天翔ける凶星と黒い悪魔   作:マイン

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 設定にあったオリ主の音痴設定を無くしました。ちょっと思いついたネタがあったので…。その代わりCVを当てました。歌唱力はCVの人準拠で

ではどうぞ


兎と彗星

 ブリタニア基地へと帰還する道すがら、坂本たちは昴の自分たちとはまるで異なる飛行能力に驚きつつも、安否不明だった8年間に何をしていたのかを聞きながら徐々に打ち解けていっていた。

 

「…では君は、扶桑事変だけでなくリバウやオラーシャ、カールスラントの撤退戦にも関わっていたのか?」

「ああ。下手にウイッチと接触しないようネウロイを倒したら即撤退してな。多分あの頃は一日10体以上はネウロイを倒して回ってたと思うぜ」

「それを8年間続けていたということは…キルスコアは2万、少なくとも1万以上は確実…か。はは…、文字通りの桁違いだな。ハルトマン、お前の200体撃墜の勲章が霞んで見える数字だぞ?」

「しょーがないじゃん!1日中飛んでられるこいつがおかしいだけだって!…ていうか、ウィッチに見つからずにどうやってそんなに倒せるのさ?ネウロイが何処から現れるのかなんて分からないのにさ」

「ああ、それはな。俺にはネウロイが出現した時に大体の位置と数を察知出来る能力があるんだよ。今回のことだって、ガリアの巣が妙に騒がしくなったのを感じてバルトランドの山からすっ飛んできたんだからな」

「なんだと!?」

「マジか!なんでそんなことが分かるんだよ?」

「…多分だけど、バルファルク自身がネウロイを『敵』だと強く認識しているからだと思う。バルファルクを含めたドラゴン…古龍っていうのは、言うなりゃ生き物っていうよりは『自然の化身』みたいなもんだ。人間以上にこの星と強く繋がっているからこそ、大地を穢すネウロイという存在を許さない気持ちは人間以上に強いんだよ。その強い思いが、俺にネウロイの存在を感知させているんだと思う」

「そうなんですか…」

 何気なく明らかになった昴のとんでもない能力は、今までネウロイの出現を確実性の不安定な予知魔法や危険を伴う哨戒任務頼りだった坂本たちにとって驚くべきものであった。

 

「…もしその力が本物であれば、お前に関する交渉材料としては極めて有効なものになるだろうな。使い方次第では、世界中の戦況を一変させることも出来るかもしれんぞ…!」

「的中率に関しては自信はあるぜ。今のところ外れたことは無いし。ちなみに今は……ム、東欧の巣が少し騒がしくなっているな。近いうちにネウロイが出てくるかもしれないぞ」

「東欧…確か502が担当する地域だな。あそこには確か下原が居たな…よし、私から警告をしておこう。出来れば、当たって欲しくはないがな…」

 坂本が無線を使って502の在籍するペテルスブルグ基地へと連絡を取っていると、水平線の向こうに微かにブリタニア基地が見えてくる。

 

「あ、見えましたよ!あそこが私たちの基地です」

「へぇ…アレだったのか。ここに来る前にもチラッとは見えてはいたんだがな」

 

「…!」

 と、その時シャーリーの頭上にピカリと電球が灯った。

 

「…なあなあ、岩城。ちょっと提案なんだけど、ここから基地まで私と競争しないか?」

「へ?」

「おいリベリアン、お前何を勝手なことを…!」

「いーじゃん別に~、減るもんじゃないだろ?音速越えを目標とするアタシとしては、実際にマッハを超えるスピードって奴を見てみたいんだよ。な、な、いいだろ?」

「俺は別に構わないんだが…少佐殿?」

「シャーリー、お前という奴は…はぁ、止めたところで納得せんだろう。いいだろう、好きにしろ」

「少佐!」

「やった!んじゃやろうぜ岩城!言っとくけど、わざと負けたりしたら承知しないからな?」

「了解」

「スバル、負けたら承知しないかんねー!」

「り、リーネちゃん、ペリーヌさん…どうしましょう?」

「少佐が良いとおっしゃられたのなら、私は構いません事よ」

「止めても無駄だと思うよ、芳佳ちゃん…」

「だよね…」

 半ば諦めモードな芳佳たちと囃し立てるエーリカが巻き込まれないよう距離を取り、シャーリーと昴が横並びになる。

 

「よっしゃあワクワクしてきた!リーネ、スタートの合図に空砲頼む!」

「は、はい!」

「やれやれ…まあ、折角の機会だ。アピールチャンスとさせて貰うか」

 スタート準備を整えた二人が身構える中、リーネが対装甲ライフルに信号用の空砲弾をセットし、空へと向ける。

 

「用意…」

 

 

 

 

ドォンッ!!

