回想にでてくるミニラブーン、アニメだと鳴き声もあって凄い可愛いです。
謎の二人組は近くの町のゴロツキで、このおじいさんはクジラ…ラブーンを守っているだけのようだった。
そしてラブーンがレッドラインに頭をぶつけているのには何か訳があるそうだ。
「アイランドクジラと言ってな、ウエストブルーにのみ生息する世界一デカい種のクジラさ。食料になどさせるものか。」
せかいいち、おおきいんだ…
メアはその凄さに圧倒される。
「コイツはな…人の心を持ったクジラなのだ…そしてひたすらある海賊を待ち続けている…50年間も。」
わたしたちとおなじ、ひとのこころを…
50年という時間の長さなどメアには想像も付かない。メア以外の一味だってその半分も生きてはいないのだ。
一同はおじいさんからラブーンの昔話を聞くことになった。
ラブーンはウエストブルーの気のいい海賊たちと共にこのレッドラインを超えて双子岬へとやってきたようだった。ラブーンにとってはその海賊たちが自分の群れ、すなわち仲間だったからだ。そして船が故障して数ヶ月そこに停泊していた為にクロッカスとも交流があったようだった。出発の時、その海賊船の船長はラブーンをクロッカスに二、三年預かって欲しいと頼んだそうだ。その後船は双子岬を出港しグランドラインへと入っていったと。
「もう50年も前の話になる。」
「50年も!?」
「ラブーンは50年もソイツらを待ってるのか?」
「だから吠え続けるの?体をぶつけて壁の向こうに…」
「あぁ…」
『……』
ずっとまってるんだ…らぶーんは…
メアはなんだか胸が締まるような思いだった。ちょっぴり目が熱くなる。
そして一同はクロッカスの作った水路から外へ出る。この水路も医者の遊び心だというのだ。
「私はこれでも医者なのだ。昔は岬で診療所もやっていた、数年だが船医の経験もある。」
「ホントかよ?じゃあウチの船医になってくれ!」
ルフィがクロッカスを船医に誘うが、無茶をやる気力は無いとあっさりと断られてしまう。
「医者か…それでクジラの体の中に…」
「これは治療の痕なのね。」
「そういうことだ。これだけでかくなってしまうともう外からの治療は不可能なのだ。」
メアにもやっとクロッカスがクジラの中にいた理由が分かった。
「開けるぞ。」
遂にクジラの中の扉が開かれて、麦わらの一味は外へ出ることが出来た。
「出たああああぁぁぁ!!!!本物の空ああぁぁ!!!」
「しっかし50年か、随分待たせるんだなその海賊達も。」
「バーカここはグランドラインだぞ、死んでんだよ。もういくら待とうが帰ってくるもんか」
『!?!?』
その言葉にメアは衝撃を受ける。
じゃあらぶーんは?やくそくは?
「確かに50年前といえば、ここは今よりさらに混沌とした恐ろしい人跡未踏の海域だったわけだもん…」
「てめぇらなんでそう夢の無ェこと言うんだよ!まだ分かんねェだろうが!帰ってくるかもしれねェ!いい話じゃねェかよ…仲間との約束を信じ続けるクジラなんて…そうだろ!?おっさん!?」
「…ああ、だが事実は残酷なものだ。確かな情報で確認した、ヤツらは逃げたしたんだ。このグランドラインからな。」
「そんな…まさかこのクジラを置いて…!?」
カームベルトを生きて出られたとしても、弱い心ではグランドラインの恐怖に飲まれ二度とここへは戻って来ないだろうというのがクロッカスの意見だった。
「見捨てやがったのかこのクジラを!?コイツは50年も待ち続けてるのに!?そりゃヒドいぞ!!」
らぶーんはずっと…まっているのに…
その話にメアは目から涙が溢れ落ちていた。胸が苦しくてなんだかとても悲しい。
「それが分かってるんだったらどうして教えてあげないの!?あのクジラは人の言うことが理解できるんでしょ?」
「言ったさ、全部包み隠さずな。」
それでもラブーンは信じなかった。信じたくなかったのだろう。その気持ちはメアにも痛いほど分かった。
「それ以来だ。ラブーンがリヴァースマウンテンに向かって吠え始めたのも、レッドラインに自分の体をぶつけ始めたのも。まるで今にも彼らは壁の向こうから帰って来るんだと主張するかのように…」
「なんてクジラだ…」
「待つ意味も無ェのに…」
待つ意味を無くすからクロッカスの言葉を拒むのだと言う。待つ意味を失う事が何より怖い。故郷への帰り道も無く、だからこそ仲間だった彼らだけが希望なのだと。
サンジはクロッカス自身も裏切られたのだからもう放っておく事はしないのかと問うが、クロッカスは50年も一緒にいるのだ、このまま見殺しになどできないと言う。
その話を聞いてしんみりとしてしまったメアの横をルフィが通り過ぎる。見ればその両手にはメインマストがあり、クジラの傷口にそれを叩き込んだ。
「って船こわすなよぉーーー!!!」
そうすれば当然の事ながら痛みにラブーンは暴れ始める。
「「なにやっとんじゃーー!!お前ーーー!!!」」
『!?!?』
もはやメアのしんみりとした気持ちなど吹っ飛んでしまった。