天翔ける凶星と黒い悪魔   作:マイン

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 ネタが浮かぶときは筆が進みまくるんだよな~。そうじゃない時とは雲泥の差…根っからの日本人気質なので熱しやすく冷めやすいのも理由だろうけど

ではどうぞ


ファースト・コンタクト

 宮藤たちが交戦を終えてから1時間後…ブリタニア基地を発した坂本、バルクホルン、リーネ、シャーリー、ペリーヌの救援部隊が追いついてきた。

 

「宮藤が指定した海域はこの辺りの筈だが…」

「芳佳ちゃん…無事だといいんだけれど」

「心配要りませんわリーネさん。つい先ほどネウロイとの交戦が終わったと通信があったじゃありませんの。きっとハルトマン中尉共々ピンピンしてますわ」

「二人の安否もだが…宮藤が気になることを言っていたな」

「ああ、『凶星が助けてくれて、その凶星がハルトマンの知り合いだった』…ってやつだろ?しかも『男』の…」

「報告だけではさっぱり分からんが…とにかく、合流すればわかるだろう。もし宮藤の言ったことが確かなら、凶星の正体がとうとう分かるかもしれんからな!」

「…あ!皆さん、あそこ!」

 リーネが指さした先には小さな小島があり、その岸辺には巻き込まれたという漁船が停泊しており、その近くで宮藤がライトを点滅させて合図を出していた。

 

「宮藤…!良かった、怪我は無さそうだな!」

「よし、着陸するぞ!」

 坂本の指示を受け、皆は宮藤の立っている場所へとゆっくりと降下していった。

 

 

 

 

 

 

「芳佳ちゃん!」

「リーネちゃん、来てくれたんだね!」

 着陸後、真っ先にストライカーを脱いだリーネは宮藤と手を取り合って無事を喜び合った。

 

「こらリーネさん!少佐の命令も無しに動くだなんて…」

「まあそう固いことを言うなペリーヌ。…宮藤、無事なようで安心したぞ」

「坂本さん!はい、私もハルトマンさんも無事です!ストライカーや武器も特に損傷はありません」

「それはなによりだ。…ところで、ハルトマンはどうした?」

「あー…ハルトマンさんは、その…凶星、岩城さんと一緒に居ます…」

「イワキ?それが凶星の名前か?名前の感じからして…扶桑人か?」

「は、はい…。とりあえず案内するので、着いてきてください…」

「あ、ああ…」

 

 宮藤の先導で歩く最中、坂本たちは宮藤から今回の一件に関する経緯を聞くことになった。

 

「…それでは、ネウロイは本当にあの漁船を狙って現れたというのか?」

「はい。正確には漁船そのものじゃなくて、漁船に積んであった『ラジオ』に反応したみたいです。なんでもそのラジオはかなり粗悪品で、動いていると変な電波を飛ばしてしまうみたいで、それがネウロイを呼び寄せることになったんじゃないか…って、岩城さんが言ってました。以前にも、似たようなことがあったらしいです」

「へぇー…で、その漁船の連中はどうしたんだ?」

「それが、その…ネウロイを倒したあと救助しに行ったんですけど、興奮していたせいか、かなり乱暴な態度で全然話を聞いてくれなかったんですけど。ハルトマンさんと岩城さんが船室に連れ込んで何か話をしたら、急に大人しくなってくれたんですよね…。今は、船の船倉で待機してもらってます」

「…ああ、なんとなく想像はつきますわ」

「ふん、情けの無い男どもだ。…ところで宮藤、ハルトマンはまだなのか?」

「ええと、確かこの辺りに…あ、居ました!」

 宮藤が示した先の岩陰では、頭に大きなコブを作ったエーリカと昴がなにやら言い争いを繰り広げていた。

 

 

「痛った~…うう、まだ痛むよ。…大体、どうなってんだよお前のお腹!?ぶつかったこっちの方が痛いっておかしいでしょ!」

「全力でヘッドバッドかましてくるお前がバカなだけだろうが!8年越しの再会で挨拶代わりに頭突きかましてくる女なんざお前くらいだぞ!」

「う、うるさいなッ!大体、それを言うならスバルの方こそでしょ!生きてたんなら連絡くらいするでしょ普通!それを8年も音沙汰なしとかあり得ないよ!少佐といいスバルといい、扶桑人は変なとこで意地張って大事なこと言わないんだから!」