 

ズドォォォンッッ!!

 リーネの砲口が火を噴くと同時に、その音を掻き消さんばかりの轟音を立てて2人が飛び出した。まさしくロケットスタートという言葉が相応しいほどのスピードであった。

 

「きゃああッ!?」

「うおッ!…あ、あの二人…もう少し加減しろ馬鹿ども!」

 その勢いで盛大に海水を被った後方の面々を置き去りにして。

 

 

ブロロロロロロッ…!!

 シャーリーのストライカー、ノースリベリオン社製P-51Dの魔導エンジンが唸りを上げる。501メンバーの中でも抜きんでた性能を誇り、更にシャーリー自身の手による魔改造、そして固有魔法である『超加速』によるバフもかかった状態でのこのストライカーのスピードは、本来の最高速度を超えた時速800km超にまで至る。未だに時速1000km…亜音速の壁こそ超えられてはいないが、シャーリー自身も自分とこの機体こそが最速であるという自負があった。

 

 しかし。

 

キィィィィィッ…!!

(速っえええ…ッ!?なんだよあのスピードは…このあたしが、あたしとこのストライカーの全力でも追いつくことが出来ないだとぉ…!?)

 シャーリーの響くような轟音に対し、空気を切り裂くような甲高い音を立てて飛ぶ昴は、そのシャーリーすら突き放しかねないスピードで飛行していた。三又の翼を束ね、龍気の噴出を一点に集中させることで飛行にのみ集中した昴のスピードは、既に時速1000kmを超えて亜音速に差し掛かかろうとしていた。

 

(クッソ…!あの時はまだ全力じゃなかったってのかよ…!?でもまだだッ…まだ、あたしはやれるッ!)

(…そろそろ潮時だな)

 強がってはいるものの、シャーリーのストライカーとシャーリー自身の限界が目前であることを感じた昴は、大事になる前にケリをつけるべくスピードを緩めてシャーリーと並走する。

 

「…な、なんだよ…余裕のつもりかよ?さっきも、言っただろ…ワザと負けたら、承知しないって…!」

「そんなつもりはない。…が、これ以上無理をさせて貴女を潰す気も毛頭ないので、先に宣告しておこうと思ってな」

「は…何、を?」

「よく見ておくといい。これが…『超音速』というものだッ!!」

 

 そう言って昴は高度を上げると、溜め込んでいた龍気を一気に翼から放出する。

 

ドゥンッ!!

 爆発的な加速と同時に一瞬の無音、そして遅れて響いた爆音と共に生じたソニックブームをまき散らしながら、昴は音速の世界へと突入した。

 

「うおおおッ!?」

 離れていたとはいえその余波を受けてよろめいたシャーリーの眼前で、真紅の彗星が音すら置き去りにして空を駆け抜けていく。

 

「…凄ッげぇ…!あれが、超音速の速さか…クソ、見てろよ…!いつか、あたしも必ず…」

 もはや敗北は確定したが、間近で目標となる速度を目の当たりにしたシャーリーの目には、自分も必ずあの世界に追いついて見せるという希望の光が宿っていた。

 

 

 

 

 

 

「……?」

 その頃、ブリタニア基地では夜間哨戒の為に仮眠をとっていたサーニャ・V・リトヴャグが不思議な気配を感知して目を覚ましていた。

 

「んあ…どしたんだサーニャ?まだ起きる時間には早いゾ…」

 一緒に寝ていたバディであるエイラ・イルマタル・ユーティライネンがそれに気づいて起き上がると、サーニャは魔法力まで発動させて何かを探っているようであった。

 

「サーニャ?」

「…何かが、近づいてくる…。ものすごい速さで、まっすぐ…こっちに来る…!」

 サーニャは急いで服を着ると、そのままの勢いで部屋を飛び出していった。

 

「サーニャ!?どうしたんだ!」

 えらく緊迫した様子のサーニャにエイラが思わず寝巻のまま追い縋ろうとすると、ちょうどそこに寝ぼけ眼のルッキーニと彼女を連れ戻したらしいミーナがやってきた。

 

