「アッサお嬢様ぁ……無視されましたぁ…」
「ええ、分かってますよ。わかってますから泣かないでください。最近、魔理沙がよく美鈴さんのこと無視して直接図書館に突っ込んでることは知ってはいましたけど……」
「最近構ってくれる人がいないんですよ〜シクシク」
どうやら最近、美鈴さんのことを構ってあげる人がいないらしい。美鈴さん、子供っていうか妖精とかの面倒見がいいから、チルノ……? さんとかと喋ってればいいんじゃないかなぁ…?
「妖精達じゃダメなんですよ〜、仕事関係となると妖精達には喋りにくいでしょう?」
「あぁ、仕事関係でしたか。それは喋りにくいですね……」
「じゃあ、僕が喋り相手になろうか?」
「あ! さっき私を無視した人!」
「いや、ごめんって。そんなに根に持たないでよ」
若干、困り顔をしながら美鈴さんの相手をしている闇乘弌一護さん。……まあ確かに、闇乘弌一護さんなら仕事もしてるし、距離も関係なく相談相手になれるだろう。
「うぅ……分かりました。相談相手になってくれるなら根に持たないであげます」
「うん、ならよかったよ」
「それにしても貴方が闇乘弌一護さんですか……その執事服、アッサお嬢様が言っていた通り、似合ってないですね」
「グハァ! ちょっ、アッサ君?! 似合ってないとか他の人に言ってたの!?」
「実際、似合ってないですし……」
「ひ、酷い!」
いや、酷いと言われても事実ですし、困りましたね……。
というか、本来の目的をお忘れでは?
「おっとっと、そうだったね。レミリア君とフラン君に会いたいんだけど……いいかな?」
「それ、先に言ってくださいよ……アッサお嬢様の師匠ともなれば会わせないわけにはいきませんしね。いいですよ、まあ機嫌を損なわないようにとだけ…」
「分かったよ、ありがとうね」
そう言って闇乘弌一護さんが顔をこちらの方に寄せると
「君の師匠っていつ言ったっけ?」
なんて言ってくる。いや、事実師匠でしょ。認めてくださいよ。後そんなこと言われると面倒な事がおきそうだからやめてくださいよ……
「にしても、この中広いねぇ……迷わないの?」
「幼い頃はよく迷ってましたけど、最近は割と迷わなくなりましたね」
「たまに迷うんだ」
「私との婚約の件を伝えに行く道中も、少しだけ迷ったとか言ってましたよね」
「それは言わないで欲しかったなぁ?!」
そんな、ちょっとした小話などを挟みながら紅魔館の中を歩いていると、目の前に大きな扉が現れた。
この扉ってレミリアお姉様の部屋の扉……じゃないや。確か……なんだっけ? そうだ屋上に出るための扉だ。
「……迷ったの?」
「いや、そうじゃないですよ」
「ならいいけど」
……というか、フランお姉様の妖力が感じにくいような?
まあ、多分大丈夫でしょ。レミリアお姉様もフランお姉様も一緒の部屋にいるし。多分その部屋は……あ、料理するところですね。
「じゃあ、調理室に行きますかぁ」
「そうですね、アッサさんもそこだって分かったみたいですし」
「二人とも知ってたんです!?」
「「まあ、当然」」
「なんでやねん!」
いや、さとりさんはまだギリギリ分かるかもしれないけど、なんで闇乘弌一護さんは分かってるんですか……
そんなこんなで私達はレミリアお姉様とフランお姉様のいる、調理室に着いた。よく考えてみると二人ともあまり料理をするようなタイプじゃないような……?
「あら、アッサとさとり。それに貴方は……」
「あ! 百合の間に挟まる男!?」
「合ってるとは言わないけど……」
「なんか似たようなもののような?」
「なんで二人して否定しないのかなぁ……? 僕は闇乘弌一護アッサ君の──」
「闇乘弌一護……? あぁ、アッサがよく話していた人間の。」
「へぇ。でも実際に強いのかちょっと分かりずらいわね? 神力ってやつかしら?」
え、神力って神しか持てない力の……? でも人間ですよね、闇乘弌一護さんって。
「まあ、持ってるよ。神は自分に似せて人間を作ったって言うしね。まあ、僕はお父さんの代からの人間だけど」
「……まさか、貴方のお父様は神より先に生まれた人間とでも言うんですか?」
「事実だよ。ある理由で死んでしまったけど、その理由は誰も知らない」
「そんなことが……で、なんでここに来たのかしら?」
「あぁ、忘れるところだった。まずね、タナトスがこの幻想郷が壊れてないことを知って、また壊しに来ようとしてるってこと」
闇乘弌一護さんがその事を話し始めると、レミリアお嬢様とフランお嬢様の血相が変わった。
「それは一体……」
「あれ、紫さん」
「君がこの幻想郷の管理者かい?」
「え、えぇそうです。私が管理してますが……」
「じゃあ伝えとくよ、もう一つのこと。神達はこの幻想郷を守る気は無いよ」
今度こそ、この場が一瞬にして恐怖に陥れる分には十分すぎる言葉であった。
なんか今回はだいぶ短くなってしまいました……申し訳ないです。
次回もよろしくお願いします。