リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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リコリスラジアータが咲く頃に
始まり


 とうとう決戦の日が決まった……というより、勝手に決められたんですよ、あのタナトスに。

 曰く、リコリスラジアータが咲く頃……つまりは秋だそうです……早くね? 今夏ですよ? 馬鹿なんですか? そういえば、○○なんすって言う私の性癖にめっちゃ刺さる人がいたような……?

 

「アッサさん? そんなこと考えてる場合ですか?」

「さとりん!? い、いやぁ、でもまさか私だけしか来るなと言われるとは思いませんでしたねぇ……」

「そうですね」

 

 さとりんがそう言って微笑む。なんだろう後で説教されそうなくらい、笑みに殺意がこもってる気もする。

 ……後で能力使いますかね、説教は嫌ですし。と言うよりも、今不機嫌なさとりさんを見たくないってのもありますけども。残り残された時間ぐらいは笑って過ごしていきたいですし。

 

「なら、なんで私よりも胸の大きい方を想像するんですか?!」

「いやぁそれはね……母性? 感じちゃうんですよね」

「なんだろう、気持ち悪いのやめてもらっていいですか?」

 

 さとりん、気持ち悪いってそこまで素直に言われると逆にスッキリしちゃうからやめよう? さとりん可愛いんだから。ね?

 

「スッキリってなんですか! スッキリって! 人が怒ってるんですよ?!」

「ご、ごめんなさい!!」

 

 私は綺麗に土下寝を披露する。こんな会話一度や二度だけじゃないし、お姉様達と一緒に訓練するようになってからもよくあったから、慣れてるのか端でにやにやしてる。

 ……そういえば砕過さんとの勝負の結末を覚えてないんですよね。そこだけすっぽりと穴が空いたように記憶が無いんですよ。何故なんですかね?

 

 

「全く、なぜ土下座じゃないんですか……ていうかその姿勢、最早寝てますよね?!」

「そりゃ土下寝ですから……」

「もう……本当に馬鹿な方なんですから」

 

 土下寝から起き上がった私がこういうことを言うのもなんですけど、その時のさとりさんの顔……とても悲しそうに見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、何の用だい?」

「いえ、なんとなく……ですかね?」

「なんで君はそう適当なんだろうね」

 

 そう言って笑う一護さんは儚くそして何より、社畜さんと重なって見えた。

 そうだ、あの人もそんなふうにいつも私が何かやらかしたりすると、苦笑いを浮かべたりしていた。

 

「なんで今日に限って皆さん私に向けて儚い顔を見せるんですかね?」

「寂しいんだと思うよ。それに怖いんだよ」

「怖い? 私は殺されたりしな──」

「君が誰かを殺すことが。だよ」

「でも今更私は殺したとしても狂気に飲まれることは無いですよ?」

「んー……神をも殺すとなると、その快感は計り知れないものになる。それに、君は前科持ちだからね」

 

 苦笑いしながらそう言う一護さん。確かに私はそういう意味では前科持ちだ。確かに言い逃れはできない。

 その上、またやらかすかもしれないとなると……あー、本当に言い逃れとか出来ませんね私。こまっちんぐ!

 

「まあその必要はなさそうだけどね」(((ボソ

「? 何か言いましたか?」

「いやなんでもないよ。ほら、自分の姉達のところに行きな」

「は、はい!」

「ありゃダッシュで行っちゃったよ……。まあいいか、もしかすると最後の姉妹の会話かもしれないしね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、最後は私たちの所に来たってわけね」

「はい、レミリアお姉様!」

「うー……サイカを逃したのは痛かったわね」

「まだ言ってるんですかフランお姉様……」

 

 なんだかんだでお姉様達と話しているのが一番落ち着く。でも砕過さんを未だに狙ってるのは怖いですよフランお姉様……いやマジで。居なくなったの一ヶ月くらい前ですよ? 流石に言い過ぎですよ……。

 

「でも変わりなさそうね。きっとあのタナトスを殺したとしても……ね?」

「そうだね。仮にあの憎いタナトスを殺したとしても、アッサはアッサだよ」

「レミリアお姉様、フランお姉様……ッ!」

 

 思わず涙が出てしまった。二人とも慈悲に溢れた満面の笑みを浮かべているのだから。とても優しい、家族にしか向けられない笑みを私に向けてくれているのだから。

 私は日本に流された後、しばらくは日本語しか喋れなかったのに、それでも何とか理解しようとしてくれたのはレミリアお姉様とフランお姉様だけだった。

 お父様は気がついた時には死んでいた。いや、私がきっと殺したのだろう。あそこまでの酷い親は中々居ない。

 っと、家族の話はまたいつか時間がある時にしますか。

 

「ふふ、懐かしいことを思い出してるのね」

「……やっぱりバレましたか」

「えぇ。あの憎い憎いお父様のことを考えてたのでしょう?」

「そ、そこまで憎まなくてもいいんじゃ……」

「まあこの話はまたいつかしましょう。今は──」

「もっと楽しいお話しをしましょう、アッサ? って言いそうだよねお姉様は!」

「そうね……楽しい話をしましょう」

 

 そう言って私達は三日三晩語り続けた。

 ……いや、さすがに寝たりしましたけどね?! なんならさとりんも入ってきましたけどね?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして来たる一月二十四日。

 

「嘘をつかない!」

「すんません! すんません! そうしろって一護さんが言ったんです!」

「闇乘弌さん!?」

「違うよ、アッサ君が勝手に言ってるだけだよ」

「アッサさん?!」

「だから一護さんが──」

「だからアッサ君が──」

「そもそもアッサでしょ、心の中で意味わからないこと言い出したのは」

「ウグッ! そうですけども……」

 

 適当なこと言ってたら、変なことになったんですけど(当然)

 もうやめちくり^〜って感じですよ私的には。ていうかこれから決戦なんですから……まぁ私はアンオンアン強いですからね。

 

「まぁ取り敢えず、頑張ってください。これからが勝負ですけど」

「まぁ大丈夫ですよさとりさん。必ず、帰ってきますから」

 

 兎にも角にも、やるしかないですね……タナトスを。

 

「あら、本当に貴女一人なのね、バカ正直に来るとは思わなかったわ。

てっきり人に頼りがちな貴女のことだから泣いて喚いて、他の奴らを連れてくると思ってた」

「そんな訳ないじゃないですか! どこまで人を小馬鹿にすれば気が済むんですか!?」

「あら、元吸血鬼の貴女が人って名乗るとはね」

 

 ウグッ……痛いところ突くなぁ。まあでも、本当に【人】ですし、仕方ない……仕方なく無い?

 

「取り敢えず、貴女の……が…欲しい! で合ってましたっけ?」

「知らないわよ。とにかく、早く殺し合いを始めましょう?」

「ええ、殺ってやりますよ。ちなみにさっきの貴女が欲しいは、貴女の首が欲しいで正解ですね間違いない」

 

 自己解決はレズの嗜み。まあとにかく、本気と書いてマジと読む、殺し合いが始まったのだ。




私が最後まで行きそうなのは初めてなので、これはなんとか完結させたいですね……
また次回
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