「こっちにだって色々あったんだよ!下手なことすると俺の身が危うくなるから慎重にならざるを得なかったんだよ。…というか、もうそのことは十分謝っただろうが。いい加減機嫌直せよな」

「うるさい!ともかく、スバルが全部悪いんだかんね!この平たい顔族!」

「なんだとこの平たい胸族!8年前からプロポーションが欠片も変わってねえじゃねーかお前よぉ?」

「…ッ!!?い、言ったな!たとえ本当のことでも、言っちゃいけないことをお前言ったな!?野郎ぶっ殺してやる!」

「やれるもんならやってみろ!」

 

 

「…なんですの、アレ?」

「ええと…痴話喧嘩?」

 ムキになって暴れるエーリカであったが、体格差もあって昴には軽々とあしらわれてしまい、終いには昴の伸ばした尻尾に服の襟を引っ掛けられて吊り下げられ、当たりもしないぐるぐるパンチで無意味な抵抗をすることしか出来なくなってしまった。

 

「…その、少佐」

「ああ…分かってる。状況はますます分からんが、あのまま放っておくわけにもいかんからな」

 何時にないテンションのエーリカに困惑の色を隠せないバルクホルンに促された坂本は、意を決して昴たちの元へと向かう。

 

「ハルトマンさーん、岩城さーん…!坂本さんたちを連れてきましたよぉー…!」

「ん…おお、意外と早かったな宮藤さん」

「ぐぎぎ…汚い、尻尾長いの汚いぃ~ッ!」

 猫の様に摘ままれたエーリカを下に降ろし、尚も地団太を踏む彼女を無視して昴は坂本たちの方を向く。

 

「…君が、岩城昴だな?宮藤から話は聞いている。私は扶桑皇国海軍所属、現在は501統合戦闘航空団の戦闘隊長をしている坂本美緒だ」

「はッ!ご丁寧にどうも。お噂はかねがねお聞きしています、坂本少佐。岩城昴です、『大空のサムライ』、『リバウの三羽烏』と名高い少佐と相まみえることができて光栄です」

「私のことを知っているのか…!?」

「ええ、ウィッチの皆さんのことは色々と。皆さんのこともある程度は存じております。…まあ、少佐に限って言えば出会うのは今回が初めてではないのですが」

「何?」

「…7年前の扶桑事変の時、確か少佐は舞鶴に居ましたよね?その時にちょっと…」

「…ッ!では、やはりあの時の凶星は君だったのか!?」

「はい。尤も、自分もあの時はネウロイを倒すのに必死でしたので、逃げるような形になってしまって申し訳ありません」

「いや…感謝するのはこちらの方だ。君のおかげで、我々の被害は軽微で済んだ。扶桑海軍を代表して、礼を言わせてもらう」

「いえそんな、とんでも……失礼、なんだエーリカその面は?」

 先ほどとは打って変わって懇切丁寧な口調で坂本と会話をする昴であったが、後ろでエーリカがものすごい顔をしてこちらを見ているのに気が付き、思わず話を打ち切ってしまう。

 

「いや、だって…その喋り方何?気持ち悪いんだけど…」

「バッカお前、坂本さんは少佐殿だぞ?軍人、しかも佐官階級の方と話す以上礼儀作法は当然のマナーだろうが。そもそも、宮藤さんと話すときも最初は敬語で話してたろうが」

「え~…じゃあなんで私にはいつも通りなんだよ?私だって中尉だよ?」

「お前に敬語を使うと鳥肌が立つからお前はノーカンで」

「なんだよソレ!?」

「…プッ、ハッハッハッハ!随分と仲が良いのだなお前たちは。とはいえ、岩城君。私にはそれほど気を使わなくても構わないぞ。私はもとより、ここにいる皆はそういうことに拘らないからな。ハルトマンと話すときのように、自然体で居てくれたほうが私としても話しやすい」

