発狂眼帯に転生!しかしそこはフォドラの大地だった……… 作:ナナシのG愛好家
「背教者の犬め!!死ねぇぇぇぇえええええ!!」
そんな怒声と共に、武器を失ったアッシュに、
しかし、そのその斧はアッシュの頭を砕くことは無かった。無造作に伸ばされた手が、副官の右腕を鷲掴みにしたのだ。
「何ッ!?」
「………背教者?」
ぽつり、と、アッシュが言葉を放った。しかし、その声はいつもの幼さの残るボーイソプラノから、幾分か下がっていた。
「貴方達は、」
ビキッ!!
愚者の証の力で、ブレーダットの怪力を得ているアッシュが力を込めれば、鎧に罅が入った。
「ば、馬鹿なッ、ウーツ鋼製だぞ?!!」
「ロナート様を利用し、」
ビキッ!!
ひびが鎧の籠手全体に広がる。
「その細腕に………。」
「聖廟でセイロス様達の安らぎを妨げて、」
バキャァ!!
と音がし、鎧が砕け散った。
「どこにそのような力がッ!!」
「聖なる日のお祭りを踏みにじって、それで………。」
ミシミシッ!!
更に副官の腕がそんな音を立てた。
「グッ!!」
「まだ聖職者を気取るのか!!貴方達は!!」
そう怒鳴りつけるとともに、ベキャ!!と、すさまじい音がしてアッシュは副官の腕をへし折った。
「ッぁぁぁああああああ!!」
腕を抑え悲鳴を上げる副官。
「ギルバート様!!」
一部の兵が向かおうとするが、アッシュの手に水で作られた槍が出現しそれを振り抜くと、彼らは吹き飛ばされた。
「この力は………?ぐっ!!」
しかし、その瞬間胸に、ちょうど愚者の証を付けている辺りに激痛が走り、彼は胸を抑えた。
「グッ………一体………何が………。」
「アッシュ、胸、痛みますか?」
「ぺトラ………さん………。」
膝をついてるアッシュを討ち取ろうとする敵から、逆手に持った剣を振るい彼を守るぺトラ。
「はい………これは、かなりきつい………です………。」
苦しそうに胸を押さえながらアッシュが言う。
「分かりました。ここ、私、食い、止めます。アッシュ、一度、退く、してください。」
「そう………言われても………。」
辺りを見れば、まだ無事な兵士たちがじりじりとにじり寄って来た。
「どこに逃げろと………。」
そう言った瞬間、ビャッ!!と凄まじい音がして、闇で形成された剣が飛んできて、無事だった兵士たちを次々とねじ伏せた。
「全く、情けない事ですね。」
そう言うのは闇の剣を従えるヒューベルトだ。敵がもう動かなくなっていることを確認し、まだ息の合った一人の兵士にナイフを投げて止めを刺すと、膝を突くアッシュに向けて、
「こうやって瀕死になられるのが一番やりづらい。貴殿を守りながら戦う者の負担を考えていただきたいですね。
こうやって足かせになるくらいなら、さっさと………いえ、やめておきましょうか。」
「う………すみま………せん。」
「その服に着けてるハンネマン先生の玩具が原因でしょう。さっさと外しなさい。」
「そ………それが………指が………震えて………。」
「チッ、しょうがない。とってやりますよ。これでいいでしょう。」
そう言うと、彼の胸からワッペン状のアイテム、愚者の証を取り外した。
「ハァッ、ハァッ、すみません。」
「いいのですよ。今はまだ仲間ですからね。それにしても先生の方は………なッ!!」
その際ヒューベルトが見たのは衝撃的な光景だった。
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ベレトは、魔導師から剣を奪い取った。それを見た
するとベレトが剣を振るった瞬間、その件に赤い光が灯った。そう、それは、英雄の遺産の適合反応。カトリーヌが『雷霆』を構えた時と、全く同じ反応が起こった。
竜の翼に酷似したつば、背骨の様な刀身、真中にぽっかりと空いた穴、刀身も柄も、全てがベージュ色の剣は、彼が持った途端、一度も振るった事のない剣が、いつも使っていた愛剣よりしっくりくる感じがしたのだ。
