リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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どうも。
今回までは日常回です。
それではどうぞ


雪合戦

「ちょっと咲夜!? 時を止めて雪玉を大量に作るのやめなさい!」

「いいじゃないですかレミリアお嬢様。そちらは三姉妹でこちらを潰そうとしているんですから」

「美鈴! 雪玉作るの遅いよ! このままだと私勝っちゃうよ!」

「ウグッ……そうなんですけど、私は精密動作性がDくらいで、いまいちこういう力をセーブしながらの作業が苦手でして……」

「はぁ……なんでこんなことになってるんだろう」

「アッサ、そう言いながら大量の雪玉をこっちに投げるのをやめなさい。私の喘息がまた悪化するかもしれないじゃない」

「あわわ、ちょっとアッサ様! こっちにも雪玉投げるのをやめてもらえますか!? 私は後片付けやるだけなんですから!」

 

 突然ですが、私達紅魔館メンバーは雪合戦をしています。

 ……なんでですか?

 

「アッサ、もう忘れたの? さっきレミィが急に言い出したことよ」

「そうだった……。いきなりレミリアお姉様が」

「アッサ様!? 私に投げるのをやめてください!」

「あ、ごめんねこあ。ついつい投げちゃった」

「アッサ様ァ!? 可愛らしいお顔で小首をかしげるのはやめてくださいよ! 押し倒しますよ!?」

「ちょっ、本当にごめんって……ってこあ!? 弾幕張るのは無しでしょ!?」

「そうでもしないとやめる気ないですよね!?」

 

 そんなこんなで雪合戦から弾幕勝負になったが、普通にフランお姉様の圧勝だった。

 というかそもそもの原因だが……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員集まったわね。これから雪合戦をするわよ」

 

 レミリアお姉様に外に集合してちょうだいと言われたので集まってみたら、雪合戦をすると言われた私達。

 勿論、インドア派の私達は誰一人として賛成することなく――

 

「やるやる! 私やりたい!」

「私も賛成です」

「私も賛成、です」

「私も賛成よ。誰かさんとは違ってね」

「パチュリー様がやると言うなら私もやります!」

 

 私以外全員が賛成してしまった。というかパチュリー、その言い方は流石に酷いですよ……傷つきました。

 

「ちょっとパチェ……、その言い方はないんじゃないかしら?」

「そうだよパチュリー。アッサが可哀想だよ」

 

 そうだそうだ! レミリアお姉様もフランお姉様ももっと言って!

 

「やるならもっと酷い言葉を使わないとねぇ?」

「そうだよ! もっと可哀想だって思える言葉を使わないと!」

 

 レミリアお姉様もフランお姉様も酷かった!? っていうかパチュリーより酷い!? 嗜虐的な笑みを浮かべて冗談とも取れないよ!?

 

「というかレミリアお姉様、なんでいきなり雪合戦するって言いだしたの?」

「それはね、アッサあなたの――」

「アッサの為だよ! なんせ最近籠りっぱなしで運動してなかったってのもあるけど――」

「コホン! 後はアッサの心のケアってところかしらね。みんなと楽しいことが出来ればより不安もなくなるんじゃないかなって思ったのよ」

 

 レミリアお姉様が私のことを思ってのことだったのか……嬉しいなぁ。心遣いに、胸の奥がほんのり暖かくなる。

 

「……そっか、ありがとうレミリアお姉様、フランお姉様」

「いえいえ、いいのよこれくらい」

「家族なんだし、気にすることないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「思い出したけどさ……お姉様達が盛り上がりすぎるのも、どうかと思うんだよね」

「原因はアッサ様じゃないですかぁ!?」

「ま、まあそうなんだけど……」

 

 こあの鋭い指摘に思わず顔をしかめてしまう。

 でもそんな顔は私には似合わないかと思い、すぐに顔を元の笑っている顔に無理やり戻そうとする。

 

「……まあ無理に笑おうとするものでもないわよ、アッサ。今すごい顔になってるから」

「えっ!? ど、どんな顔になってる?」

「無理に笑ってますってバレバレな上に、いつもの感情が表に出る顔のせいで正直笑っちゃうわよ」

「ちょっ、笑わないでよパチュリー!」

 

 パチュリーもこういった部分では少し酷いと思う。なんでみんなしてサディスティックな、優しくない時があるんだ。

 思わず頬をふくらませていじけてしまう。

 

「あらアッサ、リスにでもなったつもりかしら?」

「あはは! アッサったら頬をふくらませて可愛い!」

「レミリアお姉様とフランお姉様までぇ!」

 

 お姉様達が意地悪なことを言うから、私はもっと頬をふくらませる。

 

「まあまあ、そんなハリセンボンみたいな顔をしないで、落ち着いてくださいアッサ様。お嬢様達はアッサ様のことが愛しいからいじめてしまうのですよ」

「そうですよ、皆アッサ様が可愛らしいからやってるんですよ」

「そ、そうです! つまりアッサ様が可愛いからいけないんですよ!」

 

 咲夜さんや美鈴さんの励ましの言葉で、私はふくらませていた頬を、さながら穴の空いた風船のように思いっきり息を吐き出して元に戻した。

 その代わり、後でこあには新作のスペカの実験台になってもらうけど。

 

「ちょっと! 私の扱いも酷いんですけど!?」

「それもこあが可愛いからいけないんじゃないかしら?」

「ちょっとパチュリー様!? ここにきて裏切らないでくださいよ!?」

 

 こあに対してのその発言、私は好き。なんて心の中でふざけていると、

 

「別にいいじゃない。ゴホッゴホッ」

「あぁ、パチュリー様! 無理をなさらず!」

 

 いつになく動き過ぎたからか、パチュリーの喘息の発作がで始めてしまった。

 

「平気よゴホッ、そこまで今日は酷くないしゴホッゴホッ」

「酷くなってきてるじゃないですか!? お嬢様、私達はお先に失礼しますね!」

「分かったわ、パチェの容態が悪くなってしまったのなら仕方のないことよ」

「ありがとうございます! では、パチュリー様」

「ええ、ありがとうゴホッゴホッ」

 

 こあがパチュリーに肩を貸しながら、紅魔館の中に戻っていく。

 私は時折咳き込んで体を揺らすパチュリーのことを、あんまり容態が酷くならないといいけど……と心配げに見送った。




どうだったでしょうかね?
まあ、次回からは不定期投稿になるので…よろしくお願いします。
それではまた次回
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