「そうそう!そもそもお前軍人じゃないんだろ?だったら変に気を使わなくたっていいって!」

「お前はもう少し気にしろリベリアン!」

「…なるほど、では自分のことも呼び捨てで結構ですよ。改めて…岩城昴だ。ウィッチの皆さんからは凶星と呼ばれている者だ。…ついでにこのエーリカの幼馴染でもある。一週間ちょいの付き合いだけどな」

「幼馴染…もしや、ハルトマンが以前言っていた子供の頃に死に別れた友達というのが…?」

「ああ、俺のことだろうな。俺は一応、8年前にカールスラントで死んだことになっているからな」

「8年前というと…8歳の頃ですか。よくご無事でしたわね」

「ああ…まあ、一緒にいた両親は助からなかったんだけどな。俺は運よく、ネウロイから逃げているときにこの力を手に入れて生き残ることが出来た。それからは、世界中を転々としながらネウロイを片っ端から倒して回ってたんだよ」

「あ…ご、ごめんなさい」

「ああ、気にしないでくれ。仇は討ったし、何時までも後ろ髪を引かれてちゃ親父とお袋に顔向け出来ないからな」

(…強い、人なんだなぁ。岩城さんって…)

 扶桑に居た頃、父の戦死を知ってから戦争もネウロイも嫌悪し、坂本からの誘いにも中々応えられなかった宮藤は、同じく親をネウロイに殺されても尚戦い続けることを選んだ昴の心の強さに感銘を受けていた。

 

「そのことなんだが…単刀直入に聞こう。君は、ウィッチなのか?」

「…ああ。俺は貴女方と同じように、使い魔を宿したことで魔法力を得た男の魔法使い…ウィザードって奴だ」

「男性の魔法力持ち…!かつて存在していたとは聞いたが、まさかこの目で見ることになるとはな…」

 バルクホルンの言うとおり、人類史の中には数々のウィッチと共に極稀に、男性でありながら魔法力を持った者たちが確認されている。有名な名前であればイスラエルの神王ソロモン、ブリテンの魔術師マーリン、名軍師にして道術士である太公望、扶桑ではかの大陰陽師安倍晴明もウィザードであったという逸話がある。…しかして、このような力のあるウィザードというのはウィッチの中にほんの一握りで現れるウィザードの中でも更にほんの一摘まみという割合で、現在でも何十年かに一度ウィザードの存在は確認されるが、その殆どが並以下の魔法力しか持ち合わせない為、戦力として名を上げることが出来たものはここ数百年では居なかったというのが現実である。

 

「あたしも初めてみたなぁ、ウィザードって奴。あたしが生まれる前にもリベリオンにウィザードが居たって聞いたことがあるけど、ウィッチより全然弱っちかったからマスコットみたいな扱いだったらしいぜ」

「まあ、俺の場合は使い魔がちょっと特殊だからな。俺の力が特別強いのはそいつのおかげだよ」

「使い魔?…そういえば、さっき出していた尻尾は見たこともないものでしたが、どんな使い魔なんですの?」

「それは…まあ、見てもらったほうが早いか」

 そう言って、昴が魔法力を発動させると、再び全身が銀色の甲殻で覆われ、長い尻尾と三又の翼が背中から生えてくる。そのウィッチとしては異様な姿に、初見の坂本たちはギョッとして身構えてしまう。

 

「な…なんだ、その姿は!?」

「翼…?だ、だが鳥の使い魔を持ったウィッチでも翼は耳の代わりに頭から生えてくる筈だ!耳が出てこない上に背中から翼が生えるなど、聞いたことがない…」

「体もなんか銀色になったし…こんな生き物みたことねえぞ?」

「そりゃあ、そうだろうな。俺の使い魔はもう現代には存在しないジャンルの生き物だからな」

「現代に存在しない…?」

 

「俺の使い魔は古龍…所謂『ドラゴン』だからな」

『…ど、ドラゴンッ!!?』

 昴の口から出たとんでもない存在の名前に、ウィッチたちは思わず大声をあげてしまう。

 

