発狂眼帯に転生!しかしそこはフォドラの大地だった………   作:ナナシのG愛好家

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 随分とお待たせしました!!シルヴァン対マイクランです。


その気持ちは………………

 コナン塔、最上階、指令室。屋根が抜け、振り出した雨に体を濡らす四人の人影があった。

 天帝の剣を肩に担ぐようにして構えたベレトと、片手に一本ずつの槍を構え、一方を後方に、一方を方に構えるシルヴァン。

 その正面には、大盾を掲げる彼の兄、マイクランと、フードを被った、片手剣に盾の青年が佇んでいた。

 

「チッ!!何しにきやがった。紋章持ちの『お嬢様』がよぉ!!」

 

 憎々しげにそう吐き捨てるマイクラン。その手には、彼が盗み出したゴーティエ家の英雄の遺産、『破裂の槍』が握られている。

 その言葉に反応したのは、

 

「え?シルヴァンって女だったの!?」

 

 ベレトだった、衝撃!!と言う感じで口を大きく開けている。

 

「……………いや、何でその結論に至ったんですか……………。

 俺の普段の素行見ててオレが女ならびっくりですよね!?

 と言うか、ツレションしたことあんの忘れました!?」

「………そう言えば…………。」

 

 その言葉を真剣に考え込むベレト、それにシルヴァンは頭を抱える。

 

「そこを真剣に考え込まれても困るんですがね…………。おかげでシリアスが台無しじゃないですか。」

「首突っ込んで君じゃねぇよ!!」

 

 兄弟二人に怒られるベレト。解せぬ。と言う顔をしていた。

 

「と・に・か・く、破裂の槍、取り返しに来たんだよ。毎回尻拭いさせられる俺の気持ちにもなってくれ。」

 

 そう軌道修正するシルヴァン。厳密には今、彼はベレトの尻拭いをしていた。

 

「ハッ!!知った事かよ!!貴様さえいなけりゃ、お前さえいなけりゃあ!!」

「そのセリフは聞き飽きたぜ。そろそろ黙ってもらおうか、バカ兄貴!!」

 

 マイクランとシルヴァンは同時に走り出した。

 後ろからベレトも援護をしようと走り出すが、ビュッ!!と弓が飛んできた。

 

「ッ!!」

 

 とっさにその場で身をひねって回避する。見ると、フードの青年は武器を弓に切り替えていた。

 

「せえぇぇッ!!」

 

 『天帝の剣』を蛇腹形態に伸ばし、振るう。剣はさながら蛇の様に、地面ギリギリを張って先端が飛んで行く。しかし、

 

「ハッ!!」

 

 青年は武器を魔法空間から取り出した槍に切り替え、蛇腹剣を押さえつけた。

 

「くっ!!」

 

 蛇腹形態が通じないと分かると天帝の剣を引っ張り、通常の剣にして切りかかった。

 

「これはどうだ!!」

 

 しかし、その剣の一撃を、手元に召喚させた盾で防ぐ。そのまま片手剣で斬りつけて来た。

 二度、三度剣を打ち合わせ、鍔迫り合いに発展する。

 

「先生!!」

 

 シルヴァンの神経がベレトに向くが、

 

「構うな!!」

「ッ!!」

 

 ベレトはシルヴァンを怒鳴りつけた。

 

「こいつは強敵だ!!………くっ!!俺が………フッ!!倒す!!………だから、せっ!!お前は………兄と!!ハアァッ!!決着を付けろ。ぐおっ!!」

 

 激しく斬り結びながらも、生徒に声をかけるシルヴァン。

 

「分かりましたよ!!ッおっと!!」

 

 素早く突きだされた槍を躱すシルヴァン。

 

「よそ見をしてる余裕があるのか⁉」

 

 そのまま槍を勢いよく振り下ろしてくる。

 

「あぶねッ!!」

 

 とっさにシルヴァンは飛びのいた。次の瞬間、振り下ろした槍がパァン!!と爆発する。

 英雄の遺産『破裂の槍』。それは刃が物に触れた瞬間、任意で爆発を引き起こせる権能、『破裂』を持つ槍だ。

 ここにゴーティエの紋章が合わさることで、突き刺したものを起爆装置に変えることが出来るようになる。

 しかし、マイクランは紋章を持たないため、起爆能力は無い。『破裂』の権能は脅威だが、

 

「グッ!!」

 

 権能を使用したマイクランは腕に激痛を覚えた。

 

「クソッ、やっぱきちぃな。」

 

 そう呟くマイクラン。紋章を持たない彼が英雄の遺産を使えば、『拒絶反応』が発生してしまうのだ。

 

「兄貴!!」

「黙れ!!これは俺の物だぁ!!」

 

 しかし、シルヴァンの声を無視し、マイクランは彼に突進していく。

 

