今回は説明回となっております。
よくわかる人狼ゲ~~~~~ム!!
のどかな農村、あるいは屋敷などの閉鎖空間に人狼が現れました!
人狼は、一般人と見分けがつかず夜になると正体を現し、村人を喰い○していきます!
そこで村人たちは相談し、毎日一人づつ処刑を行い対処することにしました!
市民は団結して、人狼を全滅させましょう!
人狼は連携をとって、村人陣営を生きている人狼と同数まで減らしましょう!
「ま~基本はこんな感じね~。あ、市民と村人は呼び方が違うだけで、同じ意味よ~。」
代表がカツカツとホワイトボードを叩きながら説明してくれた。
ふむふむ。人狼は村人側を全滅させるのが勝利条件じゃないのか。
私は、手元のメモ帳にがりがりと殴り書きをした。
今日は友人に誘われて、地域の人狼ゲームのサークルに参加してみた。
あまり興味がなかったが、いつのまにか参加する具合になっていた友人の手腕には心底驚かされるし、呆れる。
そいつは、代表の話を聞いているのか聞いていないのか、隣でぼへ~としていたが唐突に口を開いた。
「え~それじゃ、ほとんど運ゲーじゃないかぁ。つまんないよそれじゃあ。」
・・・いきなり何を言うんだ。こいつは。
まあ、少し運要素が強いと私も思ったけど。
この友人は、可愛い顔に反して極めて毒舌である。
この人狼サークルにも自分から来たくせにこの言い草なのだ。
しかし、代表はそんなこと気にせずに、得意げな顔をした。
「そう!このままではただの運ゲのファッキンゲーね!」
そう言うと、ホワイトボードに何かを書き始める。
振り返って私たちにも見えるようにどく。
「でも、このゲームは結構論理的なゲームなのよ!」
そう言いながらダンと叩かれたホワイトボードには何か書いてあった。
市民側の役職
占い師・・・毎晩、一人を人狼かそうでないかを占う。
霊媒師・・・毎晩、前日に処刑された人物が人狼かそうでないかを知れる。
騎士・・・・毎晩、一人を人狼の襲撃から守れる。
市民・・・・一般人。
人狼側の役職
狂人・・・・人狼の味方をする狂った人。あくまで人のため市民扱い。
人狼・・・・人狼同士は正体を知っている。
ホワイトボードを睨みながら、どういう意味か考えていると、友人が急にしゃべり始めた。
「ほーーー!なるほどねぇ!これは確かに頭を使いそうだ。」
・・・もう理解したのか。相変わらず頭は切れる奴だ。
私は、助けを求めるように代表に視線を送った。
代表はフフフと笑うと、追加で説明を始めた。
「市民と人狼のほかに、この能力を持った役職が混ざることで、これは推理力が試されるゲームにもなるの。」
私は、まだ話が呑み込めず首をかしげる。
そんな私の近くに代表がスススと近寄ってくる。
・・・胸でかいなこの人。
「例えば、市民側で占い師がいるじゃない。この役職は人狼を当てられるという強力な能力を持っているわ!人狼は、占いを防ぐためにどうすればいいかしら?」
そう言われると私は頭をフル回転させて考え出す。
えーとえーと・・・。
あまり頭が回るほうではないが、多分こうだろうか?
「・・・占い師を襲撃するのが一番いいでしょうが、騎士もいるし、そもそも襲撃を恐れて
最後の方は自信なさげになってしまった。
だってしょうがないだろう。私はまだ初心者以下なのだ。
人狼ゲームは嘘つくゲームって聞いてるし多分これで大丈夫。タブン。
代表は満足そうにうんうんと頷きながら返す。
「そうね!状況にもよるけど、正解よ!。定石としては、人狼陣営の誰かが役職に名乗り出てしまえば、市民はどっちが本物かなんてわかりはしないわ!」
友人は興奮したようにニヤニヤ笑いながら話をさえぎって続けた。
「そして、それを確かめるために
なるほどね~、面白そうなゲームだ~。そう付け加えると、友人はウズウズと身じろぎを始めた。
普段は低血圧気味なやつなのだが珍しく興奮をしているようだ。
代表は腕を広げると、目をつぶりながら言った。
「ま、さっき言ったのは定石の話。そうすれば勝てるわけじゃないし、奇策に負けることだってあるわ。」
ふむふむ。私は今まで聞いたことをメモに残しておいた。
友人はそんなものとっている様子がないが、まあこいつのことだから大丈夫なんだろう。
そんなことを考えながらメモを見返していたら、一つの疑問が浮かんできた。
「あのー、狂人の説明の市民扱いってどういうことですか?」
そうすると代表がまっすぐこっちを見てくる。あまり人と話すのが得意ではない私は、
なぜか急に恥ずかしくなってしまった。
ああもう、さっきは普通に話せていたではないか。
「あ、いや違くて、あの、そのどこまで市民なのかと・・・。」
