座る。

 

「「えっ!?」」

 

「では私も付き合おう。」

 

ずいぶん気の良い人のようだ。

 

 

 

 

「昔はね、ちゃんといたんだよ。」

 

「「えっ?」」

 

「医者さ、訳あって全員居なくなってしまったんだ。どれも優秀な医者ばかりだった。実際医療先進国と言われてさえいたのだからな。」

 

「それがなぜ?」

 

ビビは尋ねる。

 

「この国はほんの数ヶ月前に一度滅びているんだ。海賊の手によって。」

 

「えぇ!?」

 

「国がァ!?」

 

『!?』

 

でもこれで納得した。ここの国の人たちの、異常なほどの海賊への嫌悪。それはここからきているのであろう。

 

「それで私たちにあんなに過敏に…」

 

「そうだ。みんな海賊という言葉には…まだ…どうもね。君たちにはすまなかったが、たった五人の海賊団だった。」

 

「船長は黒ひげと名乗り、我らにとって絶望的名力でこの国を瞬く間に滅ぼしたのだ。」

 

「たった五人の海賊に!?嘘でしょう!?」

 

「黒ひげ!?」

 

『……』

 

その強さはビビもウソップも話を聞いただけでは信じられないようだった。

ちなみにメアは難しい話に飽きて雪でウサギを作り始めた。

 

「だが、この国にとってはそれで良かったという者もいる。」

 

「国が潰れて良いわけないじゃない!!」

 

「そうだ!!そんな馬鹿な話があるか!!」

 

「…ありがとう。」

 

ドルトンの突然のお礼の言葉にビビは驚く。

 

「だがそれというのも、それまでの国の王政が国民にとって悲惨なものだったからだ。元の国の名はドラム王国、王の名はワポル。」

 

 

「最低の国王だった……!!」

 

 

ワポル、その名は確かルフィを食っていた海賊の名前ではなかったか。

どうやらこの国でも一騒動ありそうだ。

 

 

「君たち、ワポルを知っているのか!?」

 

「知ってるも何も、俺たちの船を襲って来やがった海賊の名だ。まぁ、俺が追い払ってやったが…」

 

「今思い出してみりゃ、確かにドラム王国がどうとか…」

 

「えぇ、間違いないわ。はっきりと思い出した!私子供の頃父に連れられていった王たちの会議で、一度彼と会ってるもの」

 

「王たちの会議!?君は一体…」

 

「あ、あいや、その、とにかく会いました、ワポルに。昨日のことです、ここへくる途中に。」

 

「昨日!?それは本当かね…」

 

「でもじゃあ一体どういうこと?彼は王ではなく海賊を名乗っていた。」

 

「海賊など一時のカモフラージュだ。ワポルはこの島に帰ろうとしてこの海を彷徨っているに過ぎない。」

 

「じゃああの船に乗っていた人たちはこの国を襲った黒ひげ海賊団に敵わず、島を追われたのね。」

 

「敵わず…違う!!」

 

「えっ?」

 

「あの時ワポルの軍勢は戦おうとすらしなかった。こともあろうに海賊たちの強さを知った途端、あっさりと国を捨て、誰よりも早くワポルは海へ逃げ出したのだ!!」

 

あれには国中が失望したとドルトンは続ける。

そんなワポルにビビは怒りが抑えられないようだった。

 

「これが一国の…」

 

「それが一国の王のやることなの!?」

 

『びび…』

 

「ヒドすぎる…そんなの…王が国民を見捨てるなんて…!!」

 

「その通りだ。だがとにかくもうワポルの悪政は終わった。この島の残った国民は今、団結して新しい国を作ろうとしているのだ。だから我らが今一番恐れてるのはワポルの帰還…!!王政の復活だ…!!人々が不安定な今それだけは避けねばならん!!」

 

「この島に新しく平和な国を築く為に!!」

 

 




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