天翔ける凶星と黒い悪魔   作:マイン

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モンハンライズでバルファルクとかオストガロア復刻しないかな…


…ムリダナ(・×・)アイツら揃って引き篭もりだもんなぁ…

ではどうぞ


奈落からの斥候

 一人先行して基地を飛び出した昴は、自身の感覚に導かれるままマッハで大陸方面へと飛ばしていた。徐々にネウロイの気配が強まるにつれ、その速度や大きさも正確に感じ取れるようになっていく。

 

「…スピードは大体時速150km程度、となると飛行機タイプのネウロイじゃねえな。だが、この大きさは…まさか…」

 昴がネウロイの正体を推測する間もなく、バルファルクの魔法力が齎すズバ抜けた視力がようやっと陸地を離れ悠々と空を突き進むネウロイの姿を捉えた。

 

「…ッ!やはり…」

 その居様を目視した昴は後方から追いかけてきているであろう501の皆に連絡を取る。今回のネウロイが、一筋縄ではいかない相手だということを伝えるために。

 

 

 

 しかし、敵の姿を捉えたのは昴の方だけでなかった。

 

 

 

『…聞こえるか、皆!』

「スバル!」

「岩城、どうした?」

『ああ、ネウロイの姿を確認した!敵は……んなッ!?アレは…』

「どうした、岩城!?」

『うおおおおッ!!?』

 

 

ガガガガッ!!ギィィィッ……ブッ

「きゃあッ!?」

 耳を劈くような激しい音を最後に、昴からの通信は途絶えた。

 

「ちょ…スバル?スバル!?」

「岩城さん!?応答して!」

「な、なんかものすごい音がしたけど…大丈夫だよね?」

「アイツがそう簡単にやられるとは思わんが…とにかく急ぐぞ!」

「はいッ!」

 昴の安否を案じ、皆は全速力でストライカーを飛ばす。そうしてしばらく飛んでいると、やがてサーニャの索敵に反応が現れる。

 

「…!ネウロイの反応が出ました!…近くに岩城さんの反応もあります!距離は…」

「……サーニャ、もう見えてるゾ」

「え?」

 索敵に集中していたために周囲を疎かにしていたサーニャがどこか引き攣ったようなエイラの声に顔を上げると、皆が一様に遠方に浮かぶ黒い物体…サーニャの感知したネウロイを見つめていた。

 

「あれが…ネウロイ、なんですか…!?」

「あれは…」

 

 近づくにつれネウロイの姿がハッキリとしてくる。ずんぐりむっくりとした楕円形のその巨体は優に400mを超え、これまで確認されたネウロイの中でも最大級の大きさであった。下側には本来であれば人が乗るであろうゴンドラらしき部分があり、後方には尾翼と思われる羽がついており、巨体も相まってまるで鯨が空を飛んでいるような印象を感じる。

 そのネウロイの風貌を皆は…特にカールスラント出身の3人はよく知っていた。

 

「…飛行船型のネウロイ、だと…!?」

 かつて祖国が先進していた乗り物を模したネウロイに、バルクホルンが思わずといった声を上げる。

 

「飛行船って…確か、気球みたいに膨らませて空を飛ぶ乗り物ですよね?」

「あ、ああ…少し違うがそのようなものだ。かつてカールスラントではかのグラーフ・ヅェッペリンを始め多くの飛行船が作られてたのだが…」

「ネウロイの活動が頻発するようになって、足が遅くサイズも大きな飛行船は格好の的になるようになってしまって、今では殆ど見られなくなってしまった筈よ。…おそらくあのネウロイは、カールスラント国内で保存されていた飛行船を模倣したのでしょうね」

「…でもあんなでっかい飛行船なんてあったっけ?一番デカいのでも200mくらいだった筈だけど…」

 宮藤の問いにバルクホルンらが答えていると、先頭を飛んでいたシャーリーがネウロイの周囲で紅い軌跡を描きながら撹乱するように飛ぶ昴を見つける。

 

「おっ!スバル見つけたぞ。やっぱり無事だったみたいだ」

「あっはは、手振ってるよ!全然余裕じゃんか」

 飛び回りながら大きく腕を振る昴にルッキーニが笑っていたが、ふとその様子がどこかおかしいことに気づく。

 

「…あれ?なんか言ってない?」

「本当だ。無線が繋がれば聞こえるんだけど…」

「んん?…は…な…れ…ろ…離れろ?」

「離れろって…この距離ならネウロイのビームもまだ届かない筈では…」

 エーリカが昴の口の動きから読み取った言葉に怪訝そうな顔をした…その時。

 

 

 

ボシュボシュボシュボシュッ!!