「………これは………まぁ良いか。」
そう呟くと、ベレトは今まで持っていた鉄の剣を捨て、これを構えた。
「ば、馬鹿な………しかし、貴様が汚れし血を持ちし者ならば………ここで消す!!」
そう叫び、五つの多重魔法陣を展開する。
「うけよ!!我が裁きを!!」
そう叫ぶと、正面から無数の闇の炎を纏った鎖が飛んできた。
「ディプトΑ、禁忌を持って、闇を払う!!大人しく種の身元へと召されるがいい!!」
そう言い放つが、ベレトはその瞬間、剣を蛇腹状に展開し、振るった。それは縦横無尽にうなり、燃え盛る鎖を一本残らず叩き落とした。何故だかは分からなかったが、ベレトにはそうなると分かっていた。
「何っ!?」
魔導師が驚くが、ベレトの攻撃はまだ終わらない。そのまま一回転して、剣を振り抜いた。しかし、魔導師はそれをギリギリで躱した。が、そのままベレトは剣を振り下ろし、魔導師を袈裟切りにして見せた。
「ば………馬鹿な………。」
魔導師はそう呟くと、倒れた。
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一方でエーデルガルトは、ピョンピョンと野性的な動きで壁や柱を蹴って飛び回り、彼女の死角を突こうとする黒鎧の男に、苦戦していた。
『なかなかいい動きだな。流石は皇女、といった所か。だが、終わりだッ!!』
そう言い、男は、剣をエーデルガルトの顔に突き刺そうとしたが、
「それで隙を付けたつもりならアンヴァルの伝統菓子より甘いわ!!」
そう言い、彼女も斧を振り抜いた。彼女の頬を剣がかすめたが、かすり傷程度にとどまった一方で、男は、仮面を破壊されていた。
「貴方もなかなかの手練れね、顔を拝ませてもらってもいいかしら?」
そう言い振り向くと、そこにあったのは、ダスカー人にも似た褐色の肌、彼女と同じ長い白髪を持つ、青年だった。しかし、それ以上に特徴的なのは、顔にある紋章だった。
「驚いたわ。まさか同年代だったなんてね。」
エーデルガルトはそう言った。
「そのわりには、驚いていないように見えるな。アドラステアの皇女。」
そう言う青年は、敵対心をむき出しにしている。
「あら?そんなこと言っていていいのかしら、一番の手練れの騎士は退いたみたいだけど。」
「………そのようだな。ここは、退かせてもらう。」
「させると思ってるのかしら?行かせないわ!!」
そう言い、斧を投げつけたが、当たる前に逃げられてしまった。
当たらなかったことに彼女はムスっとしながらも、斧を拾った。
「まぁ、茶番はこの程度で十分かしら。」
と呟いた。
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更に別の場所では、
「オラァ!!」
『くっ!!』
片手剣を持つ女の仮面騎士と、両手剣を持つシンが、剣と剣を激しく交えていた。
「教えろよ!!お前らは十年前、教会の五人の孤児を襲ったあのクソジジイの仲間か⁉あいつらをどこにやったんだよ!?答えろよ!!」
『ぐっ、お前なんかにいいぃぃぃぃぃぃいいいいい!!』
そう叫ぶ女騎士に、シンは呟いた。
「ムカつくんだよ。」
『何ッ!?』
問い返した女騎士をシンは睨み返した。
「お前の声が!!似てるんだよ!!あいつに!!守るって言ったあいつに!!ステラになぁ!!」
『ステ………ラ?』
その叫びに、彼女は問い返した。
そう、それは十年前、シンがステラと躱した約束である。泳ぐのが大好きだったアウルにつられて、ステラも泳ごうとしたのだが、実は彼女はカナヅチだったのだ。溺れてしまい、死にかけたせいか、その後彼女は、水を怖がるようになった。水だけではない。『死』そのものが怖くなったのである。それ以来明るかった彼女の性格は鳴りを潜め、内気であまり喋らない少女に、そして、死ぬと聞くと錯乱し、手が付けられなくなるほど暴れるようになった。ある日、ステラは湖のほとりで踊っていると、足を滑らせて水に落ちてしまったのだ。それにより、酷く錯乱してしまった。
