TSゲーマー、Vtuberになる(旧題:逆行ゲーマー、Vtuberになる) 作:模芋
複数人が更新できるデータは意図せず複数人が同時に手出しすることがある。
そうなった場合、先に更新した方は後に更新した方に上書きされる。
この会社のホームページは連絡が必要な種類に含まれるらしい。
担当は何か金髪碧眼の
「もしかしなくても馬鹿なんですね?」
これがホームページの情報更新を伝えた事務担当の言葉である。
私もそう思います。
あと外見の割に日本語めっちゃ流暢だった。
「誰も気付かなかったんだから私だけの責任じゃないよね?」
「確かに、名前関連の更新を自分ですると言われ確認しなかったのは手落ちでした」
社長の反応からして精神的なダメージが十分に入ったようだ。
分かり易く落ち込みながらパソコンのある席に向かって行った。
ついでにいろいろ作業を進めるとか。
ところで私はどうすればいいのだろうか。
「
「あ、はい」
考えてるところに事務担当の人から声をかけられた。
急だったからか私の返事がなんというか、うん。
それはそれとして日本人離れした顔から流暢な日本語が出てくる違和感すごいな。
「こんな顔してますが生まれも育ちも日本なのでそのつもりでお願いします」
なるほど、よく言われるんだな。
「あと同じ顔した双子の妹がたまに来ますが、事務員らしい服をしていたら私です」
なるほど、双子ね。
見分け方の説明は分かり易いけど本当にそれで良いんだろうか。
同じ苗字がいるなら名前で呼ぶ方が――あるいは担当さん呼びの方が良いのか?
「これから幾つかお話があるので、ちょっと場所を移しましょう」
そういえば普通にお仕事している場所でしたねここ。
平日の割に人が少ないし普通に席を用意してもらえたから流しそうになってた。
主な話は契約内容や配信時間、他所の権利などのコンプライアンス関連だった。
持ち帰るようにと渡された冊子をめくりながら内容の確認をする。
契約内容は目を通した限り特におかしいところはないはず。
配信時間を捻るつもりはないので基本的に夜の時間帯を予定。
何かあった時スタッフが対応できるよう必要に応じて連絡を入れることにする。
「というか、何で配信時間関連の話をこんな詳しくするんですか」
「配信時間不定期な上寝落ちするVのスタッフから苦労話を聞く機会がありまして」
なるほど完全に理解した。
「ゲーム配信が主というお話ですが、権利関係もあるので相談した上で――」
ゲームのスパチャで稼ぐのはいろいろ難しい。
それでも手続き関係を会社に丸投げできるのは個人でやるよりかなり楽だ。
チャートの話でもゲームをする場合と同じ扱いになるのは予想外だったが。
「解説にしろ研究にしろ、実際にやる方が早いという場面は確実にあるので」
そういわれれば全くその通りな例が幾つか浮かんだので同意した。
「ところで、Vtuberとしての名前はどうされますか?」
当然だが、Vtuberとして活動する場合はVtuberとしての名前が要る。
前回決めなかったから勝手に決められるものかと思ったがそうでもないらしい。
一人だけ突飛な名前だと浮くと考えれば会社側で調整するものだと思うが――
「配信で動画投稿が減るならいっそ名前を流用して本人と宣言するのも手ですが」
なるほどその辺りの話で保留していたのか。
それはそれでVtuberとしてどうなんだ。
……わざわざ提案されるからにはいろいろ調べたり考えたりした結果とは思う。
不安は大きいが、許されるならここで乗るのも手かもしれない。
実のところ『俺』の最後の記憶の時期にはもう追いついてきた。
過去にやり込んだゲームはネタ切れが近く、配信と関係なく投稿頻度は下がる。
だから配信を理由にする頻度が下がるという宣言も『私』としては悪くはない。
そう、『私』としては悪くないが、『俺』としては
「名前ついでに設定を付け足したいのですが大丈夫でしょうか」
私が前に相談したVtuberの外見。
それは少し前の時代に広まったやや古臭い未来のイメージを元になっている。
なんとなくこれは『私』にうまくかみ合ってくれるような気がした。
ただ、その設定を使うのは大丈夫かと少しだけ迷ってもいた。
だが今回の確認で『私』の迷いもなくなった。
名前を使わせてもらえるというなら『私』も全力で応えるべきだろう、と。
私がするRTA系Vtuber。
その設定の詳細がここで決まった。
次でやっとVtuber回に入れます長かった(筆者基準)
Q.
A.分かる(訳:その通りだけどこの子の両親は絶対やると思ってそうなった)