 ネウロイの下部にあるゴンドラ部分から音を立てて何かが飛び出してきた。

 

「な、なんだ!?」

「あれは…ロケット弾です!」

 ネウロイの放った数十発ものロケット弾は、一旦上空に舞い上がるとウィッチたち目掛けて一直線に降り注がれる。

 

「チッ…行かせるかぁッ!!」

 昴が即座に龍気砲を乱射して次々と爆破させるが、それでも半数近くを撃ち漏らしてしまう。

 

「…ッ、撃ち落とせぇ!」

「だああああッ!!」

 しかし、そこは歴戦の501のウィッチたち。グランマたちの食事によるバフの効果も相まって、一瞬動揺したものの即座に立ち直るとロケット弾群へと銃撃の嵐を浴びせ、瞬く間に残りの弾を全て撃ち落としてしまった。

 

ドガァァンッ!

「…皆、無事か!?」

「は、はい!」

「…なぁ、飛行船ってあんな物騒なモン積んでるもんなのかヨ?」

「い、いや…それどころか飛行船には基本武装の類は無い筈だ。ネウロイの光線ならともかく、飛行船をコピーしておいてロケット弾を撃ってくるなど…」

 自分たちの知る飛行船ではあり得ない攻撃方法に戸惑いを隠せずにいるところに、ネウロイから一旦距離を取った昴が合流する。

 

「…よ、待ってたぜ」

「スバル!お前大丈夫だったのかよ?いきなり通信切れたからちょっと焦ったぞ」

「いや、済まん。連絡取ろうとした矢先にさっきのミサイル…じゃねえ、ロケット弾をぶっ放されてな。なんとか躱したのはいいんだがテンパって無線を落としちまってな…」

「…まったく、人騒がせな奴」

「悪かったって。…それよりも、さっき奴が撃ったロケット弾なんだが、多分アレは『V1』って奴だな」

「V1?」

「あ~…なんか前にウルスラから聞いたことがあるよ。ジェットエンジンを使った飛行爆弾だとかなんとか…欠点だらけだったからカールスラントが陥落してからはストライカーの方に全振りしたせいで立ち消えになったらしいけど」

「…そこまでは知らんかったけど、元々のV1は射程も弾速もストライカーで十分対処可能だ。ネウロイ化したことで狙いが雑(クソエイム)なのがマシにはなっているだろうが、それでも落ち着いて対処すればなんとかなるだろうよ」

「…何故お前がカールスラントの兵器にそこまで詳しいんだ?…しかし、何故飛行船を模したネウロイがそんなものを積んでいるのだ?」

「…さーね」

 口ではそう言いつつも、昴にはあのネウロイの元になったであろう兵器の心当たりがあった。…岩城昴として生まれる前の、かつて生きていた未来の世界で。

 

(…前の世界で読んだマンガにあんなのあったような気がするんだよなぁ…。ネウロイの野郎、一体どこから電波拾ってきやがったんだか…)

 

 

『-----ッ!!』

 そんなことを考えていると、先の攻撃で仕留められなかったことにしびれを切らしたのかネウロイが進行方向をこちらと向け、全身をネオンサインのように赤く明滅させながら迫ってくる。

 

「ネウロイがこっちに来ます!」

「我々を敵とみなしたか…好都合だな。よし、私がコアの位置を特定するまで散開して敵の注意を逸らせ!だが下手にやり過ぎると先のロケット弾の集中砲火を喰らう恐れもある。孤立しないよう、チームを組んで常に仲間の位置を把握して動け!」

『了解!』

 坂本の指示を受け、それぞれ宮藤とリーネ、エーリカとバルクホルン、サーニャとエイラ、シャーリーとルッキーニというバディを組んでネウロイの周囲を飛び回り始める。ミーナとペリーヌ、そして無線を失くした昴はコアを視認するまで坂本の護衛についている。

 

ボボボシュッ!