「んにゃ…エイラ?」

「あら、エイラさんどうしたのそんな恰好で?ここには男性職員もいるのですから、もう少し慎みというものを持って…」

「…あ、ミーナカ!大変なんだ、サーニャが急に飛び起きて、何かが来るからって走っていったンだ!」

「サーニャさんが?…もしかしたら、宮藤さんたちが戻ってきたのかもしれないわね。美緒たちが向かってからもういい時間が経つ頃ですし」

「ああ、なんだそういう事か。おーいサーニャー!それ多分宮藤たちだろうから、そんな焦らなくても大丈夫だゾー!」

「…違うの!芳佳ちゃんたちじゃないの!もっと強い、もっと早い…ネウロイとも違う何かが近づいてきてるの!」

「…エ!?」

「何ですって!?」

 予想外の返答にミーナたちは顔を見合わせ、慌ててサーニャの後を追う。基地を飛び出し、すぐ前にある波止場に出ると、水平線の彼方にそれを見つけた。

 

「なにあれ…?赤い、光?」

「サーニャさん、あれはいったい…?」

「分からない…でも、こっちを目指してきてる…!凄いスピード…もう、来る…ッ!」

 遥か遠方にあったはずの光が高度を上げたかと思うと、あっという間に基地に接近し、そのままサーニャたちの頭上を暴風を振りまきながら通り過ぎて行った。

 

「きゃああ!」

「うじゅぁぁぁ!?」

「な、ナンだナンだァ!?」

 頭上を通り過ぎた光は向きを変えて上昇しながらUターンすると、やがてゆっくりと下降し始めサーニャたちのいる波止場へと降り立ったのだった。

 

「ゴール…っと。あ、お邪魔します」

『……』

降り立った光…昴はサーニャたちに顔を向け、にこやかに挨拶する。理解が及ばない彼女たちは当然ポカンとしていたが、やがて正気に戻るとエイラはサーニャとルッキーニを守るように前に出て、ミーナは更にそれを守るように立ちはだかると腰のホルスターから銃を抜いて昴へと向けた。

 

「…っ、何者!?ここは軍の私有地よ、何の目的で侵入したの!」

「おおっと、落ち着いてください。別に怪しい者…だよな、今の俺。とりあえず、驚かせてしまって申し訳ない、ちょっと興が乗ってしまって先行し過ぎてしまいまして…」

「…どういう意味かしら?返答次第では脅しでは済まなくなるわよ」

「はい、実は…」

「…!待って、ミーナ隊長。シャーリーさんが帰ってきたわ!」

「え?」

 サーニャの声にミーナが海の方を向くと、もはや精魂尽き果てた様子のシャーリーがヘロヘロと飛んできており、やがて滑り込むように波止場へと着陸してそのまま倒れこんでしまった。

 

「ゼェ、ゼェ……ま、まさか…このアタシが一分以上差をつけられるだなんて…」

「シャーリー!?」

「シャーロット大尉、どうしたの!?」

 疲弊しきったシャーリーにルッキーニとミーナが声をかけるが、シャーリーは緩慢な動きで首を向けると、そこでようやくミーナたちの存在に気づいたらしく目を丸くする。

 

「あれ…皆、出迎えしてくれてたんだ…。ていうか、ミーナ…なんで、岩城に、物騒なもん…向けてんの…?」

「え?」

「あ~、それがさぁ。どうやら伝達がまだだったみたいで俺のこと知らなかったみたいなんだわ」

「ああ…そういや、基地を出るときも…警報聞いて飛び出してきたから、宮藤からの連絡は届いてなかったんだっけ…。でも帰投前に、少佐が報告してた筈なんだけどなぁ…?」

「…うじゅ?」

「ナニがどーなってンだ…?」

 

 

 

 

 

…その後、遅れて帰投した坂本たちも含め、改めて基地の全員に昴のことを紹介するために集まった講堂にて、坂本とエーリカからの報告を受けたミーナは頭を抱えつつも今回の一件の全容を把握することとなった。

 

