リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

13 / 67
どうも、なんとか投稿にこぎつけました。
それではどうぞ


死の桜
なぜ教えない?


 あの後、パチュリーは一命を取りとめた。

 いや、今のは大袈裟に言い過ぎたかもしれないけど……まあ、実際危なかったことには変わりないから、いっか。

 

「それにしても、パチュリー助かってよかったよね〜〜」

 

 割とマジで危なかったパチュリーが、今のフランお姉様の発言を聞いたらどう思うでしょうか?

 私は殺意マシマシでフランお姉様を殺しにかかると思います。分かりませんけど。

 

「パチェは平気……とはいえ、そろそろ春。あの亡霊が異変を起こすまであと少しっていうのが、考えものね」

 

 そうなのだ、もう少しで春……にも関わらず、外は相変わらず雪がどっさりと積もっている。

 あの美鈴さんも門番する時、寒いと小言を漏らしていたくらいだ。ちなみに美鈴さんがそんなことを言った後に、咲夜さんが時間を止めてマフラーをかけてあげていたのは秘密だ。

 

「でもなんで今更、また春を集めようとしたんだろう……」

「なんとなくだけど、アッサのことを殺しに来てるんじゃないかなって、思ってたり……あ、アッサ。大丈夫そんな震えなくてもあくまでもなんとなくだからぁ!」

 

 フランお姉様の発言で思い出したが、私は過去に皆を殺してしまった張本人だ。

 確かに、そんな奴がいきなり皆と仲良くしたいだなんて烏滸がましいのかもしれない。そう考えていると、レミリアお姉様が優しく頭を撫でてくれた。

 

「大丈夫よ、アッサ。いざって時は、私が文字通り体を張ってアッサが安全だってことを証明するわ」

「わ、私だってやるよ! アッサがまたみんなを殺すことなんて無いんだから!」

 

 レミリアお姉様とフランお姉様からありがたい言葉を貰えて私は心の奥が暖かくなっていた。

 な、なにか気の利いた言葉を返さなくちゃ……えっと、えぇっと……

 

「ふふ、無理に返さなくてもいいのよ? その反応だけで十分ですもの」

 

 しどろもどろになっていると、レミリアお姉様にそんなことを言われてしまい、私はよりどうしたらいいか分からなくなる。

 その時、フランお姉様の顔が不意に近付いてきた。そして、私がなんだろうと疑問に思うより先に――、

 口が塞がれる。唇と唇が重なったのだ。

 

「大丈夫だよ、アッサ。そんなに慌てなくても。いつか、お返ししてもらうけど、今は落ち着いて……ね?」

「フ、フランお姉様……ありがとうございます。それにレミリアお姉様も」

「えぇ、大丈夫よ。それにしても、フランも随分大胆になってきたんじゃないかしら?」

「そ、そうかな? でもお姉様ともたまにするでしょ? キスくらい」

「まあ、そうだけど……。アッサにキスなんて、ここ最近全くしてなかったじゃない?」

「そうだね……アッサが自分から引きこもったりしてたから」

「うぐッ」

 

 一時期引きこもったりしてたのは、ちょっと私の中でも忘れたかった記憶だ。何せ混乱していたのもあったから、黒歴史みたいなものだ。

 それに、ちゃんとレミリアお姉様やフランお姉様と触れ合えるようになってから、まだそんなに経っていない。なんせ、私は今まで幽閉されていたようなものだから。

 まあ、それすらも年が経つにつれ、ただの引きこもり生活みたいになっていたが。

 

「……とりあえず私が引きこもったりしてた話は蒸し返さないでください。ちょっと恥ずかしいです」

「そ、そう。分かったわ」

 

 後でレミリアお姉様にそのときの私の様子を聞いたら、髪に挿している、彼岸花もちょっと萎れ気味になっていたようで……笑うのを堪えるのが大変だったそうです。

 ……ちょっとそれは酷いなぁと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時が経ち、今や卯月となった。

 毎日毎日雪ばかりが降って、もう見飽きてしまったほどです。いくら子供とはいえ、雪合戦もしたし、かまくらも作ったし、流石にもういいです。

 ……どうやらチルノっていう妖精さんはまだまだ飽き足りないようで、毎日はしゃぎ回っているようですが。

 

「そろそろ行っても良いんですかね……」

「行ってもいいんじゃないかしら?」

「私もそう思う!」

 

 斯くして、私とレミリアお姉様、それからフランお姉様は、幽々子さんたち待つ冥界に向かうことになりました。

 

「それにしてもよかったのフラン?」

「お化けが出るからなんて古典的な理由で驚かないよお姉様!」

「え? 死ぬかもしれないってことを伝えようかなと」

「え、死んじゃうの!?」

「アッサ……、伝えてなかったの?」

「え? だって分かってるものだと思ってたから……」

 

 まさかのここに来て、フランお姉様が幽々子さんの能力を知らないという事態が発生。

 慌てて説明する。下手をすれば本当にフランお姉様が殺されかねない。

 ……そんなことは無いと思うけど、あり得るからなぁ。何言うか分からないのがフランお姉様だから。

 

「まあ、取り敢えず私達でもちょっと油断しただけで殺されるわ」

「なんだか、アッサの能力に似てるね」

「確かに似てるわね」

「うーん……でも向こうは幽霊も操れるからなんとも言えないです」

「えっ、そうなの?」

「いや、多分ですが……」

 

 正直自信はない。まあ、でも出来ないことは無いはずだから出来るってことにしておこう。

 そんなことを考えていると、冥界の中のながーい階段が目の前に。さらにそこには魂魄妖夢さんがいました。

 

「あ、アッサさん……とフランさんとレミリアさんですね。どうぞこちらへ」

「あら、意外とあっさり行けるのね」

「……なにせ主人が起こしたことなので従者的にはなんとも言えないんです。なので、来た人たちには皆さん通ってもらってます」

「え? 皆さん?」

 

 妖夢さんの言葉に困惑していると、妖夢さんが察してくれたのか、すぐに説明をしてくれました。

 まあ、簡単に言うと、流石に今回のことを知って、霊夢は面倒くさがりながらも今日来て、魔理沙も面白半分で今日来て……何故か今日来てる人多いな(二名)。だそうです。

 まぐれが多いなぁ……。

 そんなことを考えながら階段を昇っていくと、そこには言い争いをしている霊夢と魔理沙、そして幽々子さんがいたのでした。




どうでしたでしょうか……
次の異変に入ります。
けど二話で終わります多分。
ではまた次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。