散乱   作:とーしん

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だいぶ間を開けてしまった

待ってくれてる人に申し訳ない


出会い/ダッシュ

 アキちゃんの説明だと、この世界で、ELダイバーがGBNで生きる為には、まず『リアル』って場所にあるELバースセンター行く必要がある。

 が、リアルに行く準備にはすこし時間がかかるらしく、しばらくこのロビーに居る事になった。

 

 だから、ロビーをしばらく歩いてみる事にした。

 私はさっきから周りの物が気になっていたので探索である。

 

 それにさっきアキちゃんからビルドコインってやつを貰った。

 お店? で人にあげると美味しい物とかガンプラのパーツとかが貰えるらしい。

 

 ガンプラのパーツはストライクガンダムの腕とかだと教えてもらったが、美味しい物とは何かまだ知らない。

 アキちゃんから「一回何か食べてみたら?」

 って言われたしちょうどいい。

 まずはロビーで美味しい物を探してみる事にした。

 

「美味しい物〜♪ 美味しい物〜♪」

 どんなものなんだろう。

 美味しい物、美味しい物……

 

「……美味しい物ってどれ?」

 そういえば、美味しい物ってどんな形をしてるか、聞いてなかった。

 このままじゃあ美味しい物を食べる事が出来ない。

 

「ふふふ……お困りのようね?」

 

「ん〜? だれ〜?」

 

「私はマギーって言うの、貴方がモカちゃんよね? 運営から連絡があって来たの。ELバースセンター側の準備が終わるまでの少しの間、産まれたてのELダイバーである貴方を助けてあげて。ってね」

 

 急に私の前に現れたマギーって名乗った人は、私より、アキちゃんよりおっきくて、木とストライクガンダムより小さかった。

 髪が紫で、何というか、ムキムキしていた。

 なんとなく意識的に明るく、警戒させないような声で話している気がする。

 悪い感じの人ではなさそうだ。

 

 胸がおっきくて固かった。

 

「イヤん!? 急に触らないで〜! 私はセクハラされに来たんじゃなくて、貴方を助けに来たのよ!」

 

「助ける……?」

 

「そう! 何か困った事があったら言ってごらんなさい。このマギーさんが、何でも答えてあげるわよ!」

 

「ん〜……あ! じゃあ、美味しい物! 美味しい物ってどんな形!?」

 

 マギーさんは、私を助けてくれるらしいので、さっきから気になってるけどどんな形か分からなかった、美味しい物について聞いてみた。

 

「うーんそうねぇ……美味しい物、と一言で言ってもイロイロあるのよねぇ」

 

「いっぱいあるの?」

 

「そうよ、いっぱい。例えば……あ! あれとかいいんじゃないかしら?」

 

 そう言って、マギーさんが指を刺した方にあったのは……

 

 

 ────────────────────────

 

 

 白いような、茶色のような水の中に、黒い丸がいっぱい沈んでいる。

 

「これは?」

 

「これは、タピオカミルクティーって言う名前ね。最近流行ってるらしいわよ。何でもその黒くてモチモチのタピオカが美味しいとか。……まだ流行ってたかしら?」

 

「タピオカ……」

 

 目の前のタピオカをじっと見つめる。

 黒い丸、ずっと見ていてもそれ以外何も分からない。

 

「これが美味しいの〜?」

 

「そうね、そのストローを口に入れて一気に吸い込むの、よく噛んで食べるのよ。喉に詰まっちゃうと大変だからね。さぁ! そのままタピっちゃいなさい!」

 

「タピる〜!」

 

 その言葉を合図に、黒いツブツブが透明な筒から口の中に入る。

 口に来たタピオカを噛んでみる。

 もちもち、もちもち。

 ……楽しい。

 

「〜〜♪」

 

「ふふっ、気に入ってくれてよかったわ」

 

「これが美味しい?」

 

「ええ、きっとそうね。そんなに楽しそうで、嬉しそうなんだもの」

 

 嬉しい、これが嬉しいかと噛み締める。

 もちもちとタピオカを噛んでは飲んで、茶色の水も飲んで。

 また食べて食べて食べて……

 

「……ふふっ、気に入って貰えてよかったわ。飲み終わったらご馳走さまでしたって言うのよ」

 

