リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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ギリギリセーフということでどうぞ


酒呑み達のサイネリア
夢も宴会も儚いもの


 久方ぶりに夢を見た。昔、私が日本という場所に流された時の遠い遠い昔のことを。

 捨てられた私を救ってくれた人は少し闇乘弌一護さんに似ていた。……少しSっけがあるところが。それ以外は全く似てなかったなぁ。

 あんなに絶大な力を持っていなかったし、それにあの人はただの人間だったし。だけど、二人とも私を救ってくれた。私の口が悪くなったりするのが追加されてるけど……それでもまだいい方だろう。

 大変だったのはそれからだ。なんとか無事に元のお姉様達のいる家まで着いたはいいものの、言葉が通じなかった。 その事がショックだった私は言葉を勉強してその後……あれ、どうなったんだっけ…?

 

「……ッサ、アッサ」

 

 ……? 誰かが私のことを呼んでいるような……でも、まだ寝ていたい。この夢を見ていたい。

 この声を聞かないふりして……。

 

「…アッ……、アッサ」

 

 これは、お姉様達の声? それにこの声は……魔理沙?

 

「アッサ、アッサ!」

 

 起きなきゃ……。よく分からないけど、今にも泣きそうな声で私を呼んでいるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛杉! 早く起きなさいよ!」

「ふぁあ……おはよう。霊夢、魔理沙、フランお姉様、レミリアお姉様、紫さん、妖夢さん、幽々子さん」

「「うわぁ! いきなり起きるな!」」

「じゃあ寝ます。おやす……」

「「「「「「寝るな!? 」」」」」」

「じゃあ私もおやすみなさ〜い」

「「「「「「あんた(幽々子(幽々子様))も寝るな!?」」」」」」

 

 開幕早々から騒がしい霊夢達。 ……まじでもう一回殺しましょうか? とか思いつつ、それがいつもの事でとても楽しいことなのは事実だから特に言葉にせずに、私なりの笑顔を浮かべた。

 だけどその瞬間に、お姉様達は恐怖に怯えたような様子になった。 え? 私の笑顔って怖かった……?

 そう思ってましたが後に聞いたところ、殺してやろうかと言わんがばかりの殺気が笑顔からビシバシと伝わってきたとの事。……私って二個目の能力扱えてない?

 

「まあとりあえず、愛杉が今回の異変解決の主役になった訳だし……今回こそ、宴会に出てもらうわよ?」

「い、いや。私はお酒飲めないので……」

「飲めなくてもいいじゃない。私達が飲ませるもの」

「酷い言葉だ!?」

 

 そんなこんなで私は、強制参加みたいな形で宴会に出なくてはならなくなりました。とほほ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてなんで今まで私は宴会を嫌がっていたのか。簡単です、私はお酒にすごく弱いんです。レミリアお姉様がたまにワインを飲んでいる時があるのですが、その飲んでいるワインの匂いを嗅いだだけで酔ったこともあるくらいです。

 飲める時は飲めますよ? ただ一口、たった口にしただけで記憶を失うほどに酔いますけど。

 そんな訳で今の私は宴会までに匂いだけで酔わないようにしてます。はい、私の周囲にはワインばかり。見渡す限りワイン。

 

「ね、ねぇアッサ。あなたいくらなんでもやりすぎじゃないかしら?」

「そんなことないよレミリアお姉様。今に酔わなく……」

 

 バタン!

 

「……言わんこっちゃないわね。咲夜」

「なんでしょうか、お嬢様……。あぁ、アッサ様のことですね?」

「ええ。お願い出来るかしら?」

「承知致しました。お部屋まで運びますね」

「よろしくね」

 

 

 

 

 

 

「全く、目を離すとすぐに変なことをやらかすのだから……まあそこも可愛いけど」

「それにしてもお姉様。アッサは宴会の時大丈夫かな? 霊夢とか魔理沙とか、絶対にお酒を無理矢理にでも飲ませようとすると思うんだけど……」

「大丈夫。策は……無いけど、なんとかしてみせるわ」

「……不安だなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は気が付いたら部屋にいた。凡そ、あのワインだらけの部屋で酔って眠ってしまったのだろう。……うぅ情けないなぁ、流石にお酒ぐらいはなんとか飲めるようにしたいんだけどなぁ……。

 

「アッサ、入るわよ」

 

 お酒のことで悩んでいると、レミリアお姉様が部屋に入ってきた。

 ちなみにだが、私の部屋は相変わらず地下にある。それでも今までよりもだいぶ片付いて、本の数は二桁台しかない。それでもかなり多い方だが、前よりは片付いたのだ。

 

「レミリアお姉様。どうしたんですか?」

「今日、もう宴会だけど……」

「え、そんなに寝てたんですか私……」

「そこまでは寝てないわよ。それで提案なんだけど……私の血を飲まないかしら?」

「? え? えぇ? えぇぇ!?」

「簡単よ。確かお酒って、肝臓とかがどうのこうのなんでしょ?」

「レミリアお姉様。そこはしっかりしましょうよ……」

「まあ、ともかく……。私の血を飲むの? 飲まないの? 」

 

 確かにレミリアお姉様の血を飲めば今までより、お酒が一時的かもしれないけど強くなれるかもしれない。

 けど、私はあまり血を飲むのは得意ではない。それでレミリアお姉様の血が足りなくなったら……。

 

「アッサ!」

「は、はい!」

 

 レミリアお姉様が声を張る。も、もしかしてまた顔に出てた……? (忘れがち)

 

「大丈夫。私は多少血が足りなくなった程度で死にはしないわ。 それに、妹から血を吸われたってご褒……ゴホン! 苦にはならないわよ」

 

 気のせいなら今レミリアお姉様の口からご褒美って言葉が聞こえたような……。

 

「気のせいよ!」

「アッハイ」

 

 そんなこんなで私は初めての宴会を迎えたのだった。




ギリギリセーフにも程がある……
まあ多分今回だけでしょう(遠い目)
次回もお楽しみに
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