TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる) 作:模芋
ほぼおにぎりでできた昼食の後は機材の操作確認。
動作チェックとかならスタッフだけでやれる。
でも実際に操作が必要な部分はこちらで覚える必要がある。
例えば、解答用のタブレットの操作とか、専用のモニターの見方とか。
配信のスペースでトラッカーを付けて諸々の勝手を確認。
カメラが集まっている場所の隣には大きな確認用のモニター。
配信でどう見えるかが分かるようにと置かれたもの。
これは左右反転してあるので鏡感覚で見ることができる。
ただどうしても処理の都合からはっきり分かる程の遅延がある。
仕方がないことだけど見ながらだと違和感が辛いな。
何かの拍子に確認する時だけ見るようにしておこう。
違和感がはっきりする程の遅延には当然理由がある。
複数社でコラボするということは当然他社の人がいる。
他社は他社でライバー関係の諸々を開発している。
その都合から配信上の難点が幾つかできる。
問題の詳細は略すとして、今回解決した手順は次の通り。
一、各社がそれぞれの端末で3Dの画面を処理する。
二、各社の画面を配信用端末に送る。
三、配信用端末で各社の画面を合わせたものを作る。
四、合わせた画面を各所に送り表示する。
……力業が過ぎませんかね。
一応これには『今までの諸々をそのまま流用できる』という利点がある。
既に使っている物の流用なら下手な手段より問題は少ないだろう。
ついでに遅延分事故で配信を止める時に余裕がある、と思いたい。
が、それ以外は大体欠点。
分かり易い部分だとなるべく重ならないようにとか注意された。
二人がすれ違う程度ならレイヤーの順番を切り替えて対応できる。
でもそれ以上はきついそうだ。
うんまあそうだよなって感じ。
遅延の同期チェックはスタッフ側が現地入り前に済ませている。
さっきまでは現地でも同じように動作するかの確認をしていた。
現在私は操作関係を覚える為に交代したついでに確認の手伝い中。
どうせ画面の遅延に慣れる必要もあるし。
練習ついでに確認の手伝い、という流れは私に限った話ではない。
今私達と一緒にいるのはLiveWorld所属、ナルリオの二人。
この人達も同じ理由で参加中。
ナルリオはほぼ色違いで双子っぽいキャラをしている。
っぽい、なのは公式で明言されていないから。
アクセサリーなどで差はあるのだがベースがほぼ同じ。
そして両方とも公式で性別不詳。
運営はどういうつもりでそういう設定にしたんだ。
二期生だから三期生のあれとは関係ないだろうし。
それはそれとして――
まさかリアルでも性別がわからんオチとは思わなかった。
聞くタイミングを逃してしまい今でも分かっていない。
……ちょっとトイレ行く時にでもすれ違えないかな。
ナルさんは活発系。
外見から女の子っぽいけど男の娘でもあり得る範囲。
少なくとも誰かさんと違い意識して女装してるとかではない。
「試しにアルプス一万尺やろう!」
「すみません私分かりません」
「そっか! 私も分からないから一緒だね!」
なら何で提案した。
早い動作と発声を同時にするから同期チェックに使えるのは確かだけど。
ナルさんはそれっぽいけど多分間違っている動きを始めた。
どうやって合わせろと?
逆にリオさんはダウナー寄り。
見た目は男の子っぽいけどボーイッシュ女子の可能性もある。
動き易さを追求してそうなりました、とかそういうの。
「ごめん僕も無理」
「私は正しい手順ならできますけど、一人じゃ意味ないですね」
悲報、四人中一人しかできない。
でも何故かリオさんはナルさんの変な動きに合わせられている。
凄いけど同じ箱でやっても目的に合わないんですよ。
というか
「では山手線ゲームはどうでしょう」
皆やり方を知ってそうで動作と発声を同時に、と考えて提案。
最悪知らなくてもこの場で教えれば済む程度のゲーム。
幸いにしてルールを知らない人はいなかった。
最初のお題はナルさんが提案。
「じゃあライバーの名前で」
私知ってるよ。
他所のライバーが沢山出たり先輩の名前間違えたりするんでしょ。
でもって雑談配信とかでネタにされるんでしょ。
私はどちらかと言うとネタにする側な気がするけど怖いものは怖い。
「そういうはやめよう」
こうして、ナルさんの凶行はリオさんによって防がれた。
実際複数社絡みの3D配信っていろいろ面倒と思うんですよ
作中で出たLiveWorld三期生のあれは追加資料に入れます