「…そういうことだったのね」

「いや本当、お騒がせしてすみません」

「ハッハッハッ、いやこちらこそ済まなかったな岩城。どうやら私の報告が一言足らなかったようだ」

「…全くよ…!美緒ったらこんな大事なことくらい、いつもみたいなザックリ報告はしないでちょうだい!」

「うん?だが肝心なことは伝えただろう?『客を一人連れて行く』と」

「誰を!連れてくるかくらい!きちんと報告してちょうだい!全く、こっちにも受け入れる準備があるのよ…。おまけに同性ならともかく男性を女所帯に連れてくるなんて…」

「…ふふっ」

「何がおかしいのかしら岩城さん?」

「ああ、失礼。お二人の会話がなんというか…無断で同僚を連れて帰ってきた旦那を咎める奥さん、みたいな雰囲気だったので、つい」

「ふぇ!?」

「んなッ!」

 ミーナとペリーヌが顔を真っ赤にして引き攣るような声を上げ、坂本はというと同じように噴き出すと呵々大笑と笑い出した。

 

「ハッハッハッハ!面白い例えをするな、岩城!そういえば私の父も同じようなことをして母に愚痴られていたのを見たことがあったな」

「か…揶揄わないでちょうだいッ!こ、この話はこれで終わりですッ!」

「…岩城さん?先の発言の意図をお聞かせ願いたいのですがどうなのでして?」

「く、クロステルマン中尉?めっちゃビリビリするのですが…あの、俺電撃属性には耐性ないんで…」

 

 

「…すげーな、岩城の奴。ミーナのご機嫌とって少佐のこと有耶無耶にしちゃったよ」

「多分スバルは冗談のつもりだったんだろうけど、ミーナが思いのほかまともに受け取っちゃったから結果オーライなだけだろうけどね」

「…もう一人まともに受け取っちゃった人が暴走しかかってますけどね」

「ペリーヌさん、魔法力まで使って…」

「不用意に少佐の人間関係に首を突っ込むからだ…。少々憐れだが、私も巻き込まれたくはないしな」

「扶桑で言うところの馬に蹴られて死ぬ趣味はないしナ」

「エイラったら、もう…」

 501でも不用意に触れてはならない暗黙の領域に思いがけず触れてしまった昴の有様を宮藤たちが遠巻きに見守る中、ミーナが大きく咳払いをして話を再開する。

 

「ゴホン!…とりあえず改めて確認しておきたいのだけれど、貴方は私に軍との仲介役になって欲しい…ということでいいのかしら?」

「はい。俺自身が単身乗り込んだところで、後ろ盾がない現状何を言ったところで向こうのいいように解釈されてしまうでしょうし、下手に手を出せばそれこそお尋ね者扱いになってしまいますからね。ですので、現状最も戦力を欲しているであろう欧州に俺自身を戦力として売り込むに当たって、信頼できる人に交渉をお願いしたかったんです」

「…美緒から聞いたのだけれど、貴方私のことを頼るように言われたそうね。一体だれがそんなことを?」

「あ~…それはですね。ミーナ中佐たちならご存じかもしれませんが…ハンナ・ウルリーケ・ルーデル大尉から紹介してもらったんです」

「…えッ!?」

 昴の口からでた意外過ぎる名前に、カールスラント組は元より坂本も驚きに目を丸くする。

 

「ルーデル大尉って…あの『空の魔王』か!?あの人がミーナのことを…!」

「…あの、坂本さん。そのルーデル大尉って、誰なんですか?」

「知らんのか宮藤?ルーデル大尉…今は私と同じ少佐だが、彼女はハルトマンと同じ『カールスラント四強』の一角に数えられ、過去に15回以上に渡って撃墜されても尚それを遥かに超える戦果を齎した爆撃のスペシャリストだ。今でこそ上がりを迎えて最前線に赴くことは殆どなくなったそうだが、今なおカールスラント最強のウィッチは誰かと聞かれればルーデル少佐の名を上げる者も少なくはないそうだぞ」

「ふぇぇ…」

 軍人のことなどほとんど知らない宮藤であったが、坂本の説明とバルクホルンの反応から凄い人物であるということだけは理解できた。

 

「その…どうしてルーデル少佐と知り合いに?」

「えっと…あれは確か、カールスラント撤退戦のちょっと前くらいの時だったんですがね。その日はネウロイがいつもより多くて、夜中まで飛び回ってクタクタだったんですよ。それでちょっと集中力切らしていつもより低空をフラフラ~っと飛んでたら…いつの間にか真上に居たルーデル大尉…じゃない、少佐に撃ち落とされまして」

