その後ルフィはラブーンとケンカをしていたようだったが、あえてそのケンカを引き分けにした。
「俺たちの勝負はまだ付いてねェんだ。だからまだ戦わなきゃならない。お前の仲間は死んだけど、俺はずっとお前のライバルだ!」
「必ずもう一度戦ってどっちが強いのか決めなきゃならない!」
「俺たちゃグランドラインを一周したらまたお前に会いに来る。」
「そしたらまた、ケンカしよう!!」
ラブーンの目から涙が溢れる。ルフィはラブーンに新しい約束を、待つ意味を与えたのだ。
よかったね…らぶーん…
その様子にメアも感動し、ラブーンと同じように涙ぐむ。メアには初めての悲しみと約束だった。
その後ルフィはラブーンの頭に戦いの約束として下手な海賊旗を描いていた。メアはルフィの予想以上の絵の下手さに内心ビックリして涙が引っ込んだ。
「俺たちがまたここへ帰ってくるときまで頭ぶつけてそのマークを消したりするんじゃねェぞ?」
「ブオォォ」
その様子をクロッカスは微笑ましく見守る。
そしていつの間にか謎の二人組は消えていたようだった。
ドカアアアアァァァァン
『??』
派手な爆発が遠くで起こったのをメアは目撃していたものの、それがまさか任務に失敗した謎の二人組に対するお仕置きだということに、メアが気づく訳も無かった。
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「ブオォォ!!」
『♪♪』
メアはラブーンと戯れていた。まだ幼い子供と一際大きなクジラ、互いに言葉は話せないがそれでも二人は楽しそうに遊んでいた。ラブーンがメアに体をこすり付けるようにすると、メアもラブーンの手触りが面白いのか真似をしてひっついている。
「ああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「『!?』」
突然のナミの悲鳴にメアとラブーンはビックリしてしまう。どうしたんだろうとメアがナミの元へと駆け寄ると他の仲間たちも続々と現れた。
ナミが叫んだ訳はコンパスが方角を指さないからだった。しかしルフィとメアは事の重大さを今一つ理解しておらず、クルクルと回るコンパスをつついて遊んでいたが。
聞けばこのグランドラインは一切の常識が通用しない。コンパスも壊れているわけでは無いのだとクロッカスは言った。この海のデタラメさは噂以上にとんでもないもののようだ。
けれどメアにしてみればそんな難しい話よりもルフィが飯を食べ始めているほうが問題だった。なにしろルフィの食欲は凄いのでぼうっとしているとあっという間に全て食べられてしまう。
基本的にはサンジがメアの料理は守ってくれてはいるが、何度か奪われそうになることもあった。
メアは慌てて手を合わせ、料理に齧りつく。そしてその美味しさにまるでほっぺたがとろけるかと思ってしまった。
お、おいしい!!おいしい!!!
普段はサンジからテーブルマナーを教えてもらってはいるが、こんな美味しいものの前で作法など気にしてられないとルフィさながらに料理に食らいつく。
奪われないように能力を使って料理をたぐり寄せ必死に食べる。
ものの数分であっという間に机の上の皿は空っぽになっていた。勿論その内訳は九割がルフィであるが。
難しい話を続ける一同にお腹が一杯になったメアは少し眠くなっていたが、話の中にワンピースという言葉を聞き一気に目が覚める。
どうやらワンピースはラフテルにあるというのが有力な説らしい。
「そんなもん、行ってみりゃわかるさ!」
「あー飯も食ったし準備すっか!」
『(コクリ)』
「お前ら二人で食ったのか!?」
「骨までねェし!」
「おのれクソゴム!俺はナミさんにもっと!ナミさんにもっと!食って欲しかったんだぞ!!!」
「ゴフウゥゥ!!」
サンジがルフィを蹴り飛ばした風圧でログポーズが粉々に砕け散る。
「ってぇ~なにすんだ」
「思い知ったかクソゴム」
「サンジくん…」
「ハーイナミさん♡」
「二人とも頭冷やしてこおおおぉぉぉい!!!!!」
「「うああああああぁぁぁぁぁ!!!!/♡♡♡♡」」
ログポーズを壊したことに対するナミの制裁が加わった。
「おい、ちょっと待て、それってもの凄く大事なモンだったんじゃねーのか!?」
「大事な…ログポーズが…」
「慌てるな、私のをやろう。ラブーンの件の礼もある。」
どうやらログポーズは無事クロッカスから新しい物を貰えそうだ。
ラブーンがルフィとサンジ、それに謎の二人組を陸に打ち上げてくれた。
「はぇー死ぬかと思ったー」
「おい、頼みがある。」
王冠を被り頬に9と書いてある男がそう口にした。
聞けばウィスキーピークまで連れて行って欲しいのだと言う。そこにこの二人は住んでいるらしい。どうやら自分たちの船も壊れて無くなってしまったようだ。
「虫が良すぎるんじゃないMr.9?クジラ殺そうとしといてさ?」
「お前ら一体何モンなんだ?」
「王様です。」
そう答えるMr.9の頬をナミが嘘つけと抓る。
どうしても自分たちの身分を明かしたくは無いようだった。謎がモットーの会社であるのだと、だから何も喋る訳にはいかないと。しかしそれでも町へ帰りたいと言う。
「あなた方のお人柄を見込んでお願い申し上げます!」
「受けた恩は必ずお返しします!」
クロッカスも、ロクなモンじゃないと怪しげな二人を船に乗せることに反対する。
「ところで私たちログポーズ壊しちゃって持ってないのよ、それでも乗りたい?」
「なにーー!?壊しやがっただと!?俺のじゃねーかそりゃあ!!」
「下手に出てりゃつけ上がりおって!!あんたらもどこへも行けないじゃないかーー!!」
「あぁ!!でもクロッカスサンにもらったのがあったか~」
「!?あなた方のお人柄でここは一つ…(クソ!カマかけやがったあのアマ!!)」
そんな二人に船に乗ってもいいとルフィは声を掛ける。
続けてウィスキーピークへいってもいいとも。
ウソップは反対するが細かいことは気にするなとサラリと受け流す。
「しかし航路を選べるのは始めのこの場所だけだぞ。」
そうクロッカスは言うが、
「気に入らねェ時はもう一回りすりゃいいじゃん!!」
ルフィはその言葉にそう言って返す。
「さぁ、そろそろ行くか。クジラと約束したしそろそろ出港の準備だ!」
「あなた一体何者なの?」
「俺か?俺は海賊王になる男だ!!」
「そろそろ良かろう、ログが溜まったはずだ。地図通りの場所を示したか?」
「うん。ウィスキーピークを指してる。」
「じゃーな、花のおっさん!ログポーズありがと!」
「あぁ、行ってこい!」
「じゃーな!行ってくるぞクジラ!!」
「ブオォォォォォ!!!」
ルフィたちはラブーンとクロッカスに別れを告げる。
らぶーん、またね…
メアも心の中で別れを告げた。
「ウィスキーピークに向けて、全速前進!!!!」
「「おーー!!!」」
「ブオオオオォォォォォ!!!!!!」
大きなクジラは別れを告げる。いつか再び出会う日を夢見て…。
幼少からこんな贅沢な料理…舌が肥えそうですね