「さっきから一向に目覚める気配がありませんね……」
「紫さんにボコボコにされたとかじゃないですよね?」
「流石にそんなことしないわよ。それにそんなことしたら向こうの紫に殺されるわよ多分」
向こうの紫。なんて言葉を使っていることを考慮すると、どうやらこちらの世界の紫さんで間違いないようだ。というか本当にあったんですね平行世界。ちょっと驚きというか……なんというか?
ま、まぁなんか紫さんの様子が少しおかしいし、OHANASHI()しますかね
「紫さん? とりあえず
「良いわよ。今なら貴女ごとき、なんてことは無いわよ?」
「ムカつくこと言ってくれるじゃないですか……コロス!!
殺意【450年分のランコーレ】」
「あら、感情に任せた攻撃は当たらなくてよ?」
私の予想が正しければ……
「やっぱり後ろにスキマを出しましたね?」
そう言いながら私は後ろのスキマから止めどなく出てくる自分の弾幕を避ける。しかしこのままではジリ貧だ。避けたその先に別のスキマを出されて、また私の後ろにスキマを出されて弾幕を後ろから喰らわせられる。
だけど私には策がある。恐らくだが、紫さんのスキマには限度というものがあるはずだ。幾らなんでも強くなったからってそこは変わってないはず……多分。
「ひょいひょい、ひょいひょい……そんなに避けてて何かいいことがあるのかしら?」
「ありますよ? まあ勿論言わな──」
「凡そ、私のスキマのキャパシティの弱点を突いてスキマを使えなくさせようとしてるのかしら?」
「そんな訳──」
「有るわよ? だって貴女嘘をつく時には左上を見るもの」
そんなこと言って私をゆさぶろうとしても無駄ですよ……ん? もしかして私の脳内に直接……?!
「その通り、だから貴女の考えてることを読めるのよ。まあ、少し読みずらいけど」
「私は完璧に読めますけどね。はぁッ!」
そう言うとさとりんは紫さんに蹴りを一発入れる。不意を突いた攻撃だったため、流石の紫さんでもスキマに逃げることは叶わなかったらしい。
「ぐっ……さとりか。でも心が読める程度で私に勝てるとでも?」
「そうですね。それだけでは勝てないですね」
そう言うとさとりんは目を閉じる。その瞬間、さとりんの周りにスキマが現れる。うわぁ……想起ってそこまで出来るんですね。おそロシア、おそロシア。
あの調子なら勝てそうですね、私の力がなくとも。
「なんで私のスキマを……?!」
「覚えてないんですか? 私の能力は心を読む程度の能力。まあもっとも、今の能力は程度で済む話では無いですけども」
「あぁ、余裕をかましてニコッて笑うさとりんマジ可愛いよ!」
「は、恥ずかしいですよアッサさん//」
「隙あり!」
そう言って紫さんがさとりんに飛びかかろうとした時、
「無駄ですよ?」
紫さんの目の前にはさとりんが出したスキマ。それも、私の弾幕が大量に閉じ込められているスキマだ。それをまともに食らった紫さんは一瞬にして地に伏したのだった。
結局私の力少しくらい使ってるだろ、だって? そ、ソンナコトナイジャナイデスカヤダー。
「さて、なんであの人を連れてきたか教えてもらおうじゃないですか」
「いやぁ、単純に面白そうだなぁと」
「……はぁ?」
つい変な声が出てしまったがそれも当然だろう。ただの平行世界の住人を面白そうだからといった理由で連れてくるおバカさんがいるだろうか? まあ居るんですけども、この大きなたわわを持った八雲紫さんって人なんですけど!
……いや、本当にただの平行世界の住人だろうか? 紫さんが適当に選んだとしても、何かしらの力を持っている可能性は高い。まあとはいえ、妖怪かなにかだろうどうせ。
「んで……味方になると心強いと言ってましたが、本当に強いんですか、この人?」
「強いわよ、大体のことが操れるわ災いとしてね」
「災い……なるほど。凡そ、禍のことを指してるのね。あの妖怪でもそこまで強くなれるなんてね」
「あの……禍ってどんな妖怪なんですか?」
「あぁ、そんなこと? 禍って妖怪は──」
「んんぅ……」
先程までの戦いが激しいものだったのか、連れてこられた人が目覚めそうになってる。
それを確認した紫さんは「話がややこしくなる」と言ってどこかへ消えてしまった。消えた先に関しては大して興味がある訳でもないので無視として。
聞きたいことが山ほどある目覚めそうな人だが、流石に目覚めてすぐに質問攻めは可哀想だ。状況を説明してからの方が良いだろう。
「んぁ……あぁ? フランか? なんだイメチェンしたのか? ちょっと血塗れみたいな感じで心臓に悪いぞ?」
「あ、あの。翼を見て貰えます……?」
「ん? 翼?」
第一声がこんなものだから私にとっての謎が大量に増えてしまった。
まず、何故フランお姉様を知っているのか。まあ、フランお姉様と私を見間違える人はよくいる……気がするが、大抵の人は翼を見て違いを把握する。
この人はどうやら起きたてのため、まだ翼をよく見てないようだ。
「あぁ、確かにフランのじゃないな。まるでレミリアっぽいものだが……それもイメチェンか? 羽を引っこ抜くまでするなんて、気合い入ってんな」
「イメチェンじゃないんですよ! 私は愛杉・アッサッスィーノ・スカーレットです!」
「なんだその長い名前、厨二病患者か?」
「なにぉう! 私だってこの名前ちょっと嫌になってるんですよ!れ!!」
「お、ビックリマークにれを混ぜてくるか。高等技術だな」
……あれ? この人以外と話に着いて来れる人? やば、私の周りあんまり話着いて来れる人いないから嬉しいな……。ちょっとキュンと来ちゃいますよ?
