これ書いてたからか、遊園地行きたいです。
グランドラインにしては、珍しいほどの綺麗な雲一つない晴天。
そして、ChilldrenLandと看板に書かれた文字がそんな青空に良く映える。
まさに絶好の遊園地日和であると言えるだろう。
「!!……!!!!」
メアはまだ遊園地の入口の前に立っているだけだというのに、もう興奮が収まらず目が輝き、言葉すら出てこないようだ。
「メア落ち着け、まだ入ってもいねーぞ」
「…!!!…!!」
「ダメそうね。興奮し過ぎて聞こえてないみたい。」
宥めるウソップとナミの言葉も、メアには全く届いていないようで。
「あっちもあっちで、はしゃいじゃってるし…。」
ナミが目を向ける先には、ルフィとチョッパーが遊園地!遊園地!とテンション高く声を上げている。
そんな実質子供が三人いる様な一味の面々に向かって、ナミは全員にみんなよく聞いてねー!を声を掛ける。
「私たちは人数も多いし二手に分かれて行動しましょう。」
「ならオレはナミさんと一緒に行動を…」
「あ、サンジくんは私とは別チームだから。」
「んな…!?」
「ハッ!ザマァねェな!」
「ンだとォ!?このクソマリモ!!」
「やんのか!?このグルまゆが!!」
「やめんかァ!!!」
結局メアが興奮から戻ってくる時には、ゾロとサンジはナミにボコボコにされた後だった。
その様子にメアは、いつの間にナミを怒らせたのだろうと考えたが、まぁいつものことかと無情にも二人から思考を変える。
そして一味はルフィ、サンジ、メアの三人と、
ゾロ、ナミ、ウソップ、チョッパーの四人に
分かれて行動することが決まった。
「よしメア!遊園地って言ったらな、やっぱジェットコースターだろ!!乗ろうぜ!!」
「じぇっとこ、こーすたー…??」
「違うぞ!ジェットコースターだ!!」
「なぁにそれ…?」
「ぐわー!!ってなってがー!!ってなるやつだ!」
「???よく、わかんない。」
「んーとなー、まァすげェ楽しいってことだ!!」
「!楽しいならめあも乗るー!!」
「じゃあとりあえず乗り場に行くか」
ルフィの説明にメアは頭の中が期待でいっぱいになったようだ。そしてサンジに促されるように乗り場へと歩く。
しかしここで悲劇が起こる。
「ごめんなさい…このジェットコースターにお嬢さんは乗れないわ…。」
「えェ!?何でだァ!?」
ジェットコースターの入口にいたキャストの女性が、三人にそう声を掛けた。
「そちらのお二方は乗れますが、お嬢さんは小さすぎて安全の基準を満たしてない為、乗車することが出来ません…。」
そう言ってキャストは入口近くにある、身長計のようなものを見せた。それには赤い印でここから!と書いてある。
そしてメアはどう見ても、その印よりも身長が低かった。
「…めあ、のれないの…?」
「残念だけど、そういうことだね…メアちゃん」
「…。」
「…メ、メアちゃん…?」
「メアー?」
「………。」
「…ダメだ、楽しみだった分、ショックがデカ過ぎたみてェだ…。」
ショックな表情を隠すことも出来ず、メアはただ口を開けて固まってしまった。
「で、でも安心して!ここのジェットコースターは乗れなくても、あっちのキッズ用のジェットコースターには乗れるかもしれないですよ!」
そういってキャストは胸ポケットから地図を出すと、現在地とキッズ用ジェットコースターの場所を丁寧に教えてくれた。
「何て仕事熱心な方なんだ♡そんな君に僕はもうメロメロさ♡」
サンジはそんなキャストの女性にいつもの様にメロメロになっている。
「あ、ありがとうございます…。でも大丈夫ですか…?」
「え?」
「お連れ様がもうかなり遠くに行ってますけど…。」
引き気味なキャストに促され振り向いたサンジの視界には、随分小さくなったルフィとルフィに肩車されているメアの姿がそこにはあった。
「ようしメア!早く行くぞー!!」
「おー!!」
「って待ちやがれルフィ!!そっちは逆だ!!」
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ーーーーー
ーーー
「…ッたく…何で逆に行くんだよ…あのクソマリモじゃあるまいし…。」
「ハハハハ!!わりィわりィ!!」
「こーすたー!こーすたー!」
あと少しで迷子になりそうだったルフィとメアに、サンジが何とか追い付き、改めてジェットコースター(キッズ用)の元へと三人で向かう。
