リコリス・ラジアータ   作:暇を司りし神

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死んだ最強

 アッサside

 

 

 さっきから、フランお姉様がビクともしませんね……いや、言い方悪いですね。ピクリとも動かない、ですね。

 ……気味が悪いというかなんというか。確かに、意識も無意識も殺された。でもそれでも何も動かないのは操られてないってことなんだろうきっと。

 

「と、取り敢えず……

 『アダマスの鎌』 

様子見ですかね、そうでもしないとよく分からない……ですし」

「アッサさん、無理に冷静を装わなくても……」

「あまり、敵の前でカッカするのも良くないかなぁ……と」

「さっきまで感情爆発! って感じだったのにね」

「うるさいですねぇ?!」

 

 なんて会話をしながら、再びタナトスにアダマスの鎌から衝撃波を飛ばす……が、フランお姉様によってかき消される。

 ……完全に操られてますねこりゃぁ。困ったな……というか、さっきからタナトスが何かを狙っているような?

 

「アッサ君」

「はい? なんですか、一護さん?」

「いやさ、実は僕の周りにはバリアが張られてるんだよね」

「しれっと重要なこと言うな??!!」

「それ、私は知ってるわよ?」

「タナトスが? となると、さっきから様子を伺ってる状態にあるのはそのバリアを壊そうって魂胆ですね?」

「当たり。だけど……さっきから、全くもって隙がないというね」

「……アホなんですか?」

 

 でもなんだろう……? それだけが理由な気がしない。バリアが具現化するとかあるんですかね……? となるとそれを狙っている?

 うーん……現状じゃ何が鍵なのか全くもって分かりませんね。取り敢えず攻撃しましょうか。

 

「そうと決めたらやるぞぉ!

 『雪月花』」

「ちょっ……その技ってその武器じゃ出来ないはずじゃ!?」

「よく見るんですねタナトス! 私のアダマスの鎌を!」

「ッ?! 薙刀……まさか?!」

「そのまさかじゃぃぃぃぃいい!!」

 

 思いっきり体重をかけて、その上で振り回す。それだけでもかなりキツいと言うのに、雪月花となると身体を捻ったりした上でそれを一度止める、二度止める。

 身体への負担はとんでもないが技としてはとてつもない威力を誇る。

 本来なら、大太刀でやる技だけど……たまにはこういうそう言った括りを無視した技を出すのもヨシ!

 

「うぉらぁぁああいい!!! まずは一歩目!」

「ぐッ……フラン!」

「……」

「フランお姉様を盾にしても無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

 フランお姉様ごと、タナトスを吹っ飛ばす。そのまま二歩目と参ろうか!!

 

「二歩目ぇぇええ!!!」

「なっ!? ここまで届かないはずじゃ?!」

「今回は飛べるんですよねぇ!!」

「ですよね言いたいだけですよね?」

 

 ヤメロォ!(建前) ナイスゥ!(本音) Fooo! (タナトスを切り刻むのは)気持ちがいい!

 けど、フランお姉様を巻き込みかけてるのは反省しなきゃ(使命感)

 

「ラストぉぉおお!! 三歩目ぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!」

「ちぃ!! フラン!!」

「無駄無駄ァ! 何故なら、フランお姉様はさっきの風圧でこちらに来れなくなってますからねぇ!!」

「やめてぇぇぇえええ!!!」

「アハハッ!! やめませんよォ!?」

「なぁんちゃって!」

「なっ!?」

 

 気が付いたらフランお姉様が目の前にいた。何故?確実にこちらに来れないはずなのに!!

 

「……『雲湖朕鎮』」

「……フッ、決まったわね」

「ずこっ〜!!!!」

 

 いきなりの雲湖朕鎮は反則ですよォ!? ちょっ笑ったせいで身体を捻りすぎて……ッ!

 

「アラァー!!!」

 

 某オワコンピエロのように、地面に落ちてしまった。傍から見たら、滑ったようにしか見えないんだろうなぁ……めっちゃ痛いんですけどね、遠心力がだいぶかかってましたし。

 

「笑ったわね? それが貴方の敗因よ!」

「……『キュッとしてドカン』」

「うわっと……ってぇ?! バリアが……壊された!?」

 

 一護さんのバリアが無くなってしまったらしい。いや、でも一護さんはバリアが無くても最強……ってアレ? 一護さんってあんなに身長大きかったっけ?

 

「……ッ!? まさか、本当にそうだったとはね。闇乘弌一護いや……暇神様?」

「暇神……?! って誰ですか?」

「闇乘弌一成さんが最初に作った神のことですよ、アッサさん……」

「あぁ! ……でもなんでそんな方が? て言うか別に死なないのでは?」

「そんなことは無いわ。今や、神は限りなく【人】に近くなってるくらいには強くなってる。所詮初期型なんて屁でもないわ」

「クソっ……舐めるなよォ!!」

 

 そう言って殴りかかっていく、一護さん……いや、暇神さん。でもその拳は届くことなく、あっさりとカウンターを取られて、ダメージを食らう暇神さん。

 

「ちぃ! クソがッ! 俺はここまで弱かったのかよ!?」

「それが【人】の加護を過信した結果よ、暇神様? じゃあ死になさい。

 『雪月花』」

 

 私の技をいとも簡単にコピーしたタナトス。いや待ってくださいよ?! 私があれほど苦労して使えるようになった技を、いとも容易くやらないで?!

 

「グワァァア!!!!」

「あら? 一撃目でもう限界? じゃあ少し様子見しましょうか」

 

 いくら暇神さんだったとしても、今までは闇乘弌一護さんとして接してくれた……いや、私の手で殺してしまった、社畜さんのように接してくれた。

 そこは感謝しているし、それに私もだいぶ心が動いていた。暇神さんのお蔭で、私は……私は…

 

「おい、泣くなよ……アッサ」

「暇神さん!? しゃ、喋っちゃダメですよ! 今は回復に努めなければいけないんですから!?」

 

 私はそういうが、なにか喋ろうとする暇神さん。より涙が出てしまう。そんな私の涙を、暇神さんは指で拭う。

 

「泣くなって。なに、死にやしねぇよ。この程度じゃな?」

「でも、でもぉ……」

「シャキッとしろ、シャキッと……後は任せたからな。お前が俺の跡の【人】だ」

「……分かりました」

 

 暇神さんに言われて、ハッとする。そうだ、【人】はもう私しかいない。ならば誰が跡を負うというのだ。もう私だけだ、だから私が継ぐしかない。だからこそ、これからは──

 

「この私がナンバーワンだ!」

「フッ、それでこそだな……っと、もう時間らしい」

 

 よく見ると、暇神さんの周りはキラキラと光り始めている。それが命の光だと判断するのは、容易い事だった。

 

「もう……逝くんですね」

「しゃぁない。まぁ、仲間とか親父が待ってっからな」

「では……」

「あぁ。生きろよ、アッサ!」

 

 そういうと、暇神さんは消えていったのだった。




はい、次回作の伏線が入り乱れています。
ここまでなるとは正直、思ってはなかったですけど……まあ仕方ないです。
ではまた次回
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