 接近してきたウィッチたちにネウロイが再びV1を放って攻撃してくる。

 

「へっ、そう何度も同じ手が効くかヨッ!サーニャ!」

「うん、エイラお願い!」

 エイラの固有魔法…『未来予知』。ほんの数秒先の未来を読み取ることが出来るというただでさえ強力な能力は、ネコ飯のバフによりもっと先の未来をより鮮明な形で予知することが出来るようになった。

 そしてサーニャの広域電波探査の固有魔法もバフの恩恵により、周囲の人や生き物の脳波を感じ取ることで思考や動きを感知し、逆にテレパシーのようにこちらの意思を直接脳に伝えることが出来るようになった。

 この2人の魔法が合わさることで、サーニャはエイラが視た未来を周囲の仲間にほぼタイムラグ無しで伝達できるようになったのである。

 

「…芳香ちゃん、リーネさん!」

「うん!」

「任せて!」

 サーニャから声がかかるのとほぼ同時に、宮藤とリーネが自身に向かって飛んでくるロケット弾を撃ち落としにかかる。他のチームもエイラが視た予知をサーニャから受け取っている為、各々が向かってくるロケット弾の迎撃に移れていた。

 ロケット弾による攻撃が通じないとみるや、ネウロイは今度は全身から光線を撒き散らすように放って攻撃してくるが、それもまたエイラの予知からは逃れられず無数の光線は全て躱されるか最小限のシールドによって防がれることとなった。

 

「…エイラさんの予知は流石ですわね。これまで被弾したことがないというのも、これなら納得するしかありませんわね」

「その予知の力を借りられるのも、サーニャさんのおかげね。…美緒、ここからコアの場所は確認できる?」

「ああ、任せろ…!」

 光線の嵐の射程から少し離れたところで、坂本は眼帯を外してその下に隠されていた魔眼を見開く。世界でも数少ない魔眼持ちのウィッチの中でも最優と称される坂本の魔眼は、巨大なネウロイの内部に隠されているコアの位置を瞬く間に見透かしてしまう。

 

「…あったぞ!コアの場所はネウロイの下部…ロケット弾の出てくるゴンドラ部分の中心だ!」

「…皆、聞こえたわね?ネウロイの下部に攻撃を集中させて、一気にコアを破壊するわよ!」

『了解だ!アタシとルッキーニに任せて…』

「……!?ま、待て!何か妙だ!」

「少佐?」

 攻勢に転じようとした時、再度ネウロイを魔眼で観察していた坂本が驚いたような声を上げる。

 

『どうしたんだ少佐!?』

「…バカな、こんなことがあるのか…?」

「美緒、一体何があったの?」

「…コアだ」

『え?』

「ゴンドラ部分だけじゃない…!奴の後方、尾翼部分にもコアの反応がある!コイツには、コアが『2つ』あるぞ!」

「なんですって!?」

 見開かれた坂本の魔眼には、最初に確認した下部分のコアだけでなく、尾翼部分にもコアの反応がハッキリと映し出されていた。

 

『そんな馬鹿な…コアが2つあるネウロイなど前代未聞だぞ!?』

『…もしかして、2体のネウロイがくっついてたりするんじゃないの?』

『そんな風には見えないけど…』

「…相手はネウロイよ。可能性は捨てきれないわね」

「考えてたってしょうがねえ…中佐、後ろ(ケツ)のコアは俺が潰す!皆はゴンドラ部分のコアを狙うよう伝えてくれ!」

「…わかったわ。くれぐれも気を付けてね」

「アラホラサッサー!」

 昴は飛び上がると一気に加速してネウロイの正面に躍り出、ロケット弾と光線の雨を潜り抜けながら尾翼部分に回り込んだ。その隙にネウロイの真下でも宮藤たちがシールドで攻撃を防いでいる間にシャーリーとルッキーニがコア破壊の為の準備を整える。

 

