リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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聞きたくなかった

「えぇ……貴女、また来たの?」

「はい。……もしかして今なんかやばいんですか?」

「ヤバいどころじゃないわよ、逃げるなら今のうちよ」

 

 入って早々に、鈴仙・優曇華院・イナバさんにとんでもない忠告を受けました。え、何逃げるなら今のうちって。

 怖すぎて小悪魔さんになったわね。まぁ冗談ですけど。

 

「ちっ、ちなみにですがどんな感じでやばいんです?」

「えっとね、師匠が釜で何かを茹でてたわよ」

「魔女かよ?! 古風すぎてビックリだわ?!」

「いや、流石に冗談よ。アッサ、貴女いつからそんな感じのキャラになったのよ……

 前会った時はもっとお淑やかというか、殆ど喋らなかったっていうか……」

「最初に褒めて後で落とすのやめて?!」

 

 鈴仙さんも随分と酷いこと言いますね。貴女もそんなキャラじゃ無かった……いや、最初っからあのお師匠さんに振り回されてるから合ってるか。

 それにしても本当になんで私なんかを呼んだんだろうか……

 

「とりあえず、帰る?」

「帰りませんよ。その、永琳さんに呼ばれたんですし……」

「あぁ……ご愁傷さま」

「ありがとうございます……?」

 

 なんて小言を挟んで私は廊下を歩いていると、不意に腕が伸びてきて、引っ張られた。

 

「わっととッ! なにするん……で…すか?」

「あら、ゴメンなさいね。永琳のところに行く前に忠告をと思ってね」

 

 その引っ張られた先には黒く、とても長い髪で顔がとてもよく整っている人がいた。声もとても愛らしく、聞いてて心地の良いものだ。

 

「あ、あの……忠告って?」

「あら、ごめんなさい。貴女、少し私に見惚れていたから時間をあげようかなって」

「み、見惚れてなんて……」

「いた。でしょう?」

 

 少し意地の悪い顔をするがその顔さえ美しい、愛らしい。まるで、昔の物語のかぐや姫のよう……ん?

 

「違和感に気が付いたかしら? そう、私こそかぐや姫こと、蓬莱山輝夜よ!」

「あ、あぁ、貴女が……」

「なになに、なにか噂されてるの? 私?」

「ええ、聞きましたよ。とんだニート姫がいると」

「グボァ!?」

「まさかそんな訳ないとは思っていましたが本当にニート部屋とかしてるとは……」

 

 そう、この人のお部屋……本当のニートの部屋のようになっており、ゲームがそこらかしこにあるわ、なんかゴミが散らかっているわでとんでもない。

 こんな人から忠告を受けるだなんて、それこそウケるわね。

 

「まぁ、いいわ。とりあえず忠告よ」(グスン)

「は、はぁ……」

「その壱! 絶対に今の永琳から機嫌を損なわないこと!

 その弐! 危ないと感じたらすぐ逃げること!

 その参! は無いわ!」

「適当だこの姫!?」

 

 思っていた以上に適当な忠告に普通に不安になり始めた私。え、大丈夫? 機嫌を損なう行為として、逃げるって入ると思うんだけど……?

 

「まあ大丈夫よ」

「え?」

 

 凄い。この姫、普通にハグしてきた。ちょっ、この姫ニートなはずなのにめっちゃいい匂いする! ちょっ、ドキドキするからやめて?!

 

「いざとなったら、私にイナバ達、それに鈴仙もいるから」

「わ、分かりました」

「あ、今いい匂いとか思ってたでしょ?」

「チッ、だからニート姫言われるんだよ」

「お口が悪い?!」

 

 そんなこんなで部屋を出て、また長い廊下を歩いていると、なんともいえない薬の匂いがしてきた。恐らく、そこに永琳さんがいる。

 

「……とても恐ろしいですが、行くしかないですね」

「誰が恐ろしいですって?」

「ピギャァァァ!!!! お化け! 妖怪! お年の召したお姉様!」

「それどういうことよ……。途中まで分かるけどなんで最後がお年の召したお姉様なのよ」

 

 後ろから永琳さんに話しかけられた私はついついビックリしてしまい、よく分からないことを口走ったようだ。

 ……確かになんだお年の召したお姉様って? レミリアお姉様かフランお姉様が怒りそうなワードだなぁ……

 

「と、来たわね。愛杉・アッサッスィーノ・スカーレット」

「えぇ、来ましたよ。八意永琳さん」

「用事は二つ。まず一つ目からね」

 

 まさに緊張の瞬間。何を聞かれるのか、何をされるのか全くもってわからない状況。

 まして、先程鈴仙さんには帰った方がいいと言われ、ニート姫には忠告という名のただの注意事項を言われ……うん、とりあえず怖いって話にしておこう。

 とりあえず、この間、闇乘弌一護さんに危険と言わしめたほどの危険人物となった永琳さん。……機嫌取りに行った方がいいかなこれ。

 

「一つ目は……貴女、闇乘弌一護という人間に会いましたね?」

「は、はい」

「どうだったかしら、あの完全な人間の有り様は」

 

 あ、有り様? そんなこと聞かれたってあの人掴めないっていうかおバカな師匠って感じだったんですが?! どう説明しろと? 困るんですよそういうの!

 

「まあ、まさに闇乘弌の名に恥じない、完全な人間かと」

「そう……。じゃあ次で最後ね。貴女……」

 

 その後に発せられた言葉には驚きしかなかった。何故ならそれは……

 

「貴女、あの完全な人間と同じ立場になりたいかしら?」

 

 殆ど、神になりたいかと問われたも同然だったのだから。




まさかの展開で作者も驚きですはい。
ではまた次回
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