「ご馳走さまでした〜」

 

「はやっ!?」

 

「マギーさ〜ん! 次はアレ食べたい!」

 

「……ふふっ。なんだか風みたいな子ね。いいわよ、行きましょう!」

 

 それからいろんな物を食べた。ハンバーガーだったり、アイスクリームだったり、うどん、ラーメン、クラブケーキ、パエリアにピザにお寿司だったり、どれも美味しくて、幸せで、こんなに嬉しい事はない。

 んだと思う。多分。

 

「美味しい〜」

 

「いっぱい食べるのね……こんなに食べる子は初めてみたわよ。いつかGBN大食い選手権に出てみたり──」

 

 そうやって私がクレープを食べてる時、マギーさんの前に青い四角が現れた。

 

「なになに……モカちゃん。運営から準備が出来たって連絡が来たわ。そのクレープを食べ終わったら。貴方にはリアルに行ってもらうわ」

 

「お〜ついにか〜」

 

「もう食べ終わってる……食べるの早いわね。そのクレープさっき買ったはずなのに……ふふっ、流石の私も奢り過ぎたわ、久しぶりに稼がないとね。さて、リアルに行くために、そこのポータルの中に入ってもらうわ」

 

「あの透明な丸?」

 

 透明な筒みたいな物に指をさす。

 何だかあそこは別の所に繋がっている気がする。

 ここ……GBNじゃない別の何処か。

 多分そこがリアルなんだろう。

 

「えぇそうね、さあ入って入って。リアルでは、貴方のお姉さんも待ってるわよ」

 

「お姉さん?」

 

「そうよ。サラちゃんって言ってね。とっても綺麗で可愛い子なのよ」

 

「へ〜」

 

「よし、今行くって連絡したわ。さぁ、いってらっしゃい!」

 

「は〜い、マギーさんじゃあね〜! いっぱい美味しい物ありがと〜!」

 

「なぁにいいって事よ! また会いましょ──!!!」

 

 マギーさんの返事を聞いた後、ポータルの中に入る。

 

 するとゆっくりと透明なドアが閉まる。

 

 次の瞬間、急に目の前が真っ暗になり。

 浮遊感に襲われる。

 

 私は、いつのまにか青い空間を流されるように飛んでいた。

 

 強風が正面から吹いてくるみたいに少し息苦しくて、目を瞑る。

 

 が、それも直ぐに終わった。

 

 気がつけば浮遊感も、強風も無くなっていて、地にしっかりと足がついている。

 

 ゆっくりと、少しずつ目を開く。

 

 

 目を開けるとそこにはおっきい人が2人いて、同じ大きさの綺麗な人がいた。

 なんとなく分かった。この同じ大きさの、綺麗な、白いような、青いような人は、私と同じだ。

 

「こんにちは、私、サラ」

 

 その人はサラと名乗った。マギーさんから聞いた、私のお姉さん。

 

 

 

 ────────────────────────

 

 そうしてリアルに行ってから、ELバースセンターの職員であるシバ(シバっち、と呼んでいる)とコウイチに、コウイチの妹らしいナナミちゃん。

 それに、私の姉さんのサラ姉さん。

 

 この人達に、リアルの事とか、GBNの事とか、色々な事を教えてもらった。

 

 ガンプラバトルっていうのが楽しいって事、リアルの人はみんな大きいって事、ここだとストライクガンダム達ガンプラは私と同じくらいの大きさだって事。

 あとサラ姉さんの仕事を手伝ったりした。

 

 この世界で一旦、最低限の知識ってやつを全部教わったら、またGBNに行く事が出来るらしい。

 

 そういう訳でしばらくリアルとGBNの事について勉強していたら、もう1人、姉がシバっちを訪ねて来た。

 

「……メイ、何があったこれ」

 

「落ちた」

 

「……そういえば足の予備パーツを渡すのを忘れていた、少し待ってろ」

 

 

 そのお姉さんの名前はメイ、初めて見たメイ姉さんはかっこいい人と思った。

 黒髪が綺麗で、目がキリッとしてる。

 そのせいか雰囲気がふわふわじゃなくて、カッターみたいに尖ってる。

 