「いやっ!!死ぬのいや!!怖いッ!!」
そう言って暴れる彼女を、アウルとシンが助けたのだが、ステラはじたばたと暴れ、アウル達も溺れかけた。その時シンは、ステラを抱きかかえ、
「大丈夫!!ステラ、君は死なない!!俺が君を守るから!!」
と言ったのだ。その後、何とか助けだし、浜辺で大の字になる彼らだったが、
「シン。」
「ん?」
ステラが真に声をかけて来たのだ。
「さっきの、守るって、約束………だからね。」
そう言って来たのだ。それに対しシンは付かれていたにもかかわらず飛び起きて、
「うん。わかってる。約束するよ。絶対に守る!!」
「うん。じゃぁ、ゆびきり、しよ?」
そう言って、彼女は指を差し出してきた。そしてシンも指を差し出し、お互いの小指を絡ませた。
「ゆ~びき~りげ~んま~ん、う~そつ~いた~らゆ~びつ~める♪ゆ~びきった。」
余談だが、幼い二人は指詰めの意味を知らない。意味を知らないままに恐い約束をして、微笑み合う彼らを、アウルがすねたような目で見ていたことも、余談だ。
まだ幼いころに躱した約束。しかし、シンの心は、ずっとそれに縛りつけられていた。
「お前に俺の気持ちが!!わかるのかよおおぉぉぉぉぉぉ!!」
そう叫び、全力で斬りつけた。
『ぐっ!!このッ!!』
その叫びに押されるように放った剣戟は、彼女の仮面をはぎ取った。
「さぁ、アンタの素顔を見せてもらうぜ!!………なッ!!」
しかし、威勢の良かったシンの表情は、驚愕に変わった。ふわりとした金髪、こちらを睨むすみれ色の目、アキラかに敵意を向けている彼女の表情には見覚えが無いし、別れてから十年もたっている。それでもなお、見間違えることのない顔。ステラ・ルーシェが、そこにいた。
「ステラッ!!悪い、抜けられた!!時間切れだ、逃げるぞ!!」
更に、彼女の隣にワープで現れたのは水色の鎧をまとった青年、その顔も、見覚えがあった。
「あ………、アウル?」
幼い日々を共にし、しょっちゅうバカ騒ぎをした親友、アウルだ。更に、緑色のアーマーを着た空飛ぶ騎士も現れる。
「じゃ、じゃぁお前………スティング?」
『あ?何でこいつ、俺の本名知ってんだ?』
「う、嘘………だろ………これは何の冗談だよ………なぁ………。」
しかし、次にアウルが言い放ったのは衝撃的な一言だった。
「はぁ、何だよ、つーか誰だよお前、気持ち悪ィな。」
「は?」
この一言は、少年の心をへし折るのには十分だった。
「おいステラ、ズラかるぞ。」
スティングはそう言うと、アウルがワープの魔法を展開して、彼らは去って行った。
「う、嘘だ。」
ぽつり、と、シンは呟いた。
「嘘だああぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!」
やがてそれは、絶叫へと変わった。大剣を取り落し、そう絶叫する、聖廟に、彼の声がこだました。
という訳でした。という訳で、多分バレバレだったステラの素顔です。救われるかどうかですが、作者はサディストです。そして、エーデルガルトの前に現れた王を自称する青年、アッシュに解放された力の謎とは………次回『66番目の紋章』
次回、またしても転生キャラ登場!!ヒントは、ヒューベルトの部下で、闇に生きる忍びです。キャラというより、機体の設定が多く組み込まれていますね。あ、ついでに言うとあの騒がしいゲルマン忍者ではないです。宇宙世紀からの登場になります。
次に登場するガンダムキャラは誰がいいでしょうか?この五人から選んでください。
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ニルス・ニールセン
-
アンジェロ・ザウパー
-
ヘルベルト・フォン・カスペン
-
リボンズ・アルマーク
-
ラウ・ル・クルーゼ