メアはもうジェットコースターが見えてもいないのに、ウキウキで楽しさを抑えきれない様だった。遊園地特有の雰囲気も相まって、言われなければメアが海賊船のクルーだとは、誰も気が付かないくらい普通の子供だった。
そして遊園地の中でも、さらに子供っぽいカラフルでポップな配色のエリアに三人は足を踏み入れた。
アトラクションは勿論だが飲食店、土産屋、小さなオブジェクトにいたるまで良く作り込まれており、まるで絵本の中にでもいる様な不思議な錯覚をさせる。
「わぁ…!すてき……!」
その世界観に、 メアもすっかり入り込んでしまっている。
生まれてから船で幾度と航海してきたメアだが、この時代酒場は山ほどあっても、こんなにも楽しそうな場所は初めてだった。
「あ!!メア、あれじゃねーか!?」
「すごーい!かわいいーー!!」
最初にコースターを見つけたのはルフィだった。そしてルフィの指さす先にあったのは、可愛らしい積み木で出来たかの様なデザインの汽車…基ジェットコースターであった。
その可愛らしい見た目からテンションを上げるメアに、サンジは先程乗れなかったショックはもう無い様子に内心ホッとする。
身長制限もクリアし、ついにメア、初ジェットコースターの時である。
一応の事を考えてルフィとサンジの間に座り、メアはジェットコースターが動くのは今か今かと、もうワクワクが顔から滲み出ていた。
「ではいってらっしゃーーい!!」
キャストの掛け声に合わせて、ジェットコースターはゆっくりと動き出した。
最初の方はスピードはあまり早くなく、だが
その代わりに園内が良く見渡せた。
コースターは段々と速度を上げていき、このアトラクション一番の山場に差し掛かる。
再びゆっくりになるコースターだが、少しづつ角度が付いていき、皆落ちる瞬間を今か今かとドキドキして待つ。
そして一瞬だけ、綺麗な園内と海の綺麗な景色が見えた瞬間、コースターは速度を急激に上げる。
「「「「キャアアアアアアアア!!!!」」」」
乗客は意外にも子供向けとは思えないスピードのコースターに、みなスリルを味わって楽しそうだ。
ルフィは両手を上げて叫び、メアはバーとサンジの腕に掴まり、サンジはもう片方の手でバーに掴まりながら意外と速いなと考えていた。
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ーーーーー
ーーー
「はー楽しかったー!なーメア!」
「うん!ちょっとあたまぐわんぐわんするけど…。」
あの後ジェットコースターを下りてもメアとルフィの興奮は収まらず、結局、三回も乗った。
その為か、メアは今も頭が揺れている様な感覚が続いているようだ。
「だから無理するなって言ったろ…。」
「うぅ…ごめんなさい…。」
「まぁ楽しい場所だから、気持ちは分かるよ。そうだ、飲み物買ってくるから、そこのベンチで待っててくれ。」
「おう!」
「わかったー。」
しかしサンジが飲み物を買いに行くと言ってから、一分もしないうちにルフィが、辺りをキョロキョロと見回す。
「………るふぃ…さんじいってから、まだごふんもたってないよ?」
これには流石のメアも苦言を呈すが、その後も売り場が混み合っているのか、中々サンジは帰ってこない。
そして先に痺れを切らしたのはやはりルフィだった。
「んァーーー!!サンジのやつどこまで行ってんだァ?ウ〇コでもしてんのか?」
「るふぃ、きたない。」
ツッコミながらもメアも内心はルフィと同じで、段々と待たされている今の状況に、うんざりしてきていた。
「あ、メアあそこにポップコーンあるぞ!」
「え!?どこどこ!?」
「ほらあそこだよ!!」
「わぁ…!!おいしそう……!!」
「サンジ待ってるの飽きたし、ポップコーンでも食ってようぜ!!」
「さんせー!」
そういってルフィは、メアを肩車してポップコーンの売り場へと向かう。
売り場には幸いなことに、人はあまり多くないようですぐに順番が回ってきた。
「いらっしゃいませ!何味のポップコーンに致しますか?」
「みて、るふぃ!めにゅーに、いっぱいしゅるいあるよ!」
「ホントだ!塩にキャラメルにチョコにカレーにブラックペッパーに…すっげェいっぱいあるな!」
「どれにするー?」
「んー………全部は「だめだよ」えー…」
そんなどっちが年上か分からない様な掛け合いをしながら、二人は結局定番の塩とキャラメルのポップコーンを買った。
そしてサンジに待っていろと言われたベンチに戻ろうとした時。二人に向かって一声、いや一鳴きが掛けられた。