「昔からアンタはそうやって無茶ばっかだ!!そんなに当主の椅子が欲しいのかよ!!」

 

 そう怒鳴り、槍に回転を乗せ盾にぶつける。それをマイクランは耐え抜くが、さらにそこへもう一本の槍を打ち付けると、さすがの彼も怯んだ。

 

「テメェにはわからねぇよな!!持って生まれたものに!!持たざる者の気持ちなんざ!!」

 

 しかし、そこに繰り出された攻撃を槍で往なし、破裂の槍を振るう。

 

「そう言うアンタは、俺の気持ちが理解できるのかよ!!」

 

 そう言う彼の連続突きは、大盾に受け流された。

 

「ッ!!お嬢さんの気持ちなんざ、理解したくもねぇな!!」

 

 再び振り下ろされた槍を、シルヴァンは刃に触れないよう、三又に分かれた部分で持ち手の傍を抑えた。

 

「そうかよ、そんなんだから、アンタは…………。」

「うるせぇんだよ!!」

 

 しかし、抑えられた部分まで、マイクランは槍を引いた。

 刃と刃が触れ合う。

 

「しまっ…………!!」

 

 パァン!!

 響き渡るかわいた炸裂音。爆風に二本の槍はぽっきりと折れ、シルヴァンは吹き飛ばされた。

 もちろん至近距離での大爆発はマイクランも無事では済まない。鎧はダメージを受け、顔にも軽いやけどがある。

 

「ハァ………ハァ………ハァ………ウッ!!…………ガハッ!!」

 

 そして、口から血を吹き出すマイクラン。

 

「もう止めろ兄貴!!俺はあんたを…………」

「殺したくない、だぁ⁉よく言うぜ!!俺はお前を井戸に突き落としたことも、冬の雪山に置き去りにしたことも、

 猛獣に襲わせたことも、本気で殺しかけたこともあった!!なのにテメェは、そんな甘っちょろい事を吐くつもりかぁ!!」

 

 しかし、その声と共に放たれた槍を、シルヴァンは済んでのところで躱して見せた。

 

「ッ!!」

 

 そして、その槍を突かむ。

 

「返してもらうぜ!!兄貴!!」

 

 そして、それを思いっきり引いた。離すまいと握り締めたその槍はしかし、シルヴァンを選ぶかのように、彼の手をすり抜け、シルヴァンの手に収まる。

 彼はそれを投げ捨てた。あとには、カランカラン。と、槍が落ちるむなしい音だけが響いた。

 それを見たマイクランは、ギリッ!!と奥歯を噛み、恨めしそうに飛んで行った槍を見る。

 

「テメェまで…………テメェまで俺を見下すのか!!どいつもこいつも、俺に紋章が無いからって!!どいつもこいつも!!」

「兄貴…………!!」

「どうしてそうも俺はお前と比べられる!?俺が紋章を持っていれば、アイツらの見下す眼も変わるのか⁉あの槍があれば…………!!」

 

 そう呟き、槍への執着を見せながら壊れかけるマイクランに、彼は拳を握りしめ、肩を怒りに振るわせる。

 

「………………な。」

「ア?」

「…………けんな。」

「何だって?」

「ふざっけんじゃねえぇぇぇぇ!!!!!」

 

 そう大声で怒鳴りつけた。

 

「何が見下してるだ!!何が俺のせいだ!!紋章にコンプレックスを抱えて荒れたのも!!俺を殺しかけたのも!!アンタが落ちるところまで落ちたのも!!全部テメェで選んだことなんだよ!!

 マイクラン=ジョセ=ゴーティエその人が選んだんだよ!!アンタは逃げてるだけだ!!紋章からも!!俺からも!!人生からも!!

 認めろよ!!今の自分を認めろよ!!己の弱さを認めろよ!!向き合えよ!!逃げてないで!!アンタはもう子供じゃねぇんだ!!

 テメェの事はテメェでケジメつけやがれ!!いつまでも大の男が弟に尻拭いされて、恥ずかしくねぇのか!!この・・・・バカ兄貴!!」

「知ったような口をおおぉぉぉ!!」

 

 シルヴァンの怒号に激怒したマイクランは、盾をも捨て、拳を握って向かって行く。

 対するシルヴァンも、黒鎧に包まれた拳を固く握り、走り出す。

 

「シイィィルヴァアアァァァン!!」

「バカ兄貴イイイイィィィィィ!!」

 

 互いの怒号を乗せた拳が、交差した。




 次回コナン塔篇、堂々決着!!
【兄の心と歪な光】

次に登場するガンダムキャラは誰がいいでしょうか?この五人から選んでください。

  • ニルス・ニールセン
  • アンジェロ・ザウパー
  • ヘルベルト・フォン・カスペン
  • リボンズ・アルマーク
  • ラウ・ル・クルーゼ
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