「ど、ドラゴンって…あれですよね?昔の絵とかに描いてある、長い身体で髭とか生えてる…」

「あー、そっちじゃない。俺の使い魔はそういう東洋風の龍じゃなくて、西洋の物語とかに出てくるオーソドックスなタイプのドラゴンに近いやつなんだよ」

「い、いや!しかし、そんな…ドラゴンの使い魔だなどと!信じられんぞ!」

「そうは言ってもここに実例が居るわけだし…」

「…ど、どんなドラゴンなんですか?岩城さんの使い魔って…」

「ああ。俺の使い魔のドラゴンは『バルファルク』っていう名前でな。こいつはドラゴンの中でも飛び切り変わった生態を持っていて、羽ばたく代わりにこの翼の先端から『龍気』っていうエネルギーを放出してジェット噴射で飛行するんだ。その能力のおかげで、俺はストライカー無しでも高速飛行が可能なんだよ」

「龍気って、お前が飛んでた時に出すあの光のこと?」

「そうだ。龍気は飛行のためのエネルギーだけでなく、攻撃にも転用できる。圧縮した龍気を砲弾の様に撃ったりな、さっきもやっただろ?」

「あ…はい…」

「…ドラゴンってだけでも驚きなのに、まだ人間でも研究段階のジェットエンジンを使って飛ぶドラゴンだなんてなぁ。それで、どれくらいのスピードが出るんだ?お前?」

「ん~…正確に測ったことは無いけど、普通に飛んで大体時速600kmくらい、最高速度は亜音速に到達するな。超音速飛行も出来るけど、オリジナルのバルファルクと違って俺が貯めておける龍気には限界があるから、そんなに長くは…」

「超音速だってぇ!?」

「うおッ!?」

 音速を超える、その言葉にスピード狂のシャーリーが喰いつくのは当然であった。

 

「お前、マッハを超えたことあんのか!?どんな感じだ?…ああ、やっぱ言わなくていい!私が自分で確かめたいからな!でもストライカー無しで音速超えるとか、お前の固有魔法って凄いな!」

「お、おう…あー、勘違いしてるみたいだから言っとくけど俺の飛行能力は固有魔法じゃないぞ。こいつはバルファルクを使い魔にした時のデフォルト…あくまで標準装備って奴だ」

「では、君の固有魔法は別にあるのか?」

「ああ。でも、訳あって緊急事態以外は使わないって決めてるんでな。済まないが内緒ということにさせて欲しい」

「…それにしても、随分と盛りに盛った性能ですのね貴方。そんなにお強いのなら、扶桑でもカールスラントでも生きていたことを伝えて正式に軍属になればエースにだって成れたんじゃありませんの?」

「…そうだったら良かったんだがな、今のご時勢…そういう訳にもいかないんじゃないか?坂本少佐」

「…だろうな。君には気の毒ではあるが」

「え?」

 軍属として経験の浅い宮藤やリーネは昴の言葉に首を傾げるが、従軍歴の長いバルクホルンやエーリカは坂本と同じように表情が曇る。

 

「どういうことですか、坂本さん?」

「…宮藤、岩城が『どういう存在』なのかを考えてみろ」

「どういうって…死んだ筈だったけど生きていて、男のウィッチで、ドラゴンを使い魔にしていて…」

「そうだ。人類史上稀なウィザード、しかも魔力に目覚めて間もない時点でネウロイを武装も無しに撃破し、その上ドラゴンというとんでもない使い魔を宿した存在…それが岩城だ。そんなものを、唯でさえ戦力不足な今の各国が純粋な戦力としてだけ扱うと思うか?」

「え…」

「まあまず、戦場に出す前にモルモット扱いにされるだろうね。今までもウィザードは発覚してから散々に調べつくされたらしいし、スバルぐらい強ければ猶更でしょ。それに、ドラゴンの力を使ってウィッチをパワーアップしよう!…だなんて下らないこと考える奴も出てくるだろうしね」

「一騎当千とはいえ希少価値の塊を戦場に投入するくらいなら、既存の戦力の強化のための道具に使う…軍の上層部ともなれば、そんな判断を下したとしても不思議ではないだろうな」

