TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる)   作:模芋

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筆者、何気にこの有名ゲーやったことないから前回含めおかしい部分あったらそういう


【クラフト!】ゲームサイドで拠点拡張!【ハソシウル視点】

「本っ当にすみませんでした!」

 

 これが配信終了直後、レトリクーン氏による謝罪である。

 結局彼はあれからもちょくちょくと事故を起こしていたのだ。

 初心者騙りの成立しないゲームだから先に初心者であると宣言してほしかった。

 ちなみに釣りとかを知っていたのは動画や配信で見たことがあったかららしい。

 

「まあ初心者なら仕方がありませんよ」

 

 そして伊甲(いこう)さんはキャラを作っているだけなので普通に喋れた。

 ところどころでキャラ抜けてたしまあそうでしょうね感がある。

 

 とりあえず目先は各自で気が向いたら手を加える方針になった。

 ぶっちゃけ初心者な(レトリクーン氏)にはそのまま自力でいろいろ学んでほしい。

 自力で学んでほしいが、それをするのは()()()()()()()()()

 

「明後日、もう一度このメンバー、同じゲームでコラボ配信しませんか?」

 

 多分間に合うだろう。

 既に日付が変わっているから昼の時間を二日分使える計算だ。

 生活や大学の講義の分だけ削れはするが、準備時間は十分足りる。

 


【クラフト!】ゲームサイドで拠点拡張!【ハソシウル視点】


 

「今回も、皆で拠点の拡張と諸々の備蓄を進めていきます」

「じゃあ自分は魚――」

「前の糸もあるし釣りは任せるでござる」

「えっ、ちょっ、ええええええええ」

 

 伊甲(いこう)さんの察しが良くて助かった。

 今回も拠点の拡張はするが本命ではない。

 本命は、レトリクーン氏向けにこのゲームの初心者講座をすることである。

 

「それでは各種素材を集めつつ初心者向け講座を始めます」

 

上位チャット

:初心者講座助かる

:知ったかを全力で広めていくスタイル

:教えながら稼ぎも進める効率厨の鑑

 

 真面目な話、向こうに任せて学習してもらうには不安が大きすぎる。

 でも普通に勉強会をするのはいろいろ勿体ない。

 折角だから配信でネタにしよう。

 大体そんな発想だ。

 大雑把な講習の過程(チャート)は二日で考えた。

 記録狙いとかも無いしアドリブで何とかできるだろう。

 

 ・

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 ・

 

「これ知ってるっす!鉄っすよね!」

「鉄鉱石は素手だと砕けないから――」

「分かったツルハシっすね!」

「うん、木のツルハシでも駄目だから」

 

 そもそも石のツルハシを作ったのに何故木のツルハシを使うのか。

 

上位チャット

:話を聞け

:急いで空回りし過ぎ

:失敗例見せるの初心者講習としては優秀

 

 正直、想像以上に面倒だった。

 原因は何かを教える前に行動して失敗するところだろう。

 失敗例から学ぶという意味では楽だが、こちらの予定通りに話が進み難い。

 

 一応レトリクーン氏にも長所はある。

 一度教えたことをあまり忘れないから繰り返し説明しなくて良いところだ。

 その一度目が余計な行動で遠くなる欠点と併せて評価すると微妙になるが。

 というかまずその物覚えの良さでもっと仕様を把握しておいて欲しかったが。

 

 ・

 ・

 ・

 

「釣り竿を大分消耗したからそろそろ追加の糸が欲しいでござる」

「ごめん、まだ見つけてないから適当に探索しておいて」

「把握、別方向の探索に移るでござる」

 

 別にこれを機に合流でも良かったんだけどなぁ。

 

 最初の地下ダイブ後、運良く見つけたチェストから少量ながら糸を手に入れた。

 レトリクーン氏が落下した水場もある。

 それらを使いそこそこ釣りをしていたからしばらく食料の問題はないはず。

 

「そういえばハソちゃんってこのゲームどれぐらいやってるんすか?」

「私も動画や配信を見ていただけで、始めたのは配信前の予習が最初ですね」

 

上位チャット

:同じ見てただけでこの差

:もうとっくにやり込んでいたものかと

:予習何時間したんですかね

 

 私だってやる前に軽い調査ぐらいはする。

 初見である理由の薄いゲームだから尚更だ。

 元々あった知識と幾らかの資料を併せて軽く練習すればそれなりに動ける。

 やり込んでるように見えるのはまだ経験不足が響くような場面が無いだけだ。

 

「てっきり拙者と同じぐらいやっていると思っていたでござる」

「参考までに、どの程度でしょうか」

「ええっと、平均時間と期間から……惰性で1000時間ぐらいでござるね」

 

 このゲームをそんなにやってたらRTA動画作る暇が無くなってると思う。

 いや、始めた時期にもよるのか?

 時間だけなら一日平均一時間を三年でも良いわけだし。

 

「ところでこのゲームにもRTAってあった気がするっす」

「ありますね。私は好みと合わなさそうと感じて走っていませんが」

 

 私はチャートの研究と予行練習がタイムに反映され易いRTAが好きだ。

 そしてこのゲームのRTAは仕様上チャートを作る余地がほとんどないと感じた。

 実際は違うかもしれないが、タイムを出すのに練習と試行数の重要度が高すぎる。

 だから私はこのゲームのRTAをまだやっていない。

 

 なおゲーム自体はパソコンを買い換えた時点から入っていた。

 もしVtuberになる前にRTAのネタが切れていたらやっていたかもしれない。

 

「へぇそうなっあっ、ああああああああ!」

「何で今流れるように真下掘ったの」

 

 確かにそれが危険なことは伝えていなかったけど。

 その手の事故はいろんな動画や配信であるから知っていると思ったのに。

 ……下はただの空洞か。

 

上位チャット

:やはり直下掘りは危険

:あの犬猫また落ちてる…

:どうして溶岩で追撃するんですか

 

 追撃はするに決まってるでしょ。

 持ち物整理したばかりで大した物持ってなかったし。

 行き来よりリスポーンの方が楽そうだし。

 説明面倒だし、砂避けられそうだし、偶然溶岩使えるし、やるでしょ。

 いやぁ偶然って怖いなぁ!




最後の溶岩
 偶然近くにあったか偶然バケツで持っていたかは各々の想像にお任せします

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