リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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変態共め

 さてやってまいりました! はい、そうです神達がいる世界にです。

 闇乘弌さんの案内であちこち回りましたがすっごい神秘的……かと思いきや、案外人間の町と変わらないところが多かったですね。繁華街とかも結構どこかで見たことあるような、無いような感じでしたね。

 闇乘弌さん曰く、【人】が先に出来たんだから、神が人間に似るのは当然だと思う。だそうな。んー……よく分からない。

 まあとりあえず……

 

「さて、愛杉・アッサッスィーノ・スカーレット。なにゆえ【人】になったか、詳しく教えてもらおうではないか」

「おっと、あんまり威圧感を出してもらっては困るなぁ。その辺によくいる神如きが、【人】に逆らえるとでも?」

「相変わらず、その高飛車な態度。何とかならんのかね? 闇乘弌一護様?」

「そんなこと言われてもねぇ? 僕だって、好きでやってる訳じゃないんだからさ」

 

 この重い空気を何とかしてください。いや、本当、心臓に悪い。偉い感じの神様と、闇乘弌さんがずっとあんな感じのやり取りをしてるから胃痛ガガガガ……

 それに話そうにも、闇乘弌さんが割って入ってくるから話せない。

 無理に下手に出るなってことなんだろうけど……私自身今まで沢山の人とかに下手に出てたから、つい癖で下手に出てしまうんじゃぁ〜

 というか闇乘弌さん。普通下手に出るのでは? あ、【人】だからダメと……そういう部分で舐められたらいけないと。なるほどとはなりますけど、私ってこの神様達の所にいるわけじゃないんですから大丈夫では?

 

「君はわかってないね!? 舐められたらおしまいなの人付き合いってもんは!」

「この場合、神付き合いでは?」

「細かいことはいいの!」

「どうやら愉快な【人】のようだ。皆、歓迎してやりなさい。とことんな」

 

 一神がそう言ってニヤリと笑うと、その場にいた全ての神が、一斉に私に襲いかかってきた。やだ、この神達ロリコン?! などと言っている暇などなく……

 

「よいしょっと……危ないところだったねアッサ君」

 

 闇乘弌さんに助けられていた。なんだその周囲に展開されているバリアー?! 私にもできるかな?

 

「出来ると思うけど……今すぐには無理だと思うよ?」

「とりあえず今は逃げるが吉ってやつだね!」

「今はじめて喋りましたね、こいしさん」

「いやぁ、喋る暇なかったからね!」

 

 とりあえず、こいしさんが元気そうでよかった。じゃあ早速……どこに逃げればいいんだ私達?

 

「とりあえず、【人】に認められた者しか入れないところに行こうか」

「それ、私はともかく。こいしさんは……」

「無論入れるよ。というか、君達古明地姉妹とスカーレット姉妹は入れるようにしてあるからね」

「随分と信用されてるな〜私達〜!」

「まあ、アッサ君の姉妹とアッサ君の嫁とその姑みたいな人達だからね」

「気のせいなら、姑の意味が……」

「そういうの後でいいから」

 

 真顔で言われても困るだけなんですけど闇乘弌さんェ……まあ、とりあえずは助かったってことかな(ふんぞり返り)

 

「多分、また神達が君を狙って追ってくるかもね」

「もうあの変態地獄には行きとうないです」

「うわ、泣いてる。そこまでだったか……」

「えっと……アッサちゃん、大丈夫だよ! 私がついてるから!」

「おお、こいしさんが女神だぁ……」

 

 ついつい怖くて思いっきり泣きそうになっていたら、こいしさんが女神な発言をしてくれたおかげで、私は若干泣き止んだ。あぁ、ここにさとりさんもいればなぁ……。

 

「そんなこともあるかと思ってさとりくんにはここに来てもらってるよ」

「おお、闇乘弌さんが神様に思える…… 」

「でもさっきので神がどういう存在か、ちゃんと説明しないといけなくなったね……」

 

 闇乘弌さんから詳しい話を聞いたが、私にはさっぱりだったので、何となく理解できたところをまとめると、

 神は元々【人】によって作られた。だから、神は最も【人】に近く、最も遠い存在である。

 神は【人】によって作られ、その後に神によって人間が作られたので、人間は神になり得る存在である。

 神は【人】に最も遠いので、【人】の何かを摂取することにより、【人】になれる可能性が微レ存。

 人間から、神になった場合……つまり、現人神などはより、【人】になりやすい。

 ぐらいですかね……? 正直、分かっているつもりであって、ここも完璧に理解してるかと言ったら、理解出来てない。でも、さとりさんやこいしさんは理解出来ているようで、それはそれで頭を悩ませている。

 

「えっと……つまり、人から神になった者が【人】になりやすいのは、マイナスにマイナスを掛けると、プラスになるようなものってことでいいんですかね、闇乘弌さん?」

「まあ、そんなとこだね。いやぁなんか難しい話で申し訳ないね……」

「いえいえ、大変興味深い話でした。それにしても、アッサさんが【人】になったのって珍しいを超えてるんですね。レアケース中のレアケースってやつですか?」

「そうだね、なんでなれたかも不明……って訳じゃないけどさ。こいしくんの能力が末恐ろしいね」

「えへへ、どんなもんだい! 私もやる時はやるんですよ!」

 

 こいしさん可愛いヤッター! っていうかワタシッテヨッポドメズラシインデスネ、さっぱり分からなかった。

 てか、レアケース中のレアケースってどのくらいレアなんだろ? あ、なんかお腹がすいてきた。ってそのレアじゃねぇよ!?

 

「とりあえずは、ほとぼりが冷めるまでここに居なよ。その方が安全だし、君達を鍛えられる」

「え? 鍛えられるって……?」

「うん! これから思いっきりやるから、皆で仲良くかかってきてね?」

「もうイヤー?!」

 

 地獄の特訓が始まったとさ。ちゃんちゃん




なんか最後のちゃんちゃんって花京院が言ってそうですよね。この小説には出ませんけど。
ではまた次回。

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