「…最悪、優秀なウィッチを生むための種馬にされる可能性も、捨てきれないだろう。そういう下衆な輩も少なからず存在するからな」

「そんな…酷過ぎます!」

「どうして、そんなことに…?」

「無論、人類を守るためだ。宮藤、覚えておけ。軍隊とは、国家と国民を守るためであればいかなる無法も許される時がある。そして我々軍人は、例えそれが間違った行為だとしても受け入れねばならないのだ。…お前も軍人となることを決めた以上、それは覚悟しておくことだ」

「…申し訳ございません、岩城さん。私、貴方の立場も考えず軽率なことを言ってしまいましたわ…」

「いや、別にそれは気にしてないんだが…」

 普段殆ど触れることのない世界情勢の闇の部分を知ってしまったことで陰鬱になりかけた空気を払しょくしようと、昴は咳払いをして明るい声で話を続ける。

 

「ゲッホン!…ともかく、俺はそういう面倒な思惑に関わりたくなかったから今まで素性を隠して飛び回ってたんだ。俺はただ自由にこの空を飛ぶのが好きだしな。ネウロイを倒すのも、俺の空にあんな無粋な輩は邪魔だっていうのが理由の一つでもあるからな」

「ふむ…だが、今こうして君は私たちとコンタクトをとることを選んだ。それは何か心境の変化でもあったのか?」

「そういう訳じゃないんだが…。元々いつまでもフリーで飛び続けられるとも思ってはなかったからな。いずれはどこかのウィッチと接触して、信頼できる人物を通して俺の存在を認めてもらおうとは思っていた。戦場を渡り歩いてネウロイを片っ端から潰して回ったのも、その実績を交渉材料にするつもりだったんだ。…そしたら今回たまたまエーリカと再会できて、しかもその上官があのミーナ中佐だと聞いてな、渡りに船ということでこうして貴女方に正体を明かすことにしたんだ」

「…?何故ミーナなんだ?」

「ある人から聞いてな、ミーナ中佐は色々とコネが多くて上層部とも渡り合える手腕を持っているから、何かあったら頼ってみろ…と言われたんだ」

「ほう…どこの誰かは分からんが、ミーナを随分と評価しているな。確かにミーナであれば、君の処遇について何かしら手があるかもしれんな」

「んじゃ、スバルはこのまま501まで連れて行けばいいのかな?」

「そうだな。どのみち、私の権限では君の処遇を決めることは出来ない。今回の件の報告も兼ねて、一緒に基地まで来てもらったほうがいいだろう。岩城もそれでいいか?」

「勿論です。よろしくお願いします」

 こうして、昴は坂本たちと共に501のブリタニア基地へと向かうこととなった。

 

「…ところで、あの船の人たちはどうしましょう?」

「心配するな。既にブリタニア海軍に連絡済だ。直に巡視船が引き取りに来るだろうから、引き渡しが済んだら私たちも出発しよう」

「…ならば、それまでに違法操業などというバカをやらかした挙句、我々の手を煩わせた連中に規律というものを叩き込んでおこうか…!」

「バルクホルン大尉、その…俺とエーリカで散々フルボッコにした後なのでお手柔らかに…」

「さて、生憎とネウロイとテロリストと規律を破るバカにかける情けは用意していないのだがな…?」

「うわぁ…トゥルーデの説教モードだぁ…」

「アハハハ!端から見る分にはワクワクするな!」

「普段はご自分が向けられる側ですものね」

「他人の不幸は蜜の味といいますけど、味を占め過ぎるとクマみたいに自分が珍味になっちゃいますよ?」

「り、リーネちゃん…?」

 

 その後、やってきたブリタニア海軍の船に漁船と身も心もボコボコにされた乗組員が連れられて行ったのを見送ったのち、昴は宮藤たちと共にブリタニア基地へと飛び去って行ったのだった。




 本文中に出てきた過去のウィザードの名前に関しては本作オリジナルの設定です。ただ歴史上優れた術師…Fateで言うところのグランドクラス並みの男性キャスター陣に関してはウィッチーズ世界でもウィザードだったんじゃないかと思ったので。

ではまた次回
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