しどろもどろになり、よくわからない質問になってしまった。
代表は私の手を取ると、優しく話しかけ始めた。
いい匂いするなこの人。
「怖がらなくていいわ。その質問、とってもいい質問よ。」
代表の手から温かい体温が伝わってくる。
恥ずかしながら、私はそれで凄く落ち着いてしまった。
「狂人が市民扱いというのは、こういうことよ。」
代表はホワイトボードに書き加え始めた。
「狂人は、人狼陣営だけど生存数としては市民としてカウントされるわ。つまり、人狼2、市民2、狂人1となった場合人狼陣営の数の方が多いけど、まだゲームは終わらないわ。まあ、票を集めれば人狼が勝てる状況ではあるけど、狂人と人狼は連携を取り切れないからうまくいかない場合もあるわ。」
カツカツと音が鳴り響く中、代表は朗々と声を響かせる。
「そして、この性質は不利な部分だけではないわ。占いでも霊媒でも狂人は市民の判定なの。
つまり怪しくても証明する手段はないわけだから厄介極まりないといえるわね。」
ほうほう。なるほど。結構わかってきた。
話を聞いてみると、狂人とはなかなか難しそうな役職だ。
私は聞いたことを忘れないうちにメモにしだす。
いや~、狂人初めに当たらないといいな~。
「いや~、狂人面白そうだねぇ。私やりたいなぁ。」
友人は私のそんな内面を見透かしたようにそんなことを言った。
まあ、確かにこいつは狂人って感じではあるが。
「うふ、わかっていただけたかしら?役職ごとの基本方針をまとめるとこんな感じね。」
代表は今までに書いたホワイトボートを指しながら言った。
市民側:協力して人狼を全滅させよう(狂人は生き残っていてもいい)
村人(市民):能力のない一般人。時には肉壁になろう。
占い師 :占いで人狼を見つけよう。
霊媒師 :霊媒で人狼の残り人数と、偽占い師を確認しよう。
騎士 :役職を保護しよう。なるべく長く生き残ろう。
人狼側:連携をとって市民側の人数を人狼と同数にしよう
人狼 :騎士のガードを躱しながら、頑張って役職を噛もう。嘘は節度を持って堂々と。
狂人 :嘘をついて村を混乱に陥れよう。長く生き残ればPPのチャンスもある。
「人狼側で票を集めて、市民側を吊る行為はパワープレイ(PP)と言ったりするわ。」
代表は、そういうと腕を広げておどけて見せた。
「まあ、他にも専門用語はあるけれど、説明ばかりで疲れちゃったしょう?細かいところはやりながら覚えていけばいいわ。」
私たちエンジョイ勢だし。と続けて語った。
その申し出は正直ありがたかった。
もうすでに頭の中がこんがらかってきてしまっていたところだ。
しかし友人は隣で、その薄い胸でふんぞり返りながら余裕そうにしていた。
「じゃ、これで最後の説明よ。このままのルールでやってもいいんだけど、少々味気ないから今回は『恋人』を追加するわ!!」
代表は、キャー!!ロマンチック!!とか騒ぎ始めた。
「恋人は特殊な役職で、他の役職とは別にランダムで配られるわ。恋人同士になった二人は、運命共同体となり生きるも死ぬも一緒になるの!つまり、一人が死ぬともう一人も自動的に死ぬわ。そして、二人が最後まで生き残っていると、その二人だけで勝利となるの!」
友人は怪訝そうな顔をすると、口を開いた。
「なんです?つまりその二人は元の陣営を裏切るってわけですかぁ?恋はすべてに打ち勝つってことです?くっさ。」
いつも通りのスーパー毒舌が発動した。
こいつ恋とかしたことないのかな。
私は女の子らしくないその発言に少々ドン引きしていた。
「ふふふ、まあそうとも言えるわね。仲間を裏切ることになるわけだし。・・・でも。」
代表は私たちをじっと見つめていた。
な、なんだ?この視線の意味は?
「想像してみて。あなたは人狼、あなたは市民。貴方達は禁じられた愛を誓い、すべてを犠牲にしてでも添い遂げることを望むの。・・・それってやっぱりロマンチックじゃない?」
そういうとウットリと手を組み合わせて体をくねり始めた。
えぇ・・・。私たち女の子同士なんですケド・・・。
「・・・まぁ、それはちょっといいかも。」
友人はそっぽを向いてそんなことを言った。
えぇ・・・。君まで何言ってんの。
恋人というワードが頭で回り、顔が熱くなるのを感じる。
私は早く忘れるように、くねくねしている代表に話しかけた。
「だ、大体わかりました。早速人狼ゲームを始めましょう。」
代表は私たちを見ながらにやにやと笑っていた。
「そうね。お~~い、皆!!説明終わったわよ!!」
その説明を聞きつけて、ぞろぞろと人が集まりだす。
今、長い夜が始まろうとしていた。
人狼ゲームって必然的にキャラが多くなって大変そう(他人事)
まあ明日の僕が頑張るでしょう。