TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる)   作:模芋

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また繋ぎ回


準備と確認は大切に

 よく考えたら倒れていた二人がネット声優組だったから決めつけるのは早かった。

 

 死んでいるはずのレトリクーンの声が通信機からした時点でどちらかが狼確定。

 最低一人であって二人ともな可能性もあったので冷雪さんは黒寄りのグレー。

 仮に二対一を仕掛けて一対一交換したなら相方を起こせたはず。

 つまり倒れていた二人と生き残った一人は別陣営。

 そして倒れていた二人の最低片方は狼で……。

 あれ?もしかしてきちんと推理すればわかっていたのでは?

 まあどうあがいても一戦で四キルとるサバイバーは意味分からんが。

 そんな反省をしつつ何戦かこなし、適当なところで皆寮に戻った。

 


 

 それから、話をしながらでもできるゲームということで大富豪大貧民が始める。

 最初はローカルルール少なめで大富豪が指定したルールを追加する形式。

 追加できるのはある程度知名度のあるルールのみ。

 但しゲーム前、つまりトランプを配る時に関わるルールの追加は無し。

 するのは階級に応じた手札交換のみ。

 逆に下克上のような順位に関わるルールの追加は有り。

 要は手札が極端になるものやオリジナルルールは駄目とかそういうの。

 

 

 ……どうでも良いけどこう皆で集まって遊ぶ感じにとても懐かしさを感じる。

 具体的には『俺』の頃の中学とかその辺り。

 ここで『私』の方じゃないのがなんというか……

 

 大体は『私』の小学時代に同世代の男の子達をボコボコにしたのが悪い。

 正直『俺』の経験を活かして全力でかかったのは普通に大人げなかったと思う。

 一応中学に上がってその件を知らない相手と勝負する時には手加減を覚えていた。

 手加減が下手過ぎて大体は相手が察して嫌な顔をされてしまったが。

 

 確か一人、手加減を察した上で勝負を仕掛けて続けてきたやつがいたような。

 本気でやれとかそんな感じだった。

 結局根負けしてボコボコにし、以降も何度も挑まれては返り討ちを繰り返した。

 ただ、そいつが挑んで来た頃にはほどほどに勝ったり負けたりできてたはず。

 今思うとなんで手加減がばれたんだろうか。

 

 

 まあ今更大差がどうとかいう機会もあまり無いだろう。

 それこそ大抵のゲームには『俺』の底上げで足りないぐらい強い人はいる。

 ついでに大富豪は完璧にカウンティング(出たカードを暗記)しても勝てるかは別だし。

 

「江島さんって、料理配信とかされないんですか?」

 

 これは皆で遊んでいる最中、私から出た疑問である。

 昼食で多くの料理を作った時の中心人物だし全くできないということはないはず。

 以前から食事配信をしているのだから料理配信もしておかしくないと思う。

 事故が怖いならいつもの条件に近い完成品を食べる配信でも良いわけだし。

 それはそれで需要ありそうだし。

 

「自分で作って自分で、って言うのもあれなんですよね」

 

 ……なるほど、そう返されるとそうかもしれない。

 これで料理が下手ならネタにできた。

 だが普通の料理なら料理メインの人の配信の方が需要はある。

 となると、物珍しさで見に来る人の比率が高くなる。

 今まで食べる専で最近まで個人勢だった彼女(江島さん)がするには博打気味になるか。

 

「ならこれを機に誰かとのコラボで、という選択肢も有りですね」

 

 そう言ったのは篠原(しのはら)大輝(だいき)さん。

 同じ箱で性別不詳枠のVtuber●●○(くろく ろしろ)の中の人である。

 彼の言う通り、コラボならやりようはありそうだ。

 

「ところで言い出しっぺの法則というものがありまして」

 

 そう言いながら羽田野君が8切りからの革命をしてきた。

 手札的にとても厳しくなるので勘弁してほしい。

 

「つまり、最初に料理の話題を振った駒走さんが?」

「なんでやねん」

 

 篠原さんは強引に私に逸らしてくるな。

 しれっと革命返しをしてくれたのは助かったけど。

 


 

「夕食の手が足りなくなるので、少しだけ手伝ってもらいます」

 

 そういうわけで、私は夕食準備の手伝いをすることになった。

 とりあえず買い出しの荷物持ちから。

 買う内容は既に江島さんがある程度決めている。

 料理は実際揃った内容で判断するらしい。

 具体的な説明が無かったから多分割引で買う物変わるやつだ。

 

 というか近所のスーパーが本当に近い。

 具体的には寮からスーパーまでの間にスーパーの駐車場しか無い。

 近すぎて『夕食中に醤油足りなくなったから徒歩で買いに行く』とかできる。

 実際、今の持ち物は財布と買った物を入れる鞄だけだ。

 

 江島(えとう)さんと二人での買い物中、黙るのもあれなので適当に話を振る。

 

「そういえば、食費が会社持ちなのに泊る人少ないですね」

「その動機で泊る人は限られると思うし、五人は十分多いかと」

 

 そんなものなのだろうか。

 いや、確かに食費だけを目当てに泊るかと聞かれるとあれか。

 移動含めた諸々の手間的に泊る方が楽、という話の方が正確か。

 そうだ、手間と言えば――

 

「でも今までの印象から(つぐ)さん辺りは残りそうな気がしてました」

 

 私の担当である(つぐ)さんは物事の手伝いが好きなタイプだ。

 自分で主導するのではなく、誰かの活動を見て参加する側。

 そして誰かがやることを決めるとやらなくて良いところまで手伝いたがる。

 少なくとも今日まで私が関わった範囲ではそう感じた。

 仕事だから、みたいな感じはほとんどしなかったし。

 だからなんとなく、残っていろいろやるんじゃないかなぁと思っていた。

 

「実家暮らしの未成年ならそんなものじゃない?」

 

 なるほど、実家暮らしの……未成年?

 あれ?私より年上(二十歳以上)じゃなくて?

 

「本人のいないところで失礼かもしれませんが、あの人何歳ですか?」

 

 昔から『日本人は童顔で若く見られる』という話はよくある。

 これを逆に言えば『外国人は大人びて見える』という話になる、のか?

 

「高校に通ってたら二年生って言ってたので、今年で十七になるはず」

 

 ……マジか。




みずもりつぐさんじゅうななさい(お約束)


あと篠原(しのはら)さんを配信者視点回で出し忘れてたのに気付いて急遽説明入れた
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