TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる)   作:模芋

29 / 61
多分先駆者から学ぼうとする新人の鑑


配信初心者の視聴勉強(バーチャルファンタジー編)

 私はVtuberとして配信者になった。

 それ以前は動画投稿者だった。

 

 配信と動画の最大の違いはリアルタイムであること、と私は思っている。

 

 例えば動画では時間をかけてでも最善(ベスト)を尽くす能力が求められる。

 使いたい話題を用意、精査して、伝わり易い表現を考え――

 そうやって長時間試行錯誤を積み重ねてエンコード(動画化)直前まで改善する。

 締め切りという名の制限時間があったりもするが考える時間がある。

 

 対して配信では最短で次善(ベター)を出す能力が求められる。

 何か起きて反応が遅れるなどもまた配信の内。

 後からより良い選択を思いついても戻ることはできない。

 だから瞬間的な判断力の価値が高くなる。

 

 勿論これらは今の『私』の認識。

 はっきり言って、かなり投稿者寄りの価値観だ。

 そうなる理由は、私が元々動画投稿者で配信者としての日は浅いから。

 だから間違っても『どちらがどう優れている』と深く語ったりできない。

 そんな私でも分かる程度には『動画』と『配信』で勝手が違う。

 ならば先人から学ぶのは必然。

 

 

 そういうわけで、Vtuberの配信のチェックが増えた。

 主にVtuberを目指し始めた頃から。

 まあ大体普通に視聴者側として楽しんでいたりもするわけだが。

 でもって見てるのはほとんど配信歴が長い人のアーカイブぐらいだが。

 リアルタイムは配信時間がどうしてもある程度被るから限られるし。

 長い配信者は大体方向性が固まってるから安定して楽しめるし。

 

 そう考えると私のキャラ付けって足りているんだろうか。

 RTAの予定はあっても配信だとまだ全然できてないんだよなぁ。

 


 

 最近はバーチャルファンタジーというグループの一期生をよく見ている。

 現在でいう『箱』の概念が生まれてやや後にデビューした人達だ。

 その箱の大元はゲーム会社。

 技術的にもゲーム開発で培われたと思われる表現が混ぜられている。

 (中の人)もそこを理解している節あり。

 本職から他分野に手出ししたタイミングも含めて先見性のある企業。

 

 ……というのは概要程度に調べた段階での私の評価。

 実のところデビュー当時は社内の問題が多かった、らしい。

 残念ながら当時興味が薄かったのでリアルタイムでは確認していない。

 もし社外まで影響する問題ならネットニュースとかで目にしてただろう。

 現実がそうなっていない辺り謎のバランス感覚を持っているようだ。

 なお『当時目が滑っただけ』という説もあるがそこはどうでもいい。

 

 各所(配信やSNS)から分かる会社側で起きた問題は非公式wikiにまとめてある。

 当時あった分かり易い問題だと――

 

 最初『何か流行ってるから』ぐらいの感覚で一人の中間管理職に丸投げ。

 表記ミスが起き易いと前から問題提起されていた手続き用の書類にミス。

 丸投げされた人がミスを知った上で一桁増えた予算を使用。

 予算が一桁多くなったのを利用して採用人数の目安を倍に増員。

 募集期間が足りなかったから知り合い経由の紹介で補充。

 最悪これでクビになってもVとしての活動が続けられるように手回し。

 デビュー前に一人抜けて穴埋めで丸投げされた管理職の人で穴埋め。

 結果、一期生は男性一人女性六人。

 

 ……初配信までの情報量じゃない。

 何でこれだけ滅茶苦茶やってるのが序の口なんだろうね。

 あとツッコミどころも結構あるし。

 一桁ミスったのが何でそのまま通用したんだよ、とか。

 Vのガワを会社で作った以上クビになったら普通使えないだろ、とか。

 そこまでして最後の最後に穴埋めで男入れるなよ、とか。

 そもそもなんでこんな情報ばらまいてるんだよ、とか

 