「リベリアン、ルッキーニ!用意は良いか?」

「ああ、何時でもオッケーだ!」

「もっちろーん!」

「よし…リーネ、合図を出せ!」

「はい!」

 バルクホルンの指示を受けたリーネが合図代わりの一発を撃とうと構える。その砲声を合図に、昴の『サイクロン・スクラッチ』とシャーリーの『加速』で勢いのついたルッキーニの『光熱化多重シールド』の吶喊により同時にコアを破壊する。十字攻撃(クロスファイア)により分散したネウロイの反撃は残りのメンバーがコア周囲の装甲を破壊しつつシールドで防ぐ…501が大型ネウロイを撃破する時に使うフォーメーションの一つで、魔法力が強化されているが故に出来る力技であった。

 

「よし、これでトドメ…!」

 リーネが銃を構えるのを見た昴が翼脚の先端を突き出してネウロイの全身を貫く準備をする。そして…

 

 

ドォンッ!!

「行っけぇぇぇぇぇぇ!!」

「うきゃーー!」

「サイクロン・スクラッチ!!」

 リーネの銃声と共に、亜音速に加速したシャーリーと昴がネウロイ目掛けて突撃した

 

 

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

グバッ!

 ネウロイの尾翼が強引に引き裂かれたように上下に分かれ

 

 

カッ!

「!?」

 昴がそのことに目を剝くと同時に閃光と共に視界が真っ赤に染まり

 

 

 

 

ズバァァァァァァッ!!

 刹那、遅れて放たれた直径5メートルはあろう超極太の赤黒い光線が昴を飲み込んだ。

 

 

 

「……え?」

 突然の光景に宮藤たちは元より攻撃を仕掛けていたシャーリーたちですら動きを止め唖然としてしまう。そんなウィッチたちの眼前で光線は徐々に終息していき…

 

 

…チャポォォン…!

 光線が消えたのとほぼ同時に、何かが海に墜ちた音が響き渡った。

 

「…あ、え…な、なにが…」

「…す、スバルぅぅぅぅッ!!?」

「なんだ…今の攻撃は!?あんな桁違いな、バカげた規模の光線など…」

「…な、なんで…私の予知には、あんなの見えなかったのに…!?」

「エイラ、どうしたの!?」

 全く想像もしていなかった事態に皆が混乱する中、エーリカは今しがた海に墜ちたであろう昴を救出すべく降下しようとする。

 

「…ま、待てハルトマン!一人で行くな!」

「離してよトゥルーデッ!スバルが、スバルがぁッ…!」

「落ち着け!取り乱すなどお前らしくも…」

「…ッ!?ば、バルクホルンさん!あれ…!」

「ん…!?」

 半狂乱状態のエーリカを宥めようとするバルクホルンが宮藤の声に振り替えると、眼前のネウロイに異変が起きていた。

 

バキッ…ピキキッ…!

 パックリと開いていた尾翼が音を立てて半ば強引に変形していき、牙のような鋭利な突起が生え、まるで『龍の頭部』のような形状へと変化する。

 更にその頭部に繋がる形で『首』のような部分が伸び、最終的には飛行船の後ろから竜の頭が生えた…そんな異様な姿へと変貌を遂げる。

 

「…大蛇(オロチ)?」

 その姿を見た坂本が、扶桑に古くから伝わる大怪異の名を呟く。しかし、もし昴がここに居ればこのネウロイを見てこう言っていたであろう。

 

 

「オストガロアの…触腕…!」

 

 

『■■■■■ーーーーーッ!!』

 愕然とするウィッチたちに、第2ラウンドの始まりを告げるように竜の首から引き攣るような咆哮が放たれたのであった。




・超弩級装甲飛行船型ネウロイ…既存の飛行船を遥かに凌駕した大きさと頑丈な装甲を有したネウロイ。モデルになったのは漫画『HELLSING』にてミレニアム軍が有するデウス・エクス・マキナ号。ゴンドラ部分に計48門の疑似V1ミサイル発射孔を備え、船体全体から光線を放ち高い制圧力を誇る。とはいえ飛行船ベースなのでスピードはストライカーや戦闘機に比べれば緩慢で、最悪逃げようと思えば逃げるのは容易い。


…なんて解説してみましたが、もはやほぼ当てにはなりません。既にこのネウロイは…
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