「はぁ!?」

「撃ち落とされたって…」

「新型のネウロイと思ったらしくて…。俺もいきなりのことだったんで驚いてそのまま墜落してしまいまして…幸い季節が冬だったので下に積もっていた雪のおかげで無事だったんですが、その後追っかけてきたルーデル少佐としばらく鬼ごっこするハメになりまして。結局、その時ルーデル少佐が怪我をしていたので向こうが先に潰れまして、どうにか話し合いをすることが出来たんですよ」

「…そういえば、ルーデル少佐は怪我をしても病院を抜け出して出撃することで有名だったわね。そんなときの少佐と鉢合わせするだなんて、運が悪かったのね」

「まあ、あの人も入院のストレスで気が立っていたようだったんで。…それで、誤解を解いてから手持ちの薬で手当てをしたんですが、そのお礼にと俺のことを黙っていてくれることを約束してくれて、その内昇進して偉くなるだろうからとミーナ中佐のことを俺に教えてくれたんですよ。いざとなったら、自分の名前を使ってもいいとも言ってくれました」

「…その、スバル…災難だったね」

「だ、大丈夫だったんですか?撃ち落とされたってことは、撃たれたんですよね?」

「ん?ああ、それはなんともないさ。バルファルクの甲殻は戦車の装甲より軽くて頑丈だからね。君の対装甲ライフルを至近距離から撃たれでもしない限りどうってことはないよ。シールドは苦手だけど、物理防御力には自信があるんだ」

「…そんなの墜とすとかどんだけだヨ、ルーデル少佐って…」

 ネウロイのビームすらシールド無しで耐えきれるという昴の頑丈さに感心する一方、そんな昴を不意打ちとはいえ撃墜したルーデルの凄まじさに恐れ慄く一同であった。

 

「…っと、話が逸れてしまいましたね。それで、ミーナ中佐。不躾なお願いだとは重々承知していますが、どうかご助力願えないでしょうか?」

「ミーナ、私としては是非とも彼に協力すべきだと思う。彼の実力はこれまでの凶星の目撃情報と宮藤たちの見た戦闘能力から明らかだ。ガリア解放という眼前の大事を前に、彼が手を貸してくれるというのであれば、横やりが入る前に先んじて手をまわしておくべきだ。…それにあまり言いたくはないが、下手に返事を保留にしておくと『東の狼』辺りが嗅ぎ付けて引き抜かれるやもしれんしな」

冗談混じりに言う坂本であったが、実際それで実害を被っているミーナからすれば冗談では済まないので、悩ましいところであった。

 

「…そう、ね。私としても歓迎したいところなのだけれど、今や凶星は各国軍部に於いてネウロイに次ぐ要警戒対象に指定されている存在よ。事は501の内輪で収まるものではないわ。政治的な駆け引きが含まれる以上、慎重を期す必要があるの。…申し訳ないけれど、今夜一晩考えさせてもらえないかしら?その代わり、今日のところはここに滞在しても構わないわ」

「それは構わないしありがたいんですが…俺、そんなヤバイ奴認定されてたんですか…」

「そりゃそうだロ。ネウロイが居るところにばかり現れるだなんて、怪しいとしか思えないゾ」

「ハンナの奴なんか、『凶星がネウロイを連れてきている』とか言ってたぐらいだもんね」

「マジかー…若干ヘコむわ」

「あ、あの…元気出してください!」

「…そ、そうだ!岩城さんしばらく扶桑料理食べれてませんよね?今日は美味しい扶桑料理をご馳走しますから!」

「おお…そりゃ嬉しいな。自分で作ろうにも根草無しの日々じゃ碌な材料が手に入らなかったからな。今日は久しぶりにまともな扶桑料理が食べられそうだ」

「ほう、岩城は料理が出来るのか。扶桑男児たるもの台所には…と言いたいが、お前は国外生活が長かったから意味がないな」

「スバルの料理はおいしいんだよ!宮藤の作る料理とはちょっと違ってて、昔も変わった芋料理を…」

「……」

 

 和気藹々とした雰囲気でウィッチたちと談笑する昴の背中を、ミーナは複雑な思いを込めた目で見つめていた。

 




 いらん子中隊のノベルまだ読んでないから二次創作に出てくるイメージでしかルーデルのこと知らないんですが、ウィッチーズ世界でも現実と同じで牛乳飲んで出撃する人でいいのかな?…ガーデルマン役、オリキャラでいいなら要りますか?

ではまた次回
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