 補足をするなら、これらの問題はオープンにしている範囲のもの。

 伏せている情報に『より危険な何か』を抱えている可能性だってある。

 というかこれだけしたのに会社が活動を許している時点で絶対何かある。

 調べた範囲だとデビュー直後に分社化されたぐらいしかわからなかった。

 でもってその親会社、以前一度私が足を運んだところだ。

 最初子会社の名前しか確認しなかったから気付くのに遅れた。

 だから何、な話に過ぎないが。

 


 

 不祥事はさて置き、この箱の配信の魅力について確認しよう。

 バーチャルファンタジー一期生は総じて配信者として強い。

 キャラ的な意味での特徴がはっきりし、尚且つ早い内から安定している。

 これは言動が素に近いか意識した立ち回りがうまいのかはわからない。

 だが、特定の要素を期待する人にとってはかなりの安心感がある。

 この基準で見ると私はそこそこぶれているな。

 正確には最初の自己紹介がRTAな部分以外はぶれていないはずだが――

 うん駄目だ配信でRTAやってない。

 実質キャラ崩壊してたわ。

 

 

 えーと、今配信しているのはラスリ・ルクトさんだけか。

 彼女の公式の肩書は『バーチャルセンシティブ嬢(自称)』である。

 補足すると括弧書きの自称まで含めて肩書になる。

 その名の通り『(意味深)』と付け足したくなる言動や甘い声が特徴。

 セウト(グレーゾーン)狙いで配信サイトから収益化を取り上げられたことも何度かある。

 その方面で過激な人には劣るが比較対象がおかしいだけだし十分だろう。

 公共の場でイヤホンが要る点では大差ないし。

 

 今配信しているのはピ●ミンの初見プレイか。

 結構昔のゲームと記憶しているけどいつ頃だったっけ。

 これは『俺』としてはそこそこやったが『私』は全くやってない。

 思い出したついでに今度のRTAの候補に入れて良いかもしれない。

 

 あとこの人がやってる時点で何というかもういろいろ予想できてしまう。

 一応先にイヤホンを装備。

 

『待ってお花散らないで急いで抜くから我慢、あっ駄目ええええぇぇぇぇ』

 

 ……ゲーム的におかしくないことを声色であれな感じにするのうまいな。

 方向性が違いすぎて全く参考にできないけど。

 参考にはできないけどボイスはこの前あるだけ買った。




知らない人の為の補足
 ピ●ミンは地面に埋まったままだと『葉→(つぼみ)→花』と成長する
 更に埋めたままにすると花が散って葉に戻る
 雑に言うと花の方が良いので目の前で散るととても悲しい


本文で略された『バーチャルファンタジーの問題』の例
・略称登録問題
 本来であれば『Virtual(バーチャル)Fantasy(ファンタジー)』なので略称は『VF』になる
 しかし手続きの際に別の候補の情報と混ざり『BF』で登録
 判明したのは大分後で修正するよりネタにした方が良いという結論で続行
・無許可連続配信
 BF(バーチャルファンタジー)一期生のデビュー配信から九日間(金曜から翌週の日曜)常に誰かが配信
 が、これは会社側に一切伝えず決行
 更に全員初配信直後からボイス販売など収益要素を開始
 これに関連して会社側から連絡も試みられた
 しかしこの期間中、関係者は会社からの連絡手段を絶って強行
 なお社員は有給を取っていたなど手続き上の問題は起きていない、らしい
・一期生リギス・ファナ
 上記連続配信中に生えた新人
 連続配信中のトラブル対応に何人かのスタッフが待機
 対応の過程である女性スタッフの声が配信中に何度も配信に入っていた
 そして視聴者に『通称が欲しい』と言われVとして没になった名前を使用
 結果、Vtuber扱いされているが立ち絵もチャンネルも無い同期が成立
 現在は公式運営用アカウントをしつつ配信トラブルの一部を対応している

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。