「貴方もお姉さん〜?」

 

「……ん? あぁ、お前もELダイバーか、メイだ」

 

「お〜クールだ〜。モカで〜す」

 

「モカか、お前はなぜここに?」

 

「ここに住んでるんだ〜」

 

「なるほどな、後見人が居ないのか」

 

「うん!」

 

「そうか」

 

 話してみると、彼女は淡々と言葉を置いていく。

 

 けど、小さな子に優しく語りかけるような顔をしていた。

 

 もしかして、メイ姉さんは、雰囲気が怖く見えるだけかもしれない。

 

「メイ姉さんは、ガンプラバトルやってるの〜?」

 

「ああ、やっている」

 

「やっぱりたのしい?」

 

「そうだな、楽しい……のだと思う」

 

「強いの?」

 

「……さぁ、どうだろうな。私より上の実力を持つ者は星の数ほど居る。だが私もそれなりに勝利はしてきた」

 

「お〜。一回見てみたいな〜」

 

「機会があれば戦ってやろう」

 

「ほんと〜!」

 

 思わず目を大きく開く。

 ガンプラバトル、アキちゃんもコウイチもシバっちもやっていると聞く。

 ここだと私と同じくらいのガンプラが、GBNに行くと大きくなって、私達がそのガンプラに乗って戦うと聞いていた。

 

 メイ姉さんにガンプラバトルはどんな感じか聞いてみると、メイ姉さんいつもウォドム・ポットって子の中に入って、最近出来た仲間と一緒にばんばん敵を倒してるらしい。

 

 仲間……私もアキちゃんと、やってみたいな━━━

 

 という訳で、思い立ったが吉日、なんて言葉もあるらしいし、早速シバっちに自分のガンプラが欲しいと提案する事にした。

 私はまだお金は持てないのだ。

 だからまだここの近くにある模型店でガンプラを買えない。

 

「ねえシバっち〜?」

 

「何だ」

 

「私もガンプラバトルしたい! ガンプラ頂戴!」

 

「……別に自分を使えばいいだろう」

 

 自分を使う。

 というのは、リアルに居る時、ELダイバーの体はガンプラで出来ているらしく、GBNにログインする時には、ガンプラをスキャンする際に、自分の身体をスキャンして事でログインする。

 その際にスキャンされは体は、GBNで自分の機体として搭乗する事ができる。

 

 自分の体に自分が乗る。

 確かにそれでもいいが……私は

 

「メイ姉さんみたいに自分のガンプラに乗って戦ってみたい〜!」

 

 自分で作ったガンプラで、GBNを駆けてみたい。

 

「……そうか、じゃあどのガンプラがいい?」

 

「いいの〜!? やった〜! えっとね〜……」

 

 素直に要求を受け入れてくれた事に内心驚きながらも、どのガンプラがいいか考える。

 

 アキちゃんとストライクガンダムと一緒に遊びたいし、メビウスとか、スカイグラスパーとかがいいかも知れない。

 案外イージスガンダムとかフリーダムガンダムとかだって。

 

 と考えていると、一瞬、横の棚に並べられてあるガンプラの箱が光った気がした。

 

 気がしただけかもしれないし、幻覚かもしれない。

 

 

 

 それでも、気がついたらもう答えは一つだった。

 

 この子と行きたい。

 

「──フェネクスがいいかな〜! メイ姉さんのウォドムみたいにガンプラバトルしたい!」

 

「……メイみたいにか」

 

 しばらくシバっちは何か考えこんだ後、近くのコウイチと何か話し始めた。

 

「……え⁉︎今からまた新しいの作るのかよ⁈」

 

「別にいいだろ2人でやりゃ早い、アイツにも手伝わせる。それにいいアイデアが浮かんだ」

 

「はぁ……まだロードアストレイ完成してないだろ……?」

 

 少し経ってからこっちに戻ってきたシバっちは、いつもとは少し違う、ギラついた目をしていた。

 今から楽しみな事があるのを待ちきれない。たまにこのお店に来た人がしてる目。

 やる気に満ち溢れてる。

 

「作るぞ、ただし、お前が作れよ?」

 

「やった〜〜!! わ〜い!」

 