「へぇ……意外と真面目なんですね」((ボソッ
「? さとりん何か言いました?」
「いえ何も」
「そういえばそっちのピンク髪の人の名前を聞いてなかったな。なんて名前なんだ?」
「古明地さとりと申します。地霊殿の──」
「私の妻です!!」
さとりん、ただでさえ混乱してる可能性が高いのに、もっと情報入れたらアウトだってば〜!!
「ほう、妻とな。同性婚とはやるな。馴れ初めはどんななんだ?」
「えっと……まあ、色々ありまして」
「他人に言えないか。さてはエッチな出逢いだったんだな、このおませさんめ」
「ッッエ……って、何この人初対面なのに酷い?! 参っちゃうんですよね!」
「ですよね言いたいだけですよね?」
珍しくさとりんが乗ってきた。まあこの流れは何回もやってますし、慣れてますよね。というか内輪ネタになるからNGですよさとりん……
「え、あっ……すみません」
「あぁ、大丈夫大丈夫。気にしてないから」
「で……ここどこか分かります?」
「サッパリだけど?」
「ですよね」
「まあハッキリ言うと幻想郷です。貴方の居た幻想郷とは別の」
「俺の居た幻想郷とは別ぅ? どういうことだってばよ?」
まあそうなりますよね。さとりさん。ここはゆっくり、丁寧丁寧丁寧にお願いしますよ?
「簡単に言えば、平行世界ってやつです」
「あぁ、なるほどな。で、誰に連れてこられたんだ俺は?」
「覚えてないんですか? 紫さんが連れてきたんですよ、こっちの世界の」
「あぁ……だよな。どの世界でも厄介なのは変わりないな」
「そういうものですからね彼女は……」
そんなことを言っていると突然私の目の前にスキマが開いて紫さんがニョキっと出てきた。
「何か言ってたかしら?」
「イエ、ユカリサンハキレイダナト」
「カタコトね……まあいいわ。それでどうかしら。禍津神砕過、こちらの幻想郷は」
「まっ、イレギュラーって存在が本当にあるとは思わなんだ」
「私の事です?!」
「そりゃそうだろ。アッサスィーノ――長いからアッサでいいか? お前、全くもって力が読めないんだよ」
「う、嬉しいです」
以外と別の世界の人でも分からないものなんですね。だとしたら順調に【人】になれてる証拠ですね。
それにしても、紫さんの口からこの人の名前を知るとは思いませんでした……。
……? この人、何故微量の神力を?
「あ、あの」
「ん? どうした、アッサ」
「何故貴方は──」
「そんなに心の中が真面目なんですか? って聞きたいんですよね、アッサさん」
「え? いや、違」
「そうですよね?」
「は、はい」
さとりんの圧が強すぎてつい言い負けてしまった。本当に聞きたいことは、神力を何故持っているかなのにぃ……
「俺なんかが真面目に見えるようなら、医者に診てもらった方がいいぜ?」
「うんうん、この人真面目に見えな──」
「お腹の中アルマゲドンにしたろか?」
「ピッ?! すいませんでした……」
思ってたよりも怖いよこの人。いきなりお腹の中アルマゲドンなんて死んじゃうんじゃないの〜☆(某シェフ)
というかアルマゲドンってあれですよね? え、どうなるんです?
「と、とりあえず探索しますか」
「そうだな。俺やること分からんし、ついでにこっちの幻想郷のことももっと知りたいしな。ついて行く」
「じゃあ、一回紅魔館に行きますか」
そうして、私達は紅魔館に行くことになった。
……今、レミリアお姉様やフランお姉様いないけど大丈夫かなぁ? ま、まぁパチュリーがいるし、その上咲夜さんもいるから大丈夫だよね。
思ってたより長くなりました。
コラボはエタリオウさんが私の文章に禍津神砕過君目線を入れてくれました。
それが次の話です。
ちなみにコラボ相手は今更ですがエタリオウさんです!
ではまた次回。