TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる)   作:模芋

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ゲーム要素のことを書いてたら情報量が思ったより偏ってしまった


配信という名の試験

「――ゲームとの音量比は大丈夫でしょうか」

 

 配信を始めたら軽く自己紹介をしつつ音量確認。

 こういうところはなるべくさくさくと進めていく。

 

「今回はですねこちら、FearDream、恐怖の夢というゲームをね、していきます」

 

 試験の都合上時間制限はある。

 但しこの試験では終了が試験担当者から伝えられたりしない。

 自分で時間を見ながら調整して進行する。

 時間の管理まで試験になっているそうだ。

 多少越えても良いとも聞いたが、なるべく時間内に収めたい。

 

「えー、声大きい?このぐらいでどう?」

 

 コメントを元に音量比の調整をする。

 

上位チャット

:おk

:良くなった

:今度は声ちょっと小さい

 

「声小さそうなのでちょっとだけ大きくして進めますね」

 

 当然のことだが、人によってゲーム配信で適切と思う音量比は違う。

 そして配信者として声が十分聞こえていないのはまずい。

 声とゲーム音の片方を犠牲にする可能性があるなら声を残す必要がある。

 だから声が小さいという意見は基本的に優先する。

 勿論やり過ぎもいけないので加減を考えながら。

 

「裏で軽くチュートリアルだけしたから、本編もさくさくと攻略をね――」

 

 最初は謙遜だろうが何だろうが後ろ向きなことを言わないようにする。

 変に保険をかけるよりは調子に乗って失敗する展開の方が見る側としても面白い。

 後ろ向きキャラが定着しているなら話は変わるが、今回は設定を盛る時間が無い。

 

「では、最初に長く時間をとってもあれなんでそろそろ始めます」

 


 

 このゲーム『FearDream』では持ち歩ける物がとても少ない。

 基本は両手それぞれに一つずつの合計二つだけ。

 しかも斧など一部の重い物は両手持ちをするので二つ分がまとめて埋まる。

 鞄があれば種類に応じて追加で持てるが、出し入れ中は周囲を確認できない。

 こういうところは単純にシビアだと思う。

 

 だが、これら厳しい要素だけのゲームでは終わっていない。

 

上位チャット

:木の扉壊してこん棒作ろう

:今の燭台使えない?

:誘導用に小石確保しよ

 

 持ち物が限られる分だけ各道具でできることの幅が広い。

 幅広く使えるが、道具毎の向き不向きはあるので取捨選択が必要になる。

 極端に手持ちが少ないから持っているはずの物を探す時間もかからない。

 

 鞄の重要度が高い分、最初から小さく勝手の良い鞄を持っている。

 入れられる大きさや対応できる重量を考えれば背負い鞄に変える方が便利。

 だが背負い鞄は一度置いて開ける分、隙が大きくなるから小さい鞄のままも有り。

 

 厳しさに見合うだけの自由度もあるしプレイヤーとしての勝手も考えられている。

 取捨選択の要素も人によって変わりそうな部分が多く、総じてよく練られている。

 

 本編をやってみて改めて思ったが、私的にはとても面白い。

 面白いと思うが、配信的にはそろそろ突破させてほしい。

 どう考えても制限時間付きの配信でやる難易度ではない。

 

 あっ背後から襲われて死んだ。

 


 

 予定よりも負けながらやり直す。

 合間で配信時間を確認。

 今から終了予定時刻まで残り7分程度。

 現在の手持ちは……できそうだ。

 

 木製の扉を斧で破壊して木材を確保。

 確保した木材にライターで引火。

 普通はこんなに早く燃えないけどゲームだから気にしてはいけない。

 

「火祭りじゃああああぁぁぁぁ!全部燃えさらせええええぇぇぇぇ!」

 

上位チャット

:やったぜ

:放火じゃねーか

:今日から毎日館を焼こうぜ!

 

 火の勢いが落ちないように手持ちや周囲の焼けそうな物をどんどん投入。

 いろいろ燃えるのは予め確認済み。

 ついでに柱や天井もきちんと焼けることを再確認。

 

 追跡者が現れたので動きを見て火を挟む位置に移動。

 火を越えようと突っ込んできたので合わせて長物でつついてやる。

 追跡者は火のダメージと合わさりノックバックと怯みで近付けなくなった。

 これは多分、かなり分かり易いパターンを引けた。

 

 このゲームは始める度に追跡者の認識手段がランダムで変わる。

 前回は音に反応してたけど今回は光に反応した、とかそんな感じだ。

 認識手段次第で見失ってランダムで動くか火を迂回するパターンも有り得た。

 あと長物でつついても怯みが足りず強引に押し切られるパターンも想定していた。

 それらと比べると対応含めて分かり易くて助かる。

 

 ゲームの舞台になっている館が燃え崩れる。

 いつでも使える焼死オチが本当にできて良かった。

 エンドロールまで流れるパターンは予想してなかったけどな!

 

「エンドロールが流れたので、多分、勝ちました」

 

上位チャット

:焼死してるが

:ひどいオチを見た

:勝利とはいったいうごごご

 

 それから終わりの挨拶をして、配信は予定時刻よりやや早いぐらいに終了した。




FearDreamの主なエンド集(下に行く程内容がバッドエンド寄り)
・撃退エンド 撃退に必要な正規のアイテムを使用した後に追跡者を撃退
・生還エンド 生還に必要な正規のアイテムを使用した後に舞台から離脱
・脱出エンド 壁の破壊など正規でない手順を用いて舞台から離脱
・封印エンド 追跡者を特定のマップから出られないようにして舞台から離脱
・焼失エンド 一定規模以上の炎で一定時間舞台を焼く
・崩落エンド 柱など舞台の建築上の要所を全て破壊する
・暴走エンド 敵性でない全てのNPCを殺害する
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