 そうやって、私がニッパーを握って、いろんなパーツを切って、コウイチとシバっちが作ったパーツを中身に詰めて作った子が私のガンプラ。Gーフェネクロスだった。

 

「どうだ?」

 

 シバっちが椅子に座りながら着心地を聞いてきた。

 いっぱいうごくし、軽い、すぐ脱げるのに取れにくい。

 NT-Dの変身も再現して、私の髪のパーツだったフルドレスユニット(って言うらしい)をお尻あたりにつけて、黄色に塗装した

 この子は……──

 

「……いいけどなんか違う」

 

「あ? ちゃんと中に入れるようにしただろ」

 

 この子──Gフェネクロスは私のGBNでの服ってコンセプトのガンプラだった。

 メイ姉さんのウォドムポットみたいにかっこよく戦いたいと言ったつもりだったが、中に入る事になろうとは……

 

「……そういえば、メイ姉さんのウォドムポットと言い、フェネクロスといい、何で中に入るの? リゼみたいにしてもいいと思うんだけど〜……」

 

 リゼは私のお兄さんで、リアルでの体が他のELダイバーと違ってガンダムらしい。

 

 ガンプラにビルドデカールと呼ばれる物を貼ったら、ELダイバーの意識がそのガンプラに宿る。

 

 フェネクロスだってそうすれば楽なのに何故わざわざ私が着れるようにしたんだろう。

 

「あ? ……かっこいいだろ」

 

「え?」

 

「そいつもウォドム・ポットみたいにいつでも脱げるようにしてる。いつもはフェネクロスで戦って、いつか脱ぐ時が来たら、周りのやつが『え!? モカがあのELダイバーだったのか!!!』『ダイバーランクも低いしログイン日数も少ないのに強いのはELダイバーだったからか……!!!』って驚くだろ……ふふっ、我ながらいいアイデアだったぜ……!」

 

「……かっこいい?」

 

あ!!? 隠されたギミックってのはカッコいいだろ!!! ユニコーンモードだってナドレだってカッコいいじゃねぇか!」

 

「……え〜? シバっちがそう思っただけじゃない?」

 

「なんだとぉ!!!??? おいコウイチィ!!!!!!」

 

 シバっちが大事でコウイチを呼んだら、部屋のドアからコウイチが少し怒りながら出てきた。

 

「何だよいきなりデカい声だして!!! 一階からも聞こえたぞ! 店のお客さんに聞こえたらどうするんだよ! そんなデカい声で呼ぶ事ないだろぅ!?」

 

「ユニコーンガンダム系のユニコーンモードへの変身とかガンダムヴァーチェの装甲にガンダムナドレが隠されてるのカッコいいよなぁ!!!」

 

「何言ってんだよ!? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かっこいいに決まってんだろ!!!」

 

「ホラ見ろ!!!!」

 

「なんでぇ〜!?」

 

 その次の日、『類は友を呼ぶ』ってことわざを知った。

 

 

 ──────────────────────

 

 

「……よし、ちゃんと着れた!」

 

 Gフェネクロスを着た後、ELバースセンターにあるダイバーギアの上に乗り、ヘッドセットを被る。

 

≪ID data confirm.≫

 

「初めてガンプラを動かすんだ、どうせなら楽しんでこい」

 

「わかったよシバっち〜!」

 

≪Please scan your GUNPULA.≫

 

 身体の周りを光の粒子が包んでいく。

 

「行く当てはあるの? 良ければだけど、いい場所何個か教えておくよ?」

 

≪Log in data confirm.≫

 

 いく場所は決まってる。

 

「アキちゃんって子に会いに行くんだ〜! だからコウイチは心配しなくていいよ〜!」

 

「アキちゃんって、モカちゃんを見つけてくれた?」

 

「うん! ナナミちゃんにはそう言えば話したね〜!」

 

「……何があったら連絡しろよ」

「行ってらっしゃい、モカちゃん」

「行ってらっしゃい! 後で私とも遊ぼ!」

 

 

 

「うん! モカ、いってきま〜す!」

≪Are you ready?≫

≪Dive start now!≫

 

 その日から、私はGBNの大地を駆け出した。




モカの過去編、2話ぐらいで終わるつもりだったんですけどね……何故だ……?
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