「にゃおん。」
振り返れば、そこには薄水色の小さなシルクハットを被った茶色の猫が一匹。
「ねこ…?」
「ねこだな。」
どこからどう見ても猫。
何故遊園地に着ぐるみでもない猫がいるのか、二人が頭に?を浮かべているとさらに後ろから声を掛けられた。
「こんにちは。」
「「!!」」
「初めまして。私はブジーア・フェリス。このコドモの国の支配人よ。」
「そうか、おれはルフィ。」
「わたし、めあ!」
声を掛けたのは緑色のシルクハットと濃い青色のジャケットを着て、片手にはステッキを持つ女性であった。そしてフェリスの姿が見えたのと同時に、先程の猫が彼女の元へ歩いていき、肩へとジャンプした。
「それお前の猫か?」
「そう。この仔はギディ、私の一番の相棒よ。」
「ふーん。」
フェリスはまるで我が子を労るかのように、肩に乗ったギディを撫でる。
ルフィは自分から聞いた割に、興味は薄れたようで鼻をほじりながらの生返事である。
対称的にメアは動物全般が好きなので、ねこだー!と騒いでいた。
「ふふ、ギディがお嬢さんに気に入って貰えて、私も嬉しいです。
そうだ!この遊園地においでいただいたお礼に、ちょっとしたプレゼントをお二人に差し上げますよ。」
「プレゼント!?肉か!?」
「いえ肉ではありません。…が、とってもステキなものですよ…!」
そう言って、フェリスがステッキを振った瞬間、
o,+:。☆.*・+。
「わぁ…!!」
「すっげェーーー!!」
二人の衣装が瞬く間に変わっていったのだ。
それは仕掛けのあるマジックや手品なんてものではなく、まるで“魔法”のようであった。
ルフィの衣装は、首元に青い大きなリボン、
黄色いシャツに赤いオーバーオールとなっている。
メアの衣装も殆ど同じだが、オーバーオールがワンピースになっており、それがより可愛らしさを演出している。
「わぁ…!すっごくかわいい!!」
「おまえすげェな!?」
「ふふ、お褒めに預かり光栄だよ。でも今のが私の全力と思ってもらっちゃ困るね。これはほんの、序の口さ。」
「じ、じゃあもっとスゴイことができんのかお前!?」
「あぁ、勿論。なぁ?ギディ?」
「にゃぁおん。」
「「すげーーーーー!!」」
ルフィとメアはもう目をキラキラとさせて、子供のように(一名は本当に子供だが)興奮する。
「おねーさん、まほーつかいさんなの!?」
「…ふふ、まぁそういうことにしておこうか。」
「…?」
「あぁ、なんでもないよ。私はこれから用事があるが、君達は引き続きコドモの国を楽しんでくれたまえ。」
「にゃあん。」
「もういっちゃうの…?」
「えーもっとマホーみせてくれよー!!」
「ふふ、そんな顔しないでくれ、リトルプリンセスにトリックスター。」
「りと…?とり…?それわたしたちのこと…?」
「あぁ、そうさ。それにそうガッカリしなくてもまたすぐに会えるさ。」
そう言うと、フェリスはくるりと踵を返し、颯爽と歩いて行く。
「あ、まって…!」
二人が追いかけようとした時、遠くから聞き覚えのある声が聞こえた。
「おい、お前ら……!!」
「おっ!サンジ!」
「おっ!じゃねーよ!!おれがどんだけ走り回ったと思ってる…!!」
「「ごめんなさい…。」」
「はぁ…まぁ問題事を起こさなかっただけ良かったと思うか…。それにしてもその服はどうしたんだ?買ったのか?」
「それはね、おねーさんがまほーでくれたの!」
「お姉さん!?美女か!?」
「う、うん」
「………。」
「どしたの?さんじ?」
「………おれも見たかった…!!」
「いつものやつだから気にすんな、メア。」
やっと合流できたサンジはいつも通りだった。いやいつも通り過ぎるくらいである。
美女を見逃したことを本気で悔しがっているその姿にメアは若干引きつつも、フェリスが何者なのか考えていた。
もし魔法が使えるのがフェリスだけではないのなら…魔法の国なんてのがあるのなら…
メアの想像は大いに膨らんでおり、もしかしたら今日遊園地に着いた時よりもワクワクしているかもしれない。
「ほら行くぞー!メア!サンジ!」
「おい!また迷子になりてェのか!?」
「まってー!るふぃー!」
しかしそんなことを考える余裕を、この船長がくれるはずもなく。メアはルフィの後を追いかけるので精一杯だった。
「ふふ、面白くなりそうね?ギディ?」
「にゃあん。」
フェリスが元ネタ的に男じゃなくて、お姉さんキャラなのは私の趣味です。たまには幼女じゃなくてお姉さんも書きたかったので。